介護の悩み相談 第9回 新人ですが同期が優秀すぎて辛いです

質問:新人介護士ですが、先輩も同期も優秀で自分だけ仕事が遅く、焦って辛いです
現在、介護施設で働いている1年目の介護士です。働き始めて半年近く経ったのですが、自分の介助に焦りを感じています。周りの先輩介護職員さんはテキパキとパット交換や食事介助を終わらせて次の業務を行っています。それだけならまだいいのですけど、自分と一緒の時期に入職した同期も仕事の覚えが早くて周りの職員からの信頼を得ている様子です。一方で私は食事介助を終わるのも一番最後で、先日は誤薬という重大なミスをしてしまいました。活躍している同期を見て「同じ時期に入ったのにこんなに差がついてしまっている。居場所がないのではないか?」と焦る気持ちを持ちながら今働いています。いったい私はこれからどうすればいいのでしょうか?
答え:介護の同期や先輩と自分を比較する必要はない 大事なのは同じ失敗を繰り返さないこと
結論を先に言ってしまうと「周りの職員と自分を比べる必要はない」ということです。質問者は同期の仕事の手際良さをうらやましいと感じているかもしれませんが、仕事の手際の良さは長く介護の仕事を継続していると自然に身につくものです。
自分の憧れている先輩だって新人だった時は不器用でミスを連発していたかもしれません。
慣れない介護の仕事でいきなりテキパキ動く方が難しいです。
なので今できないことに関してはしっかり原因を解析して次同じ失敗を繰り返さないようにしていけばいいのです。
逆に自分の失敗に対してしっかり向き合わないと同じミスを繰り返してしまいます。
相談者の悩みを聞いていたら「同じミスを繰り返したくない」「自分も良い介護士になりたい」という向上心が見えるので、しっかり次に向けて改善することで良い介護士になれるのではないか?と思っています。
僕の場合は以下のように自分のミスや出来ないことについて考えて改善してきました。
・誤薬をしてしまった時は、他の職員に相談をしてその先輩がミスをしない方法論や考え方を聞いて実際に試してみる
・転倒の原因を作ってしまった場合は他の職員に相談をして改善策を練ってチームに共有をして気をつけることをメモに残して時々見返す。
上記の方法に共通することは「誰かを頼る」ということです。出来ない自分を恥ずかしがるのではなくて事実を認めた上で同じことを繰り返さないように誰かに教えてもらう。それが非常に大事です。
「人と比べる」というのは何も解決にはならないです。ましてや自分自身を責めて悲観するのは結果的に仕事のパフォーマンスを下げて同じミスを繰り返してしまう原因にもなってしまいます。
また仕事のスピードに関しても、最初に述べたように試行錯誤を繰り返しているうちに改善できますし、そもそも職場の業務改善が進んでいないからギリギリの状況で回しているということも考えられます。
介護の仕事をする上でスピードは大事かもしれませんが、それ以上に重大なミスをしないということがとても大事です。
新人をどう活かすかは施設の教育次第
先ほど施設の体制に対して言及したのですけど、新人を活かすために施設の教育体制や失敗をした介護士に対してどのような関わりをするのか?ということは非常に大事です。
例えば、ミスをした新人に対して上司が長時間にわたって説教をしたり、反省文を書かせるような職場はそもそも新人を受け入れる資格はないと思っています。
そのように脅したり責任を押し付けたりするような施設で働いていても、常に萎縮した状態で働いているので、スキルアップをするのは難しいです。
そういう施設で働くのは介護士としてのキャリアを築く上で大きな障害になるので早く転職をした方がいいです。
新人がミスをするのは仕方がないことですし、ある程度は施設が許容するべきです。
その上で次に繋がるような指導ができる施設こそ新人は成長します。
教育体制が充実している施設では新人教育に時間を割くことができますので、良い人材が育ちます。
僕自身も未経験で介護士を始めて最初の施設で長い時間をかけて1からじっくり介護の基礎から考え方までみっちり仕込んでもらいました。 おかげで他の施設に行っても戦力として活躍することができましたし、評価をしてもらいました。
これが新人に恐怖感を与えてしまうような職場だったら介護士を辞めていましたし、今この文章を書いていることもなかったと思います。 本当に最初の職場には感謝でいっぱいです。
新人指導をする上で気をつけて欲しいこととしては「新人を比較するような環境を作らない」ということです。
今回の相談者みたいに「同期と比べて仕事ができない」というのは働く上でのモチベーションを大きく奪ってしまう可能性があります。
なので出来るだけ、部署を分散することも必要だと思います。
あと技術職にありがちな「見て覚えろ」というのは、教育の責任を放棄しているのと等しいので後々良い人材が生まれないことにもなります。
もちろん介護士個人の資質ややる気も大事ではあるのですけど、職場の教育環境が重要なのは言うまでもありません。
他人を追うのではなくて、自分のできることを積み重ねていこう
そもそも仕事に対して「認められたい」とか「褒めて欲しい」みたいな感情を持ち込まない方がいいと思っています。
もちろんその気持ちがモチベーションになることも多いのですけど、承認欲求を得たいと思うことで「なんでこんなに頑張っているのに報われないの?」と感じる機会が増えてきます。
同期がどんなに仕事ができて自分が仕事できないのは仕方のないことなのです。
努力しても報われないことは世の中にはたくさんあります。
能力に差があるのは当然ですし、その能力差を努力で埋められるとも限らないです。
なのでその能力差を認めた上で「自分は何ができるのか?」という自分の強みを考えた方がいいと思います。
出来ないことを無理に克服するのは非常に労力が必要です。なので最低限抑えたら、他の誰かを追うのをキッパリ諦めて自分の強みを伸ばす方向に持っていくべきです。
例えば「仕事は早くないけど、とにかく丁寧で喜ばれる介護士」を目指すとかそんな感じです。別に無理して他人の背中を追いかけて欠点を直す必要はないです。
いろんな介護士がいていいと思いますし、自分の苦手なことは得意な人に補ってもらえばいいのです。その代わり他の人が苦手で自分が得意なことがあれば補うことで良い関係を作っていくこともできます。
せっかく多くの介護士がいるのだからみんなが均一的な能力を持たなくても、それぞれ得意なことを生かして組織にプラスになる方が僕はいいと思います。
もちろん重大なミスをすると多くの人に迷惑がかかりますので、最低限のところは抑えるように意識した方がいいと思います。
成長をしたいなら恥を捨てた方がいいです
最初の方にも書いたのですけど、もっと積極的に自分の弱さをさらけ出して教えてもらうことをした方がいいと思います。
それで馬鹿にしてきたり適当にあしらってしまうような人がいるなら、その組織はもう腐っているので離れてもいいと思います。
多くの先輩介護士が親身になって話を聞いてためになるアドバイスをしてくれます。せっかく多くの介護士が周りにいるのなら頼らない手はないと思います。
その先輩介護士だって困った時に多くの介護士に助けてもらったと思います。
「教えてもらうのはプライドが傷つく」みたいなタイプは本当に損をしています。せっかく学んで成長する機会があるので自ら棒に振っているようなものです。
自分一人では解決できない問題でも複数人ならなんとかすることもできるので、自分の弱みをさらけだすのは恥ずかしいことではなくて、必要なことです。
特に新人の間は困ったことがあれば人に聞く癖をつけて損はないと思います。
ちなみに聞く際にはしっかり要点をまとめて、自分が思っている対策案をしっかり伝えるようにしましょう。
聞く側も「何も下調べをしていないから一から全部教えてくれ」というのはなかなか耳を傾けてくれないと思います。
周りに相談できそうな人がいないならネットで悩みを打ち明けてみてもいいと思います。その悩みに真摯に答えてくれる先輩介護士はたくさんいます。
悩みを抱えながら仕事をするのはとてもきついですし、まずは頼るということを覚えることで自然に良い方向に向かうのではないでしょうか?
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