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【今日は何の日?】3月12日=死刑囚の作品が新人文学賞の最終候補に(1963年)/ 雑学ネタ帳
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61年前の1963(昭和38)年。講談社の文芸誌『群像』(当時、大久保房男編集長)主宰の第6回新人文学賞の最終選考会が東京・銀座の料亭「出井」にて行われました。
選考委員は伊藤整さん、中村光夫さん、平野謙さん、大岡昇平さん。小説部門の最終入選作品には、10年前(53年)に新橋のバーにて証券ブローカの男性(40歳)が撲殺された「バー・メッカ殺人事件」の主犯として死刑が宣告されていた正田昭死刑囚(当時33歳)が獄中で綴った『サハラの水』がありました。
群像編集部が新人賞の募集要項を発表したのは同誌の前年5月号。獄中でこのことを知った正田死刑囚から秋ごろに編集部あてに手紙が届き、「私のようなものでも応募できるか?」といった問い合わせが記されていたそうです。
その後、間もなく400字詰め原稿用紙約100枚に綴られた一編の小説「サハラの水」が郵送されてきたのです。その内容はサハラの資源調査に派遣されたイギリス人、フランス人、日本人、そして現地人の4人が、車の燃料欠乏のため死に直面し、極限状態に置かれた4人が、それぞれ人間の考え方を追及していくといったものでした。
最終選考の結果、小説部門の新人賞は広島在住の文沢隆一さん(当時34歳)による『重い車』に決定。正田死刑囚は6年後(69年)の12月、東京拘置所にて死刑執行されました。享年40。
参照 : 昭和38年3月13日付の読売新聞朝刊
文 / 高木圭介
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