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仕事・スキル 介護士の常識 2022/09/12

計画作成担当者とは?ケアマネとの違いや仕事内容・必要な資格

構成・文/介護のみらいラボ編集部 6.jpg

介護に携わる仕事の一つとして、「計画作成担当者」という職種があります。計画作成担当者はグループホーム、小規模多機能施設などの施設において、利用者さんのケアプランを作成するなど、重要な役割を担う職種です。ケアマネジャーと業務内容が似ているためよく比較されますが、いくつかの違いが存在します。

当記事では、計画作成担当者についての仕事内容や必要な資格、なる方法などを詳しく解説します。介護職分野でのキャリアアップを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.計画作成担当者とは?

計画作成担当者とは、施設を利用する方のケアプランを作成するスタッフであり、ケアマネジャーに近い役割を持ちます。利用者さんの心身状態や家庭事情を考慮し、一人ひとりに合ったケアプランを作成する役割を担っているため、利用者さんに寄り添った支援を実施するには、欠かすことのできない存在です。

計画作成担当者の主な仕事内容

計画作成担当者の仕事内容は、主に利用者さんやそのご家族から希望、相談事などをヒアリングし、支援方針や目標に合わせたケアプランを作成します。また計画作成担当者には、利用者さんやご家族にケアサービスの提案を行ったり、立てた計画を元に介護士と連携したりすることも求められます。つまり、利用者側と介護スタッフをつなぐ「橋渡し」のような存在と言っていいでしょう。

計画作成担当者は、現場に入りながら適切なサービスの提供が行われているかをチェックするなど、必要に応じてケアプランの調整や見直しも進めます。また、かかりつけ医と連携した上で健康状態や服薬状況を管理し、管理状況をご家族に報告することも重要な業務の一つです。時には、来客対応やクレーム対応を担うこともあり、非常に幅広い業務に携わるため、臨機応変に動ける力が必要だと言えます。

計画作成担当者が活躍できる場所

計画作成担当者が活躍できる場所は、主に要介護高齢者の生活支援を目的としたグループホームや小規模多機能施設です。

グループホームでは、認知症対応型共同生活介護サービスを提供しており、認知症の入居者さんを対象とした生活上の支援・機能訓練といった専門的なケアの実施が主な業務内容となります。一方の小規模多機能型施設では、小規模多機能型居宅介護サービスを提供しており、「訪問」「通い」「泊まり」の3つを組み合わせながら、日常生活上の支援や機能訓練などを行います。

上記の施設では、厚生労働省により1事務所につき1人の計画作成担当者の配置が義務付けられているため、計画作成担当者の存在が不可欠となります。また、2ユニット以上のグループホームでは、2人以上の計画作成担当者の配置が必要です。その場合、いずれか1人が介護支援専門員の資格を持っていれば配置基準を満たしますが、全員が研修修了者であることが求められます。

(出典:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」

2.計画作成担当者とケアマネジャーの違い

計画作成担当者とケアマネジャーは似たような業務を担うため、同一視されることもありますが、両者には大きな違いが2つあります。

1つ目は、資格の有無です。ケアマネジャーは、正式には「介護支援専門員」と呼ばれており、資格が必須の職種です。資格は介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、研修を受講して取得します。一方で、計画作成担当者には特定の試験が設けられていないため、資格がなくても担当することは可能です。

2つ目は、実際に現場で介護を行うかどうかという点です。ケアマネジャーの仕事は事務作業がメインですが、計画作成担当者は事務作業に加えて、直接現場に入りながら観察や調整、見直しを行うという点に特徴があります。

(出典:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー) 」

●関連記事:ケアマネジャーとは?仕事内容と資格の取得方法を解説

3.計画作成担当者になるには?

計画作成担当者には特定の資格が設けられていません。しかし、実際の求人ではケアマネジャーの資格を求められたり、研修を受講したりする必要があるケースが多く見られます。そのため計画作成担当者を希望する場合は、積極的に資格取得に取り組むのが望ましいでしょう。

以下では、ケアマネジャーの資格取得の流れや試験の受験方法を解説します。

ケアマネジャーの資格を取得する

ケアマネジャーの資格を取得するには、介護支援専門員実務研修受講試験を受験し、合格することが必須です。同試験には受験資格が定められており、受講するにはまず次の条件を満たさなければなりません。

・福祉、保健、医療に関する国家資格を有し、5年以上の実務経験および従事日数が900日以上であること
・特定の福祉施設、介護施設、障害者支援で、5年以上の実務経験および従事日数が900日以上であること

介護支援専門員実務研修受講試験は、介護福祉系の試験のなかでも難関の1つとされており、難易度は高めです。2021年に実施された第24回介護支援専門員実務研修受講試験では、合格率は23.3%という結果でした。なお、職種別に過去の試験の合格者合計を見てみると、最も多いのは全体の44.5%を占める介護福祉士であることが分かります。

(出典:厚生労働省「第24回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」

以上のことからケアマネジャーの資格は、介護福祉士として実務経験を積んだ上で取得を目指すのが一般的となっています。

所定の研修を受講する

計画作成担当者として働く際、施設によっては研修の受講が必要となる場合があります。例えば、グループホームの場合は、「認知症介護実践研修」の修了が必要です。また、小規模多機能型居宅介護で働く場合は、認知症介護実践研修に加えて「小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修」の修了も条件となります。

なお、研修の受講資格は実施機関や都道府県によって条件が異なる場合があります。例えば東京都では、認知症介護実践者研修を受けるにあたって、以下の2点を満たしていることが条件です。

・東京都内の介護保険施設・事業所(居宅介護支援事業者所を除く)に従事している
・原則として、認知症の方の介護に関する経験が2年程度以上

(出典:東京都認知症介護研修の概要

一方、大阪府における認知症介護実践者研修の条件は以下の通りです。

・介護保険施設・事業者等に従事する介護職員等で、認知症介護基礎研修を修了した者あるいはそれと同等以上の能力を有する者
・身体介護に関する基本的知識・技術を修得している者
・概ね実務経験2年程度の者

(出典:大阪府「令和4年度 認知症介護実践研修(実践者研修・実践リーダー研修)」 

受講にあたっては、自分が働く地域の募集要項を事前に確認しましょう。

4.未経験やパートでも計画作成担当者になれる?

計画作成担当者は、事業者での人員配置基準が定められているため、正社員での雇用がほとんどです。また、前述したように多くの求人募集ではケアマネジャーの資格を有していることが必須要件となっています。未経験やパートから計画作成担当者になるには、まずはケアマネジャー試験の受験資格を満たすところから始めるのが良いでしょう。

5.計画作成担当者に向いている人の特徴

計画作成担当者は、利用者さんやご家族の要望を聞き、現場の介護士につなげるのが主な役割です。時には、それぞれのクレームに対処したり、細かな要望を受けて他の介護士に伝達したりもします。そのため、コミュニケーション能力が高く、周囲の関係者と信頼関係を築ける方に向いていると言えるでしょう。

また計画作成担当者は、実際に現場で介護を行う場合があるため、利用者さんと直接的に携わりたい方や自分自身も現場に立ちたい方にも向いています。加えて、計画作成担当者は介護に関する業務全体を把握する立場であり、将来的に管理職を目指せるため、スキルアップやキャリアアップを図りたい方にはおすすめの職種と言えるでしょう。

まとめ

計画作成担当者は、ケアプラン作成から現場での介護まで、介護業務全体に携われる仕事です。介護分野での幅広いスキルが身に付く、非常にやりがいのある仕事のため、介護職への転職を希望している方やキャリアアップを目指したい方にはおすすめです。

「介護のみらいラボ」では、介護現場で活躍したい方に有益な情報を掲載しています。介護現場で働くなかで悩みや困っていることがある方は、ぜひ「介護のみらいラボ」を参考にしてください。

※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

●関連記事:ケアプラン(介護サービス計画書)とは?作成の流れやポイントも

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