紅葉狩りとは?意味や由来・楽しみ方や介護施設でできるレクを解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部紅葉の時期になると、野山や自然公園、渓谷などに出向いて「紅葉狩り」を楽しむ方も多いのではないでしょうか。紅葉狩りは、奈良時代から平安時代にかけて貴族の遊びとして広まったとされており、春にお花見をするのと同じように古くから親しまれてきました。
黄色や赤に色付いた木々とやわらかな日差し、さらさらと流れる川のきらめき......。それらが生み出す自然美は、まさに絶景ですよね。
ところで、みなさんは「紅葉を眺めるだけなのに、なぜ狩りと呼ばれるのだろう」と不思議に感じたことはありませんか? この記事では、紅葉狩りの歴史や由来、紅葉狩りの楽しみ方、介護施設でできる紅葉狩りのレクリエーションをなどについて紹介します。紅葉狩りのことを詳しく知りたい方や、紅葉狩りを通して利用者さんに楽しいレクリエーションを提供したいという方は、ぜひご覧ください。
1.紅葉狩りの意味
紅葉狩りは、「落葉樹の葉が美しく色付いた様子を眺めて楽しむこと」を指す言葉です。野山や自然公園、渓谷、寺社などに出かけて観賞することが多く、秋の行楽としても人気があります。本州では例年10月下旬から11月中旬に紅葉の見頃が訪れ、紅葉の名所は多くの観光客で賑わいます。
ここでは、紅葉狩りの由来や歴史について紹介しましょう。
紅葉狩りの由来
「狩り」という言葉は、もともと「鹿狩り」や「猪狩り」のように、野生の鳥や獣を狩猟するという意味で使われていました。
しかし、時代とともに「狩り」の意味は少しずつ広がり、やがてきのこ狩りや果物狩りのように「採集する」という意味で使ったり、紅葉狩りやホタル狩りのように「季節の恵みを鑑賞する」という意味で使ったりするようになりました。ちなみに、紅葉を鑑賞する行為に「狩り」が使われるようになったのは、平安時代からだと言われています。
平安貴族は、近くに紅葉を眺めるような環境がなかったため、間近で紅葉を楽しむには、野山に足を運ぶ必要がありました。しかし、当時の貴族は移動に牛車を使うのが当たり前。野山を歩くのは「品のない行為」だとされていました。
そこで、貴族たちは「野山に分け入って季節の恵みを探したり、鑑賞したりする行為」を「狩り」に見立てることで、悪いイメージを払拭したのだそうです。
ただし、「狩り」と呼ばれるようになったいきさつには複数の説があり、平安貴族の間では美しく色付いた枝葉を家に持ち帰るのが普通だったため、「採集する」という意味で紅葉狩りと呼ばれるようになったとの説もあります。
紅葉狩りの歴史
紅葉を鑑賞する風習は、奈良時代から平安時代にかけて、貴族の遊びとして広まりました。貴族たちは紅葉の頃になると、美しい山並みを眺めながら宴を開いたり、和歌を詠んだりして楽しんだそうで、「万葉集」にも紅葉を詠んだ和歌が数多く残されています。
その後、紅葉は桜と並ぶ季節の風物詩となり、春は桜の花見を楽しみ、秋は野山の紅葉を鑑賞することが「風流なふるまい」として広まっていきました。なお、庶民が紅葉狩りを楽しむようになったのは、江戸時代になってからのことです。
2.紅葉狩りでは何をする?
紅葉狩りにはさまざまな楽しみ方があります。ここでは、おすすめの楽しみ方について、いくつか紹介します。
・紅葉を観賞して楽しむ
紅葉狩りスポットに出かけて、色とりどりの紅葉を眺める定番の楽しみ方です。紅葉狩りのスポットには、野山や自然公園のほか、渓谷、寺社など、さまざまな場所があります。それぞれに味わいが異なるため、いろいろな場所に足を運んでみるのもよいでしょう。
・自然のなかでハイキングやピクニックをする
山々が色付いた姿を間近で見られるのは、ハイキングやピクニックならではの楽しみ方です。紅葉の名所には、山頂付近までの車道や遊歩道が整備されているスポットも多く、なかにはロープウェイが利用できるところもあります。体力に自信のない方でも散策できる場所は多いので、ぜひ調べてみてください。
・秋の味覚を楽しむ
紅葉狩りの頃は、食べ物がおいしい時期でもあります。紅葉狩りの際にきのこや栗、さつまいもなど、秋の味覚を使ったお弁当をもっていけば、自然との触れ合いがより楽しいものになるでしょう。紅葉狩りスポットの近辺には、紅葉とご当地料理が両方楽しめる飲食店もあるので、そうした場所でのんびりと過ごすのもおすすめです。
・紅葉の写真を撮る、絵を描く
美しい景色を写真に収めたり、絵に描いたりするのも紅葉狩りの楽しみ方の1つです。スマートフォンのカメラなら気軽に美しい写真が撮れるので、さまざまな紅葉スポットを撮影して、あとで見比べてみてはいかがでしょうか。
ほかにも、温泉宿に泊まって露天風呂から野山の風景を眺めたり、雰囲気のよいカフェで紅葉を楽しんだりといった方法があります。自分に合ったスタイルで、心ゆくまで紅葉狩りを楽しんでください。
3.介護施設でできる紅葉狩りレク
介護施設で紅葉狩りにちなんだレクリエーションを行えば、利用者さんに季節の移り変わりを実感してもらえます。また、色とりどりの紅葉を楽しむことが、利用者さんのストレス解消やリフレッシュにつながる場合もあるでしょう。外出が難しく紅葉狩りに出かけられない利用者さんが多い場合は、室内でできるレクリエーションを楽しむのも一案です。
ここでは、室内でできる紅葉狩りレクリエーションを紹介します。
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紅葉の押し葉を作る
押し葉とは、葉を紙などに挟み、押しをかけて乾燥させたものです。美しく色付いた落ち葉で押し葉を作り、しおりやメッセージカードに加工すれば、長期間楽しめるでしょう。押し葉の作り方は以下の通りです。
【準備するもの】
・落ち葉
・キッチンペーパー
・新聞紙
・重しになるもの(厚めの本、新聞紙の束など)
【作り方】
1.押し葉にしたい葉を選んで水洗いし、水気をふく
2.新聞紙の上にキッチンペーパーを敷き、落ち葉をのせる
3.落ち葉の上にキッチンペーパーをかぶせ、その上に新聞紙をのせる
4.キッチンペーパーと新聞紙で挟んだ葉の上に重しをのせ、数日間乾燥させる
5.十分に乾いたら、キッチンペーパーの間から取り出す
押し葉を画用紙にのせてラミネート加工すると、オリジナルのしおりになります。葉を乾燥させるのに数日かかりますが、準備の手間が少なく作業も簡単なので、さまざまな利用者さんに楽しんでもらえるでしょう。
紅葉をモチーフにした塗り絵をする
塗り絵も、準備が少なく手軽に始められるレクリエーションです。また、塗り絵はどのような色にするかを考えたり、線からはみ出ないように丁寧に塗ったりするため、頭の体操や手指の訓練にもなると言われています。
塗り絵の図案は、インターネットで探すのがおすすめです。最近では図案を公開しているサイトも増えており、無料でダウンロードしたり印刷したりもできます。図案を選ぶ際は、「線が太くはっきりしているか」「利用者さんに適した難易度か」などに配慮しましょう。
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・紅葉の塗り絵【無料印刷できる高齢者向け塗り絵】
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紅葉や秋をテーマにした歌を歌う
「紅葉」や「ちいさい秋みつけた」など、秋の歌を使った音楽レクで季節を感じてもらうのもよいでしょう。その際、ただ歌うのではなく、簡単な振り付けを取り入れると体操も一緒にできます。
音楽レクでは、何曲か続けて歌うのが一般的ですが、その際は歌の曲調やテンポ、難易度を考慮しながら順番を考えてみてください。
例えば、1曲目を「赤とんぼ」や「紅葉」といったなじみのある童謡にすると、利用者さんが参加しやすくなります。2曲目には、振り付けや手拍子を取り入れながらリズミカルに歌える曲、3曲目に利用者さんに人気の歌謡曲などをもってくると、場が持ち上がるでしょう。最後は、ゆったりとしたテンポで歌える「夕焼け小焼け」や「七つの子」などで気分を落ち着かせて、レクリエーションを終えるのがおすすめです。
なお、大きく口を開けて歌うことは、口腔機能の訓練にもつながります。
まとめ
紅葉狩りとは、紅葉シーズンに落葉樹の葉が色付いている風景を眺めて楽しむことです。紅葉狩りは、奈良時代から平安時代にかけて貴族の遊びとして広まり、江戸時代には庶民の間でも楽しまれるようになりました。
野山や自然公園に出かけて紅葉を観賞するのが紅葉狩りの定番ですが、色付いた木々のなかでハイキングやピクニックをしたり、露天風呂から紅葉を眺めたりするのも楽しいものです。
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※当記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています
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