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職場・悩み 介護職のお悩み 2023/08/23

介護職がきついと感じたら?解決法や介護職のメリットを紹介!

文:中村 楓(介護支援専門員・介護福祉士・介護コラムニスト) thumbnail.jpg

新人から介護の仕事をはじめて、少し慣れてくると、介護職はきついと感じることがあるかもしれません。介護職はやりがいのある仕事とはいえ、日々の仕事できついと感じて、辛くなってしまうこともあるでしょう。この記事では、介護職がきついと感じたときの解決法と介護職のメリットについて、詳しく解説します。

1.介護職がきついといわれる5つの理由



なぜ、介護職をきついと感じてしまうのでしょうか。実は、介護職がきついと感じる理由には、次の5つが挙げられます。それぞれの理由について、詳しくみていきましょう。

人手不足で十分な指導が受けられないのできつい

介護職の現場は、慢性的な人手不足の状況にあります。「令和3年度介護労働実態調査」によると、人手不足を感じている事業所は63.0%にのぼりました。実際に働いている人を対象とした調査でも、職場での悩みに「人手が足りない」と感じている人が52.3%と、半数以上の人が人手不足に悩んでいることがわかります。 現場の人手が足りなくても仕事量は変わりません。一人当たりの仕事量が増えるだけでなく、新人指導に割く時間も減ってしまいます。その結果、新人は不安なまま現場に出ざるを得ず、精神的にも「仕事がきつい」と感じてしまうのではないでしょうか。

責任のある仕事の割に賃金が低い

介護職は、介護サービスを利用する高齢者の生活を支えるという、責任のある仕事です。入浴や移乗では細心の注意を払わなければいけませんし、歩行できる人でも転倒のリスクに備える必要があります。
それほど責任ある仕事であるにもかかわらず、仕事の割に賃金が低いと感じている人は少なくありません。こうした現場の声を受け、政府は介護職の賃金アップに取り組んでいます。実際に、所定賃金は年々上がっており、介護報酬でも加算が付くようになりました。しかし、大変さや責任の重さ自体が軽減されたわけではなく、依然として「仕事がきつい」と感じている人は多いのが現状です。

精神的、身体的に負担が大きい

介護の現場では、体の不自由な高齢者を抱えたりする場面も多く、身体的な負担を抱えがちです。実際に、腰痛に悩んでいる介護職は多くみられます。また、年齢を重ねるにつれ、「介護職をこのまま続けて体力がもつだろうか」と健康面の不安を抱えている人も少なくありません。
加えて気になるのが、精神面の負担です。介護職は人を対象とした仕事であり、利用者に適切な介護ができているか不安に感じる人もいます。特に、新人のうちは認知症の方の発言や行動に対し、精神的に大きな負担を感じてしまいがちです。

働き方が不規則で生活リズムが崩れやすい

介護職は、多くの場合シフト制で仕事をします。フルタイムで働く人のうち「日勤の働き方のみ」というケースは少なく、基本的には、夜勤や早出、遅出などの変則的なシフトが入ってくるため、生活リズムが不規則になりがちです。こうした働き方が負担に感じ、仕事がきついと感じてしまうこともあるでしょう。中には体調を崩してしまう人もいます。

人間関係がうまくいかず、精神的にきつい

先にも紹介した資料「令和3年度介護労働実態調査」によると、介護職として働く人を対象とした調査では、前職を辞めた理由に「人間関係に問題があった」と回答する人が多くみられました。自分と合わない上司や同僚がいる環境で働くことで、精神的に辛いと感じてしまった人も多いのではないでしょうか。
介護現場では、チームで動くことが多いため、合わない人が多いほど仕事がしづらくなります。しかも、多くの人が働く施設もあり、全員と相性がいいとも限りません。人間関係につまずいて、「仕事がきつい」と感じてしまう人もいると考えられます。

2.介護職がきついと感じたときの解決方法



では、介護職がきついと感じてしまったときには、どう対処すればよいのでしょうか。ここからは、介護職の辛さを解決する方法を4つ紹介します。

キャリアアップを目指してみる

介護職がきついと感じ、仕事へのやる気が低下したときには、キャリアアップを考えてみましょう。資格取得によって手当が付く介護事業所は多くみられます。特に介護福祉士資格は、リーダー職やサービス担当責任者などへの昇格が期待できます。また、さまざまな事業形態を持つ事業所であれば、希望する部署への移動が叶いやすくなるでしょう。

また、資格取得や研修参加の経験は、転職でも有利になります。仕事に前向きに取り組んでいると評価されることが多いでしょう。同じ職場で働き続ける場合でも、新たな資格や知識を習得することで、スキルアップを図ることができれば、仕事を効率的に進められるようになります。モチベーションアップとともに、きつさが軽減する可能性も高いでしょう。

働き方を変えてみる

シフト制がきついと感じている場合や、結婚や出産などのライフスタイルの変化から仕事との両立が負担に感じるようになった場合には、働き方を変えてみるとよいでしょう。特に、小さな子どもがいる場合には、時短勤務や夜勤免除などを希望するのも一案です。体力的に夜勤が難しいときには、夜勤の免除に応じてくれたり、夜勤のない部署に異動させてくれたりする例もあります。今の働き方がきついと感じている場合には、まずは、上司に働き方について相談してみてはいかがでしょうか。

相談できる人を探す

一人で悩みを抱えていると、悪い方に考えてしまいがちです。ですが、人に悩みを相談すれば、精神的負担が軽減することがあります。今抱えている悩みを相談することで、具体的な解決方法が見つかるかもしれません。同業ではない家族や友人であっても、話を聞いてもらうだけで、心が落ち着いたり、辛さが和らいだりすることもあるでしょう。仕事がきついと感じたときには、相談できる人や話を聞いてくれる人を探すのも、解決方法として有効な手段といえます。

ストレス発散できる趣味を見つける

仕事のつらさを解消するためには、ストレスが発散できる趣味を持ってみましょう。実際に、私の周りで生き生きと働いている人たちの多くは、打ち込める趣味を持っています。マラソンやフラダンスといった体を動かすものや、オンラインゲームや推し活など、その趣味はさまざまです。どんな趣味であっても、打ち込めるものであればストレス発散につながります。趣味がないという人は、興味のあることから始めてみるとよいでしょう。

3.介護職の「きつい」をカバーできる3つのメリット



仕事がきついといわれる介護職ですが、その一方で、やりがいのある仕事でもあります。介護職のきつさをカバーできるメリットもたくさんあります。中でも、私が普段から感じているメリットを3つ紹介します。

多様な働き方ができ、仕事と育児の両立がしやすい

介護職は、女性が多く働く職場です。そのため、仕事と育児の両立に悩んだ先輩方が多く、両立しやすい環境を整えている職場が増えています。例えば、子どもが小さいうちには時短勤務や夜勤免除ができたり、パートに変わっても希望すればいつでも正社員になれたり、と多様な働き方に対応できる事業所もあります。また、保育所を併設している事業所や、近隣の保育所と提携している事業所も増えています。ライフスタイルに合わせた働き方ができるのは、介護職の大きな魅力といえるでしょう。

年齢や経験に関係なく働けて、キャリアアップしやすい

介護職は、中高年層の活躍が目覚ましい業界です。子育てが一段落した人や、異業種からの転職なども多く、年齢や経験に関係なく働ける現場といえるでしょう。また、60歳以上の人もたくさん活躍しています。会社によっては、年齢制限を設けてないところもあり、70代で現役バリバリで働いている人もいます。
特に、資格取得者は重宝されます。資格を取得すれば、何歳からでもキャリアアップが可能です。年齢を問わず、まだまだ頑張りたいという人にメリットがある職種です。

利用者さんや家族に感謝されることが多い

介護職は、利用者さんのできないところを支援する仕事です。そのため、日々の仕事の中で利用者さんやその家族から感謝を伝えられることが多々あります。「ありがとう」と感謝されることで、きつい仕事も頑張れるという人も少なくありません。そうした「感謝の気持ち」にやりがいを感じ、長く続けているという人も多くいます。やりがいという点では、他の職種に負けない、大きな魅力がある仕事ではないでしょうか。

まとめ:介護職はきつい部分もあるが、やりがいがある仕事



介護職は、どうしてもきついと感じる部分があります。しかし、国は処遇改善に取り組んだり、会社は労働環境を改善したりと、介護職のきつさが改善できるような動きも出てきています。介護職をきついと感じるときには、身近な人に相談し一人で抱え込まないことが大切です。無理なく働くことができれば、介護職のやりがいを感じ、やる気をもって取り組めるでしょう。

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中村楓(Kaede Nakamura)

介護福祉士・介護コラムニスト

現役介護支援専門員。介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修の資格を持つ。病院や通所リハビリ、デイサービスで介護福祉士として働き、生活相談員や介護認定調査員の経験も持つ。「介護の未来を明るくする」をモットーに、現場感ある記事を書く介護コラムニストとしても活動中。

中村楓の執筆・監修記事

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