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【今日は何の日?】12月22日=映画『燃えよドラゴン』が日本公開される(1973年)/ 雑学ネタ帳
《画像はイメージです》
ちょうど半世紀前の1973(昭和48)年。のちに全世界のエンタメ作品、格闘技界にも多大な影響を与えるブルース・リー主演の映画『燃えよドラゴン』が日本公開されました。
主演のブルース・リーは5か月前の7月20日に32歳の若さで急死。主演俳優がすでに、この世にいない中での公開となりました。
当時の新聞広告のコピーには「必殺!飛燕の空手が唸り気合が走る!全世界が湧いた物凄さ!面白さ!74年最高の猛烈アクション 遂に上陸」とあり、ついでに「人間技か?! 神技か?! 無敵の<空手>がある限り――。太平洋に浮かぶ巨大な悪の要塞島に敢然と挑み――そして勝つ!」と、ほぼストーリーも明記されていたりもします。
当時の日本国内で、ブルース・リーは無名の存在だったため、大々的なコピーのどこにも主演俳優の名前は記されておらず、キャストの箇所に小さく記されているのみ。さらに日本では馴染みの薄かった「カンフー」「香港映画」の単語も見当たりません。あくまで米国発の空手映画として公開されたのでした。
著名人の推薦文も、この頃に『空手バカ一代』が大ヒット中だった劇画作家の梶原一騎さんが「波乱万丈の『007』をしのぎ、豪華ケンランにして迫力満点、お正月映画そのものの娯楽大作なりと保証できる」と寄せています。
公開後には大反響を起こすことになりますが、その時すでにブルース・リーはこの世になく、数々の模倣作品が生まれつつ、日本にもカンフー映画ブームが起きることとなります。
冒頭の格闘シーンでブルース・リーが着用しているオープン・フィンガー・グローブは、現在の総合格闘技(MMA)で使用されている物の原型となり、翌74年に誕生し、現在も歌い継がれているプロ野球・中日ドラゴンズの応援歌『燃えよドラゴンズ!』(作詞作曲・山本正之)のタイトルも、この映画のパロディです。
80年代の香港映画を牽引することになる若き日のジャッキー・チェンやサモ・ハン・キンポー、ユン・ピョウらもその他大勢の端役として出演しており、とくにジャッキーはブルース・リーに棒で殴られたり、首の骨を折られたりと散々な目に...。ユン・ピョウは悪の手下、サモ・ハン・キンポーは冒頭の格闘トーナメントでブルース・リーと対戦しています。
異色なのは悪の要塞島における宴会シーンで、八角形の土俵にて相撲の所作を披露しているスモウレスラーは、当時『笑点』(日本テレビ)の座布団運びとしておなじみ、毎週「手を上げて、横断歩道を渡りましょう」と交通安全を訴えていた松崎真さんが演じています。
ブルース・リーのアクション、あまりに有名なラロ・シフリンによる音楽以外にも、何度観ても新たな発見がある名作と言えるでしょう。
参照 : 昭和48年12月の各紙新聞広告
文 / 高木圭介
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