Produce by マイナビ介護職 マイナビ介護職

介護の未来ラボ -根を張って未来へ伸びる-

仕事・スキル 介護資格 2024/06/19

ケアマネジャーになるには?受験資格・実務経験の計算方法も解説

文/長谷部宏依(介護福祉士・社会福祉士・ケアマネジャー) thumbnail.jpg

高齢化が進む日本社会において、介護を必要とする高齢者の数は増加し続けています。そして、そうした人たちが、住み慣れた地域で生活し続けられるように支援する専門職は、必要不可欠な存在となっています。

その中心となるのが、「ケアマネジャー」と呼ばれる介護支援専門員です。ケアマネジャーは、利用者さんやご家族が困っていることを分析・評価し、一人ひとりに合った介護サービスや支援の提案をします。

今回は、ケアマネジャーになるために必要な受験資格、試験の概要などについて詳しく解説していきます。ケアマネジャーの仕事に興味がある人は、参考にしてみてください。

1.ケアマネジャーとは

ケアマネジャーは、要支援・要介護認定を受けている高齢者や障害者など、日常生活に支援が必要な人たちのケアマネジメントを行う専門職で、正式名称を「介護支援専門員」と言います。

ケアマネジャーの主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 利用者さんの身体や生活環境の把握
  • 利用者さんに適した介護サービスの選択
  • ケアプランの作成
  • 介護サービス事業者の調整や連携
  • ケアプランの実施状況の定期的な確認
  • 利用者さんやご家族からの介護に関する相談対応
  • ほかの専門職や医療機関などとの連携 など

上記のように、ケアマネジャーの仕事内容は多岐にわたります。このほか、介護給付費の請求に関わる給付管理業務なども行います。

2.ケアマネジャーになるには?

ケアマネジャーになるには、年1回実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、実務研修を受講する必要があります。また、研修修了後には各都道府県に申請し、介護支援専門員として登録しなければなりません。

ケアマネジャー試験は、誰でも受験できるわけではありません。受験するにあたっては、指定された法定資格を保有していることや相談援助業務の経験があること、実務経験が5年かつ900日以上あることなどの条件があります。

ここからは、受験資格と就業日数の条件について詳しく説明していきましょう。

3.ケアマネジャー試験の受験資格と計算方法

受験資格

介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は、以下の①②のいずれかの条件を満たすことが必須です。

<受験資格>

以下の法定資格を保有していること
・医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)
以下の相談援助業務に従事する人
・特定施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム)入居者生活介護の生活相談員
・地域密着型特定施設入居者生活介護の生活相談員
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の生活相談員
・介護老人福祉施設の生活相談員
・介護老人保健施設の支援相談員
・介護予防特定施設入居者生活介護の生活相談員
・障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援事業の相談支援専門員
・児童福祉法に基づく指定障害児相談支援事業の相談支援専門員
・生活困窮者自立支援法に基づく生活困窮者自立相談支援事業の主任相談支援員

(参考:愛知県「第27回愛知県介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」

まずは、自分の保有資格や業務が当てはまるかを確認してください。

実務経験の条件と期間の計算方法

ケアマネジャー試験を受験するには、通算実務経験年数が5年以上かつ、業務に従事した日数が900日以上必要です。実務経験を計算する際には、以下の条件を確認しましょう。

  • 従事した日数とは、実際に相談や介護などの業務に従事した日数を指す(休日、休暇、病気、出張、研修等で相談や介護などの業務に従事しなかった日を除いた日数)。
  • 対象となる資格を保有していても、直接的な援助が本来の業務として位置づけられていることが必要。例えば、研究業務や教育業務、営業、事務などを行っている期間は含まれない。
  • 実務経験期間は、試験日前日までに満たしていること。
  • 常勤でなくても、非常勤やパートなど1日の勤務時間が短くても1日勤務したものとみなされる。
  • 法定資格に基づく業務の場合、期間の開始はそれぞれの免許等の登録年月日以降。

試験前日までに実務経験を満たしていれば、受験できます。そのため、試験の申し込みをする時点で実務経験を満たしていなくても、願書の提出は可能です。ただし、申し込みをするときに、「実務経験見込証明書」を提出しなければならない点に注意しましょう。

実務経験の期間の計算が複雑でわからないという人は、一般社団法人北海道介護支援専門員協会の「従事期間計算表」を参考にするとよいでしょう。

複数の資格を保有している場合も、合計で5年以上あれば受験可能です。例えば、介護福祉士で2年、看護師で3年勤務したときは、5年の実務経験になります。申し込みの際にそれぞれの資格証明証と、実務経験証明書を提出しましょう。

ケアマネジャー試験を受験するには、「900日以上の実務経験」も必要です。

複数の事業所で働いていた場合は、それぞれの勤務先の勤務日数が合計900日以上あればクリアできます。ただし、同日に複数の事業所で働いていた場合は1日にカウントされます。

900日のカウントには、1日の就業時間の規定はありません。そのため、パートやアルバイトで短時間の勤務をしたケースも、1日にカウントされます。

夜勤を行った場合は、勤務先の出勤記録が基準となります。夜勤1回が2日分としてカウントされているなら、2日と算定できる可能性が高いでしょう。実務経験証明書は勤務先で書いてもらうため、わからない点があれば担当者に確認してみてください。

また、受験資格などの内容は、都道府県によって若干異なる場合があるので、詳細は受験しようとする担当部署に確認しておくことが必要です。

(参考:一般社団法人北海道介護支援専門員協会「従事期間計算表」

4.受験申し込み手続きから受験までの流れ

次に、試験の受験申し込みから合格後の流れについて、順を追って詳しく解説しましょう。

受験の申し込みをする

毎年4~5月頃に、都道府県や試験の委託先(社会福祉協議会など)のホームページで、試験の日時や場所が公表されます。試験案内や願書の配布場所に関する記載もあるので、内容をチェックして書類を受け取りに行きましょう。

願書は各都道府県の保健所や市区町村の介護保険窓口などで配布されます。申し込み期限内に願書を作成し、提出します。

なお、ケアマネジャー試験は、自分で受験地域を選ぶことができません。受験地は、申し込み時点の就業状況で決まるため、以下の表で確認しましょう。

<ケアマネジャー試験の受験地>

受験資格に該当する業務に従事している場合 勤務地の都道府県
受験資格に該当する業務に従事していない場合 居住地の都道府県

受験地を間違えてしまった場合は、申し込みが受理されません。勤務地と居住地の都道府県が異なる人は特に注意してください。都道府県によって申し込み期間や願書が異なるため、勤務地と居住地が異なる場合は、願書の受け取りができなかったり、申し込み期間が過ぎてしまったりする状況も考えられます。しっかりと確認しましょう。

申し込み書類は、漏れがないように必要項目を記入した上で、期日までに提出します。願書の提出は簡易書留のみの対応となるため、郵便局の窓口が開いている時間帯に持参する必要があります。その際、受験手数料も忘れずに振り込みましょう。

願書が受理されたら、自宅に受験票が届きます。受験票には、試験日時や場所が記載されているので、事前に確認しておいてください。

試験は10時開始です。自宅から会場まで、どの公共交通機関を利用してどのくらい時間がかかるのか、あらかじめ調べておくと安心できるでしょう。余裕があれば、実際の試験会場まで下見に行ってみるのもおすすめです。

「介護支援専門員実務研修受講試験」を受験し合格する

ケアマネジャーになるには、毎年10月に実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しなければなりません。

受験票には、日時や試験会場、当日の注意事項も記載されています。不備がないように、事前に確認しておきましょう。試験時間や問題は全国で統一されており、時間は10時から12時までの120分間、問題数は60問です。

合格発表は毎年12月頃で、試験に合格した人には実務研修の案内が送付されます。案内には、実務研修の概要や手続き方法などが記載されているため、きちんと確認して間違いのないように申し込みましょう。

5.試験合格後の流れ

「介護支援専門員実務研修」を受講する

介護支援専門員実務研修受講試験に合格しただけでは、ケアマネジャーの資格は取得できません。試験は、あくまでも「介護支援専門員実務研修」を受講するためのもので、ケアマネジャーの資格を取得するには、試験に合格した後に実務研修を受講する必要があります。

実務研修は、講義と演習で合計87時間です。都道府県によって受講時間は多少異なりますが、15日間で構成されているケースが多く見られます。また、実務研修では居宅介護支援事業所に行き基礎技術の実習(3日間)も行います。

以下は、講習や演習の内容の一例です。

  • 介護保険制度の理念・現状およびケアマネジメント
  • 地域包括ケアシステムおよび社会資源
  • 自立支援のためのケアマネジメントの基本
  • ケアマネジメントに必要な基礎知識および技術
  • アセスメント、居宅サービス計画書等作成の総合演習

研修の最後には「修了評価」があり、研修内容が把握できているのかを確認されます。合格すると研修修了書が受けとれるので、研修修了日から3か月以内に登録申請を行ってください。登録申請の際は、介護支援専門員証の交付申請も一緒に行いましょう。

介護支援専門員証が送付されたら、ケアマネジャーとして仕事を開始できます。

実習は、居宅介護支援事業所に赴き、主任ケアマネジャーの指導のもとで行われます。実習では、定期訪問やサービス担当者会議の同行など、実際の業務を経験することになります。

各都道府県に登録申請をする

介護支援専門員実務研修を修了したら、3か月以内に登録申請を行いましょう。申請書を提出すると、各都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」に登録されます。ただし、実務研修修了日から3か月を過ぎると登録できなくなるため、注意が必要です。

ケアマネジャーとして働く場合は、介護支援専門員証の交付申請も必要です。登録申請と一緒に、介護支援専門員証の申請も行いましょう。なお、申請は同時に行えますが、手数料は別途必要になります。

介護支援専門員証が交付される

介護支援専門員証が送付されてきたら、ケアマネジャーとして働くことができます。

6.ケアマネジャーの試験概要

試験では、5つの選択肢から正解を複数選ぶ5肢複択式の問題が出題されます。解答形式は、マークシート方式を採用している都道府県がほとんどです。試験時間は120分ですが、身体機能に障害があるなど特別な配慮が必要な場合は、別途時間が設定されます。

全60問のうち、「介護支援分野」から25問、「保険医療福祉サービス分野」からは35問が出題されます。詳しい内訳は以下の通りです。

  • 介護支援分野:25問
  • 保健医療福祉サービス分野(基礎):15問
  • 保健医療福祉サービス分野(総合):5問
  • 保健医療福祉サービス分野(福祉サービスの知識等):15問

合格基準は、各分野で約70%の正答率が目安とされており、毎年、難易度に応じて微調整されます。

合格を目指すなら、各分野で70%以上の正答率を目標にするとよいでしょう。

まとめ:ケアマネジャーになるには試験に合格したあとも研修の受講が必要

ケアマネジャーは、高齢者や障害者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるように、介護相談や介護計画を立てる専門職です。

ケアマネジャーになるには、資格保有者で5年、無資格・未経験の人の場合は8年程度かかります。受験資格を得るには、指定されている国家資格に基づく業務や相談援助業務を5年以上行う必要があります。また、試験に合格した後に、実務研修を修了しなければケアマネジャーの資格は取得できません。

ケアマネジャーは、介護保険の中心的な役割を担うやりがいのある仕事なので、興味のある人はこの記事を参考に、ぜひ資格取得に挑戦して見てください。

【日本全国電話・メール・WEB相談OK】介護職の無料転職サポートに申し込む

最新コラムなどをいち早くお届け!
公式LINEを友だちに追加する

お役立ち情報を配信中!
X(旧Twitter)公式アカウントをフォローする

介護職向けニュースを日々配信中!
公式Facebookをチェックする

SNSシェア

長谷部宏依(Hiroe Hasebe)

介護福祉士・社会福祉士・ケアマネジャー

介護職員として介護老人保健施設に入職。その後介護福祉士を取得し訪問介護や訪問入浴、デイサービスで働く。ケアマネジャーは20年の実績があり、100名以上の高齢者を担当。認認介護・老老介護・介護拒否など困難事例も多く経験。現在はWebライターとしてさまざまな記事を執筆している。福祉住環境コーディネーター2級も取得。

長谷部宏依の執筆・監修記事

介護の仕事・スキルの関連記事

  • 介護資格

    2024/07/04

  • ケアマネ試験の合格率が低い理由とは?合格ラインや合格するためのポイントを解説

  • 文/倉元せんり(社会福祉士)
  • 介護士の常識

    2024/07/01

  • 介護保険の申請方法は?条件や必要なもの・認定を受けられなかった場合の対処法

  • 文/中谷ミホ(介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士)
  • 介護士の常識

    2024/06/29

  • 7月の行事やイベント一覧|介護施設向けの行事食についても解説

  • 構成・文/介護のみらいラボ編集部
もっと見る