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仕事・スキル 介護職のスキルアップ 2022/02/09

#コミュニケーション#ノウハウ#介護職お役立ち

長続きする会話術6選!相手に好かれる話し方とは?

構成・文/介護のみらいラボ編集部 2202_05.jpg

介護現場では、利用者やその家族と会話する機会が多くあります。しかし、利用者やその家族との会話で「会話が続かない」「沈黙する時間がある」など、自分の会話に自信がない人もいるでしょう。相手に自分の意図がうまく伝わらないと、思わぬ誤解を生じる恐れがあります。

この記事では、会話を円滑に進められる会話術を6つピックアップして紹介します。会話が困難な高齢者との会話術も解説しているので、利用者やその家族と円滑なコミュニケーションを取りたい介護職の人は、ぜひ参考にしてください。

1.会話が途切れない!盛り上がる会話術6選

会話術を身に付けるメリットは、「周囲から好感を持たれる」「相手との人間関係を構築できる」などです。会話術は介護の現場においても、利用者やその家族と関係性を築き、円滑な支援をする際に役立ちます。

ここでは、長続きする会話に役立つ6つの会話術を解説します。

相手を否定せず最後まで聞き役に徹する

会話を円滑に進めるには、「相手を否定せず最後まで聞き役に徹する」ことが大切です。人は自分の話を肯定的に聞いてくれる人に対して、好意を抱きます。

会話をしているときに相手の話を「いや」「でも」と否定したり、会話をさえぎって自分の話にすり替えたりする行為はNGです。相手に不快感を与え、会話が途切れる原因となります。特に、否定的な言葉が口癖となっている人は、十分に注意してください。

会話を円滑にしたい場合は、まず相手の話を聞くように心がけましょう。相づちを打ちながら相手の話を聞くと関心があることが伝わり、話し手は心地よく話を続けられます。相手が安心して話せる環境を作ることが、円滑に会話するためには欠かせません。

会話に苦手意識を持つ人の中には、うまく話せないことを意識しすぎる人がいます。しかし、相手の話に集中すると意識を自分から相手へ自然に向けられるため、うまく話せない人でも途切れることなく会話できます。

相手に共感しながらリアクションを取る

相手の話を聞くときは、相手に共感しながらリアクションを取ることも大切です。例えば、「会話中に目線が合わない」「相づちを打たない」などの行為は、会話が盛り下がる原因となるため、注意が必要です。

相手と会話を弾ませるには、下記の項目を意識しましょう。

・口角を上げ、自然な笑顔を作る
・少しだけ音量やトーンを上げ、「声を出して」笑う
・相手の言葉をオウム返しする
・小さなうなずきと大きなうなずきを交互に行い、会話に抑揚を付ける
・身体を相手の側へ向け、相手の目を見ながら少し前のめりの姿勢を取る

リアクションのポイントは、自分が相手に「興味がある」「共感している」と態度で示すことです。特に、笑顔には返報性という心理効果があります。これは、自分が笑顔でいると相手も自然に笑顔になるという効果です。上記のようなリアクションを会話中に行えば、相手は安心感を持って会話を進められます。

相手が自由に答えられる質問をする

会話では相手の話を聞き、ときには質問を投げかけ、話題を広げることが重要です。質問するときには、できるだけ相手が自由に答えられる質問を選択しましょう。

相手が自由に答えられる質問を、一般的に「オープンクエスチョン」と呼びます。対して、相手が「はい」や「いいえ」でしか答えられない質問は、「クローズドクエスチョン」と呼ばれます。

下記は、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの例をまとめた表です。

オープンクエスチョン 質問:どのような植物が好きですか。
回答:バラのようなきれいな植物が好きです。
クローズドクエスチョン 質問:植物は好きですか。
回答:はい、好きです。

上記のように、同じ植物に対する質問であっても、相手が自由に答えられるオープンクエスチョンでは「バラ」という新たな情報が得られ、そこから会話の展開が生まれます。一方で、クローズドクエスチョンは一問一答となってしまい、会話が盛り上がりません。

会話を続けるためにはオープンクエスチョンを積極的に取り入れ、会話を深掘りすることが大切です。

質問の回答から連想してさらに質問する

相手に質問して回答が返ってきた場合、質問の回答から連想してさらに質問すると、会話が長続きします。他の新たな質問をする方法もありますが、「回答から連想してさらに質問する方法」が最も簡単で、テンポよく会話を進められます。

例えば、前述の「バラのようなきれいな植物が好き」という回答からは、多くの事柄が連想できるでしょう。具体的には「どのような色のバラが好きか」や「バラを育てた経験があるか」などです。

連想した内容をもとに質問し、その質問に対して回答があれば、また連想して質問します。難しいテクニックや多彩な質問のネタを用意する必要はありません。連想して質問を繰り返すシンプルなやり取りが、会話を長続きせるポイントです。

自分の話は簡潔に分かりやすく伝える

会話の中では、自分の話をする場面もあります。このとき、頭に浮かんだままを話すだけでは、何が言いたいのか相手に伝わりません。自分の話をする場合は、伝えたい情報を簡潔にまとめましょう。

話を分かりやすく伝えるためには、話の内容に5W1Hの要素が入っているのかを意識すると、相手は話の内容をイメージしやすくなります。

会話で意識したい5W1H
・When(いつ・日時)
・Where(どこで・場所)
・Who(誰が・主体)
・What(何を・物や行動)
・Why(なぜ・理由)
・How(どうやって・手段)

また、会話の流れは結論ファーストが重要です。まず結論から話し、その後に理由や具体例を説明する流れで会話を進めると、相手に分かりやすく内容を伝えられます。

自分の話の最後に質問を投げかける

自分の話をする場合、ただ自分のしたい話だけをする「自分語り」はNGです。会話は相手とのキャッチボールが基本であり、自分の話だけをしていては会話が成立しません。

どうしても相手の話に口を挟んで自分語りをしてしまう場合は、話の最後に質問を投げかけるように意識しましょう。話の最後に質問を挟むことで、自然と相手の話すターンができて、会話のキャッチボールが生まれます。複数人で話す場合は、質問する相手を適宜変えることも有効です。

なお、話す割合は「相手が7割・自分が3割」を意識すると適切な配分となります。特に、介護の現場では、相手の話に集中し傾聴する態度が重要です。

2.介護現場で実践したい!高齢者との会話術

介護の現場では言葉でのコミュニケーションに困難を抱える人も存在します。特に高齢者は加齢とともに聴力や記憶力が低下するため、コミュニケーションに障害を持つ人が少なくありません。

したがって、介護の現場では言葉以外のコミュニケーション、いわゆる「非言語的コミュニケーション」への配慮も必要です。「厚生労働省」によると、コミユニケーションは2つに分類できると定められています。

コミュニケーションには、大きく分けて「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の2つがあります。ご存知のとおり、言語的コミュニケーションは「言葉を使って相手と会話をすること」をいい、非言語的コミュニケーションは簡単にいえば、「ジェスチャーや合図などを用いて、相手に心情などを伝える」方法です。私たちは日常的にこれらをその時々に応じて使用しています。相手との意思疎通を図るためには、どちらのコミュニケーション手法も重要なのです。利用者とかかわる場合も同様です。

(引用:厚生労働省「認知症ケア法-認知症の理解」

コミュニケーションに困難を抱える高齢者との会話では、ジェスチャーを取り入れたり話し方に配慮したりする必要があります。具体的には、以下のような話し方・言い方を意識してみましょう。

・相手が自分の存在を分かる立ち位置で話す
視力や聴力が低下すると、誰が話し手なのかを判断できなくなります。どこから話しかけられているか把握できない状況は不安につながるため、自分の存在が分かるようにコミュニケーションする姿勢が重要です。

・「ゆっくり」かつ「はっきり」と話す
会話をするときには、相手が聞き取れるように「ゆっくり」かつ「はっきり」とした言い方・伝え方を心がけましょう。あまり大きな音量で話すと相手は「叱られている」と感じるため、聞き取りやすい適度な音量を意識してください。

・相手の名前を多く呼ぶ
「○○さん」と相手の名前を多く呼びかけると、相手は自分が話しかけられていると把握しやすくなります。基本的に人間は自分の名前や話題に関する情報に気づきやすく、この現象を「カクテルパーティー効果」と呼びます。

円滑な会話は相手と自分、相互に肯定感や安心感を生み、人間関係の構築に役立ちます。会話術を磨いて、利用者やその家族そして職場の人々とよりよい関係を築いていきましょう。

まとめ

会話を長続きさせるためには、まず「相手の話を聞く姿勢」が重要です。相手に共感したリアクションを取りつつ、たまに相手が自由に答えられる質問を加えると、より会話が弾みます。自分の話をするときは簡潔に分かりやすく伝え、最後は相手への質問で終わるようにすることも、会話を長続きさせる方法の1つです。

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