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生活・スタイル 介護職の生活情報 2025/05/02

夏至とは?夏至に関する風習や介護施設向きの食べ物・イベントを紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumb_250502.jpg

夏至は1年で最も昼間が長く、夜が短い日として知られています。また、夏至には自然への感謝や生命の繁栄を祝う風習があり、日本を含む多くの国でさまざまな祭りやイベントが開催されます。介護施設でも、夏至の日をお祝いする食事やイベントを楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事では、夏至の概要や日本と海外における伝統的な風習について解説するとともに、介護施設で楽しめる夏至にちなんだ食事、イベントのアイデアを紹介します。季節感のある行事食やレクリエーションについて知りたい介護職の方は、ぜひご一読ください。

1.夏至とは

夏至(げし)とは、北半球で1年のうち最も昼間が長く、夜が短い日のことです。夏至の日は、太陽が北回帰線の真上を通過し、太陽の南中高度が最大になるため、日照時間が延びます。太陽が北半球を真上から照らすため、斜めから照らされるよりも、日の出から日の入りまでの時間が長くなると言ったほうがわかりやすいかもしれませんね。

ただし、「最も早い日の出」や「最も遅い日の入り」は必ずしも夏至の日と一致せず、夏至の前後に発生します。これは、地球の公転軌道が楕円で、自転軸が傾いていることが理由です。

2025~2027年の夏至の日付は、以下の通りです。

2025年 6月21日(土)
2026年 6月21日(日)
2027年 6月21日(月)

(出典:国立天文台「二十四節気・雑節 長期版」

夏至は、古代から重要な季節の節目として認識され、祝いや祈りの対象となってきました。例えば、紀元前に建設されたヨーロッパの巨石遺跡には、夏至の時期の日の出・月の出の方角を意識したものが多く、イギリスのストーンヘンジなどはその代表格と言えます。また、日本でも日時計のような機能があったと推測される、縄文時代の遺跡(夏至の日の日没線を指し示すように石が並べられた遺跡)が発掘されています。

(出典:国立天文台「夏至」

2.日本や世界の夏至の風習

前述したように、夏至は世界各国で「特別な日」とみなされており、自然に感謝し生命の繁栄を祝う風習が数多く残っています。日本でも、二十四節気の1つとして重要視され、農業活動や伝統行事において大きな役割を果たしてきました。

以下では、日本や世界における夏至の風習について解説します。

二見興玉神社の夏至祭禊

夫婦岩で有名な、三重県伊勢市にある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)では、毎年夏至の日に「夏至祭禊(げしさいみそぎ)」が行われます。

夏至祭禊は、太陽のエネルギーがいちばん強い夏至の朝に禊を行う祭りで、伊勢神宮への参拝者が、二見浦で禊をはじめたのが起源だとされています。

二見浦は古くから禊浜(伊勢神宮へ参拝する人々が、汐水を浴びて身を清める場所)として名高く、江戸時代の「お伊勢参り」は、まず二見浦で身を清め、外宮、内宮とまわるのが習わしでした。夏至祭禊では、夫婦岩の間から昇る太陽を拝めるほか、天候がよければ富士山の背から差し昇る朝日も見られます。

(出典:伊勢市観光協会「江戸時代の参拝ルート 昔ながらのお伊勢参り」

半夏生

半夏生(はんげしょう)とは、夏至から数えて11日目、7月2日頃から7月7日の七夕までの約5日間のことです。「半夏生までに田植えを終わらせるべき」との言い伝えがあるように、半夏生は農業における重要な節目であり、農家が作業を計画的に進める目安でもあります。ちなみに、半夏生という名称は、「夏生」の別名で呼ばれるカラスビシャクの葉が、7月初頭に部分的に白く変わることに由来しています。

半夏生の日は、田植えなどの重要な作業を終わらせた後の休息日となるため、全国各地に特別な食事をふるまう風習があります。例えば、奈良県の奈良盆地では小麦の刈り入れを半夏生の日に終わらせ、取れた小麦ともち米を混ぜて作った「半夏生餅」を食べるのが伝統です。また、香川県には、小麦餅ではなくうどんを食べる習慣があります。

半夏生は梅雨の終盤にあたり、ものが腐りやすくなるため、地域によっては「毒気が降るので井戸に蓋をする」「農業を休んで物忌みをする」などの伝承も残っています。

スウェーデンのミッドサマー(夏至祭)

ミッドサマー(夏至祭)は、夏至を祝うスウェーデンの伝統的な祭りです。もともとは、キリスト教の聖者であるヨハネの生誕を祝う行事だったことから、聖ヨハネ祭(ヨハンヌス)とも呼ばれます。

ミッドサマーは、6月中旬の夏至に最も近い週末に開催され、屋外で太陽の光を浴び、夏の訪れを祝うのが伝統的な過ごし方です。また、ミッドサマーを紹介するにあたっては、メイポール(森から切り出された樹木をリースで飾ったもの)を囲んで行うダンスも忘れるわけにはいきません。定番は「スモーグロードナ」と呼ばれるカエルのダンスで、参加者がカエルのまねをして飛び跳ねている姿は、見ているだけで楽しくなります。

祭りでは、伝統的な食事として新じゃがいもやニシンのマリネ、サワークリーム、イチゴのデザートが供され、シュナップス(じゃがいもや穀類、果物などを原料とする蒸留酒)で乾杯するのが定番です。

イギリスのストーンヘンジ夏至祭

イギリス南部ソールズベリーに位置するストーンヘンジは、世界遺産にも選ばれている先史時代の巨石遺跡です。巨石が太陽の動きに対応するよう配置されており、特に「ヒールストーン」と呼ばれる石は、夏至の日における日の出の方角を示す目印となっています。

ストーンヘンジが建設された背景には、天文学的な意味合いだけでなく、宗教的儀式や共同体の結束を高める目的があったと考えられています。事実、ストーンヘンジ遺跡はドルイド教徒(古代ケルト人の宗教を信仰する人たち)にとって神聖な場所であり、毎年夏至の日には「ストーンヘンジ夏至祭」が行われています。

祭りでは、自然への感謝を表す重要な儀式が行われ、地元住民やドルイド教徒が数多く集まります。ストーンヘンジは、普段ロープの外からしか眺められませんが、夏至の日はロープの内側に入ることが許され、石に触れることも可能です。

3.介護施設に向いた夏至の食べ物・イベント

正月のおせち、節分の恵方巻きのような定番の料理はありませんが、地域ごとに、夏至の日や半夏生に食べられている食材・食事はあります。また、介護施設で夏至の日にちなんだイベントを企画する際には、「太陽」や「自然の恵み」に関連するテーマを取り入れると、利用者さんに楽しんでもらえるでしょう。

以下では、介護職の方に向けて、夏至の日にぴったりの食べ物やイベントを紹介します。

●関連記事:6月の行事や記念日一覧|お祝いに合った行事食も紹介

タコ

関西地方では、半夏生の日にタコを食べる風習があります。タコは吸盤がついた足が8本あるため、「苗がしっかりと根をはるように」という豊作の願いが込められているとされています。特に瀬戸内地域では、「半夏生の前になるとタコの値段が上がる」と言われるほど、タコ料理が人気です。

タコにはタウリンが豊富に含まれており、疲労回復によいとされています。ただし、かみ切りにくくのどに詰まりやすいため、介護施設で提供するときは、みじん切りにしたりすりつぶしたりして、高齢者でも食べやすいように工夫しましょう。

半夏生の日にタコ料理を楽しむなら、タコ焼きパーティーのようなレクリエーションを開催するのもおすすめです。祭りの出店のような雰囲気の中でタコ焼きを提供すれば、利用者さん同士のコミュニケーションもきっと盛り上がるはず! 材料を切ったり、混ぜたり、焼いたりする動作は手指のトレーニングにもつながります。

半夏生サバ

福井県の越前大野には、半夏生の日に、脂ののった丸焼きのサバを食べる習慣があります。この習慣は、江戸時代に夏バテ防止策として、藩主が焼きサバを奨励したのがはじまりとされており、現在も大野市の季節の風物詩となっています。なお、半夏生サバは、2021年度に文化庁が認定した「100年フード」にも選ばれました。

サバは善玉コレステロールであるオメガ3脂肪酸の1つ、EPAやDHAを豊富に含む食材です。EPAやDHAは中性脂肪・コレステロール値を低下させ、心疾患や動脈硬化、認知症リスクを軽減するとされているため、高齢者の健康作りにも役立つでしょう。

(出典:順天堂東京江東高齢者医療センター「栄養だより 2022年10月発行」

提供する際は小骨がのどに引っかかったりしないように、丁寧に取り除くことが大事です。最近は、あらかじめ骨を抜いた「骨取り魚」が販売されているので、そちらを利用するのもよいでしょう。咀嚼する力が弱くなっている方がいる場合は、焼き魚よりも柔らかく煮た煮魚や蒸し魚がおすすめです。

冬瓜

冬瓜は「冬の瓜」と書きますが、実は夏が旬の食材です。冬瓜と名付けられた理由は、皮が丈夫で貯蔵性が高く、適切に涼しい場所で保管すれば冬まで保存できるからだとされています。

冬瓜はカリウムを多く含む食材の1つです。カリウムには体内のナトリウムを水分とともに排出する作用があるとされており、高血圧予防や利尿作用によるむくみ解消効果が期待できます。そのため、古くからほてりを取り除き、夏バテを防止する食材とされてきました。

(出典:東北農政局「「食育ブログ」 食(ク)リックひろば 令和4年8月」

冬瓜は煮ることで柔らかくなるので、エビや鶏ひき肉を使ったあんかけにすると、高齢者の方も食べやすくなるでしょう。

水無月

水無月(みなづき)は、平安時代から京都府に伝わる伝統的な和菓子で、白いういろうの上に小豆の甘煮を乗せ、三角形に切り分けた状態で提供されます。

平安時代には、夏に氷を手に入れることが困難であったため、氷を模した水無月が暑さをしのぐ縁起物とされていたそうです。また、小豆には魔除けの意味があることから、半年間の穢れを落とす6月の行事「夏越しの祓(なごしのはらえ)」の際には、無病息災を祈願して水無月を食べる風習が生まれました。そうした習慣は現在まで続いており、水無月は京都における6月の定番和菓子となっています。

水無月は見た目にも涼しいため、食欲が落ちやすい時期にぴったりのおやつです。介護施設でも、夏至の日に水無月を提供して、季節や伝統を感じてみてはいかがでしょうか。提供するときは、ういろう部分に粘りけが少ない米粉を使えば、誤嚥のリスクを軽減できます。

夏至のフラワーアクティビティ

施設内で過ごしていると季節を感じにくくなるため、夏至の日には季節の花でフラワーアクティビティを楽しむのもおすすめです。初夏に咲く代表的な花には、ウツボグサとハナショウブがあります。

・ウツボグサ
日本各地に自生する多年草で、紫色の穂状の花を咲かせます。日当たりのよい草地や林縁に生育しており、「ウツボグサ」という名前は、花穂の形が矢を入れる道具「靫(ウツボ)」に似ていることに由来します。花穂が枯れると褐色になることから「夏枯草(カゴソウ)」とも呼ばれ、枯れた花穂は漢方薬に使われます。

・ハナショウブ
日本各地の湿潤地に咲く「ノハナショウブ」の園芸種で、江戸時代に品種改良によって生まれました。現在では2,000種以上の品種が存在し、紫や白、黄色など花色が豊富なことから、「色彩の魔術師」とも呼ばれています。



まとめ

夏至の日には、世界各国でさまざまな祭りやイベントが開催されます。日本の夏至祭禊や半夏生、スウェーデンのミッドサマー、イギリスのストーンヘンジ夏至祭などは、夏至の日を代表する行事と言えるでしょう。

夏至の日に特定の行事食はないものの、地域によってはタコや半夏生サバ、水無月を食べる風習が根付いています。介護施設で夏至の日を祝う際は、そうした食材を上手に取り入れるとよいでしょう。夏至の前後は、ウツボグサやハナショウブの花が咲く季節のため、季節の花を使ったフラワーアクティビティを行うのもおすすめです。

介護のみらいラボでは、介護職のみなさんに向けて、季節ごとの定番レクリエーションや行事食を紹介しています。ほかにも、数多くのお役立ち情報を掲載しているので、日々の業務にぜひ活用してください。

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