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【今日は何の日?】3月29日=レスリング・吉田選手の紛失した金メダルが戻る(1965年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
ちょうと60年前の1965(昭和40)年。前年(64年)秋の東京オリンピック、レスリングのフリースタイル・フライ級(52kg級=現在は廃止)金メダリスト・吉田義勝選手(当時23歳=日本大学)が、3月25日に東京・両国の日大講堂にて行われた卒業式に向かう途中、千葉発中野行きの国鉄総武線車内の網棚に置き忘れてしまった金メダルが、4日後のこの日になって戻ってきました。
栄光の証である金メダルを紛失してしまった吉田選手は当然ながら意気消沈。日本レスリング協会の八田一朗会長(当時58歳)からは、当時のレスリング界で大事な試合に負けるなどの罰として"下の毛"を剃るという裏伝統にのっとり「剃るぞ!」と叱られ、毎日ビクビクして過ごしていたとか。
この日は卒業後の就職先である明治乳業の新入社員講習を受講中。その最中、会社宛てに男の声で「金メダルのことで話したい」と電話があったのです。
吉田選手は「講習会が終わるまで待ってほしい。午後6時に東京駅八重洲口待合室で会おう」とだけ言い、電話を切りました。
そして午後6時、言葉通りに東京駅に向かうと、赤いオープンシャツに背広姿の30歳前後の男が、知人同伴で姿を現し、金メダルを吉田選手に手渡したのでした。男は「新聞に書き立てられて、2、3回持て余したが、知人と相談して返すことにした。名前は聞かないでほしい」とだけ言い、そのまま姿を消したのでした。
金メダルが返ってきたことで大喜びの吉田選手は「無事に返って、こんなに嬉しいことはない。メダルを返された時、嬉しさのあまり、名前を聞かないでくれという話に、つい相槌を打ってしまったが......。もとはといえば網棚に忘れた私の不注意ですから」と感無量。
さっそく岸記念体育館(東京・渋谷区)にて八田会長に金メダルが戻ってきたことを頭をかきつつ報告。八田会長からは笑顔で頭を撫でられ、どうやら"剃らず"に済んだ模様です。
23年後の88(昭和63)年10月、吉田選手の日大レスリング部の後輩にあたる小林孝至選手(当時25歳)が、ソウル五輪(88年)で獲得した金メダル(フリー48kg級)を電話ボックスに置き忘れて紛失するという出来事が日本中を騒がすことに...。「金メダル獲得 ⇒ 置き忘れる」は日大レスリング部の伝統なのでしょうか?
参照 : 昭和40年3月30日付の朝日新聞朝刊
文 / 高木圭介
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