社会福祉士に向いている人は?仕事のやりがいも紹介
文/金杉宏敬
社会福祉士の資格を生かして活躍しようとする場合、その仕事内容は「相談業務」を中心とした専門性の高いものとなります。
また、そうした業務においては、特定の分野に対する深い知識と、高い技術が必要とされるため、向いている人と向いていない人がいるのも事実です。
そこで本記事では、「どのような資質を持つ人が、社会福祉士として活躍していけるのか」について解説します。
社会福祉士とは
社会福祉士に向いている人について考察する前に、あらためて社会福祉士の仕事内容を確認しておきましょう。
社会福祉士は、「ソーシャルワーカー」と呼ばれる福祉の専門職であり、高齢者や障害のある方などから相談を受けて、円滑な日常生活が送れるように助言・指導を行うことが主な業務となります。
また、さまざまな専門職と連携したり、ソーシャルアクション(社会問題の解決に向けた制度の創設などを求める活動)を起こしたりする役割も求められます。
こうした仕事を行うためには、以下に紹介する資質が求められると考えて良いでしょう。
社会福祉士に向いている人の特徴
私が考える「社会福祉士に向いている人」は、次の5つの資質がある人です。
人と接することが好きな人
社会福祉士が支援をする対象は「人」です。そのため、人と接することや関わることが好きかどうかは、とても重要な資質となります。
相談は1回で終了するものから、継続して相談を受けるものまでさまざまです。相談者本人にのみ関わることもあれば、家族・親族、地域関係者とも関わらないと、本人を取り巻く環境がわからない場合もあります。
そのため社会福祉士には、人と積極的な関わりを持てることや、人に興味を持つことで相手を知ろうとする観察力・洞察力が求められます。だからこそ、人と接することが好きで、人の役に立ちたいという使命感がとても重要な資質なのです。
ただし、社会福祉士全員が器用に人と接することができるかというと、そうではありません。「福祉の仕事に興味がある」「困っている方の力になりたい」という理由でこの業界を選んだものの、実は「人との関わりが苦手」という人もいます。
過去に私が同じ職場で仕事をしたなかにも、人と接するのが苦手な人がいました。他人と会話をするときに緊張してしまって、うまく相談者の意向を引き出せず、動作にも落ち着きがない様子だったのを覚えています。
しかし、その人には、常に相手の立場に立って相談に乗る姿勢があったため、現場経験を積んでいくうちに相談者に信頼される社会福祉士になっていきました。
そうした事例からもわかるように、人と接することが苦手であっても、親身な姿勢があれば、壁を乗り越えられる可能性は十分にあると言えます。
協調性、コミュニケーション能力が高い人
社会福祉士及び介護福祉士法第一章(総則)の第二条(定義)には、こう明記されています。
「(一部抜粋)〜福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うこと〜」
「連絡調整」は、今後の「連携」を行う第一歩で、社会福祉士が中心となって関係者と連携を図ることが多々あります。そうしたことから、社会福祉士には協調性やコミュニケーション能力が必須となります。
具体的には、相手の話を傾聴する力、相手が何を伝えたいかを把握して要約する力、自身の見解や考えをわかりやすく伝える力が必要だと、私は感じています。
多問題ケースや困難ケースにかかわる場合、社会福祉士が1人で対応することはまれで、行政や医療、福祉、地域関係者などと支援チームを形成するのが一般的です。その際、社会福祉士のコミュニケーション能力が高いと、各支援者の考えや意向をスムーズに引き出せるほか、それぞれの意見を1つに集約した上で、方向性を提示することもできます。そして、そうした連携よって、問題解決につながるケースも多く見られます。
逆にコミュニケーション能力が低いと、多くの関係者の意見を聞き出すことができずに、社会福祉士が1人で問題を抱え込んでしまったり、家族や支援関係者と良好な関係性を築けなかったりします。当然、そうした状況では円滑な支援にもつながりません。
制度や地域社会に対する関心がある人
社会福祉に関する制度は、「高齢者福祉」「障害者福祉」「保育・児童福祉」「母子・寡婦福祉」など多岐にわたり、法改正なども適宜行われます。そのため、相談者を支援する際には、活用できる最新の制度についての知識や法の理解が重要になります。
また、前述したように、相談者の支援は社会福祉士が1人で行うのではなく、支援チームを形成して行います。本人支援においては、地域の社会資源や地域関係者とのつながりを活用することが不可欠ですが、地域と「顔の見える関係」を構築することで円滑な支援が可能となり、多くの情報が得ることができます。
地域の状況を知ることで、地域に足りない社会資源や制度の提案などを行う、ソーシャルアクションも可能になるでしょう。
倫理観やコンプライアンスに対する意識を持てる人
社会福祉士は、相談者のニーズに応えるべく、支援に必要な情報を聞き取りします。抱えている悩みや家族構成、医療情報はもちろん、ときには金銭面に関する情報も聞き出すこともあります。
そのため社会福祉士には、守秘義務をはじめとする「コンプライアンス」に対する高い意識が必要となります。
相談者は、社会福祉士を信用して相談をします。だからこそ、専門職として常に高い倫理観を持って業務を行うことが求められるのです。
常に仕事に対して問題意識や課題を持ち、向上意欲のある人
私は、社会福祉士の仕事に100%の正解はないと思っています。もちろん、相談者のニーズを満たしたことで満足してもらったり、支援がより良い方向に向かったりするのはうれしい限りです。
しかし、「ほかの社会福祉士だったら、どのようなアドバイスをするだろうか?」「もっと適切な支援を行うことはできなかっただろうか?」などと考えることも多く、自分の仕事に満足することは、そう多くありません。
同じ相談は二度とありませんが、「次の相談者に対してはもっと満足してもらえるような対応をしよう」と思うことも数多くあります。
また、自分の社会福祉士としての課題に気づいて、先輩にスーパービジョンを受けたり、研修や勉強会に参加したりすることもあります。
そういう意味では、専門職として、常に知識の習得や相談援助技術の向上を目指すセルフマネジメントが、とても大切な仕事だと思います。
ちなみに、私が地域包括支援センターに勤務していたときは、幾度となく先輩に自分が関わっているケースの相談をしたり、悩んでいることや支援の方向性についてアドバイスをもらったりしていました。
独立した現在は、自分からそのような環境をつくる必要があるため、職能団体の研修などには積極的に参加し、気づきが得られるように努めています。
誰しも考え方のクセや、独自の価値観を持っていると思いますが、客観的にアドバイスやヒントをもらうことで、自分1人では気づけなかった発想を手にすることができます。だからこそ、誰かにアドバイスやヒントをもらう機会は、非常に重要だと感じています
社会福祉士のやりがい
社会福祉士を続けていると、一生懸命に業務に取り組むあまり、心身ともに疲弊してしまうことがあるのも事実で、メンタルヘルスにも十分気を配る必要があります。
しかし、その一方で自身の専門性を発揮して相談者のニーズに応えられたとき、あるいは相談者から感謝されたときの充足感は、この上ないものがあります。
チームを形成して、協働のもとで目的を達成したときは、支援関係者とともに喜びを分かち合えるため、さらなる充実感が得られるでしょう。
私も、今まで多くの相談に乗ってきたなかで、本人や家族に感謝の言葉を伝えられたときは特別なやりがいを感じ、「この仕事に携わっていて良かったな」と心から思いました。
社会福祉士は、自分のアドバイスや支援によって相談者の人生を良くすることができる、非常にやりがいのある仕事です。そうしたやりがいを感じたい人は、資質に少し足りない点があったとしても、きっと乗り越えられるはずです。
社会福祉士の資格取得に挑戦して、ぜひ、やりがいを感じてみてください。
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