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仕事・スキル 介護資格 2021/12/08

レクリエーション・インストラクターとは?仕事内容と資格の取得方法

構成・文/介護のみらいラボ編集部 レクリエーションインストラクター.jpg

介護施設で働く介護職の仕事内容には、高齢者の楽しめるレクリエーションの企画・実践も含まれています。介護施設のレクリエーションを行う上で有効な資格が「レクリエーション・インストラクター」です。

レクリエーション・インストラクターに興味があるものの、具体的な仕事内容や資格の取得方法は知らない人も多いのではないでしょうか。当記事では、レクリエーション・インストラクターの仕事内容や、資格のメリットと取得方法、資格が役立つ職種などを解説します。

レクリエーション・インストラクターとは?

レクリエーション・インストラクターとは、歌・集団遊び・スポーツなどのレクリエーションを企画し、実践する職種です。公益財団法人日本レクリエーション協会が、レクリエーション・インストラクターの資格を認定しています。

レクリエーションを通して参加者の生活の質を向上させることが、レクリエーション・インストラクターの役割です。

レクリエーション・インストラクターの仕事内容

介護施設や学校などで行うレクリエーションは、人と人とのコミュニケーションの促進や、心身の安定・機能維持を目的としています。レクリエーション・インストラクターは、参加者や活動目的に合ったレクリエーションを提供しなければなりません。

厚生労働省に掲載されている「高齢者リハビリテーションのあるべき方向」では以下のように示されています。

利用者本人に直接に接することの多い専門職は、利用者本人の生きる喜び、生きがいにつながるようなリハビリテーションを提供できるよう努力していく必要がある。例えば、状態像の異なる多くの高齢者に対して漫然と集団的・画一的に実施するのではなく、個々の利用者と協働して作成した個別的な目標に向けて利用者が主体的に取り組めるようにする必要がある。たとえ、集団的なレクリエーションを実施する場合であっても、このような考え方を踏まえて行うことが望まれる。

(引用:厚生労働省「(2) 介護職員等の資質及び専門性の向上」

レクリエーション・インストラクターの仕事内容は、大きく分けて下記の2つです。

レクリエーションの企画
レクリエーションの活動目的に合わせて、参加者が楽しめる企画を考えます。たとえば、活動目的が「身体機能の維持を図ること」であれば、適したレクリエーションの内容は軽い運動ができるゲームやスポーツです。企画を考えた後は、施設スタッフとの調整・実施案の作成や、参加者への告知も行います。

レクリエーションの実践
企画した内容・実施案をもとに、参加者が楽しめるレクリエーションを実践します。遊び方や身体の動かし方を教えることが、主な仕事内容です。レクリエーション中に事故やトラブルが起こらないように支援も行わなければなりません。

レクリエーション・インストラクターのスキルアップ制度

レクリエーション・インストラクター資格はスキルアップ制度を用意しており、下記に示す5つの階梯が存在します。

(1)レク・インストラクター
(2)準中級レク・インストラクター
(3)中級レク・インストラクター
(4)準上級レク・インストラクター
(5)上級レク・インストラクタ

(出典:公益財団法人日本レクリエーション協会「スキルアップ制度」

レク・インストラクターが入門資格であり、上級レク・インストラクターが最上級資格です。1つ上の階梯を取得するときは、指定の経験年数や研修参加、講師経験などを積まなければなりません。

また、レクリエーション・インストラクターとしてスキルアップするためには、3つの力を磨く必要があります。

・実践力
参加者と目的に合わせたレクリエーションを実施し、参加者に目的を達成させることができる力

・講師力
レクリエーション支援者に、講師として支援の方法を教授できる力

・講師育成力
指導者としてレクリエーションの講師に技術指導したり、サポートしたりできる力

3つの力を磨く方法としては、研修の場で学び、実際の職場・施設で能力を生かす方法がおすすめです。

レクリエーション・インストラクターになるメリット

レクリエーション・インストラクターの資格を取得すると、下記のメリットがあります。

・参加者にとって意義のあるレクリエーションを提供できる
レクリエーション・インストラクターになると、参加者や活動の目的を考えて企画するスキルが身につきます。参加者に楽しんでもらいながら、活動の目的も達成できるレクリエーションを提供できることがメリットです。

・企画できるレクリエーションの幅が広がり、実践のポイントや注意点を理解できる
レクリエーション・インストラクター資格を取得する過程では、レクリエーションの専門知識や技術を詳しく学べます。実践するポイントや注意点も理解できるため、レクリエーション活動のスキル向上を図ることが可能です。

・レクリエーションを通して集団の交流を促進する方法が学べる
レクリエーション・インストラクターは、集団の交流を促進する「アイスブレーキング」を学びます。集団の良好な環境づくりができれば、レクリエーションを成功へと導きやすくなるでしょう。

レクリエーション・インストラクター資格の取得方法

レクリエーション・インストラクター資格の取得方法は、主に2通りの方法があります。1つは「大学・専門学校などの課程認定校に通う」方法、もう1つは「養成講習会を受講する」方法です。ここからは、それぞれの取得方法について、資格取得の流れやメリットなどを解説します。

(1)大学・専門学校などの課程認定校に通う

公益財団法人日本レクリエーション協会が認定した課程認定校に通う方法です。課程認定校は全国にあり、多くの大学・短期大学・専門学校が認定を受けています。課程認定校に通う方法で資格取得する流れは下記の通りです。

(1)定められた学習カリキュラムを履修する
(2)学内審査による合否判定で合格する

レクリエーション・インストラクターの学習カリキュラムは全60時間であり、主に下記の学習内容を履修します。

  • レクリエーション概論
  • 楽しさと心の元気づくりの理論
  • レクリエーション支援プログラム
  • レクリエーション支援理論
  • 支援演習
  • 現場実習

(出典:Rec School Start「公認レク資格」

課程認定校に通う方法は、大学・専門学校などの在学中に資格取得できることがメリットです。在学中にレクリエーション・インストラクターになることで、就職活動中や就業後すぐに資格を生かせます。

(2)養成講習会を受講する

全国の都道府県レクリエーション協会が開催する養成講習会を受講する方法です。養成講習会を受講する方法では、下記の流れで資格取得ができます。

(1)レクリエーション・インストラクターの養成講習会に受講申込をする
(2)養成講習会を受講する
(3)資格認定審査に合格する
(4)資格認定を受けたのち、登録申請を行う

養成講習会の学習内容は下記の通りであり、学習時間の合計は課程認定校に通う方法と同じ全60時間です。

  • レクリエーション概論
  • 楽しさと心の元気づくりの理論
  • レクリエーション支援の理論
  • レクリエーション支援の方法
  • レクリエーション活動の習得
  • レクリエーション支援演習
  • 現場実習

(出典:公益財団法人日本レクリエーション協会「レクリエーション・インストラクター」

養成講習会を受講する方法は、就業しながらでも資格取得できることがメリットです。すでに介護施設や学校などで働いている人は、養成講習会を受講する方法が適しています。

レクリエーション・インストラクター資格が役立つ介護職

最後に、レクリエーション・インストラクター資格が役立つ介護職をいくつか紹介します。

訪問介護員
訪問介護員が利用者への支援にレクリエーションを活用することで、利用者に日々の生活を楽しんでもらえます。利用者とコミュニケーションを取るときにも、レクリエーション・インストラクターは役立つ資格です。

介護福祉士
介護福祉士は介護施設で中心的な役割を担っており、レクリエーションにも積極的な参加が求められる介護職です。レクリエーションの企画・実践を行うときに、レクリエーション・インストラクター資格で身につけたスキルが生かせます。

生活相談員
介護施設の入所者を支援する生活相談員は、レクリエーションの企画・実践にも携わります。レクリエーション・インストラクター資格を取得することで、介護施設が提供するレクリエーションへの適切な助言や評価が可能です。

機能訓練指導員
機能訓練指導員の業務内容である機能訓練分野には、スポーツや遊びなどのレクリエーションもあります。レクリエーション・インストラクター資格は、レクリエーションの方法と身体の動かし方を学び、介護予防の勉強にもつながる資格です。

介護職の仕事内容では、レクリエーションの企画・実践に携わる機会が何度もあります。介護職としてキャリアアップを考えている人は、レクリエーション・インストラクター資格の取得を検討してみましょう。

まとめ

レクリエーション・インストラクター資格は、レクリエーションの企画・実践に携わる介護職に役立つ資格です。資格取得の方法は「課程認定校に通う」「養成講習会を受講する」の2通りがあり、学生・社会人のいずれでも資格取得の道が開けています。

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