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仕事・スキル 介護資格 2021/12/08

アロマテラピーとは?健康効果や楽しみ方・精油の選び方を解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部 アロマテラピー.jpg

心身の疲れを感じたとき、アロマオイルやアロマキャンドルでリラックスした経験がある人も多いのではないでしょうか。植物の香りには人をリラックスさせる効果があり、自然療法の一種であるアロマテラピーにも使用されています。

アロマテラピーは、日常生活の疲れをリラックスしたいケースだけではなく、高齢者の介護にも活用できる療法です。当記事ではアロマテラピーとは何かから、アロマテラピーの効果・仕組み、必要な資格、楽しみ方・精油の選び方までを解説します。

アロマテラピーとは?

アロマテラピーとは、花や樹木から抽出した精油を用いて、心身の健康や美容に役立てる芳香療法です。人工的に合成された香料とは異なり、精油は植物由来の香り成分であり、エッセンシャルオイルとも呼ばれます。

アロマテラピー:精油を利用したリラクセーションを提供するもの。大きく分けて、①美容を目的とした「エステティック・アロマテラピー」、②アロマテラピーの持つ抗不安効果、鎮静効果などを利用してリラクセーションを得ることを目的とする「サイコ・アロマテラピー」、病気や症状の緩和を目的とする「メディカル・アロマテラピー」の3つがある(京都府立大今西氏の定義による)

(引用:厚生労働省「2.人材育成計画(リラクゼーションサービス)」

アロマテラピーは健康・美容のためだけではなく、リラクゼーションや介護分野・医療分野にも活用されている自然療法の1つです。

アロマテラピーの効果

アロマテラピーで用いる精油は、人間の心と身体に対してさまざまな効果が期待できます。精油の種類によって期待できる効果には違いがあるものの、アロマテラピーの主な効果は下記の通りです。

  • 神経を鎮めてリラックスできる
  • 疲れた心身をリフレッシュできる
  • 心身のバランスを整える
  • 睡眠の質を高める
  • 身体の活性力を高める

アロマテラピーの効果で注意すべき点は、1つの精油でいくつもの効果が期待できるわけではないことです。大抵の精油は、1つか2つ程度の効果が期待できるにとどまります。

また、植物の香り成分である精油は、人によって香りの好き嫌いがあります。アロマテラピーを行うときは、使用者にとって「よい香り」だと感じられる精油を選びましょう。

アロマテラピーの仕組み

アロマテラピーは、精油の香り成分がさまざまなルートで人体に吸収され、作用することで効果を発揮します。精油の香り成分が人体に吸収されるルートは下記の3つです。

・鼻から脳へ
鼻の奥にある嗅細胞が香り成分によって刺激されると、刺激が電気信号となって感情・本能を司る大脳辺縁系や、自律神経系を司る視床下部に伝達されます。電気信号を受けた脳がホルモンを分泌することで、リラックスやリフレッシュの効果が期待できます。

・肺から全身へ
香り成分の中には、口や鼻を通って肺に到達するものもあります。肺に到達した香り成分は、肺胞から血液に乗って全身へと運ばれます。

・皮膚から全身へ
精油の香り分子は小さく、皮膚の奥にある毛細血管にも到達します。毛細血管から血液の体液循環に乗り、香り成分が全身へと循環します。

アロマテラピーの仕事に資格は必要?

アロマテラピーを行うときは、特別な資格は必要ではありません。しかし、アロマテラピーの資格を取得すると、アロマテラピーの方法や精油の種類・使い方に詳しくなり、仕事に生かすこともできます。

アロマテラピーの仕事に役立つ資格として、日本アロマ環境協会(AEAJ)の資格をいくつか紹介します。

アロマテラピー検定 アロマテラピー検定とは、アロマに関する基礎知識を認定する資格です。1級・2級の2種類があり、アロマテラピーについて体系的に学べます。
アロマテラピーアドバイザー アロマテラピーアドバイザーとは、アロマテラピーの知識を社会へ正しく伝えられる能力を認定する資格です。
アロマテラピーインストラクター アロマテラピーインストラクターとは、安全なアロマテラピーの実践方法を教えられる能力を認定する資格です。
アロマセラピスト アロマセラピストは、アロマテラピートリートメントを実践できる能力を認定する資格です。

(出典:公益社団法人 日本アロマ環境協会

アロマテラピーの資格はほかにも、JAA日本アロマコーディネーター協会やナード・アロマテラピー協会、国際アロマセラピスト連盟の資格が存在します。

【介護】アロマテラピーの取り入れ方

介護施設などでも高齢者にアロマテラピーを行うことは効果的です。介護におけるアロマテラピーの取り入れ方を5つ紹介します。

・芳香浴法
芳香浴法は、アロマディフューザーなどで精油の香り成分を室内に拡散させる方法です。精油は温めることで揮発性が高まり、香りを楽しみやすくなります。

・トリートメント法
トリートメント法は、精油をキャリアオイルで希釈して、オイルマッサージする方法です。事前に肌へのパッチテストを行い、アレルギー反応や安全性を確認しましょう。

・沐浴法
沐浴法は、精油が入った湯船で入浴や部分浴を行う方法です。精油は湯に溶けにくいため、キャリアオイルやバスソルトで希釈してください。

・湿布法
湿布法は、精油を数滴垂らした水にタオルを入れて絞り、不調がある部位に当てる方法です。温湿布のほうがよいときは、水ではなく湯を使用します。

・蒸気吸入法
蒸気吸入法は、コップや洗面器の湯に精油を数滴垂らし、口や鼻から蒸気を吸入する方法です。実践するときは目を閉じてゆっくり深呼吸し、リラックス効果を高めましょう。

アロマテラピーで使う精油の種類

アロマテラピーで使う精油の種類は、抽出する植物の違いによって大きく7種類に分けられます。精油の種類ごとに特徴も異なるため、アロマテラピーを実践するときは目的に合った精油を選びましょう。

下記では精油を7種類に分けて、それぞれの香りの特徴やおすすめのシーンを紹介します。

精油の種類 具体例 香りの特徴 おすすめのシーン
フローラル系 ゼラニウム、ラベンダー、ジャスミンなど 甘く華やかな香り ・リラックスしたい
・気分を上げたい
・香りで癒されたい
シトラス系 オレンジ、レモン、グレープフルーツなど 爽やかで親しみやすい香り ・前向きになりたい
・睡眠の質を向上したい
・リフレッシュしたい
ハーブ系 ローズマリー、タイム、スペアミントなど すっきりとした清涼感のある香り ・爽やかな気分になりたい
・ストレスをやわらげたい
・勉強や仕事に集中したい
ウッディ系 ヒノキ、シダーウッド、ユーカリなど 樹木を感じられる深みのある香り ・リラックスしたい
・睡眠の質を向上したい
・森林浴の気分を楽しみたい
スパイス系 カルダモン、シナモン、クローブなど 辛みがある刺激の強い香り ・気分を切り替えたい
・勉強や仕事に集中したい
・前向きになりたい
樹脂系 フランキンセンス、ミルラ、ベンゾインなど 重厚で甘さを感じられる香り ・瞑想に集中したい
・不安を取り除きたい
・気分を落ち着かせたい
オリエンタル系 パチュリ、イランイラン、サンダルウッドなど 甘さやスパイシーさのあるエキゾチックな香り ・ロマンチックな気分になりたい
・前向きになりたい
・気分を落ち着かせたい

また、精油には相性がよいとされる組み合わせも存在します。たとえば、同じ種類の精油は香りの特徴が似ており、失敗の少ない組み合わせです。異なる種類の精油を組み合わせるとき、下記の組み合わせは相性がよいとされています。

  • フローラル系とシトラス系
  • シトラス系とハーブ系
  • ハーブ系とウッディ系
  • ウッディ系とスパイス系
  • スパイス系と樹脂系
  • 樹脂系とオリエンタル系
  • オリエンタル系とフローラル系

異なる種類の精油を組み合わせることで、アロマテラピーの効果が高まると期待できます。介護にアロマテラピーを取り入れるときは、被介護者の好みや体調に合わせて、香りを楽しめる精油を使いましょう。

まとめ

アロマテラピーでは、植物から抽出した精油を使用して、植物の香りで心身のリラックスやリフレッシュを図ります。アロマテラピーの仕事に資格は必要ではないものの、精油の種類や組み合わせを詳しく理解するためには、アロマテラピーの資格取得がおすすめです。

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