元介護職員が働きやすいと感じた施設の特徴3つ!初心者におすすめの介護施設も紹介
文/中村 亜美文:中村亜美(介護福祉士)
職場選びの際、気になるポイントの一つに「働きやすさ」を挙げる人は少なくないでしょう。しかし、はじめて介護の仕事に携わる際に「働きやすい施設」を見分けるのは難しいものです。
もちろん基準は人それぞれですが、この記事では、筆者の介護経験を交えながら働きやすい施設を紹介してきたいと思います。ぜひ、勤務先選びの参考にしてみてください。
1.元介護職員が働きやすいと感じた施設の特徴
筆者が「働きやすい」と感じた職場には次のような特徴がありました。
上司がケアに協力的
疾患のある利用者を対象に、なにか企画をしようと思うと、多くはリスクが伴うものです。リスクを慎重に考えることは確かに大切なことであります。しかし、そればかりに縛られず「思い切って利用者に喜んでもらおう」と言える上司がいる施設は非常に働きやすく、かけがえのない想い出を多く残すことができます。
筆者が特養で働いていた時、ターミナルケアで最期が近づいている利用者さんの希望が、「家に帰りたい」だったことがあります。
その時に、ある上司が身体的なリスクを恐れ、その希望を躊躇したことがあります。しかし、もう一人の上司は、「最期の本人の希望だから、私達が一生懸命フォローすることで叶えてあげよう」と言ってくれました。その結果、ナース付き添いの厳戒態勢のもと、その利用者は家に帰ることができました。ご家族も喜ばれ、有意義な時間を過ごすことができ、感動したことを覚えています。
さまざまなリスクを恐れ、希望を叶えるのは難しいと諦めてしまうことも多くあります。しかし、勇気をもって「利用者の願いを叶えよう」という姿勢の上司がいる職場は、スタッフ自身もチャレンジ精神がもてるので、仕事がしやすいといえるでしょう。
休みが取りやすい
妊娠時のつわりや不慮の事故、体調不良など、生きているとさまざまなトラブルに遭遇します。
不測の事態が起こった時に、休みが取りづらいと大変ですが、逆に理解のある職場であれば長く働きやすくなります。
筆者が働いていた時も、子どもの熱などやむを得ない事情でたびたび休むことがありました。迷惑をかけていたことには変わりないですが、子育て中のママ職員が多い環境であったため、お互い様精神で比較的休みが取りやすく助かりました。
人手不足であっても休みが出た時に助け合う文化があるなど、サポート体制がしっかりしている職場は、急な休みにも対応してくれる傾向にあります。
また、仕事を続ける上で、有給の取りやすさも重要です。お互い様でしっかりと有給が消化できる職場は、プライベートとの両立もしやすく、良い環境であるといえるでしょう。
新人に対してのサポート体制がしっかりしている
介護の仕事を初めてする場合、いきなりほったらかしにされるとつらいものです。介護度が高く介護技術に自信のない場合でも、先輩スタッフのサポートがしっかりしている環境であれば、安心して仕事に取り組むことができます。
また、研修や勉強会などを通して新人教育に力を入れている介護施設であれば、多くのことを吸収することが可能です。
新人を「即戦力」としてではなく、しっかりとサポートや教育しようとする姿勢がある職場は、働きやすい介護施設であるといえます。
2.働きやすい介護施設の見極め方
働きやすい介護施設で仕事をしたいものの、入ってみなければわからないことも多くあります。そこでここでは、面接や施設見学の段階でチェックすべき「良い介護施設の見極め方」を紹介していきます。
施設見学をする機会があったら、特に以下の部分をチェックしましょう。
- 雰囲気(明るさや清潔感)
- 利用者やスタッフの表情
- スタッフの言葉遣い
- 施設理念に共感できるかどうか
- 口コミ
チェック項目について下記で簡単に説明していきます。
雰囲気(明るさや清潔感)
施設の雰囲気を入った瞬間に感じることはありませんか?「なんとなく」の直感をしっかりと覚えておきましょう。その場の雰囲気に違和感があったら、その直感は当たっているかもしれません。
筆者が実習時期に施設訪問した時、直感的に温かい雰囲気を感じる施設は、実習が始まってからもスタッフが協力的で安心して介護実習をすることができた記憶があります。その場の雰囲気の安心感や違和感は意外と当たっているものです。
また、施設の明るさや清潔感などもチェックしておくべきポイントになります。誰でも、明るくて清潔感があるほうが働きやすいでしょう。
利用者やスタッフの表情
意識したいのが利用者の表情です。利用者の笑顔が多い施設は、笑顔を引き出すためのあらゆる努力をしている可能性が高いといえます。逆に利用者の笑顔があまり見られない場合は、スタッフの様子を観察してみてください。それが日常的であるのか、たまたまであるのかがスタッフの様子でわかるでしょう。
スタッフの言葉遣い
見学している人がいると緊張感で取り繕おうとするものですが、少し時間が経つと素の部分が見えてしまうものです。特に「言葉遣い」は、普段から気をつけているかどうかがはっきりとわかってしまいます。
乱暴な言葉遣いのスタッフがいる場合は注意が必要です。それが許されているような職場であるという見方もできます。
施設理念に共感できるかどうか
施設理念を調べてみてください。パンフレットや公式HPに載っている場合が多いです。自分の介護観と完全に合う必要はありませんが、全く合っていないなら、就職は見合わせることをおすすめします。
最初は気にならなくても段々自分の介護観と施設の考え方にズレが生じてくる可能性があるためです。長く勤める上で、施設理念への共感は大切です。
口コミ
これは、施設見学前にチェックするものですが、施設の口コミがある場合はチェックしてみましょう。ネット上で探してみれば、利用者家族が書く口コミや元スタッフなどが書く施設の内情口コミなどが存在する場合があります。いずれも書いた方の主観であるため、鵜呑みにはできませんが、就職を検討する上で知り得なかった情報をゲットできる可能性も高いです。
3.初心者におすすめの介護施設は「特別養護老人ホーム」
介護初心者であれば、職員数や利用者数が多い「特別養護老人ホーム」がおすすめです。特別養護老人ホームは、一般的に「従来型」と「ユニット型」に分かれます。
従来型はいわゆる「多床室」で、大人数の利用者のケアを多数のスタッフが協力し合いながら行います。従来型はスタッフ数も多く設定されているため、新人で入っても手厚いサポートが受けられる可能性が高いです。
介護度が高い利用者が多かったとしても、ほかの介護施設に比べ人員に余裕があるため、比較的先輩スタッフが時間をかけて教えてくれます。
筆者は、一番最初の就職先として従来型の特別養護老人ホームを選択しました。介護度が高い利用者が多く不安いっぱいの中でしたが、スタッフ数も多く、時間をかけて介助方法を学ぶことができました。さまざまな利用者と出会えるため、介護を学ぶ面でも特別養護老人ホームは初心者向きであるといえます。
従来型のほかに「ユニット型」の特別養護老人ホームも存在します。ユニット型は10名の利用者を少人数のスタッフで連携しながらケアを行っていくスタイルです。
筆者もユニット型の特養で働いた経験があります。従来型よりもユニット型はスタッフ数が少なく、新人で入ってもサポートを受けにくいことがデメリットでありますが、こぢんまりした雰囲気であるため、ゆったりとケアに取り組むことができます。
4.やっぱり、「人間関係が良好な職場」は働きやすい
できるなら、働きやすい施設で仕事をしたいのが本音です。
介護職員にとって働きやすい場所は、やはり「人間関係が良好である」施設です。
今回の記事内で筆者が思う働きやすい介護施設を挙げましたが、各個人によって働きやすい施設には違いがあります。自分が働く上で何を一番大切にしたいかを今一度しっかりと考え、それに沿った就職活動をしてみるのがよいのかもしれません。
筆者が挙げた働きやすい介護施設などを参考に、自分に合った職場をぜひ探してみてください。
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