古希は何歳のお祝い?介護施設での祝い方や喜ばれる贈り物も解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
長寿祝いは、人生の大きな節目を祝う行事であり、これまでの人生を振り返る大切な機会です。また、核家族化が進む現代においては、離れて暮らす家族や親戚がつどい、絆を再確認する場としての役割も果たしています。介護施設においても、利用者さん同士、あるいは利用者さんとスタッフのつながりを深める、よいきっかけになるでしょう。
当記事では、70歳のお祝いである「古希」について、その意味や由来、介護施設で古希を祝う方法などを紹介します。
1.古希とは何歳のお祝い?
日本では、古くから70歳を迎えた方のお祝いを「古希(こき)」と呼び、家族や親戚、親しい人たちと喜びを分かち合う風習が根づいています。
古希という名称は、中国唐代の詩人・杜甫の詩の一節「人生七十古来稀(じんせいしちじゅうこらいまれなり)」に由来するといわれています。これは「人生70歳まで生きる者は稀だ」という意味です。
※「稀」は現代の常用漢字ではないため、「古希」と書くのが一般的となっています。
古希は満年齢と数え年のどちらで祝う?
日本には、年齢の数え方が2種類あります。「満年齢」と「数え年」です。
満年齢は生まれた時点を0歳とし、誕生日を迎えるごとに1歳ずつ加算する方法です。一方の数え年は、生まれた時点を1歳とし、その後正月を迎えるごとに1歳ずつ加算する方法です。数え年に基づいて長寿祝いをする場合は、満年齢69歳で古希のお祝いをすることになります。
以下の表は、2023年、2024年、2025年に古希を迎える方の誕生年の一覧です。
現在の年数 | 満年齢でお祝いする場合 | 数え年でお祝いする場合 |
---|---|---|
2023年 | 1953(昭和28)年 | 1954(昭和29)年 |
2024年 | 1954(昭和29)年 | 1955(昭和30)年 |
2025年 | 1955(昭和30)年 | 1956(昭和31)年 |
現代の一般的な年齢の数え方である「満年齢」と、日本の伝統的な年齢の数え方である「数え年」のどちらで古希を祝うかは、家族の伝統や地域の慣習、個人の考え方などによって異なります。どちらで祝っても問題ありませんが、最近では満年齢でお祝いするケースが多いようです。
古希祝いはいつ行うとよい?
古希祝いを行う日については、特に決まりはありません。家族の都合や希望にあわせて決めるとよいでしょう。
参考までに紹介しておくと、古希祝いの日として、その方の満年齢70歳の誕生日を選んでいる家庭が多いようです。
また、敬老の日に古希祝いを行う家庭も少なくありません。敬老の日は高齢者を敬い、長寿を祝う日として設けられている祝日です。そのため、古希のお祝いにも適した日といえるでしょう。
家族や親戚が集まることが多いお正月もおすすめです。
2.介護施設で古希のお祝いを行う方法
介護施設でも、利用者さんの古希のお祝いをする場面があるでしょう。以下では、古希や喜寿、傘寿、米寿といった長寿祝いや、敬老の日におすすめしたい「お祝いの方法」を3つ紹介します。
出し物をする
敬老会などのイベントでもおなじみの出し物は、古希のお祝いにもぴったりです。施設のメンバーと楽しいひとときを共有することは、利用者さんの笑顔につながるだけでなく、コミュニケーションの促進にもひと役買ってくれるでしょう。
以下は出し物の例です。
● 童謡や演歌をみんなで歌う
● 演奏をする
● ダンスをする
● マジックショー
● 芝居・劇
● 紙芝居
● 落語
● クイズ大会
なお、出し物をする際は、なじみのあるテーマを選んで、全員が楽しめるよう配慮することが大切です。
●関連記事:敬老の日レク・敬老会の出し物アイデア8選!実施時の注意点も
行事食を用意する
行事食を用意して、古希のお祝いを兼ねた食事会を開くのもおすすめです。たとえば、お赤飯や縁起物の鯛を使った料理、ちらし寿司などは、お祝いの席にもぴったりな献立です。古希を迎える方の好物の料理を用意するのもよいでしょう。
ただし、利用者さんによっては食事への配慮が必要な場合もあります。苦手な食材やアレルギーの有無、身体機能の状態、適切な調理形態などをあらかじめ確認しておきましょう。
メッセージカードや表彰状を贈る
日頃の感謝やお祝いの言葉をつづったメッセージカードも、古希祝いに最適です。また、オリジナルの表彰状や感謝状を贈ってお祝いするのもよいでしょう。誰かから表彰されるのは特別感があるため、いくつになってもうれしいものです。
メッセージカードや表彰状は、出し物や行事食に比べると準備に手間がかかりません。スケジュールや人手の都合で準備の時間が取りにくい場合は、メッセージカードや表彰状でお祝いの気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
3.古希を迎えた方にぴったりのプレゼント・避けるべきプレゼント
古希のテーマカラーは「紫色」とされています。そのため、紫色のアイテムは男女問わずに喜んでもらえるでしょう。もちろん、紫色ではなく本人の好きな色を選んでもかまいません。
ここでは、古希の方におすすめのプレゼントと、避けたほうがよいプレゼントを紹介しておきます。プレゼント選びの参考にしてください。
古希の方に向いているプレゼント
古希のお祝いに適したプレゼントとしては、「似顔絵」「飲み物」「フォトフレーム」などが挙げられます。
・似顔絵
本人、あるいは本人とご家族の似顔絵を描いてもらえば、思い出に残るプレゼントになります。ハンカチやマグカップ、トートバッグといった小物に似顔絵を入れてもらえるサービスもあるので、そちらを利用するのもよいでしょう。
・飲み物
お酒が好きな方には、少しだけ特別感のある日本酒や焼酎、ビール、ウイスキーなどをプレゼントするのもおすすめです。紅茶やコーヒーが好きな方であれば、高級感のある紅茶やコーヒーを用意してもよいでしょう。食品や飲み物のような消え物(使ったらなくなってしまう品)は、相手の負担になりにくく、気軽に贈れるのが特徴です。
・フォトフレーム
フォトフレームに古希祝いで撮影した写真を入れて贈るのも、1つのアイデアです。フォトフレームに入った写真を目にするたびに、楽しかったイベントのことを思い出し、温かい気持ちになってくれるに違いありません。
古希の方に贈るのは避けるべきプレゼント
以下のようなアイテムは、古希祝いのプレゼントとして避けたほうがよいでしょう。
・年を取ったと感じさせるもの
つえや老眼鏡、補聴器など、「老い」を感じさせるようなアイテムは、相手を悲しい気持ちにさせてしまう場合があります。お祝いの贈り物に選ばないほうがよいでしょう。
・靴や靴下
靴や靴下といったアイテムには「踏みつける」といったイメージがあるため、目上の方に贈るのはNGだとする考え方があります。古希のお祝いに限らず、贈り物全般のマナーとして覚えておいてください。
・「し」や「く」が名前に入るもの
「し」は「死」を、「く」は「苦」を連想するため、「し」や「く」が名前に入るもの縁起が悪いとされています。「櫛(くし)」はその代表例といえるでしょう。
・そのほか縁起が悪いとされるもの
「し」や「く」が名前に入るもの以外にも、縁起が悪いとされる品物があります。たとえば、ハンカチは「手切れ」や「別れ」をイメージさせるため、縁起がよくないといわれます。また、日本茶も弔辞・香典返しとして使用されることから、避けたほうがよいとされています。プレゼントを選ぶ前に、「縁起がよくないといわれているもの」をある程度把握しておくようにしましょう。
まとめ
古希のお祝いはいつ行ってもかまいませんが、満年齢70歳の誕生日や敬老の日に行うのが定番となっています。介護施設では、歌や演奏などの出し物をする、行事食を用意する、メッセージカードや表彰状を贈るなどの方法でお祝いをするとよいでしょう。
介護のみらいラボでは、高齢者向けのレクリエーションのアイデアを多数掲載しています。古希祝いをはじめとする長寿祝いにぴったりのレクリエーションを探している方は、参考にしてみてください。そのほかにも、介護職の方に向けたさまざまな情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
※当記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています
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