季節を楽しむ【塗り絵カレンダー】 2022年5月:端午の節句
構成・文/介護のみらいラボ編集部 イラスト/深蔵毎日の会話が広がる! 「端午の節句」の豆知識
ここからは、ぬり絵カレンダーのテーマにまつわる豆知識をご紹介します。季節の話題を現場でのコミュニケーションに役立てましょう!
端午の節句はもともと邪気を払う行事だった
3月3日のひな祭りが女の子の節句とされるのに対して、5月5日の「端午の節句」は男の子の節句。兜飾りやこいのぼり、五月人形を飾って、男の子のすこやかな成長と健康を願う日です。今回は、この端午の節句の由来についてご紹介しましょう。
「端午」とは「月初めの午の日」という意味で、本来は5月だけを指す言葉ではありません。しかし、「午」という文字の音が「五」と同じであることや、月と日の数字が重なる日をお祝いする風習があったことから、古代中国では5月5日を端午の節句とし、邪気を払う行事を行うようになりました(病気や厄災をはらうため、菖蒲湯に入ったり、菖蒲酒を飲んだりしていたそうです)。
その後、端午の節句の行事は日本にも伝わり、奈良・平安時代の貴族の間に定着。中国と同じように、菖蒲湯に入って厄除けをするならわしが生まれたとされています。
邪気を払う行事が、男の子の成長と健康を願うお祭りになったのは、江戸時代に入ってからのこと。「菖蒲」が「尚武(武道や軍事を尊ぶこと)」や「勝負」につながることから、端午の節句が「勇ましさの象徴」としてとらえられるようになり、鎧兜を飾って男の子の成長を祝う行事へと変化していきました。
ちなみに、鯉のぼりは「黄河中流にある竜門の急流を渡りきった鯉は、姿を変えて竜になる」という中国の故事から生まれたもので、そこには男の子が立派に成長し、立身出世するようにとの願いが込められています。
また、端午の節句に柏餅が食べられるようになったのは、「新しい葉が出るまで古い葉を落とさない」という柏の木の特性から。それが、当時の武家社会の「家系がとぎれず続くように」との願いと結びつき、柏の葉を使った柏餅が"縁起物"として扱われるようになったのです。
[参考]
『12ヶ月のしきたり 知れば納得!暮らしを楽しむ』(新谷尚紀/PHP研究所)
『子どもにつたえたい年中行事・記念日』(萌文書林編集部編/萌文書林)
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