介護の悩み相談 第20回 介護職の仕事がつらく、うつ病っぽくなってしまった
質問:人手の足りない介護施設で仕事がつらくてきつくて、うつっぽくなってしまいました。病院に行くほどではないと思いますが...
介護施設で働いて3年の介護福祉士です。最近働いていて苦しくて、疲れているのによく眠れなくて日勤の日なのに朝3時に目が覚めてしまったりします。
今働いている施設が人手不足が深刻になってきて、勤務時間にちゃんと仕事をやり切れなくなり残業が増えました。休みも取りづらくなってからどんどんつらくなってきました。
私が入社した時はそんなことはありませんでしたが、上司が結婚を機に退職したり、入ってきた新人が何人も短期離職した事が重なって現在は現場を回すのもギリギリの状態です。
シフトの人員を確保する事ができずに、毎週1人休日出勤をしないと配置基準を満たす事ができないです。一人一人の仕事量も増えていて、職員はみんな疲れ切っています。
以前は職場に行ってご利用者様と話すのも楽しみだったのに、最近職場に行く時に胃が重くなるようなゆううつな気持ちになり、先日は移動中の車の中で急に涙が出てきてしまいました。
職場も必死に求人を出して人員確保に尽力していますが、なかなか人手が集まらない状態です。
つらくて仕事にも集中できず、休職を考えたのですが、こんなに人手不足の職場で私まで休んだら他のみんなの迷惑になってしまいますし、熱が出たり動けないような病気なわけではないので、仕事を投げ出して休むのは無責任だと思われて陰でいろいろ言われてしまいそうです。
もっと前向きになれる方法はないでしょうか?もし良かったらアドバイスをしていただけると嬉しいです。
答え:一度問題を表面化させたほうがいい
人手不足が原因で心身に問題が出ているのなら、まずは職場に相談をして問題を表面化させましょう。
人手不足に関しては求人を出しても人手が集まらない時代なので、すぐ解消するのは難しいと思います。
なので出来るだけ、心身への負担を抑えられるように配置換えや業務改善をしていただくように働きかける事が大事です。
また同じような状態になっている職員もいる可能性があるので、問題を表面化させて、一度施設として対策を練ることで他の職員も救われる可能性もあります。
誰にも相談をしないままに今の状態で働き続けてしまうと、確実に体や心を壊して長期間仕事ができないようになってしまいます。
実際に私の元同僚でも過労が原因で休職したのですけど、復帰はできずにそのまま退職しました。その後外で会う事があって、近況を聞いたところ「治療中で転職活動もしていない」と話していました。
その元同僚は早期に相談しなかった事を後悔していました。
施設側としても急に体調を崩して退職されるよりは、早めに相談して手を打ったほうが貴重な人材を手放さなくて済みます。なのでまずは今置かれた状況を誰かに相談をする事が大事です。
①早めに病院に行って、自らの状態を把握したほうがいい
鬱(うつ)っぽさの度合いによるかもしれませんが、まず最初に病院に行って、どれぐらい調子が悪いのか?ということを確認したほうがいいと思います。最近心療内科や精神科は流行っていて、ちょっとしたことで利用する人も増えたので、すごく行きやすくなりました。
自覚はないけど、実は症状が重いという事もあるかもしれないので、最初に病院に行って自らの状態を把握してから、家族や医師などと相談して、これからすることを考えましょう。
症状が重い場合は一回仕事から離れて治療する必要もありますし、症状が軽い場合は部署移動で改善する事があります。
先ほど解説した「上司に相談をする」というのも、自分の状態を把握した上で話したほうが、相談を受ける側も助かります。
お医者さんからもアドバイスをもらう事もできますので、まずは症状の重さ関係なく受診する事をオススメします。一人で思いつめないほうがいいです。
一番避けなければならない事態が「症状を把握せずに働き続けて、ある時に爆発してしばらく働く事ができなくなる」ということです。
このようになってしまうと、職場も急に職員を失うことになって、かえって多くの職員の負担がさらに増えたりします。
また本人も長期間働けなくなってしまうこともありますので、出来るだけ早く対応する事が大事です。とりあえず1日休んで朝病院に行き、残りの時間はのんびりするなどどうでしょう。
②職場で対応していただけることはしてもらおう
鬱や不安の症状が軽い場合は、職場で部署異動や業務改善があれば症状も良くなる事があります。もちろん職場によっては対応できない事もあるかもしれません。
その時は退職・転職という選択をする事も視野に入れていいと思います。
また経営視点の話ですが、人手不足が原因で職員の負担が上がっているという話ですが、人手が少ないならその分、業務の範囲を狭くするというのも大切な事です。
人手が減っても以前と同じような業務を保つために残った職員に負担を強いてしまうのは、やってしまいがちですが、負担が大きくなった職員が退職してしまうということもあります。なので人手が減ったタイミングで業務改善をする事が大事です。
具体的には以下のような事を施設として行う必要があります。
・人手が減ったなら新規受け入れの件数を減らす
・行事の数や委員会活動を減らす
今までしていた業務をしなくなってしまうのは、サービスの質を下げてしまう事ですが、人手が足りていないのなら仕方ないです。
施設に対応を求める場合には、これからも働き続けたい趣旨を伝えましょう。
施設からしても貴重な人材を手放すのはしたくないので、精一杯の対応はしてくれると思います。
しかし、あまり施設の対応に期待しすぎるのも良くないです。
施設に出来る事も限界があるので、納得いかない場合は転職を検討しましょう。
③人手不足の問題は今すぐ解決する問題ではない
現在多くの施設が介護職員不足に悩まされています。国も必死に介護人材の確保に奔走していますが、解決の糸口は掴めていません。
そもそも少子高齢化で、働き手の人口は減っているので、同じ介護業界だけではなくて他の職種との人材獲得競争が繰り広げられています。
実際に多くの介護施設が求人を出していますが、なかなか集まらずに年中求人を出している介護施設も多いです。なので人手不足が解決することを期待するのは非現実的だと思っています。
人手不足が解消する前に、多くの職員がダウンして労働市場から姿を消すということも多いと思います。それよりも、自分で解決できる問題に手をつける事が大事です。
今回の場合は「問題を表面化させる」「施設に業務改善や異動の対応を求める」ということを書きましたが、それでも問題が解決しないことは多いと思います。
根本問題として「人手不足」があるのなら、その問題が解決されない限り同じような事になってしまう可能性も高いです。
そんな世の中ですから、まずは自分を守るために出来ることを考え、優先して行動していった方がいいと思っています。職場の状態が変わらず、部署も変えてもらえないのなら、転職したほうがいいと思います。
その時も、焦ってどこでもいいと転職してしまうのではなく、介護職の転職について情報を集めて、いくつか比較して決めないと同じようなことが起こるかもしれません。
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