コミュニケーションは大きく分けて2種類! 介護職に役立つ情報も
構成・文/介護のみらいラボ編集部介護の現場をはじめ、職場ではコミュニケーションを通じて、仕事仲間と良好な関わりを築くことが大切です。信頼関係のある職場では、仕事の生産性や質の高さが期待できます。
コミュニケーションは、大きく分けて言語によるもの・言語によらないものの2つに分類され、そこからさらに細かく分けられます。この記事では、コミュニケーションの種類と、それぞれのポイントを紹介します。ぜひ、より円滑なコミュニケーションをとるための参考にしてください。
1.職場におけるコミュニケーションの重要性
人が社会で生きていくために、コミュニケーションは非常に大切です。一般的な職場では、上司や同僚、クライアントと、よい人間関係を築き、協力しながら業務を進めるため、コミュニケーションスキルが重要です。
もちろん介護現場でも、コミュニケーションは重要です。具体的には以下のような理由が考えられます。
■介護現場でコミュニケーションが重要といわれる理由
・利用者に合った介護を提供できる
・利用者や利用者の家族とのトラブルを防げる
・職員同士で連携し、介護の質を上げられる
介護現場で、コミュニケーションをとるべき相手として、利用者や利用者の家族、職員がいます。
適切な介護を行い、利用者に安心して過ごしてもらうためには、日常的なコミュニケーションが欠かせません。利用者の家族とは顔を合わせる機会を作ってコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくとよいでしょう。利用者の家族と信頼関係を築くことで、介護現場で起こりやすいトラブルを回避できます。
また、忘れてはならないのが、職員同士でのコミュニケーションです。質の高い介護は職員が協力し、連携してこそ実現できます。よりよい介護現場を目指すためには、職員同士の細やかなコミュニケーションが欠かせません。
2.言語的コミュニケーションの種類とポイント
コミュニケーションの種類は、「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の2つに分けられます。
まずは、言語的コミュニケーションについて解説します。言語的コミュニケーションは、会話や電話・メールといった言葉を用いて意思を伝える方法です。話す言葉の内容や意味に主軸が置かれるため、職場では主に職員間での意思疎通に使われます。
言語的コミュニケーションには「音声言語」と「手話」の2つがあります。
音声言語
音声言語とは、話し手が口で話し、聞き手が耳で聞く、音声を伴う話し言葉(聴覚言語)のことです。誰かとコミュニケーションをとろうとしたとき、最も簡単な手段となる会話を行う際に使われます。
音声言語で人とコミュニケーションをとるためには、喋る力・聞く力・理解力・考える力が必要です。これらの能力や機能が低下しつつある高齢者と話すときは、話す相手によって声かけや言葉遣いを変え、理解を促す工夫をすることで意思疎通がよりスムーズになります。前提として、相手を尊重する思いやりの気持ちが大切です。
手話
手話は、主に聴覚障害者が用いるコミュニケーション方法です。伝える側は身振り手振りや顔の表情など、体全体の動きで気持ちや意見を表し、受け手はそれを目で見て判断します。
手話を使って人とコミュニケーションをとるためには、身振り手振りの動きが、何を意味しているのか理解する必要があります。手話を習得するためには練習や訓練が必要ですが、最低限の単語の表現を覚えるのはそう難しくありません。聴覚障害者と意思疎通を図る際には、簡単な手話と筆談を併用するとよいでしょう。
3.非言語的コミュニケーションの種類とポイント
非言語的コミュニケーションとは、言葉以外の表現です。例えば、表情やジェスチャー、アイコンタクトなどで相手とコミュニケーションをとります。
言語情報が人に与える影響は7%にすぎません。残りの93%は視覚情報と聴覚情報によるもので、非言語的コミュニケーションがいかに重要か分かります。
高齢者の多い介護現場では、耳の遠い利用者や、認知症で会話が困難な利用者も少なくありません。そのため介護現場では、言語的コミュニケーションよりも非言語的コミュニケーションのほうが有効だと考えられています。
以下では、非言語的コミュニケーションを7種類紹介します。
身体動作
身体動作は、表情や身振り、視線など、顔や体の動きによるコミュニケーションです。中でも、表情は人の感情がはっきりと表れるため、相手に気持ちが伝わりやすいという特徴があります。
また、目の動きやまばたき、瞳孔の収縮も身体動作の1つです。「目は口ほどに物を言う」といわれるように、目から受ける印象は強く残ります。相手によい印象を与えたい場合は、笑顔と適度なアイコンタクトで同意や共感を示すとよいでしょう。
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身体特徴
身体特徴は、顔立ちや体型、髪型といった見た目の特徴によるコミュニケーションのことです。体型や身長で人への印象が変わるように、見た目もコミュニケーションに大きな影響を与えるので、乱れた髪型を整えるだけでも相手に与える印象は変わります。
性別によって相手に与える印象は異なり、身体特徴による非言語的コミュニケーションにおいては、男性よりも女性のほうが相手に強い印象を与える傾向にあります。
接触行動
接触行動とは、握手や抱擁など、自身や相手の体に触れるスキンシップのことです。日本人同士ではあまり見られませんが、海外では初対面でも挨拶として気軽に握手や抱擁が交わされることもあります。
接触行動はその国の文化によって相手の反応や印象が異なるため、日本の職場では避けることが無難です。親しくなりたいからといって、いきなり体に触ることは失礼に当たります。
近言語
近言語(パラ言語)は会話をしているときに打たれる相槌や口調、声のトーン、話すペースといった周辺言語を指します。音声言語によるコミュニケーションを交わす際に、言語情報に話し手や聞き手の感情を付加するために近言語が使われます。
近言語はその国の文化によって受け止め方が異なるため、相手によって使い方を変える工夫が必要です。
プロクセミクス
プロクセミクスは、人と人との物理的な距離のとり方を意味します。日本語では空間行動とも呼ばれ、パーソナルスペースや対人距離というとイメージしやすいでしょう。
一般的に、相手との関係性が親密になるほど相手との距離感は近くなります。自分の気持ちだけでなく相手の気持ちも想像して、状況に応じてふさわしいと思われる距離をとりましょう。
人工物の使用
服装や化粧、アクセサリーなどの身につける人工物の印象も、非言語的コミュニケーションの1つです。服装や化粧を変えると、相手に与える印象も変わります。
どのような場面でもTPOを意識するようにしましょう。例えばビジネスシーンでは、フォーマルで清潔感のある格好をすることで、周囲に好印象を与えます。反対に派手な化粧やカジュアルな服装をしていると、悪い印象が残る傾向にあるため注意しましょう。
環境
コミュニケーションをとる環境も、相手に与える印象を変える要素の1つです。例えばインテリアや照明、部屋の広さや温度などで、その場の雰囲気は大きく変わります。
照明や壁の色などは寒色系よりも暖色系のほうが、落ち着く・くつろぎやすい傾向です。また、広い部屋よりも適度な広さのほうが、緊張せずに過ごせるでしょう。
コミュニケーションをとる場所は自分で選べます。コミュニケーションがスムーズに進む場所を選択することで、相手との距離を適切に縮めることが可能です。
まとめ
コミュニケーションは、信頼関係を築くために欠かせません。特に介護現場で上質なサービスを提供するためには、利用者だけでなく利用者の家族や職員同士との細やかなコミュニケーションが重要です。
コミュニケーションには大きく分けて、言語情報を用いる言語的コミュニケーション、視覚と聴覚情報による非言語的コミュニケーションの2つです。介護現場では、視線や表情、相槌などによる非言語的コミュニケーションが使われます。
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