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仕事・スキル 介護施設・職場 2023/04/17

#認知症

子どもから高齢者まで3世代が集結する憩いの場|認知症カフェ「ぽかぽかの森アンキカフェ」の魅力

取材・文/タケウチ ノゾミ(イージーゴー) thumbnail.jpg

「ぽかぽかの森アンキカフェ」は、愛知県豊橋市にある認知症カフェです。認知症の当事者やその家族だけでなく、子どもから高齢者まで、誰もが気軽に利用できるお店として地域の人々に親しまれています。カフェを作ることになったきっかけや、カフェの魅力について、NPO法人「ぽかぽかの森」の近藤裕美氏に話を聞いてみました。

1.カフェの概要

――まずは、ぽかぽかの森アンキカフェの施設紹介をお願いいたします。

2021年6月27日にオープンした認知症カフェです。アンキカフェの「アンキ」とは、三河弁で「ホッとする」という意味を持ち、多くの方がくつろげる憩いの場であって欲しいとの願いが込められています。

「認知症カフェ」というと、認知症の当事者や、そのご家族しか行けない場所といったイメージがあるかもしれません。しかし当店ではお客様を限定することはなく、認知症の当事者の方やご家族以外にも、地域の方々を中心に広く受け入れています。

現代社会では、高齢者と若い世代が接点を持つ機会は非常に少ないですよね。そこで、3世代が集まって過ごすことができ、困った際はお互いに支えられる場所を作りたいとの思いからカフェを運営しています。認知症と関わりのない方々にも、広く利用される場所になって欲しいとの思いが強いです。

2.認知症カフェを作ることになったきっかけ

――アンキカフェを作ろうと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

当法人の理事長・杉野のお父さんが、事故で大怪我をしたことがきっかけでした。お父さんは健康で元気な方でしたが、ある日仕事中に重機の下敷きになり、車イス生活を余儀なくされました。同時期にお母さんも手を怪我してしまい、お2人ともふさぎ込んでしまう日々が続きます。さらに、コロナ禍の真っただ中であったため、外出や地域の人々との交流も制限される状況にありました。

杉野は落ち込んでいるご両親を見て、気分転換になる場所を探したところ、高齢者が集まれる場所がなかなか見つからないと感じたそうです。「もっと気軽に、もっとゆるく集まれる場所があってもいいのではないか」と考えていたある日のこと、ご両親の介護をきっかけにホームヘルパーの勉強をしていた杉野は、教材の中で「認知症カフェ」にて、お年寄りが集まってにこやかにお茶を飲んでいる写真を見つけました。

認知症カフェについてそのとき初めて知った杉野は、「私のやりたかったことはこれだ!」と気付き、早速カフェを始めることに。そして実家の部屋の一室をリノベーションして、そこを「認知症カフェ・ぽかぽかの森アンキカフェ」としてオープンさせたそうです。



3.お客様の傾向

――お客様はどのような方が多いのでしょうか。

年齢層は、高齢者がだいたい全体の2割程度。20代から60代くらいの方が6割。子どもが2割といった感じです。「認知症カフェ」という名前とは反して、意外と若い方が多いなと思われるかもしれません。もちろん高齢者の方のなかには、ご家族に付き添われた認知症の方もたくさんいらっしゃいます。なかには、「今日はデイサービスに行きたくないそうなので、カフェに来ました」と言われる方も。デイサービス以外の選択肢としてカフェをご活用いただけるのは、とてもうれしいですね。

若い世代の方ですと、当店のInstagramを見て来店される方もいます。ただそういった方は認知症カフェだと知らずに来店されることも多いので、「ここは認知症カフェなんですよ」と言うと、驚かれることも。ほかには、自分のスキルを活用したいと思われている方もたくさんいらっしゃいます。たとえばハンドマッサージやメイクが得意な方、就活セミナーやお金に関する講座を開催したい方など、色々なスキルを持つ方がどんどん集まってきています。「ワンコイン祭り」といって、1回500円でマッサージやネイルなどを体験できるイベントを開催することもあるんですよ。現役世代のお客様は、「誰かのためになることに取り組みたい」と感じている方が多い傾向にありますね。

4.お店での過ごし方

――若い世代の方が多いのは驚きです。お客様はどのように過ごされていることが多いですか。

一人でお茶を飲んでいる方もいれば、周囲の人とおしゃべりを楽しんでいる方もいて、それぞれ思い思いに過ごされています。理事長のお母さんはお話上手なので、初めて来たお客様に積極的に話しかけていることもありますね。個人的にすごく素敵だなと思うことは、店内に「失敗しても大丈夫」という空気が流れていることです。たとえばジュースをこぼしてしまった人がいても、お客様が協力して拭いてくれます。

またお手洗いが間に合わなくて粗相をしてしまった方がいても、「大丈夫。しょうがないよね」という雰囲気のなかで、みんなが受け入れてくれるのです。一般的な飲食店であれば難しいことだと思いますが、当店ではどんな失敗をしても、誰もが受け入れてくれるんです。このゆったりとした空間が魅力だと思いますね。



5.カフェを訪れるメリット

――近藤さんにとって、アンキカフェを訪れるメリットは何だと思われますか。

やはり、人と人とのつながりが生まれることではないかと思います。さまざまなSNSが発達している現代、人とつながることはそれ程難しいことではありません。ですが実際に会って話をする方がつながりが深まりますし、さまざまな気付きが大きいとコロナ禍で実感しました。実際に当店を訪れる方は、そういったつながりを求めて来店される方も多いですね。

たとえば当店のお客様で、高齢者施設でネイルを施して高齢者を元気にする「福祉ネイル」をおこなっている方がいらっしゃいます。しかし新型コロナウイルスの流行により、なかなか高齢者施設に足を運べなかったそうです。そこで当店で福祉ネイルの活動をしてもらったところ、「もっと気軽にやっていっていいんだ」と仰っていました。この方のように、当店が何かに取り組むきっかけや、認知症カフェの枠を超えた交流の場になって欲しいと考えています。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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