調理補助とは?仕事内容・向いている人・介護施設や病院で働くポイントまで
構成・文/介護のみらいラボ編集部栄養士や調理師と違って、調理補助は明確なイメージが持ちにくい仕事かもしれません。みなさんのなかにも、「調理補助の仕事に興味があるけれど、何か資格が必要なの?」「どんな職場で、どんな仕事をしているの?」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、調理補助の仕事内容や、調理補助に向いている人の特徴を紹介します。併せて、介護施設や病院における調理補助の仕事内容やメリットも詳しく解説するので、調理補助の仕事に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
1.調理補助とは?仕事内容を紹介
調理補助とは、調理を行う人がスムーズに作業できるように、食材や調理器具、食器などの準備を行う仕事です。職場によって行う業務はさまざまですが、主な仕事内容は以下の通りとなります。
【調理補助の主な仕事内容】
・食材の下ごしらえ、調理、盛り付け
・食器や調理器具の準備
・食器や調理器具の洗浄
・料理の配膳、下膳
・調理場の片付けや清掃
・食材の在庫チェックや発注
また、食べ物を扱う仕事のため、食中毒などを起こさないように、食品管理や衛生管理にも最大限の注意を払う必要があります。
調理補助の仕事はチームで行い、栄養士の考えたメニューをもとに、調理師の指示に従って進めるのが一般的です。決められた食材を、決められた通りの量で調理するため、家庭での料理とは勝手が違うと感じるかもしれませんが、すべてレシピで決められた通りに調理するので、慣れればキャリアに関係なく活躍できる仕事と言えます。
なお、調理補助は調理関係だけではなく、配膳、会計などの業務を担当することも。どのような業務を担当するかは、職場によって異なりますが、老人ホームや介護施設での調理補助は、普通の食事が食べにくい利用者のために、完成した食事を刻んだり、ミキサーにかけたりする「食形態のアレンジ」を担当することもあります。
調理補助は全国で必要とされる需要の高い仕事です。免許や資格を必要としないため、未経験でも始めやすい点もメリットといえるでしょう。業務に必要な技術や知識は、働きながら学んでいく人が多いといわれています。
2.調理補助に向いている人の特徴
調理補助に向いているのは、主に次のような特徴を持つ人です。
●正確な作業が得意な人
調理補助の仕事では、レシピ通りにきちんと調理したり、時間に合わせて食事を完成させたりすることが求められます。細かい部分にまで目配りできる人や、集中力のある人が調理補助に向いているといえるでしょう。
●同時に別々の作業をこなせる人
調理の現場は一般的にとても忙しいものです。食材を切りつつ、鍋の様子も確認するといったように、一度に複数の作業をこなすことも珍しくありません。大量の作業を一度に割り振られてもパニックにならずにこなせる"マルチタスク能力"の高い人は、調理補助に向いているといえます。
●チームワークが得意な人
調理の現場はチームで動くのが一般的で、調理補助は調理師の補助的な役割を果たします。責任者の指示で動く場合が多いため、調理師などの指示をきちんと聞き、実行できる素直さが必要です。また、キッチンスタッフの人数が多い職場では、スムーズに仕事を進めるために協調性のある人物が重宝されるでしょう。
●体力がある人
調理の現場は基本的に立ち仕事になるため、体力が必要とされます。さらに介護施設や病院では、早朝のシフトに入って朝食を作るケースも少なくありません。したがって、睡眠リズムを自分で整えたり、適切に体調管理ができたりする人が調理補助に向いています。
●調理の仕事に興味がある人
調理補助の仕事は、調理のプロである調理師の仕事ぶりを間近で見られるメリットがあります。要件を満たすことができれば、調理師免許の受験資格が得られる点も魅力です。「ゆくゆくは調理師免許を取りたい」と思っている人には最適の仕事でしょう。
最初はできなくても、調理補助として働いているうちに体力がついたり、正確さが身についたり、マルチタスクをこなせるようになる場合も多いので、上記の特徴に当てはまらないからといって、調理補助の仕事に向いていないわけではありません。
調理補助に興味があるなら、ぜひチャレンジしてみると良いでしょう。
3.介護施設・病院で調理補助として働く場合に大切なこと
介護施設や病院での調理補助は、飲食店などとは異なる特殊な性質を持った仕事です。そのため、介護施設や病院で調理補助として働く場合は、「気を付けるべきポイント」を意識して活動することが重要です。
ここでは、介護施設や病院で調理補助として働く際に、押さえておきたいポイントを2つ紹介します。
利用者に合わせた調理に対応する
介護施設や病院における調理補助の最大の特徴は、「一人ひとりに合った食事を作る必要がある」ということです。
老人ホームや介護施設には、病気や高齢のため嚥下機能が低下した方や、糖尿病などで食事制限がある方も入所しています。そのため、そのような利用者のために材料を細かく刻んだり、塩分を調整したりして、個別に食事を作り分けることが必要です。
また、アレルギーや、利用者が飲んでいる薬との食べ合わせにも留意する必要があります。利用者が安心して口にできる食事を作ることは、責任が大きくやりがいのある仕事です。
施設の利用者のなかには、食事を大きな楽しみとしている人もたくさんいます。そうした方たちにとって、安心して楽しめる食事は毎日の喜びや生きがいになるほど大切なものなので、「食事も介護の一環である」という意識を持って仕事を行いましょう。
調理師・栄養士からのアドバイスに従う
介護施設での食事は介護の一環であるため、レストランなどで働くよりも手間をかけたり気を遣ったりする場面が多く、最初は骨が折れると感じるかもしれません。
しかし、自己流で間違った調理や盛り付けを行い、万が一利用者の口に入ってしまった場合、のどに詰まらせるなどして利用者に危険が及ぶ可能性があります。
人の命にかかわる重要な仕事だからこそ、調理補助一緒に働く調理師や栄養士からの指示に素直に従うことが大切です。少しでも疑問点があれば、迷わず調理師や栄養士に尋ねましょう。
4.介護施設・病院で調理補助として働く2つのメリット
介護施設や病院で調理補助として働くメリットは数多くありますが、ここでは主なメリットを2つ紹介します。
●社会的に高いニーズのあるスキルが身に付く
超高齢社会である日本において、高齢者一人ひとりに合わせた介護食を作れるスキルは、今後ますます必要とされるでしょう。
介護施設では決まった時間に大勢の人に食事を提供するため、時間に間に合うように大勢の利用者の食事を作るタイムマネジメント能力が身に付きます。その点も、介護施設で調理補助として働くメリットといえるでしょう。
介護業界は人手不足といわれており、一人ひとりに合わせた食事を、毎回決められた時間に作れる能力を持っていれば、働き先に困ることは少ないはずです。また、介護施設や病院は全国各地にあるため、転職先も豊富にあります。
●調理師の受験資格取得につながる
調理師試験の受験資格には職歴条件があり、「法令で定められた施設で2年以上調理業務に従事した者」でなければ受験できない決まりがあります。
介護施設や病院は上記の施設に当てはまるため、2年以上調理補助として働けば受験資格が得られます。調理師の資格を取ることによって、仕事の幅が広がったり、給与アップを期待できたりもするため、働きながら受験資格を取得できるのは大きなメリットです。
まとめ
調理補助は、調理師の補助として調理に関する準備全般を担当する仕事で、決められた通りの材料を使い、決められた時間に食事を提供する作業の正確さが求められます。調理の現場ではチームワークが重要であるため、調理師の指示に従う素直さも必要です。
介護施設や病院の調理補助は、一人ひとりに合わせた食事を作り分ける必要があるため、注意深い人に向いています。
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※当記事は2022年4月時点の情報をもとに作成しています
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