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ニュース 今日は何の日?雑学 2024/04/29

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【今日は何の日?】4月29日=坂本九のヒット曲が1日限定で自粛?(1961年)/ 雑学ネタ帳

04月29日(悲しき六十才).jpg

 《画像はイメージです》

介護のみらいラボ編集部コメント

高齢者や同僚との話題が浮かばないときにすぐ使える、ウケる、会話が自然と広がる、雑学ネタや豆知識が盛りだくさん!コミュニケーションの活性化にお役立てください。

63年前の1961(昭和36)年。前年(60年)8月にレコードが発売され、依然としてヒット中だった坂本九さん(以下、九ちゃん)が歌う『悲しき六十才』がこの日のみの限定でラジオやテレビで流すことを自粛するという動きがありました。

この曲は中東の民謡に青島幸男さんが訳詞をつけたもの。遠い昔のトルコのお話で、純情可憐な優しい男・ムスターファが身分の違う奴隷の娘に恋をしてしまい、なんとかしようと一念発起。やがてトルコで一の大金持ちとなったムスターファは彼女に逢いに行くも、その時はすでに60歳となっていた......という寓話めいたコミックソングでした。

この曲は、九ちゃんがダニー飯田とパラダイス・キングのボーカルを務めていた頃に発売され、売れっ子となった九ちゃんがソロになった以降もヒットし続けており、4月5日からは九ちゃん主演のほぼ同名映画『悲しき60才』(大映)が公開されたばかりでした。

さて。何が問題となり、自粛ムードに至ったかといいますと、この年の4月29日は昭和天皇の60歳の誕生日だったのです。民放連レコード部会から、国の象徴である天皇の還暦を祝う日に「悲しき六十才」なんてタイトルの曲が、ラジオやテレビからジャンジャン流されては体裁が悪い......という理由です。空気を読んだというべきか、最近流行した「忖度(そんたく)」に該当するものなのか?は判断の難しいところです。

もちろん、正式な申し合わせではなく、「各社の判断で...」といったことに落ち着きましたが、若いプロデューサーなどからは「取り越し苦労だ」「歌詞となんの関係もない」と反発も込めた異論もあがっており、各放送局で喧々諤々だったそうです。

 参照 : 昭和36年4月26日付の毎日新聞

文 / 高木圭介

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高木圭介(Keisuke Takagi)

フリーライター

1969年、神奈川県川崎市出身。学生時代はレスリング選手として活躍。93年に東京スポーツ新聞社に入社しプロレスや格闘技を中心に取材。社会、レジャー担当記者、デスクを経て2014年9月に退社。現在はフリーライター兼コラムニストとして活動中。主な著書は『ラテ欄で見る昭和』(マイウェイ出版)、『新日本プロレス50年物語 第2巻 平成繁栄期編』(ベースボール・マガジン社)など。

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