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仕事・スキル 介護士の常識 2023/06/17

介護のモニタリングとは?目的や実施時の注意点、確認事項を解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部 監修/赤羽克子 thumbnail.jpg

介護サービスはケアマネジャーが作成した、ケアプランに沿って提供されます。しかし、利用者さんの心身状況やニーズは日々変化するため、当初設定したケアプランがすべて計画通りに進むとは限りません。そうしたなかで、利用者さんの状況やニーズ、介護サービスの実施状況を定期的にチェックし、「ケアプラン通りにサービスが実施されているか」「ケアプランとニーズの間にズレはないか」「新たな変化や課題は発生していないか」などを確認する業務がモニタリングです。

当記事では、モニタリングの目的や実施する時の注意点、確認すべきポイントなどについて解説します。モニタリングについての理解を深めたい介護職の方や、ケアマネジャーの方は必見です。

1.介護のモニタリングとは?

介護におけるモニタリングとは、ケアプランに沿った介護サービスが提供されているかをチェックするために行われるものです。

厚生労働省では、モニタリングについて下記のように定義しています。

居宅サービス計画作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握

(引用:厚生労働省「居宅介護支援(参考資料)」_2022/09/05)

モニタリングは、介護サービスの提供がスタートした後、月1回ほどの頻度で行うのが望ましいとされています。ただし、介護施設の場合は、利用者さんと介護スタッフが日々コミュニケーションを取っていることから、3か月に1回ほどの頻度で実施されるのが一般的です。

(出典:独立行政法人福祉医療機構 wamnet「9.実際の業務について~1か月の業務~」

介護のモニタリングの目的

介護におけるモニタリングの目的は、ケアプランの実施状況や利用者さんの心身状況、ニーズを確認し、必要があればケアプランの調整につなげることです。

前述したように、利用者さんの心身状況やニーズは日々変化するため、ケアプラン作成時とは求めるサービスが違ってくる可能性もあります。利用者さん1人ひとりに最適な介護サービスを提供するには、定期的なモニタリングによって、ケアプランの内容と現状のズレを把握することが非常に重要です。

モニタリングとアセスメントの違い

「ケアプランに関する利用者さんの情報収集・分析」を表す活動にはモニタリングとアセスメントがありますが、この2つには面談実施のタイミングと目的において違いがあります。

アセスメントとは、ケアプランを作成する時に行われ、利用者さんの心身状況、生活状況やニーズについて詳しく情報収集し、ケアプラン作りに反映することを目的としています。

一方のモニタリングは、介護サービスの提供が開始されてから行われます。モニタリングでは、決められたサービスがプラン通りに実施されているかのチェックや、利用者さんの活動・生活を継続的に見守ることを目的としています。

つまり、アセスメントはケアプランを作成するため、モニタリングはケアプランの実施状況を確認するために行われるものです。モニタリングの結果によっては、再度アセスメントを実施し、より利用者さんのニーズに合ったケアプランに調整するケースもあります。

●関連記事:介護のアセスメントとモニタリングの違いは?実施時のポイントも

モニタリングをするときの注意点

モニタリングを実施する際の注意点は、以下の3つです。

利用者さんやご家族の立場になって実施する
モニタリングでは、ケアプランの実施状況や目標の達成度を確認する必要があります。しかし、事実確認にばかり気を取られて、利用者さんやご家族の気持ちに寄り添うことを忘れてはいけません。
モニタリング業務を含むケアワークでは、利用者さんとご家族の声にしっかりと耳を傾け、信頼関係の構築につなげることが大切です。利用者さんの自立した生活を適切にサポートできるように、満足度の確認や新たな要望の確認も必ず行いましょう。

サービス提供の現場に出向いて確認する
モニタリングの対象は、利用者さんやご家族、サービス提供の担当者だけではありません。通所介護サービスを利用している方のモニタリングを行う場合には、施設に足を運んで、実際の介護現場における利用者さんの表情や雰囲気を確かめることも大切です。
なお、介護サービスが問題なく提供されていても、利用者さんが不安や不満を抱えている場合があります。介護サービスを提供する現場で利用者さんと会話する機会を設け、サービス利用時の様子を細かくチェックしましょう。

リラックスした雰囲気で行う
モニタリングでは、利用者さんやご家族の本音や真のニーズを聞き出すことが重要です。緊張をほぐしてリラックスした雰囲気を作るためにも、世間話をして場をなごませるなどの配慮を忘れないようにしましょう。
利用者さんやご家族の話をじっくり聞く姿勢を示し、主体的に参加してもらうことで、満足度の高い支援につなげてください。

2.介護のモニタリングで確認すること

利用者さんに適切なケアプランを提供するためには、ケアマネジャーが利用者さんの状況を十分に把握し、分析することが大事です。モニタリングの結果を各専門職と共有するなど、柔軟な対応を行うことで、より利用者さんのニーズに合った介護サービスの提供ができるでしょう。

ケアマネジャーが、モニタリングにおいて確認すべきポイントは4つあります。ここでは、それぞれの内容について詳しく解説します。

ケアプラン通りにサービスが実施されているか

ケアプランの作成だけでなく、課題解決に向けて計画通りにサービスが提供されているかを確認することも、ケアマネジャーの大事な業務です。

仮に、当初のケアプラン通りにサービスが提供されていないのであれば、その原因を把握し、対策を考えなければなりません。サービスの実施状況を確認するとともに、サービス開始後の変化(利用者さんの健康状態の変化、介護環境の変化など)を見逃さないように意識しながら、モニタリングを行いましょう。

利用者さんやご家族のニーズを満たしているか

利用者さんが介護サービスの提供を受ける目的は、利用者さんの困り事や課題を解決するためです。介護サービスの提供内容がケアプラン通りであっても、サービス提供によって利用者さんの困り事が解消されていなければ、意味がありません。

また、介護サービスは受けてみなければ分からない点も多いため、モニタリングではサービスの満足度を確認することが不可欠です。利用者さんやご家族から「特に変わりありません」と返答された場合でも、満足度の確認は必ず行いましょう。

必要なサービスの要望に変化はないか

ケアプラン作成時とモニタリング時で、利用者さんの健康状態や考え方が変わったことで、サービスへの要望に変化が生じるケースも少なくありません。そのため、モニタリングでは、面談を通じて利用者さんやご家族の本音を聞き出すことが重要になります。

利用者さんやご家族の声に真摯に向き合う姿勢を示し、言い出しにくいことや細かな相談事を話してもらえるような信頼関係を築きましょう。

目標を達成できているか

実際に介護サービスの利用を始めると、目標設定が高すぎる・低すぎるなどの問題に気付くケースもあります。そのためモニタリングにおいては、目標の達成状況を確認する作業も欠かせません。

目標の達成が難しい場合は、ケアプランの見直しを行う必要があります。目標をすでに達成した場合は、次の課題に対して必要なアプローチを考え、新しい目標を設定しましょう。なお、目標を再設定する際は、その都度アセスメントが必要です。

3.介護のモニタリングシートの書き方・記入例

モニタリングシートとは、モニタリングの際にヒアリングする事項をまとめたシートです。モニタリングを実施した際の記録をモニタリングシートに残すことで、利用者さんやご家族、他職種との情報共有にも役立ちます。

モニタリングシートに決められた様式はありませんが、必要な項目を網羅し、誰が見ても分かるようにまとめなくてはなりません。そのため、自治体や団体が公開している様式を使うのが一般的となっています。

代表的なモニタリング項目は、下記の通りです。

モニタリングシートの項目
計画書作成年月日 利用者・家族の満足度
モニタリング実施者名 利用者・家族の要望
利用者氏名 短期目標
利用者の状態(身体・感情) 所見・今後の課題
サービスの実施状況 総合評価

また、モニタリングシートを記入する際の注意点は、下記の4点です。

1. モニタリングを実施したことを誰が見ても分かるようにする
2. 身体状況、サービス実施状況などを詳しく記録する
3. モニタリングの結果と今後の方針を記録する
4. 5W1H(いつ、どこで、誰が、なにを、なぜ、どうしたか)を基準にして記録する

モニタリングシートの書き方と記入例を紹介します。

計画書作成年月日 令和◯年◯月◯日
モニタリング実施者名 介護太郎
利用者氏名 介護花子様
利用者の状態(身体・感情) 筋力低下によって歩行に支障が出ており、不自由さを感じている
サービス内容 週3回のデイサービスにて歩行リハビリを実施
利用者・家族の満足度 (1.満足 2.どちらとも言えない 3.不満から該当する番号を記載)
利用者・家族の要望 ご家族からデイサービスの利用を週4回に増やしたいとの要望あり
短期目標 1人で安定した歩行ができる
所見・今後の課題 デイサービスでの歩行リハビリにも慣れ、少しずつではあるが歩行の安定化が見られる。今後は利用回数の増加を前向きに検討する
総合評価 定期的な訓練によって身体機能の維持・向上を図り、安定した歩行を目指す。デイサービスの定期利用が他者との交流や外出機会の確保につながっており、通所日がご本人の楽しみになっている

まとめ

介護におけるモニタリングとは、ケアプランに沿った介護サービスが正しく提供されているかを確認することです。モニタリングを行うことで、介護サービスがケアプランに沿って提供されているか、ケアプランとニーズの間にズレはないか、新たな変化や課題は発生していないかなどを確認することができます。

モニタリングはリラックスした雰囲気のなかで、利用者さんやご家族の気持ちに寄り添いながら行いましょう。通所介護サービスなど、サービス提供の現場に出向いて、利用者さんがサービスを受けているときの雰囲気や表情を確認することも大切です。

「介護のみらいラボ」では介護職として活躍する方に向けて、有益な情報を数多く掲載しています。介護に関する知識やスキルアップの方法、資格取得のメリットなど、さまざまな情報を発信していますので、介護に関する知見を深めたい方は、ぜひ「介護のみらいラボ」を参考にしてください。

※当記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています

▼監修者からのアドバイス

モニタリングは、ケアプランに照らし合わせて状況把握を行い、決められたサービスや支援が約束通りに提供されているかどうかを把握し、必要に応じて改善していくために行われます。ケアプランの実施状況や利用者さんの状態変化を把握し、適切な支援が実施されるように適宜調整を行うためのプロセスです。
モニタリングは、一定期間ごとに利用者さんの全体的な状況を把握分析し、ニーズの再アセスメントにつなげていきます。よって体系的、系統的な支援をチームアプローチにより循環的に行うケアマネジメントの視点が必要となります。
利用者さんやご家族の思いに寄り添い、傾聴する姿勢を持ち、利用者さんの生活の質の向上を目指したケアプランにつながるモニタリングを行いましょう。

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赤羽克子(Katsuko Akaba)

元聖徳大学心理・福祉学部社会福祉学科教授

社会福祉施設勤務を経て教育の世界に入る。現在はマーシーハンディキャップサポート協会理事として障害者に対する理解の啓蒙活動・障害者スポーツの支援や松戸市シルバー人材センターのアドバイザーなどを行っている。

赤羽克子の執筆・監修記事

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

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