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仕事・スキル 介護士の常識 2020/08/11

#育児#夜勤#家事#両立#中村楓

介護職夜勤ママ必見!夜勤の仕事と家事・育児の両立を楽にする6つのポイント

文:中村楓(なかむらかえで) 介護福祉士・介護コラムニスト commonsense_20200811_1.jpg

夜勤は緊張感を伴う

女性が多く活躍している介護職の現場では、子供が小さい時から夜勤をこなす「夜勤ママ」がいます。しかし、実際に夜勤に就くママの中には、「仕事と家事や育児の両立が大変」と感じている人が多くいるのも事実です。そこで、今回は夜勤ママが仕事を無理なく行うためのポイントを、実際の体験を基にお伝えします。

介護職が夜勤中に大変と感じる3つのこと

介護現場の夜勤は2交替制のことが多く、拘束時間が長くなりやすいものです。そんな夜勤現場に就くママは、どのようなことに大変さを感じているのでしょうか。私や私の友人ママの経験を基に、夜勤で感じた仕事の大変さについてまとめました。

・夜勤が1人体制になることがある

介護施設の夜勤に必要な人数は法律で決められています。その人数は利用者さんの人数によって異なるものの、多くの施設では最低職員数が1人となっているため、夜勤を1人体制で行っている施設も多いです。

さらに、この最低職員数には、利用者さんの状況や施設の構造は考慮されていません。また、ユニット型の施設では「2ユニットにつき1人以上」と設定されているため、夜勤者が1人で2ユニットを担当している場合が多いでしょう。私の友人が働いていた施設では、ユニットが階によって分かれていたため、夜勤中は1人で複数階を行き来しなければなりませんでした。

1人夜勤で最も困るのは、緊急事態の時です。夜勤帯に利用者さんの体調が急変することや、転倒してケガをするといったケースがあります。しかし、1人夜勤では看護師がおらず瞬時の判断が介護職に委ねられるため、夜勤中は常に気を張って心身ともに疲れます。さらに、夜勤ママの場合、特にシングルマザーなら、疲れた体で家に帰っても、子育てや家事が待っているので、帰宅後すぐに休むことができないことも。実際に、「これから帰っても家事や育児をしないといけないから辛い」と話す同僚も、私の周りにはとても多かったです。

・勤務時間が長い

一般的に、夜勤体制には大きく分けて2交替制と3交替制の2種類があります。しかし、介護施設の多くは2交替制で、3交替制となっている施設は大規模な特別養護老人ホームや介護老人保健施設の一部に限られています。

2交替制の場合、1日の労働時間は16時間以上になる場合が多く、日勤帯の2倍の時間を職場で過ごすことになります。そのため、夜勤前には食事を夜と朝の2食分用意することや、次の日のために子供の学校や保育園の準備をすることが大変だと感じている夜勤ママもいます。

また、16時間という長い時間、家を空けることに不安を感じる声もよく聞きます。私の周りでは、低年齢の子を持つママの場合には、「淋しがって泣いていないか」と心配している人が多かったです。また、中高生の子を持つママの場合は、「朝ちゃんと起きて学校に行けるか」という心配事がよく話題になっていました。

・仮眠室がない

介護施設に限らず、夜勤が必要な施設には「仮眠室を設けなくてはならない」と法律で規定されています。ところが、2019年の介護施設夜勤実態調査結果によると、介護施設の約4割で仮眠室が設置されていないことが明らかになっています。実際、私が働いていた施設にも仮眠室は設けられていませんでした。代わりに簡易ベッドが用意されており、スタッフルームで職員が交代で休めるような工夫はされていました。

しかし、1人夜勤体制となっている友人の施設では、仮眠室も簡易ベッドもなく、仮眠をとるときには机に頭を伏せたり、椅子をいくつか並べて寝たりと、各々が工夫して寝ているのが現状です。このように仮眠がとりにくい施設の夜勤は、寝不足になったり疲れが取れなかったりします。自宅に帰った後も育児や家事に追われる夜勤ママにとっては、仮眠室がない夜勤はとても辛いといえるでしょう。

介護職夜勤ママが抱えているリアルな悩みとは

夜勤ママの悩みは仕事だけにとどまりません。むしろ、自宅に帰ってきてからが大変と言えるでしょう。実際に夜勤ママが抱えている悩みには次のようなものがあります。

・疲れて帰ってから育児や家事をしなければならない

夜勤ママの一番の悩みは、夜勤と育児や家事の両立です。「夜勤から帰ってきたら、洗濯物がたまっていた」、「朝の食事の食器がそのままになっていた」といった経験は私もありますし、私の周りでもよく聞く話です。また、子供が小さいときには、ママが帰ってきた嬉しさで子供が飛びついてきます。

しかし、夜勤でほとんど寝ておらず疲れ果てた状態では、子供の元気についていけないことも多いでしょう。「子供が一生懸命話しかけてきても内容が頭に入ってこず、子供の相手がうまくできないことが辛い」と話すママもいます。

・子供の預け先を確保するのが大変

未就学児や小学校低学年の子供がいる家庭では、夜勤中は夫や実家に子供を預けて仕事をしているケースが多いでしょう。しかし、夫婦ともに夜勤をしている場合には、夜勤が被らないように調整する必要があります。私のように夫が夜中心の仕事をしている人や、シングルマザーの場合、両親を頼れない環境にあれば、預け先を探すだけでも大変です。

また、家族に預けられたとしても、家族が体調を崩したときや用事があって預けられないこともあるでしょう。夜間預かりを行っている託児所もありますが、夜間は保育料が高くなります。

生活を豊かにするために働いているはずなのに、夜勤をすることで子育てなどにかかる費用が高くなる、という矛盾に悩んでいる人も少なくありません。

急な勤務変更が難しい

夜勤ママが辛いと感じることの一つに、急な勤務変更が難しいことが挙げられます。日勤帯であれば、子供が熱を出したり、ケガをしたりといった急変時には、休んでも他の職員にカバーしてもらえます。また、病児保育に預けて働くという選択肢もあるでしょう。

しかし、夜勤の場合は1人もしくは2人で業務を回しているため、休むとなれば必ず代わりの職員を見つけなければいけません。休まないと決めたとしても、託児所などに預けることもできず、夫や両親など面倒を見てくれる人を探さなければいけません。普段から、こうしたときの預け先を確保したり、家族と良い関係を保ったりする努力が必要になります。

夜勤ママが介護の仕事と育児・家事の両立を楽にする6つのポイント

バケツやスマホなど便利なグッズを持つ男性

夜勤を楽にするにはコツがある

夜勤ママにはさまざまな悩みがあり、仕事と家庭を上手に両立するためには工夫が必要です。ここからは、先にあげた介護職夜勤ママの悩みや困難な点を改善するための具体的なポイントをお伝えしましょう。

・普段から体調管理をして1人夜勤や長時間勤務に備える

夜勤は長時間勤務になりやすいうえに、1人もしくは少人数でたくさんの利用者さんに対応する必要があることから、想像以上に体力を消耗します。体調不良は、仕事だけでなく家庭にも影響を与えてしまうため、まずは普段から体調を整えておくのが基本。日頃からしっかりと睡眠と栄養をとるよう心がけましょう。

特に大切なのが、夜勤明けの睡眠のとり方です。夜勤明けの日は明るい時間帯に寝ることになるため、生活リズムが狂いやすくなります。寝るときは遮光カーテンなどで部屋を暗くし、睡眠の質を高めるような工夫を取り入れましょう。子供と一緒にお昼寝するのもいいですね。ただし、長く寝すぎると、かえって夜に眠れなくなってしまい、さらに生活リズムが狂ってしまうことに。小学生の子供がいる私の友人は、15時までには起きるようにして、子供が学校から帰ってくるまでにはしっかり目を覚ますことで生活リズムを整えていました。

・眠気を覚ます方法をいくつか用意しておく

夜勤中も効率よく業務を進めるために、持ち物にも工夫をしてみてはいかがでしょうか。夜勤中はどうしても眠くなってしまうため、眠気を覚ます方法をいくつか用意しておきましょう。私が夜勤中によく持って行っていたものは次の4つです。

  • ミント系の飴
  • 爽快系の目薬
  • コーヒー
  • 栄養ドリンク

ミント系の飴は口に入れておくだけでスーッとするので、ちょっと眠くなってきたときには重宝します。同じく、爽快系の目薬もおすすめです。

眠気覚ましの定番であるコーヒーや栄養ドリンクも、夜勤者のほぼ全員が持ってきていました。ただし、カフェインは摂りすぎると夜勤明けに眠れなくなるので注意が必要です。

また、お腹いっぱいになるとどうしても眠くなるため、夜勤中は食べ過ぎにも気を付けましょう。

・椅子でも仮眠できるグッズを持っていく

仮眠室のない施設の場合、椅子でも仮眠できるグッズを持っていくと良いでしょう。私の友人は、空気を入れるタイプのネックピローを毎回持参していました。ネックピローは首につけるだけでなく、デスクに伏せて寝るときの枕代わりにもなり、何も置かない時よりも快適に眠れます。空気を抜けばかさばらないので、持ち運びにも便利です。

そして、もう一つ持っていきたいのが、ひざ掛けです。人は寝ている時に体温が低くなるため、体を冷やさないよう、ひざ掛けをかけて仮眠をとることをおすすめします。

・夜勤明けの家事や育児は最低限にする

夜勤明けは体を休めることを優先し、家事や育児は最低限にしましょう。昼食はお弁当やレトルト食品、麺類などを活用すると、準備も片付けも簡単に済みますよ。

また、家事代行サービスやベビーシッターを利用するのもおすすめ。ゆっくり体を休められる時間を得られますし、家事の効率も上がります。

私は、シルバー人材センターの家事代行サービスやベビーシッターをよく活用していました。育児や家事を長年経験している方が来てくれるだけでなく、全国どこにもあるので地方在住の人でも利用できます。また、民間業者より費用が安いのも魅力のひとつといえるでしょう。地域によって保育ママの紹介をしてくれる自治体もあります。子供を預けるなら、前もって面談して、安心できる人に預けたいですね。

・夜勤時の子供の預け先は複数確保しておく

夜勤ママにとって、夜勤時に誰に子供を預けるかは重要な問題です。私の周りでは、ほとんどの夜勤ママが夫や実家に子供を預けています。家族や知人に預ける場合には、相手が病気や急用などで都合が悪くなる可能性も考えて、託児所を含め、預け先をいくつか用意しておくと安心です。ただし、夜間預かりが可能な託児所やベビーシッターを利用するためには、事前登録が必要です。すぐに利用する予定がなくてもあらかじめ登録しておき、不測の事態に備えておきましょう。

・子供の急変時にそなえて対応策を事前に決めておく

夜勤中、子供の体調が悪くなることもありえます。夜勤中は日勤と違い、早退するのは難しいものです。そのため、子供の急変時にどう対応するのかを事前に家族と話し合っておくとよいでしょう。私は、「熱が出ても元気があれば病院は朝で大丈夫」「嘔吐下痢の時には経口補水液を少しずつ飲ませて」など、具体的な症状について対応策をメモしておき、家族と共有していました。

夜勤ママこそ周りに頼ることが大切

子供を抱きしめるママ

夜勤ママの負担を軽くすることが家族の幸せにつながる

夜勤ママの場合、家事や育児に割ける時間は少なくなります。すべてを一生懸命やろうと1人で抱えてしまい疲れてしまう人も多いようです。しかし、ママが倒れてしまっては元も子もありません。がんばりすぎないためにも、ママこそ周りを頼る習慣を身につけておきましょう。いつまでも元気に仕事をこなすためにも、無理をしないことが大切です。

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プロフィール

中村楓

介護福祉士・介護コラムニスト

介護福祉士、生活相談員。元介護認定調査員。病院や通所リハビリ、デイサービスでの経験を経て、現在はサービス付き高齢者向け住宅で生活相談員として勤務。「介護の未来を明るくする」をモットーに、現場感ある記事を書く介護コラムニストとしても活動中。

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