介護福祉士国家試験に落ちる人には共通点がある?合格するためのポイントも解説
文/中村亜美(介護福祉士)介護福祉士の国家試験に挑戦する方は、受験までにさまざまな不安を感じることでしょう。国家試験に落ちた経験のある方の場合は、さらに大きな不安を抱えているかもしれません。
この記事では、介護福祉士の国家試験に落ちてしまう原因や合格するためのポイントについて、筆者の経験を交えながら解説していきます。「受験に向けての不安を少しでも解消したい」という方は、ぜひ参考にしてください。
1.介護福祉士国家試験に落ちてしまう原因は?
試験を受けるにあたって、「絶対に合格したい!」と思うのは当然のことです。だからこそ、試験当日までは、気持ちが落ち着かずソワソワしてしまうのではないでしょうか。なかには、国家試験で不合格になった経験があり、「またダメだったらどうしよう」と不安になっている方もいるかもしれません。
自信を持って試験に臨むためには、まず試験に落ちてしまう原因を整理し、正しい勉強方法を把握しておくことが大切です。
筆者は介護施設で働いていたのですが、毎年、施設内に受験するスタッフがいて、年が明けると介護福祉士の国家試験の話題で持ち切りでした。そうしたなか、さまざまな受験者を見てきて、介護福祉士の国家試験の勉強方法に対して感じたことがあります。
以下に、「介護福祉士の国家試験に落ちてしまう原因」について、筆者の考察をまとめてみたのでご一読ください。
勉強方法が正しくない
介護福祉士の国家試験に落ちてしまう原因の1つとして考えられるのは、勉強方法が適切でないということです。
たとえば、過去問は国家試験合格を目指すにあたって、欠かせない学習方法ですが、やみくもに解くだけでは、合格に近づくのは難しいでしょう。
過去問は介護福祉士に求められる知識の「一部」でしかないため、問題を解くだけでは出題範囲をフォローしきれません。また、年によって介護制度が変化する場合もあるため、古い過去問では身につかない知識もあります。
過去問に頼りすぎず、最新のテキストを併用しながら勉強を進めましょう。
勉強時間が足りない
勉強時間が足りないと、介護についての知識を深められない可能性があります。「忙しくてあまり勉強の時間がとれない」「勉強が苦手なので効率よく学習を進めたい」という方は、短時間でも継続できるような計画を立てるとよいでしょう。
筆者も勉強が苦手だったため、介護福祉士取得に向けた卒業試験の前には、効率を重視して勉強の計画を立てていました。
勉強内容が理解できていない
なかには、「勉強時間は十分だったのに合格できなかった」という方もいますが、そうした結果にはちゃんと理由があります。それは、出題の意味や意図、正答の理由などを理解しないまま勉強を進めているということです。
介護福祉士の国家試験では、過去問の答えを暗記しても、実際に出題される応用問題に対応できない可能性があります。単純に答えを暗記するだけでなく、「この問題では何が求められているのか」「なぜその答えになるのか」などをしっかり理解し、知識を深めておきましょう。
ケアレスミスが多い
介護福祉士の国家試験はマークシート方式です。問題文と解答用の用紙が別々になっているため、回答欄の番号がずれてしまうと不正解になります。また、問題文の見落としや誤った解釈などが原因で、知識は身についているのに点数につながらないこともあります。
介護福祉士の試験に限らず、受験で大切なのは点数です。ケアレスミスをしないように、すみずみまで解答用紙を確認するクセをつけましょう。
2.介護福祉士国家試験は簡単?
ここまで、介護福祉士国家試験に落ちてしまう原因について考察してきましたが、そもそも介護福祉士の国家試験は、簡単なのか難しいのかが気になる方もいるのではないでしょうか。
以下では、介護福祉士の国家試験の難易度や平均合格率、筆者の経験などを解説していきます。
結論:感じ方は人による
介護福祉士の国家試験が簡単かどうかについての結論をいうなら、「人によって感じ方が違う」といったところでしょうか。
ケアマネジャーや社会福祉士の試験は、合格率が介護福祉士の国家試験よりも低いため、「それらと比べたら簡単」という意見があります。しかし、働きながら試験に挑戦する方のなかには、勉強時間の確保が難しく、合格までの過程がハードに感じる方もいるかもしれません。
つまり、自身が置かれた環境によって、介護福祉士の国家試験を簡単だと感じるか、難しいと感じるかが違ってくるわけです。
試験の合格率は7割以上
第31~35回の介護福祉士国家試験について調べたところ、平均合格率は約74%でした。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|---|
第35回 | 79,151 | 66,711 | 84.3 |
第34回 | 83,082 | 60,099 | 72.3 |
第33回 | 84,483 | 59,975 | 71.0 |
第32回 | 84,032 | 58,745 | 69.9 |
第31回 | 94,610 | 69,736 | 73.7 |
出典:厚生労働省「介護福祉士国家試験の合格基準及び正答について」(第35回・第34回・第33回・第32回・第31回)
ケアマネジャーが毎年20%前後なのと比べて合格率は高めですが、介護福祉士の国家試験の問題数は125問と多いため、けっして簡単とはいえません。介護福祉士の国家試験に臨むにあたっては、幅広い知識を身につける必要があるでしょう。
介護に対する深い理解が求められる
筆者の場合は、介護福祉士の国家試験ではなく、養成学校の卒業試験に向けて勉強する必要がありました。といっても、勉強方法は介護福祉士の国家試験と同じで、過去問を参考にしながら、テキストなどで介護全般の知識をつけるという方法をとっていました。
具体的には、試験の半年前から過去問を解き、間違った部分をチェックして内容を調べるという勉強方法の繰り返しです。卒業試験もマークシート方式だったため、当日は記載ミスがないかのチェックも慎重に行いました。
介護福祉士国家試験では、内容を深く理解していないと解けない問題も多いため、万全の状態で試験に臨めるようしっかりと準備をしてください。
3.次の介護福祉士国家試験で合格するためには?
一度不合格になった方が、再度国家試験に挑戦する場合は、「絶対に合格したい」という思いが強いはずです。ここからは、次の介護福祉士国家試験で合格するための方法について考えていきましょう。
計画を立てる
継続した学習ができるかどうかは、国家試験の合否に大きく影響します。特に、自分で「学習が継続できないタイプ」だと感じている方は、勉強時間確保のために細かな計画を立てるようにしましょう。
少しずつでも継続的に勉強時間を確保できれば、合格の可能性も高まるはずです。
自分に合った勉強方法を探す
やみくもに勉強を続けても、成果につながらない場合があります。その際に重要なのは、「参考書の内容をしっかりと理解できているか」をチェックすることです。
「勉強効率が上がらない」と悩んでいる方は、以下のことを見直してみてください。
- 今の勉強方法で内容を理解できているか
- 勉強方法が自分に合っているか
勉強が嫌になってしまったり、参考書の内容が頭に入ってこなかったりする場合は、やり方自体が自分に合っていない可能性があります。そうしたときは、質問し合える相手を探してみるなど、学習方法を変えてみるのも1つの方法です。参考書を何度読んでも理解できないと感じている方は、参考書を変えたり動画を取り入れたりするのもよいでしょう。
自分に合った方法が見つかると、効率よく勉強を進められるようになるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
介護福祉士国家試験は、けっして簡単な試験ではありませんが、正しい方法で継続的に学習すれば、合格の可能性が高まると思います。勉強につまずいている方は、当記事を参考にしながら、自分に合った学習方法を見つけてください。
介護福祉士の資格取得を目指して、前向きに学習を進めていきましょう。
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