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ニュース 介護業界ニュース 2020/08/04

#ウェルモ#転職#IT#中澤仁美

現場経験から生まれた「介護業界を変えたい」という思い 株式会社ウェルモの挑戦

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介護のみらいラボ編集部コメント

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文:中澤仁美 フリーライター

【プロフィール】
写真左:松澤賢治(まつざわ・けんじ)
福祉用具専門相談員。インテリアショップ勤務の後、訪問介護事業所の福祉用具部門で経験を積み、2019年に株式会社ウェルモ入社。

写真中:蒔田麻友子(まきた・まゆこ)
看護師。聖路加国際大学看護学部を卒業後、岡山大学大学院保健学研究科(博士前期課程)修了。訪問看護師や介護福祉分野のAI研究開発職を経て、2019年に株式会社ウェルモ入社。

写真右:大図拓也(おおず・たくや)
理学療法士。総合病院のリハビリテーション科で経験を積んだ後、通所介護事業所の機能訓練指導員(短期集中予防事業担当)として働き、2018年に株式会社ウェルモ入社。

「社会課題をICTと先端技術の力で解決する」をミッションに掲げ、介護分野の地域資源情報の「見える化」やケアプラン作成支援AIなどに取り組む株式会社ウェルモ。同社では、かつて医療や介護の現場で働いていたスタッフも多数活躍しています。

福祉用具専門相談員、看護師、理学療法士の資格を持つお三方に登場してもらい、キャリアのターニングポイントや現職のやりがいなどについて伺いました。

インテリアショップから介護の世界へ

――ウェルモへ転職するまでに、どのようなキャリアを歩んできましたか。

松澤:学生時代のボランティアで出会った障害をお持ちのお子さんが、お気に入りのコップでしか水分補給しないと知ったとき、「モノ」が持つ価値に初めて気付かされました。

新卒時はインテリアショップに就職しましたが、近隣の高齢者施設の利用者さんが買い物に訪れる様子を見て、「好きなモノに囲まれる生活がQOLを上げる」ことを実感。

そこから住環境を整えることの重要性へと興味が移っていき、福祉用具専門相談員の資格を取得して訪問介護事業所の福祉用具部門で働き始めました。

「指示されたモノを持っていく」だけでなく、段差を解消する方法を考えたり、拘縮予防に効果的なクッションを選んだりと、心身や生活の状況を見て最適な提案をすることには大きなやりがいがありました。

蒔田:看護大学生時代、地域看護の実習で在宅医療に触れて、「こういう場で看護に取り組んでみたい」と強く感じました。

大学卒業後は、地方の地域医療のことを知りたいという思いもあって、岡山県の大学院で訪問看護の研究を進めながら、訪問看護師としても働き始めました。

博士前期課程修了後は東京へ戻り、あらためて訪問看護師として経験を積んでいきました。

大図:理学療法士の資格を取得してから総合病院に入職し、リハビリテーション科で急性期から回復期の患者さんを担当していました。

経験を重ねる中で「患者さんたちは地域に戻ってからどう生活しているのか」に興味がわいてきたので、デイサービスに転職して機能訓練指導員として働くことにしました。

オフィスでの大図さん

現場での「気付き」をきっかけに介護業界からの転職を決意

――ウェルモへの転職を決めた理由を教えてください。

大図:理学療法士として働く中で、的確なケアマネジメントが高齢者の人生を左右すると実感していましたが、ケアマネジャーの多くは介護業界の出身で、医療的な知識を要するところでの判断が難しいケースもあります。

だからこそ、最適なサービスや事業所を選択できるような情報提供により、マッチングを支援することが大切だと考えたのです。当社はまさにそれに取り組んでいるということを知り、入社を決意しました。

松澤:現場での気付きが転職のきっかけになったのは私も同じです。中でも疑問に感じていたのがアナログな仕事の進め方。担当者会議の記録やアセスメント情報など、多くの書類が手書きで作成されていました。

それを事業所に持ち帰って別の書類に転記したり、PCに打ち込んだり......。こうした効率の悪さを改善し、介護業界へのICT導入を促進したいと考えました。

そもそも介護現場におけるICTは、業務の負担軽減を図るように、人を助けるための道具であるはず。ということは、利用者さんの自立支援を図る福祉用具に似たところがあるのではないか......。

そう感じたことも、実は転職理由の一つです。いくつかの企業を検討しましたが、最もビジョンに共感できた当社に心を決めました。

蒔田:私は「現場にいながら現場の問題を取り上げて解決する」ことに限界を感じ、サービスを直接提供する以外のかたちで役に立てることはないかと考えていました。

そうしたとき、当時勤めていた会社から「訪問看護ステーションから本社へ移って研究をしてみてはどうか」という打診を受け、挑戦することにしました。

その後、その中でAIにかかわったことがきっかけで、業界の質向上に貢献できるのではとAIに可能性を感じ、当社への転職を決めました。

蒔田さんはメンバーとのコミュニケーションを欠かさない

経験者だから分かる、現場で働く人のキモチ

――これまで培ってきた経験は、現在の仕事にどのように役立っていますか。

蒔田:私は、介護や看護、リハビリテーション職の知見を学習して、ケアプラン作成を支援するAIシステム「ケアプランアシスタント」の開発に携わってきました(2020年度中にリリース予定)。

この開発過程でケアマネジャーの方々と話す機会も多かったですが、自分が看護師であること、訪問の経験をしていることが大いに役立ったと思います。

在宅現場のリアルな話ができますし、「ウェルモは現場の肌感覚も理解してシステムを作っている」と、会社そのものへの信頼感につながる場面もありました。

松澤:私と大図さんは、地域ケアプラットフォーム事業部で地域コミュニケーターとして働いています。ケアマネジャー、介護事業者、行政の三者をフラットにつなげ、これまで把握することが難しかった介護の地域資源情報を「見える化」する「ミルモネット」というサービスの展開が今の主な業務です。

その中で介護事業所を訪問する機会が多いのですが、「雨の日の訪問って、自転車だと大変ですよね」「担当者会議のとき、正座だとしんどくないですか」など、「介護あるある」のような話で盛り上がることもしばしば。

そうしたコミュニケーションを通して各事業所が抱える困りごとを理解し、利用者さんへのより良いサービス提供や、働きやすい環境作りにつなげられているのではないかと思っています。

大図:私は自治体の担当者さんと話すことが多いですが、やはり現場での経験は生きていると思います。自分が過去に感じていた問題意識などを、具体的なエピソードを交えて伝えられるので、共感を得やすいようです。

また、ミルモネットに加えてケアプランアシスタントの企画にも関わってきましたが、理学療法士としての知識や経験があるからこそ提案できることも少なくありませんでした。

松澤:社内には医療・介護職の経験がないメンバーもいます。様々な業界の出身者と働くことは刺激的で、新たな気付きにもつながります。一方で、介護業界のことを未経験者に説明する難しさを実感することもありました。

例えば、「おむつを替える」「入浴を介助する」といった生活に即した部分は想像してもらいやすいですが、介護保険制度や請求の仕組み、担当者会議のことなどは分かりづらいようです。そうした点を明確に伝えるためにも、いわゆるコミュニケーション能力は欠かせないと感じています。

――ちなみに、今でも医療や介護の現場が恋しくなることはありますか。

大図:私の場合は、転職して最初の1年間は、元の職場で月1回勤務を続けていたほどです。現在は時間の関係で難しくなってしまいましたが、「現場が好き」という思いは皆さん同じではないでしょうか。

蒔田:専門職として自分の存在意義を肌で感じられる場面が多く、求められる役割も非常に明確ですよね。正直、ご利用者との直接の関わりが恋しくなることはゼロではありません。

松澤:利用者さんやご家族から「ありがとう」という言葉をかけていただくときなど、モチベーションが上がる瞬間が分かりやすいですよね。

私は現職でもよく介護事業所へ訪れるのですが、「ちょっとベッドも見てもらえませんか?」などと頼まれるとうれしくなってしまいます。もちろん、今の仕事により大きなやりがいを感じていることは間違いありませんが。

松澤さんのミーティング

広い視野でキャリアアップのチャンスをとらえよう!

――キャリアに悩む医療・介護職の皆さんにメッセージをお願いします。

蒔田:スタンダードなキャリアパスを外れたところで前へ進むためには、「自分の専門性をこう生かしたい!」という強い思いが必要だと実感します。

現場で働くこと以外にも、ご利用者の役に立てる方法は意外に多いということを、ぜひ知っていただきたいです。

大図:現場で目の前の患者さんに集中し、その人のために働くというのも、もちろん素敵なことです。そして「誰のために何をしたいのか」を考える続けることも忘れないでほしいなと思います。

その中で自分が本当にやりたいことが他に見えてきたのなら、その思いを大切にできる場所を探してみるのも悪くないのではないでしょうか。

松澤:医療や介護の現場で働いている人でも、それ以外の業界の人と関わるシーンは意外に多いもの。医療機器や福祉用具のメーカーは、その一つの例だといえます。

これまで重ねてきた現場経験を生かせる業界は、決して少なくないはずです。また、蒔田さんが前職でそうしたように、本社へ移ることでキャリアアップするケースもあるでしょう。

自分の可能性を広げるチャンスを見逃さず、より俯瞰的な視点で医療・介護業界を見られるといいのかな、と思います。

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プロフィール

中澤仁美(なかざわひとみ)

ナレッジリング 編集者・ライター

慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、中学受験塾の国語科講師などを経て、編集プロダクション・ナレッジリングに参画。
編集者・ライターとして、医療・介護・保育分野の取材やライティングに数多く携わる(保育士資格保持)。