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【今日は何の日?】9月16日=日本伝統の「曲尺」「鯨尺」が復権(1977年)/ 雑学ネタ帳

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46年前の1977(昭和52)年。日本伝統の長さの単位「曲尺(かねじゃく=写真)」と「鯨尺(くじらじゃく)」の復権を認めるかどうかを検討してきた通産大臣の諮問機関「計量行政審議会」(玉置敬三会長)は、この日の午後、9回目となる専門部会を開き、曲尺と鯨尺の物差し類の製造を認めるとの最終結論をまとめました。
今からすると、何のこっちゃ? となるような話ですが、長さや重さ、容量などの単位が、現行のメートル法に一元化されたのは59(昭和34)年1月のこと。日本国内において、まだ64年の歴史しかないのです。
それ以降、メートル法以外の長さの単位は「取引上、又は証明上の計量に用いてはならない」(同法十条一項)となり、尺貫法は建築設計図にも使えず、同時に曲尺、鯨尺も製造販売が認められないこととなったのです。
信じられないことですが、この法律に違反した場合は「3年以下の懲役、もしくは20万円以下の罰金」という厳しさ。かくして尺貫法は58(昭和33)年12月をもって、公式の場から追放されました。
ところが、長い歴史と伝統を持つ尺貫法だけに支持し続ける人は多かったのです。お年寄りの和裁では鯨尺、神社仏閣などを手掛ける宮大工や一般の大工さんの間では、こっそりと曲尺が使用され続けていたのでした。
昭和40年代の初頭までには、曲尺や鯨尺の販売業者がかなり摘発され、新しいモノは入手困難となっていました。そのため暴力団の資金稼ぎとして闇ルートで曲尺や鯨尺が販売されていたなんてこともあったそうです。
大工さんの組合・全建総連が「日本の建物は尺が基本。曲尺でなくちゃ」と訴え続け、これに呼応したタレントで作家の永六輔さんも「使いたい人、なければ困る人がいるのに、法で禁止するのは無茶な話」と各メディアで訴え、旧来の尺貫法とメートル法の併用をアピールし続けていたのです。
晴れて18年ぶりに、メートル法表示つきながらも、尺、寸、分が目安となる「差し金」などが、道具箱の中に堂々と復活することになったのでした。
参照 : 昭和52年9月17日付の毎日新聞朝刊
文 / 高木圭介
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介護のみらいラボ編集部コメント
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