#TBS#今日は何の日?#円谷一#昭和39年(1964年)の出来事#東京五輪#東芝日曜劇場#煙の王様
【今日は何の日?】10月11日=東京五輪で訪日した外国人用にTBSが英語字幕のドラマを放送(1964年) / 雑学ネタ帳
《画像はイメージです》
58年前の1964(昭和39)年。東京五輪観戦のために訪日した外国人に日本の姿を紹介するという目的で、TBSが午後9時から英語字幕によるドラマを放送しました。
開会式の翌日。各テレビ局が、①NHK、④日本テレビ、⑧フジテレビ、⑩NETテレビ(現・テレビ朝日)と駒沢体育館からのレスリング(フリースタイル)中継を放送する中、TBSだけはドラマを放送。しかも訪日外国人に日本の文化、生活を紹介するという意味で、日曜夜9時からの東芝日曜劇場にて好評だった回を選出し、それに英語字幕をつけて放送することになりました。
候補に挙げられたのは松本幸四郎さんと山本富士子さんが主演の『明治の女』、日本とスペインの合作である『カルテロ・カルロス 日本へ飛ぶ』、そして2年前(62年)に放送され、第17回文部省芸術祭賞、第2回日本テレフィルム技術賞を受賞した『煙の王様』の3本でした。
いずれも再放送。ところが『明治の女』は再放送とはいえ、主演の2人に払う出演料が高額であり、『カルテロ・カルロス~』は、もともとスペイン撮影シーンに日本語字幕が付けられており、これに英語字幕をつけると、小さい画面に字幕が二重に映されてしまうという難点が発覚。極めて消去法に近い感じで、『煙の王様』に決定しました。
神奈川県川崎市の工場街を舞台とした『煙の王様』はオールフィルム作品。演出は特撮の神様として知られる円谷英二さんの長男にして、のちに数多くのウルトラシリーズの監督を務め、現在も歌い継がれるウルトラマンやウルトラセブンの主題歌を作詞(※東京一名義)したことでも知られる円谷一さん(当時はTBSディレクター)が担当しています。音楽はのちにプレイガールや初代のルパン三世の音楽を担当する山下毅雄さんが担当し、印象的な口笛も自ら演奏しています。
TBSでは放送に先駆けて、AP通信社の外国人記者を招いて試写会を行ったところ、「飾り立ててオリンピック一色となった日本にいる外人にとって、こうした日本人の日常生活のひとつをとり上げたものを見せるのは有意義だ」という声が強く、あらためて正式決定に至ったのだそうです。
参照 : 昭和39年10月2日付の読売新聞朝刊
文 / 高木圭介
SNSシェア
介護のみらいラボ編集部コメント
高齢者や同僚との話題が浮かばないときにすぐ使える、ウケる、会話が自然と広がる、雑学ネタや豆知識が盛りだくさん!コミュニケーションの活性化にお役立てください。