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【今日は何の日?】4月5日=柳家金語楼がテレビの夜桜中継で災難・上野(1958年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
67年前の1958(昭和33)年。夜9時40分からNHKテレビで放送の人気番組『こんにゃく談義』はこの日、夜桜見物で賑わう東京・上野の東照宮にTVカメラを持ち込み実況中継。ところが酔っぱらいと見物人に荒らされ、生中継中に出演者の一人である柳家金語楼さん(当時57歳)が酔っぱらいに頭を殴られるという災難に見舞われました。
この夜、上野東照宮の庭は放送開始前から大変な人だかり。ロープで見物人を整理したうえで、番組レギュラーの徳川夢声さん(当時63歳)と金語楼さんが、ゲストの女優・三益愛子さん(当時47歳)を囲み、桜談義を行うという趣向でした。
ところが人気者見たさに見物客がどんどん押し寄せ、やがて整理のためのロープは引きちぎられ、酔っぱらいがカメラの前に飛び出し、金語楼さんに「顔を見せろ!」と怒鳴ったうえに、金語楼さんの頭をピシャリ!
さらには三益さんにすり寄る者、和服姿の夢声さんの袖を引っ張る者などが続出。その間、テレビの音声は叫び声や笑い声の大騒ぎにかき消され、まるで聞き取れない状況。「必死の思いで、さりげなく装って~」(夢声さん談)と放送は続けられましたが、テレビ画面は酔っぱらいによる無法地帯のリアルな生中継に...。
しまいにはライトまで倒されてしまいましたが、なんとか予定の1~2分前まで放送を継続させつつつ、ようやくお開きに。夢声さんはこの騒ぎの最中、53(昭和28)年に米ニューヨークで買って以来、愛用してきたオメガ製の腕時計(時価2万円)を紛失してしまいました。
なにもかもが手さぐりであるテレビ放送黎明期のこととはいえ、出演者にとっては恐怖の時間だったことでしょう。現在ならば完全に「放送事故」扱いとなります。
恐怖の体験に三益さんは「恐いが人気商売のこととて声も立てられず...。(これは)NHKの手落ち。もう少し慎重に計画してほしい」と怒りを露わにしていたとか。
この夜、上野の山の人出はざっと7万人。にもかかわらず整理のため警視庁上野署から派遣されていた警察官はたったの5人。この夜だけでケンカ騒ぎも20件ほど発生しており、上野署では、そのために警備の手が回らなかったと弁解していたそうです。
参照 : 昭和33年4月6日付の毎日新聞朝刊
文 / 高木圭介
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介護のみらいラボ編集部コメント
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