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ニュース 介護業界ニュース 2024/08/26

#インタビュー

吉本興業のお笑い芸人が介護施設に笑顔をお届け!全国各地でレクを行う「よしもとお笑い介護ブ!」の活動内容とは?

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介護のみらいラボ編集部コメント

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「よしもとお笑い介護ブ!」は、介護や介護レクリエーションに興味を持つ、吉本興業所属のタレントの集まりです。レクリエーション介護士や介護福祉士の資格を所持しているメンバーも多く、各メンバーは日本全国の介護施設にて、お笑いの要素を取り入れたレクリエーションを実施しています。

お笑い芸人によるレクリエーションは珍しいですが、一体どのような取り組みを行っているのでしょうか。「よしもとお笑い介護ブ!」の部長であり、お笑いコンビ「span!(スパン)」の水本健一氏と、マコト氏に話を聞いてみました。

1.「よしもとお笑い介護ブ!」とは?

――「よしもとお笑い介護ブ!」の紹介をお願いいたします。

水本:「よしもとお笑い介護ブ!」は、吉本興業の「ブカツ!」プロジェクトをきっかけとして発足した集まりです。まず「ブカツ!」について少しご説明すると、吉本に所属しているタレントのうち、同一の趣味や特技を持つ仲間が集まり、技術を磨き合う取り組みのことです。「よしもと自転車ブ!」や「よしもとボードゲームブ!」など、30近い部活が存在しています。

元々この「ブカツ!」に介護ブはなかったものの、会議の際に「介護に関する部活があったら面白いのではないか」と僕が提案したことで、2020年に発足しました。47都道府県に吉本の芸人を配置するプロジェクト「よしもと住みます芸人」のメンバーを募る形としてスタートさせ、2024年現在は30人ほどのタレントが所属しています。各メンバーの居住地域にあるデイサービスや、特別養護老人ホームなどを訪れて、お笑いの要素を取り入れたレクリエーションを行うことが主な活動内容です。

2.所属メンバーについて

――所属メンバーは、元々介護に興味を持っていた方ばかりなのでしょうか。

水本:半数ほどのメンバーは、レクリエーション介護士や、介護職員初任者研修、介護福祉士などの資格を入部前から所持していました。また、以前デイサービスで働いていたなど、介護の仕事をしたことがある者も多かったですね。ただ、今まで全く介護に関わったことがなかったものの、「介護施設でのレクリエーションとか向いてそうだから、良かったらやってみない?」と僕が声をかけたことで、参加してくれたメンバーもいます。

3.介護に興味を持ったきっかけ

――そもそも、水本さんとマコトさんはどのような経緯で介護に興味を持ったのですか。

水本:吉本の先輩芸人である、お笑いコンビ「レギュラー」のお二人に声をかけていただいたことがきっかけです。レギュラーの松本さんと西川さんは、介護職員初任者研修レクリエーション介護士の資格を所持しているだけでなく、介護に関する活動も積極的に行われているんです。

ある日お二人と話をしている時に、「水本は高齢者の方とお話するのが好きだし、レクリエーションとかも向いていると思う。レクリエーション介護士の資格を取ったら、他の仕事にも活かせるかもしれないし、介護施設からも声がかかりやすくなるのでは?」とアドバイスをいただき、面白そうだなと思い、レクリエーション介護士2級を取得しました。そして取得後に、「この資格を活かして、他の芸人と一緒に介護に関する取り組みができたらいいな」と思い、介護ブを提案したのです。ちなみに、レギュラーのお二人には、特別顧問として参加していただいています。

マコト:僕の場合は、相方の水本くんがレクリエーション介護士の資格を取得したことがきっかけです。僕は元々折り紙講師の資格を持っていて、子ども向けのワークショップなどを実施していました。それまで、高齢者向けのイベントは実施したことがなかったのですが、水本くんと一緒に介護施設を訪れる機会が増えたことで、折り紙と介護施設の相性が良いことに気付きました。そこで、60分のレクリエーションのうち15分ほど時間をいただいて、簡単な折り紙を披露したり、折り紙を使ったレクを行ったりするようになりました。

介護施設にて折り紙を使ったレクを実施するマコト氏

介護施設にて折り紙を使ったレクを実施するマコト氏

4.レクリエーション介護士を取得してみて

――水本さんは実際にレクリエーション介護士を取得してみて、いかがでしたか。役に立ったことがあればお聞かせください。

水本:アイスブレイクの重要性について理解できたことは、非常に大きかったと感じています。アイスブレイクとは、レクリエーションをする前に、場の雰囲気を和ませるための時間のことです。例えば、僕たちが介護施設に行って、「今から手遊びをしますね。グーチョキパーからいきましょう」といきなり言っても、なんだか機械的な印象を与えてしまいますよね。

実は漫才にも「前説(まえせつ)」というアイスブレイクと似た時間があり、お客さんと簡単にコミュニケーションを取るなど、少し客席を温めてから漫才を始めるんです。そのため、最初にアイスブレイクについて知った際は、「漫才と共通している部分だな」とイメージを掴みやすかったと同時に、すべき理由がはっきりと分かって勉強になりました。僕たち水本・マコトという人物を、ある程度理解してからレクリエーションを楽しんでいただけるように、アイスブレイクの時間は特に大切にしています。

5.介護施設でレクリエーションを行う際の流れ

――お二人が介護施設にてレクリエーションを行う際の流れを教えてください。

水本:介護施設でのレクリエーションは1回60分のケースがほとんどのため、最初の10分間でアイスブレイクをして、残りの50分間で用意してきたレクリエーションを実施しています。レクリエーションでは、僕たちのコンビ名span!と、水本・マコトの名前を覚えてもらうレクや、マコトくんによる折り紙、オリジナルのすごろくなどを行っていますね。

ただ、これは僕たちがレクをする際の流れなので、他のメンバーはまた異なったレクを実施しているようです。例えば、お笑いコンビ「もぐもぐピーナッツ」(うっほ菅原さんとばっしーさん)は自分たちで描いたイラストを用いたレクをしているほか、山口住みます芸人のウッチィさんはバルーンアートを披露しています。それぞれ、限られた時間のなかで参加者さんに思いっきり楽しんでいただけるように、自分たちの漫才や特技などを活かして頑張っていますね。

6.介護施設の方からの反応

――「よしもとお笑い介護ブ!」の活動について、介護施設の方からの反応はいかがですか。

水本:利用者さんや入居者さんだけでなく、スタッフさんにも楽しんでいただけている様子が伝わってきて、とても嬉しく思っています。スタッフさんのなかには、僕たちspan!のことを以前から知ってくださっている方もいて、「会えてよかったわ!」「来てくれてありがとう」などの言葉をかけてもらうこともあり、やりがいに繋がっています。介護施設でレクリエーションを実施する際には、スタッフさんにも笑いを届けることを常に意識しています。

7.今後の展望

――今後の展望をお聞かせください。

水本:現在はそれぞれのメンバーが住んでいる地域を拠点に活動しているので、今後は活動地域を増やして、日本全国の施設に笑いと笑顔を届けたいです。また、コロナ禍ではリモートでの活動も多かったため、以前、リモートでのレクリエーションに参加していただいた施設を実際に訪ねて、今後は対面でのレクができたらいいなとも考えています。


プロフィール

span!(スパン)

span!(スパン)

写真左:水本健一(みずもと けんいち)
大阪府八尾市出身。2004年吉本興業入社。レクリエーション介護士2級を所持し、よしもとお笑い介護ブ!部長を務める。特技はバスケットボール、初対面の人とすぐ仲良くなること、相方を片方の肩に乗せること。

写真右:マコト(まこと)
大阪府大阪市出身。2004年吉本興業入社。日本折紙協会認定 折紙講師であり、子ども向けのワークショップや、介護施設でのレクリエーション活動を行う。特技はサッカー、折り紙、将棋、けん玉。

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タケウチ ノゾミ(Nozomi Takeuchi)

ライター・編集者

福岡市在住のフリーライター・編集者。介護、医療、ビジネスを中心に幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。

タケウチ ノゾミの執筆・監修記事

EGGO(イージーゴー)

イージーゴーは東京・九州を拠点にWEBコンテンツ、紙媒体、動画等の企画制作を行う編集制作事務所です。ライターコミュニティ「ライター研究所」も運営しています。

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