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仕事・スキル 介護資格 2023/05/09

児童発達支援で働くためには資格が必要?人員配置とおすすめの資格

構成・文/介護のみらいラボ編集部 監修/渡辺有紀 thumbnail.jpg

福祉・介護の分野に興味がある方や、介護職として活躍している方のなかには、障害のある子どもたちと関わる「児童発達支援」の現場で働きたいと考えている方が、多くいらっしゃいます。

そして、そうした方たちからよく聞かれるのが、「児童発達支援を行う職場で働くためには、どのような資格を取得する必要があるのか?」という声です。

当記事では、児童発達支援の概要や種類、児童発達支援の仕事に携わるために必要な資格について解説します。必要資格に加えて、児童発達支援の仕事で生かせるその他の資格についても紹介しますので、しっかり確認した上で、障害児をサポートする職場への就職・転職を目指しましょう。

1.そもそも児童発達支援とは?

児童発達支援とは、小学校入学前の障害のある子どもたちを対象とした、児童福祉法に基づく通所支援の一つです。児童発達支援センターなどの施設に通い、日常生活動作の習得、集団生活への適応訓練等を受けることができます。児童発達支援の対象となる子どもが持つ障害の種類は多岐にわたり、身体の障害だけでなく、知的障害や発達障害も含まれます。また、自治体によっては、診断はなくても療育の必要性が認められた子どもも対象となります。

児童発達支援を行う施設では、対象となる子どもの障害の度合いや発達段階、特性、個性を考慮した個別支援計画を作成し、その計画にもとづいたケアを行います。そのため児童発達支援に携わる職員は、日常生活の動作やコミュニケーションのトレーニングなど、それぞれの子どもに合った関わり方が求められることになります。

児童発達支援に従事する職員が担う業務は、サービスや施設を利用する子どもたちのケアだけではありません。個別支援計画や支援記録の作成をはじめ、保護者への対応・支援、障害児が通う保育園・幼稚園での相談支援業務なども職務の一部です。児童発達支援は、障害児の支援とともに、「家族支援」や「地域支援」を総合的に提供する仕事であることを押さえておきましょう。

(出典:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」

児童発達支援の種類

児童発達支援を行う施設(児童福祉施設)は、「児童発達支援センター」と「児童発達支援事業」の2つに大別できます。

児童発達支援センター
児童発達支援に関する専門性を持ち、地域で生活している障害のある子どもやその家族への支援、障害児が通園する保育園や幼稚園への支援・助言を担う中核的な支援機関です。

児童発達支援センターは、福祉サービスを提供する「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療も行う「医療型」に分類できます。なお、放課後等デイサービスを併設する施設では、小学校入学後も継続して利用できるケースが少なくありません。

児童発達支援事業
小学校入学前の障害のある子どもが、日常生活の動作や知識・スキルを身に付けて、集団生活に適応できるようにサポートするための通所施設です。施設に通う子どもたちのケアと家族支援も行います。療育を受けられる場として通所しやすいよう地域に数多く存在します。

2.児童発達支援で働くために資格は必要?

児童発達支援で働くために必須となる資格はありません。ただし、施設によっては資格保有者の人員配置基準が設けられていることに留意しましょう。

■児童発達支援の人員配置基準

児童発達支援センター 児童発達支援事業所
・医師(嘱託医)
・児童発達支援管理責任者
・児童指導員
・保育士

※機能訓練を行う場合
・機能訓練担当職員

※重症心身障害のある子どもに対して児童発達支援を行う場合
・看護師
・機能訓練担当職員
・児童発達支援管理責任者
・指導員または保育士

※機能訓練を行う場合
・機能訓練担当職員

※重症心身障害のある子どもに対して児童発達支援を行う場合
・児童指導員
・医師(嘱託医)
・看護師
・機能訓練担当職員

(出典:厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」

配置基準を満たす資格を取得している場合、就職・転職の際に有利に働く可能性があります。

一方で、児童発達支援の求人には、配置基準を満たす資格の有無を問わない求人や、資格取得支援制度がある求人も少なくありません。また、介護施設からの転職者も多く活躍するなど、介護系の資格取得者が専門知識やキャリアを生かせる場面も多いため、必要資格がない場合でも、自分に合った職場を探すことができるしょう。

3.児童発達支援で生かせる資格

前述したように、児童発達支援の求人には「無資格可」のものも多くありますし、児童発達支援事業所の「指導員」に資格は必要ありません。しかし、児童発達支援の業務に生かせる資格を取得すれば、採用選考で有利となる場合があるほか、仕事に関する理解も一層深まるでしょう。

ここでは、児童発達支援の配置基準に含まれる資格や、業務に役立てられる資格について紹介します。それぞれの資格の概要や取得方法、児童発達支援での生かし方を確認し、自分に合った資格の取得を検討してみましょう。

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者(児発管)とは、障害がある子どもの療育・保育に関する専門職であり、児童発達支援施設において1名以上の配置が義務付けられている資格職です。個別支援計画書作成や面談などを通じて、利用する子どもや家族をサポートするほか、職員やスタッフへの指導・アドバイスを行うリーダー的業務も担います。

児童発達支援管理責任者の資格を取得するためには、実務経験および児童発達支援管理責任者研修の受講が必要となります。実務経験の要件は非常に複雑で、「5年以上の相談支援業務の経験があること」や「8年以上の直接支援業務の経験があること」「指定の国家資格を持ち、実務経験を満たしていること」のいずれかに該当する必要がある点を押さえておきましょう。

児童指導員任用資格

児童指導員は、支援対象である児童に対し、個別支援計画にもとづいて日常生活の動作やコミュニケーションの支援、学習の手助けなどを行う職種です。利用する子どもたちの支援記録の作成や家族からの相談への対応および心のケア、送迎の実施なども行います。

児童支援員になるには、任用資格(その仕事に就くために必要な資格や学歴、実務経験)が必要なため、下記に示した資格要件のいずれかを満たさなくてはなりません。

■児童指導員任用資格を得るために満たすべき要件

・大学や大学院、養成施設において指定の専門課程(社会福祉学・心理学・教育学・社会学)を修了している
・「教員免許(幼・小・中・高)」「社会福祉士」「精神保健福祉士」のうち、いずれかの資格の保有者である
・児童福祉法にもとづく事業所で、一定期間児童福祉事業に従事するなどの実務経験がある


なお、「児童指導員」という名称の資格があるわけではないことには注意が必要です。

保育士

保育士は、保育に関する専門的な知識・スキルを持つことを証明する国家資格です。未就学児との関わり方や障害児保育を学べる資格であり、児童発達支援施設の配置基準を満たす資格でもあるため、資格保有者は就職活動・転職活動において大いにアピールできるでしょう。

保育士資格を取得する方法としては、「指定の保育士養成施設を卒業する」「国家試験である保育士試験に合格する」などが挙げられます。ただし、高卒の方が保育士試験を受験する場合には、児童福祉施設における2年以上の実務経験が必要となる点に留意しましょう。

児童発達支援士

児童発達支援士は、発達障害がある子どもの能力を引き出し、自立に導くための支援を行う知識・スキルを有していることを証明する民間資格です。発達障害に関する知識だけでなく、アプローチの仕方も学べるため、児童発達支援の現場で十分に知識・スキルが生かせるでしょう。

児童発達支援士資格を取得するためには、児童発達支援士講座で「発達障害に関する専門知識・療育」や「子どもの能力を引き出すアプローチ」などを学んだ上で、オンラインでの試験に合格する必要があります。受講要件は特に設けられておらず、365日24時間受講・受験が可能なため、働きながらでも資格取得を目指せるでしょう。

発達障害児支援士

発達障害児支援士は、発達障害児支援に関する専門性を高めるための民間資格です。児童発達支援士資格よりもやや上級者向けの資格であり、発達障害児支援における実践力・対応力を向上させたい方に適していると言えるでしょう。

発達障害児支援士資格を取得するためには、テキストや動画からなる発達障害児支援士資格認定講座で学んだ上で、オンラインでの試験に合格する必要があります。児童発達支援士よりも必要となる勉強量が多くなる点はデメリットと言えますが、児童発達支援業務において、より高い専門性を生かせるようになるでしょう。

子ども発達障がい支援アドバイザー

子ども発達障がい支援アドバイザーは、発達障害がある子どもの成長に合った適切な支援を実践できるようになるための民間資格です。子どもの発達や発達障害に関する正しい知識、適切な支援方法などが身に付くため、児童発達支援を利用する子どもたちのサポートに大いに役立てられるでしょう。

子ども発達障がい支援アドバイザー講座は、誰でも在宅で受講することが可能です。社会福祉士や相談支援専門員といった介護関連の資格保有者や、教育・保育・医療関連の資格保有者は、受講課程が一部免除されることも押さえておきましょう。

まとめ

児童発達支援とは、身体障害や知的障害、発達障害などの障害がある未就学児の発達支援・自立支援・学習支援などの援助を行う福祉サービスおよび施設を指します。児童発達支援の現場では、資格なしでも職員として働けますが、配置基準を満たす資格や勤務先での業務に役立つ資格を取得すれば、より専門的な支援が行えるでしょう。

「介護のみらいラボ」では、児童発達支援に関する情報のほかにも、介護や福祉の現場で活躍する方に役立つ情報を豊富に掲載しています。介護・福祉の分野における知識を深めたい方は、ぜひ「介護のみらいラボ」を参考にしてください。

※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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渡辺有紀(Yuki Watanabe)

社会福祉士・精神保健福祉士/ライター

1978年生まれ。大学卒業後、アパレル、商業ライターを経験。結婚出産を経て資格取得後、福祉業界へと転身する。社会福祉協議会の地域包括支援センター社会福祉士、CSWを経て、現在はフリーランスソーシャルワーカーとして活動中。SSW、認定NPO法人相談員など複数の相談援助業務に携わる。

渡辺有紀の執筆・監修記事

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

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