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仕事・スキル 介護士の常識 2022/12/24

#食事

五節句とは?意味や由来、食べる物や邪気を払う植物を紹介!

構成・文/介護のみらいラボ編集部 4.jpg

「桃の節句」や「端午の節句」については知っていても、「五節句とは何のこと?」と言われるとうまく説明ができない方も多いのではないでしょうか。五節句とは、日本の伝統的な季節の行事で、3月3日は「桃の節句(ひな祭り)」、5月5日は「端午の節句(こどもの日)」とも呼ばれます。そう聞けば「なるほど、その節句のことか」とピンときますよね。

当記事では、五節句について、具体的な行事の内容や由来を解説します。五節句にちなんだレクリエーションを企画すれば、利用者さんに移り変わる季節を楽しんでもらえるはず。ぜひ参考にしてください。

1.五節句とは?

五節句(ごせっく)とは、季節ごとに行われる、無病息災、子孫繁栄などを願うための伝統行事です。

五節句とは以下の5つの節句を言います。

● 1月7日:人日の節句(七草の節句)
● 3月3日:上巳の節句(桃の節句)
● 5月5日:端午の節句(菖蒲の節句)
● 7月7日:七夕の節句(笹竹の節句)
● 9月9日:重陽の節句(菊の節句)

本来は上記以外にも多くの節句がありましたが、江戸幕府が上記の5つの節句を公的な行事を行う式日として定めたことから、特に「五節句」と呼ばれるようになりました。

五節句では、その時期の旬の食材や、邪気を払うとされる食材を使った行事食を食べたり、それぞれの節句ならではの飾りを楽しんだりして過ごすのが一般的です。

五節句の由来

五節句は、唐の時代の中国の考え方が元となった行事です。

唐では、3月3日、5月5日など奇数が重なった日に、邪気を払う行事が行われていました。これがやがて日本に伝わり、日本古来の風習と融合したことで、現在のスタイルになったと言われています。

2.五節句ごとの意味と料理・植物

五節句には、「桃の節句」や「端午の節句」などのよく耳にするものに加えて、「笹竹の節句」「菊の節句」といった聞き慣れないものもあります。

そこで、以下では五節句それぞれの意味や由来、節句料理などについて解説していきます。詳細を知っておけば、レクリエーションを企画する際にきっと役に立ちますよ!

人日の節句(七草の節句)

1月7日は「人日の節句(じんじつのせっく)」と呼ばれ、前年の厄を払い、1年の無病息災を願う日だとされています。「七草の節句」とも言われ、江戸時代以降七草がゆを食べる習慣が広まりました。

人日の節句は、中国で行われていた占いが由来となっています。中国ではかつて、元旦から1日ずつ順に、動物を占う風習がありました。元旦は鶏、2日は狗(イヌ)、3日は羊を占うという具合です。1月7日は人間を占う日とされ、ここから、「人日」の節句と呼ばれるようになったと言われています。

人日の節句(七草の節句)に食べる物
七草がゆ 中国では、正月7日に7種類の野草をスープにして食べ、邪気を払う風習がありました。それが日本に伝わり、人日の節句に七草がゆを食べる風習になったと言われています。

人日の節句(七草の節句)の飾り物 ※正月の飾り物
羽子板 女児が産まれた家に、初正月のお祝いとして贈られる飾りです。羽子板を使って楽しむ羽根つきは、江戸時代女児に唯一許されたスポーツでした。
破魔弓 男児が産まれた家に、初正月のお祝いとして贈られる飾りです。昔は破魔弓で的を射るスポーツが行われていましたが、現在は飾り用がメインとなっています。

人日の節句(七草の節句)にまつわる植物
七草 七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、スズナ、ホトケノザ、スズシロの7種類です。七草を入れた七草がゆを食べると、一年を健康息災に過ごせると信じられてきました。

参考:『12ヶ月のしきたり 知れば納得!暮らしを楽しむ』/新谷尚紀/PHP研究所
参考:『子どもにつたえたい年中行事・記念日』/萌文書林編集部編/萌文書林

上巳の節句(桃の節句)

3月3日は「上巳の節句(じょうみ/じょうしのせっく)」と呼ばれ、現代では女の子の健やかな成長を願う「ひな祭り」として知られています。

上巳の節句は中国発祥で、もともとは無病息災を願って川で身を清める行事でした。これが日本に伝わり、人形(ひとがた)にけがれを託して川に流す風習などと合わさり、現在の行事スタイルへと変化したとされています。

上巳の節句(桃の節句)に食べる物
ちらし寿司 ひな祭りにちらし寿司を食べるようになった由来は、はっきりとわかっていません。曲がった腰と長いひげが長寿をイメージさせる「海老」、穴が開いていることから見通しがよいとされる「れんこん」などの縁起物を入れて作られるのが一般的です。
はまぐりのお吸い物 はまぐりの貝殻は、もともと対になっていた貝殻でないと、ぴったり合いません。その様子が夫婦和合やよき伴侶を連想させることから、人生のよきパートナーと出会えるようにという願いを込めて、はまぐりのお吸い物が供されます。

上巳の節句(桃の節句)の飾り物
雛人形 雛人形が現在のように布製の衣装をまとい、男女対で飾るようになったのは江戸時代からだとか。雛人形は「いつまでも飾っていると、娘が嫁に行けなくなる」と言われていることから、3月3日を過ぎたらすぐに片付けるのが良いとされています。

上巳の節句(桃の節句)にまつわる植物
中国では、桃の木は古くから邪気を払う仙木であると考えられていました。また、旧暦の3月3日は桃の花が咲く時期だったこともあって、ひな祭りには桃の花が飾られるようになりました。

参考:『12ヶ月のしきたり 知れば納得!暮らしを楽しむ』/新谷尚紀/PHP研究所
参考:『子どもにつたえたい年中行事・記念日』/萌文書林編集部編/萌文書林

端午の節句(菖蒲の節句)

5月5日は「端午の節句(たんごのせっく)」と呼ばれ、現代では男児の健やかな成長を願う「こどもの日」として知られています。

端午の節句は「菖蒲の節句(しょうぶのせっく)」とも呼ばれます。江戸時代には、「菖蒲」と、武を重んじることを意味する「尚武」の音が同じであることから、武家に産まれた男児の成長と、一族の繁栄を祈って行われる行事となっていました。

端午の節句(菖蒲の節句)に食べる物
柏餅 柏餅は、あんの入った餅を柏の葉でくるんだ和菓子です。柏の木は、新芽が出るまで古い葉が落ちずに残っています。その様子が、血統がとぎれずに続く状況を連想させることから、一家の繁栄を願って食べられるようになりました。

端午の節句(菖蒲の節句)の飾り物
五月人形 男児の健やかな成長を願って飾られます。五月人形には、鎧飾りや兜飾り、武者人形などがあります。
こいのぼり こいのぼりは、「流れの強い竜門の滝を登った鯉は竜になる」という中国の伝説が由来となっており、「強く育ち、身を立てられるように」との願いを込めて飾られます。

端午の節句(菖蒲の節句)にまつわる植物
菖蒲 端午の節句には、菖蒲を軒に挿したり、湯船に菖蒲を浮かべた「菖蒲湯」に入ったりする風習があります。これは、葉が剣状で香りが強い菖蒲には、邪気を払う効果があるとされていたからです。

参考:『12ヶ月のしきたり 知れば納得!暮らしを楽しむ』/新谷尚紀/PHP研究所
参考:『子どもにつたえたい年中行事・記念日』/萌文書林編集部編/萌文書林

七夕の節句(笹竹の節句)

7月7日は「七夕の節句(しちせきのせっく)」と呼ばれ、現代では笹竹に短冊を吊るして願い事をする「七夕(たなばた)」として知られています。

七夕の始まりは、中国の「乞巧奠(きこうでん)」です。乞巧奠は女性の機織りや針仕事の上達を祈る行事で、奈良時代の日本でも宮中行事として取り入れられるようになり、やがて現在の七夕のスタイルになったと言われています。

七夕の節句(笹竹の節句)に食べる物
そうめん 中国では、七夕に索餅(さくべい)と呼ばれるお菓子を食べる習慣がありました。索餅は、小麦と米粉を練ってヒモ状にねじったお菓子で、そうめんの先祖と言われています。江戸時代からは、日本でも七夕の日にそうめんが食べられるようになりました。

七夕の節句(笹竹の節句)の飾り物
七夕竹 江戸時代には、天の神様へ向けた目印として七夕竹を飾る風習がありました。当時は短冊に和歌などを書いて飾るのが一般的でしたが、現在では願い事を書いた短冊を結びつけるのが主流となっています。

七夕の節句(笹竹の節句)にまつわる植物
笹竹 笹には邪気を払う効果があるとされていたことから、七夕飾りに使われるようになったとされています。

参考:『12ヶ月のしきたり 知れば納得!暮らしを楽しむ』/新谷尚紀/PHP研究所
参考:『子どもにつたえたい年中行事・記念日』/萌文書林編集部編/萌文書林

重陽の節句(菊の節句)

9月9日は「重陽の節句(ちょうようのせっく)」と呼ばれ、菊の薬効によって健康を願う日です。他の節句と比べるとやや知名度が低く、「重陽の節句を知らなかった」という方も多いかもしれません。

重陽の節句があまり知られていないのは、明治初期に暦が旧暦から新暦へと改められ、五節句が禁止されたのが原因と言われています。重陽の節句は、旧暦の9月9日に、その時期に咲き誇る菊の花を鑑賞したり、菊酒を飲んだりして無病息災と不老長寿を願う行事です。改暦が行われ五節句が禁止された後も、他の節句は民間で催されてきましたが、重陽の節句に関しては、新暦の9月9日が菊の季節からずれてしまうため、次第に行われなくなってしまったと言われています。

重陽の節句(菊の節句)に食べる物
栗ごはん 重陽の節句は栗の収穫時期とも重なるため、栗ごはんを食べる風習があります。このことから、重陽の節句は「栗の節句」とも呼ばれていました。

重陽の節句(菊の節句)の飾り物
ひな人形 江戸時代には、雛人形を重陽の節句に出して飾る風習がありました。これは、ひな人形を外に出し、痛みを防ぐことが目的だとされています。3月に片付けた雛人形をもう一度飾るこの風習は、「後の雛(のちのひな)」と呼ばれていました。

人日の節句(七草の節句)にまつわる植物
菊には邪気払いや不老長寿の効果があるとされています。重陽の節句では、酒に菊の花を浸した菊酒を飲むのが一般的です。

参考:『12ヶ月のしきたり 知れば納得!暮らしを楽しむ』/新谷尚紀/PHP研究所
参考:『子どもにつたえたい年中行事・記念日』/萌文書林編集部編/萌文書林

まとめ

五節句とは、昔から日本で行われてきた、無病息災や子孫繁栄を願う季節の伝統行事です。五節句には、誰もが知っている「桃の節句」や「端午の節句」の他に、「人日の節句」「七夕の節句」「重陽の節句」があります。

季節感を取り入れた行事は、介護の現場でも喜ばれます。本記事を参考に、飾り物を飾ったり、縁起物を食べたりして、利用者さんと一緒に五節句を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「介護のみらいラボ」では、他にも介護の現場で働く皆さんに役立つ情報を多数掲載しています。ぜひ参考にしてください。

※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています

●関連記事:行事食とは?意味や由来、食べるものを行事ごとに一覧で紹介

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