#4月のレクリエーション#壁面飾り#春のレクリエーション#認知症ケアの現場から
高齢者と一緒に作る春の「桜」の壁面飾り【4月】型紙付き|認知症ケアの現場から(18)
文・写真/安藤祐介介護施設では、利用者さんの日中の活動量を増やしたり、季節の移り変わりを感じてもらったりする目的で、壁面飾りを作製することがあります。レクリエーションとしてできるだけ多くの利用者さんと作製するのが望ましいですが、場合によっては身体・認知機能が高い利用者さんに頼りがちになったり、認知症や片麻痺がある利用者さんが参加しにくくなったりすることもあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、幅広い利用者さんが参加できる、4月の桜をイメージした壁面飾りの作り方をご紹介します。作製の工程を「塗る」「切る」「貼る」の3つに分けてありますので、工程ごとに力を発揮しやすい利用者さんに担当してもらうなどして、より多くの利用者さんとレクリエーションを楽しんでください。
1.壁面飾りの目的・期待できる効果
- 余暇時間が充実して、生活の質が向上する
- 季節の移り変わりが感じられ、見当識が賦活される
- 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる
- 日中の活動量が増え、体力の維持につながる
- 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる
2.4月・桜の壁面飾りの作り方
塗り絵の図案を用意する
桜の花をイメージした塗り絵の図案を用意します。桜のバリエーションは限られていますが、花びらの形や花の大きさに変化を付けながら、いくつかのデザインを用意しておくと、利用者さんが好みの図案を選択する楽しみが生まれます。
また、花が多くて塗るのに時間がかかる図案と、花が少なく塗りやすい図案を用意しておくと、難易度に変化がついて利用者さんの能力に応じた提供がしやすくなるでしょう。図案は後ほどハサミで切ってもらうため、切る線がわかりやすくなるように輪郭(いちばん外側の線)を太くしておきます。こうすることで図案の境目がはっきりわかって、より塗りやすくなるはずです。
※筆者が作製した塗り絵の図案はこちらよりダウンロードできます。
「塗る」工程
色鉛筆が使える利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。色塗りはあまり複雑な手の動きを必要としないため、多くの利用者さんに担当してもらえる工程です。塗り絵を大きめのバインダーに挟んで提供すると、紙が動かなくなるので、片麻痺などで手が不自由な利用者さんや、塗る際に過度な力が入ってしまう利用者さんも取り組みやすくなります。
認知症がある利用者さんは、何色で塗れば良いかわからなくなることがあるため、必要な色鉛筆だけ渡したり、他の利用者さんの作品を見えやすい位置に置いて、お手本にしたりすると良いでしょう。
「切る」工程
ハサミが使える利用者さんに、完成した塗り絵を切ってもらいます。ハサミで切るのは色塗りよりも複雑な手の動きが必要なため、比較的上肢の機能が高い利用者さんに担当してもらいましょう。
切ってもらう際はA4用紙のまま渡すより、職員が大まかに切ってから渡したほうが取り組みやすくなります。なお、利用者さんの手の大きさや指の可動性によって扱いやすいハサミが異なるため、複数のハサミを用意しておき、実際に使いながら好みのハサミを選んでもらうと良いでしょう。
「貼る」工程
下地となる画用紙や模造紙を用意し、一面に桜の花を貼り付けていきます。この工程は、セロハンテープやのりが使える利用者さんに担当してもらいましょう。
難しい場合は、職員が花にセロハンテープやのりを付け、それを利用者さんに貼り付けてもらってください。職員が軽く貼り付けた花を、利用者さんにしっかり貼ってもらうことで、工程の難易度を下げることができます。
一面に桜を貼り終えたら、木の枝や余った花、花びらなどと一緒に壁に飾り付ければ完成です。
3.職員が注意すべきポイント
桜の花を「塗る」工程は単調になりやすいため、利用者さんによっては集中力が続かないこともあります。職員は適宜声かけをして、塗り方の丁寧さを労ったり、補水や休憩を促したりしましょう。並行して「切る」工程を依頼すると、作業に変化が出て集中してもらいやすくなります。
また、現在作製しているものが、「最終的にどのような壁面飾りになるのか?」を開始時や作業の合間に説明することで、レクリエーションへの意欲が高まります。ぜひ実践してみてください。
4.塗り絵の図案プレゼント
リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。
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