11月の行事や記念日一覧|お祝いに合った行事食も紹介
構成・文/介護のみらいラボ編集部11月は暦の上では冬にあたります。急速に気温が下がり、早いところでは初雪の知らせが聞こえてきたりもするでしょう。とはいえ日中はまだ暖かく、紅葉の名所ではたくさんの観光客で賑わいます。また、文化の日や勤労感謝の日、七五三にちなんだイベントも全国各地で開催されます。ブリや白菜、ほうれん草、りんごなどの食材が旬を迎えるほか、市場には新米が出まわる時期なので、施設の食事に取り入れて11月ならではの味覚を楽しむのも良いでしょう。
この記事では、11月の行事や行事食について詳しく解説します。11月のイベントやレクリエーション、行事食に悩んでいる介護職の方は、ぜひ参考にしてください。
1.11月の行事・記念日一覧
11月は和風月明で「霜月(しもつき)」と呼ばれます。旧暦の11月は現在の12月頃にあたり、この時期になると霜が降りるため、その名が付いたとされています。ほかに、「神帰月(かみきづき)」「神来月(かみきづき)」と呼ばれることもありますが、これは10月に出雲に集まった神々が、それぞれの神社に戻ることに由来する名前です。
二十四節気(※)では冬に分類され、11月7日頃が「立冬」、11月22日頃が「小雪(しょうせつ)」にあたります。ちなみに、立冬は暦の上で冬になる時期、小雪は冬が始まり、雨が雪に変わる時期を指す言葉です。
※1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。立春や春分、夏至なども二十四節気です。
11月の誕生花はガーベラで、花言葉は「希望」「前向き」です。冬の始まりにあたる11月には、さまざまな行事や記念日があります。ここからは、11月の代表的な行事・記念日について詳しく解説しましょう。
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文化の日:11月3日
文化の日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という日本国憲法の趣旨にもとづいて、1948年に制定された国民の祝日です。11月3日という日付は、日本国憲法が公布された日(1946年11月3日)に由来しますが、この日は明治天皇の誕生日である「明治節」にあたり、もともとが祝日でした。
文化の日には文化勲章の表彰式が行われるほか、博物館・美術館の無料開放や、歌舞伎をはじめとする伝統芸能の講演会なども実施されます。介護施設でも文化や芸術に触れるイベントとして、手芸や書道、陶芸などを楽しんでみてはいかがでしょうか。
立冬:11月7日頃
前述したように、二十四節気では例年11月7日〜8日が立冬にあたります。二十四節気は太陽の動きに合わせて決められるため、年によって1日前後の差が生じるのが特徴です(1年は365日ですが、地球が太陽のまわりを公転する周期は365日よりわずかに長いため、ずれが生まれます)。暦の上では、11月の立冬から2月上旬の立春の前日までが冬にあたります。
立冬の時期になると、冬の訪れを告げる木枯らしが吹き、霜が降りることもあります。介護施設で音楽レクリエーションを実施する際には、「たき火」や「しもばしら」などの童謡を選んで、季節を感じてもらうのが良いでしょう。
七五三:11月15日
七五三は、子どものすこやかな成長を祝う伝統行事で、毎年11月15日に行われます。七五三では、女の子が3歳と7歳、男の子は3歳と5歳のとき(地域によっては5歳のみ)に神社へ参拝し、この先も幸せに暮らせるように祈願します。男女でお祝いする年齢が違うのは、古くから宮廷などで行われていた、3つの儀式が関係しています。3つの儀式の詳細は以下のとおりです。
・3歳の「髪置(かみおき)」坊主にしていた髪を伸ばし始める儀式。平安時代には「頭を清潔にすることで病気が防げる」とされており、男女ともに髪をそる風習がありました。
・5歳の「袴着(はかまぎ)」:男の子が初めて武士の正装である袴姿になる儀式。
・7歳の「帯解(おびとき)」:女の子が成人女性と同じ丸帯を身に付ける儀式。
もともとの七五三は、平安時代の頃に公家が行っていた儀式でした。それが江戸時代になると武家や裕福な商人の間に広まり、明治以降に現在の七五三の形になったと言われています。子どもに晴れ着を着せ、千歳飴を買うという風習が根付いたのも明治時代以降だそうですよ。
勤労感謝の日:11月23日
毎年11月23日は勤労感謝の日です。勤労感謝の日は、1948年に「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」として国民の祝日に制定されました。単に働く方に感謝するのではなく、「労働や仕事自体を尊重して、国民が互いに感謝しあうこと」が勤労感謝の日の趣旨であることを覚えておきましょう。
勤労感謝の日の由来は、古くからの宮中行事である「新嘗祭(にいなめさい)」だとされています。新嘗祭というのは、五穀豊穣を祝う日本古来の風習で、日本書紀にも記述が見られます。1873年からは新嘗祭が国民の祭日となり、11月23日の夕方に神膳を供え、神々をもてなすのがならわしでした。
しかし、1945年に日本が敗戦したことで、宮中行事としての新嘗祭と国民の行事が切り離され、新嘗祭は「勤労感謝の日」に変更されました。現代の勤労感謝の日は、「勤労を労い互いに感謝する日」ですが、以前は「勤労によって生まれた作物などに感謝する日」という意味合いが強かったようです。
施設で勤労感謝の日を祝う場合は、日々の疲れを癒したり、お互いの役割に感謝の気持ちを伝えたりして過ごすと良いでしょう。
和食の日:11月24日
11月24日は「いい(11)に(2)ほんしょ(4)く」(いい日本食)の語呂合わせから、「和食の日」とされています。
和食の日は、2013年にユネスコ無形文化遺産として登録された「和食・日本人の伝統的な食文化」を保護・継承していくことを目的に、和食文化国民会議によって制定されました。
この日は、和食給食の普及や食育の推進、健康の増進などを目指したさまざまなイベントが官民共同で開催されています。施設でも和食について学ぶイベントやレクリエーションを開催して、和食文化の大切さを再認識してみてはいかがでしょうか。
2.11月の行事食
和食の日をはじめ、11月には食とかかわりの深い行事や行事食があります。レクリエーションやイベントなどに取り入れて、みんなで季節を感じてみるのも良いでしょう。
以下では、介護の現場にも活用できる11月の行事食について紹介します。
千歳飴:七五三
七五三に決まった行事食はありませんが、赤飯や鯛、紅白餅など「縁起が良い」とされるものを食べるのが定番となっています。
また、七五三には千歳飴を忘れるわけにはいきません。千歳飴と言えば細長い形状が特徴ですが、あの形には「細く長く粘り強く、いつまでも健康に長生きしてほしい」という願いが込められているのだとか。昔は子どもの生存率が低かったことから、「長生き」は親としての切実な願いだったのです。
なお、千歳飴が誕生したのは江戸時代のことで、元禄・宝永期に浅草の飴売りが、棒状の紅白の飴を「千歳飴」として売り始めたのが最初だとされています。
ただし、飴は誤嚥などの原因になりやすいことから、利用者さんに提供するのが難しい食べ物だと言えます。施設で楽しむ際は、色合いを千歳飴に似せたゼリーやババロアを作るなど、食べやすいスイーツにアレンジするのがおすすめです。
新米:勤労感謝の日
勤労感謝の日のもとになった「新嘗祭」では、天皇陛下がその年に収穫された新穀(新米)を奉り、その恵みに感謝した後、神からの賜り物として食します。そのため、新嘗祭の日までは新米を食べてはいけないという言い伝えもあり、新嘗祭は新米と非常に関連深い行事となっています。
11月には白菜、ほうれん草、長いもなどの野菜も旬を迎えるので、勤労感謝の日にはそうした旬の野菜と新米を行事食として振る舞い、施設全体でお祝いしましょう。
和食:和食の日
ひとくちに和食と言っても、ジャンルや様式、作り方、食べ方はさまざま。地域の名産品を上手に使い、風土にあった食べ物として生み出された「郷土料理」も、日本が誇る大事な和食文化です。
以下は、良く知られている郷土料理の一例です。
地域名 | 料理名 |
---|---|
北海道 | 鮭のちゃんちゃん焼き、石狩鍋、ニシンの昆布巻きなど |
秋田県 | きりたんぽ鍋、いぶりがっこ、ハタハタ寿司など |
新潟県 | のっぺ、笹団子、かんずりなど |
東京都 | 深川めし、柳川鍋、ねぎま鍋など |
愛知県 | きしめん、たこめし、煮味噌など |
京都府 | 鱧料理、湯葉、加茂なすの田楽など |
大阪府 | ハリハリ鍋、バッテラ、泉州水なすの浅漬など |
広島県 | カキの土手鍋、美酒鍋、穴子めしなど |
福岡県 | 鶏の水炊き、がめ煮、かぼちゃのだんご汁など |
沖縄県 | ゴーヤチャンプルー、ラフテー、ソーキ汁など |
(出典:農林水産省「うちの郷土料理」)
介護施設のある地域の郷土料理は、昔から住んでいる利用者さんにとって懐かしく、なじみ深い味です。和食の日に郷土料理を提供すれば、利用者さんとの会話もはずむでしょう。
まとめ
11月には文化の日や七五三、勤労感謝の日、和食の日といった行事や記念日があります。なかでも、「収穫に感謝する日」に由来する勤労感謝の日や、和食文化に親しむ和食の日は食にかかわりの深い行事です。旬の食材を使った料理や、地域の郷土料理を行事食として振る舞って、楽しくお祝いしましょう。
介護のみらいラボでは、介護の現場で働く方に向けて有益な情報を提供しています。毎月のイベントや行事食などで悩んでいる介護職の方に向けて、各月の行事情報もお伝えしているので、ぜひ介護のみらいラボを参考にしてください。
※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています
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