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仕事・スキル 介護施設・職場 2024/11/07

#有料老人ホーム

有料老人ホームの特徴を解説!施設で働くメリットや向いている人とは

文/山本史子(介護福祉士) thumb_2411_6.jpg

介護職員として就職・転職活動をする際、「有料老人ホーム」への入職を検討することがあるかもしれません。しかし、どんな仕事をするのかわからなければ、応募するのも躊躇してしまうことでしょう。

本記事では、有料老人ホームの特徴や業務内容とともに、働くメリットや向いている人の特徴を紹介します。有料老人ホームで仕事を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.有料老人ホームとは

室内

有料老人ホームとは、高齢者が安心して生活できるよう住まいや介護サービスを提供する施設です。有料老人ホームでは、以下のいずれか、または複数のサービスが提供されます。

①食事の提供
②入浴・排せつ・食事介助などの介護の提供
③洗濯・掃除等の家事支援
④健康管理

基本的には民間企業が運営しており、提供されるサービスや施設の設備は施設によって異なります。まずは有料老人ホームの種類と入居条件や設備について解説します。

種類

有料老人ホームには、そのサービス内容や住環境によって「健康型」「住居型」の3つの種類に分かれています。次の表はその特徴をまとめたものです。

種類 特徴
健康型有料老人ホーム ・自立している高齢者が対象
・日常生活支援に関するサービスを提供
・介護保険サービスの提供はなし
住宅型有料老人ホーム ・介護が必要になっても利用可能
・日常生活支援に関するサービスを提供
・介護保険サービスの提供はなし
・介護保険サービスを利用するときは、利用者が外部サービスと直接契約をする
介護付有料老人ホーム ・24時間体制で介護サービスを提供
・施設で介護サービスを提供する場合は、特定施設入居者生活介護の指定を受ける必要がある

有料老人ホームには、食事の提供や掃除などの生活支援を受けながら、プライバシーも考慮された生活が送れる環境にあります。施設によってサービス内容はさまざまで、高級ホテルのような待遇が受けられるなどサービスが整った施設や、共有スペースにはラウンジやフィットネスルームが設置されている施設もあり、利用者さん同士が交流しやすい環境にあります。

また、健康型有料老人ホームを除く2種の有料老人ホームは入居中に介護が必要になっても、介護サービスを受けながら施設に住み続けることが可能です。ただし、健康型有料老人ホームでは、健康で日常生活のことを自分でできる方が対象となるため、介護が必要になった場合は、退去を求められます。

入居条件

有料老人ホームでは制度上、年齢や介護度が明確に決められておらず、施設ごとで独自の入居条件が定められています。そのため、施設によって細かい条件が異なりますが、種類ごとの傾向は以下のような要件となっています。

種類 入居要件
健康型有料老人ホーム ・自立している高齢者
・要介護認定されている場合、利用できない
住宅型有料老人ホーム ・要支援1から利用可能
・介護サービスは提供されない
・介護サービスを受けるときは外部の介護サービスと契約する
介護付有料老人ホーム ・要介護1以上
・介護サービスの提供あり

多くの有料老人ホームでは、利用者さんの年齢を60歳以上、または65歳以上としていますが、施設によっては異なる年齢制限が設けられている場合もあります。住宅型と介護付では介護認定が必要なケースが多く、一般的に住宅型では要支援1から、介護付では通常介護1以上の方を対象としています。ただし、65歳未満でも特定疾病で要介護認定を受けた方は利用可能です。

一方で、健康型有料老人ホームでは、自立した生活が送れることが入居条件となることが多く、要介護認定を受けている方は対象外となることもあります。そのほか、認知症の有無や医療的ケアが必要な方の受け入れなども入居に影響します。

契約形態

有料老人ホームでは、居室や共用スペースの利用権を取得する「利用権方式」を取っている施設が一般的です。この場合、利用者さんは施設の居室や設備を終身にわたって住み続けられますが、物件そのものの所有権を持たず、あくまで利用権のみを取得できます。

費用

有料老人ホームでは、入居時に支払う「入居一時金」と、一定期間または終身にわたって支払う「月額費用」が必要です。入居一時金には、はじめに全額支払う方法と、入居一時金として一部を支払い、入居後に毎月支払う方法があります。入居一時金を設けていない施設もありますが、その場合、毎月の支払い金額が高額になる傾向が見られます。
入居一時金は、入居時に一括で払う費用で、施設の運用費や将来の利用料の一部として使われることがほとんどです。入居期間が長期にわたるほど月々の費用が割安になる場合があります。ただし、入居費用は0円から数千万円と幅広く、高級な施設や都心部の施設では高額になりやすいでしょう。

月額費用は基本的には家賃・管理費・光熱費・食費などが含まれます。加えて、消耗品代や理美容費などが別途必要です。介護付有料老人ホームでは、介護サービス費用も月額費用に含まれていますが、健康型・住宅型の場合、介護サービスは提供しておらず、住宅型は施設内のオプションサービスの利用や外部事業所の介護サービスを利用することになります。外部サービスを利用する際には、その分の費用が別途必要です。

設備基準

有料老人ホームの居室は個室とし、入居者1人あたりの床面積は13㎡以上を確保することと定められています。また、介護サービスを提供する場合には、施設内に介護居室・一時介護居室を設置する必要があります。ただし、居室で介護サービスが提供される場合は、設置しなくてもかまいません。そのほか、施設内には次のような部屋や共用設備を整えることが定められています。

  • 浴室
  • 洗面設備
  • 便所
  • 食堂
  • 医務室または、健康管理室
  • 看護・介護職員室
  • 機能訓練室
  • 談話室または、応接室
  • 洗濯室
  • 汚物処理室

また、車椅子が移動できる廊下の広さや構造も設備基準として定められています。有料老人ホームの特色によって、スポーツや趣味活動など、健康や生きがいに関する設備が設置されているところもあります。

人員配置基準

介護付有料老人ホームでは適切なケアをするために、人員配置基準が定められています。ただし、健康型・住宅型有料老人ホームでは、人員配置基準は特に定められていません。

ここでは、介護付有料老人ホームの配置基準を解説します。

看護・介護職員 ①要支援者10人につき、看護・介護職員1人
②要介護者3人につき、看護・介護職員1人
機能訓練指導員 1人以上(兼務可)
計画作成担当者 介護支援専門員1人以上(兼務可)
生活相談員 要介護者等100人につき1人
管理者 1人(兼務可)

看護職員は、要介護者等30人までは1人、30人を超える場合は50人ごとに1人必要です。また、計画作成担当者も要介護者等100人につき1名が標準となっています。

2.有料老人ホームでの仕事内容

介護

有料老人ホームの介護職員の業務内容や役割は、その施設のタイプによって異なります。次から、施設のタイプ別に主な業務内容を解説します。

健康型有料老人ホームの仕事内容

健康型有料老人ホームの利用者さんは基本的に自立しており、介護職員が介護をすることは少ないでしょう。主な業務としては、食事の準備や環境整備などの生活支援や見守り・相談対応などが挙げられます。そのほか、利用者さんの健康維持や生活の充実を図るために、レクリエーション活動やイベントの企画・運営をします。介護職員は、これらの活動の中心となり、利用者さんの積極的な参加を促すこともあります。健康型有料老人ホームで働く際には、介護というよりも生活のサポートと利用者さん同士やスタッフとの交流を深める役割を担うのが中心となります。

住宅型有料老人ホームの仕事内容

住宅型有料老人ホームでは、利用者さんの日常生活を支援する業務が中心です。直接の介護サービスは外部の事業者によって提供されるため、食事の提供や環境整備などの生活をサポートや見守りをします。訪問介護やデイサービスが併設されている施設も多く、利用者さんの生活を豊かにし、心身の健康を維持するために、手芸や体操・季節のイベントなどのレクリエーションに力を入れている施設もあります。住宅型有料老人ホームで働く際には、このようなレクリエーションを企画し、利用者さん同士の交流の促進や、参加しやすい雰囲気作りも重要な業務の1つとなるでしょう。

介護付有料老人ホームの仕事内容

介護付有料老人ホームでは、24時間体制で介護サービスを提供します。「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設では、職員の直接的な介護サービスの提供が可能です。介護付有料老人ホームの介護職員は、食事介助や排せつ介助・入浴介助などの日常的なケアをはじめ、服薬や健康などの管理をします。介護職員は、レクリエーション活動の企画や運営を通じて、利用者さんの心身の健康維持にも気を配り、安心・安全な生活が送れるようにサポートします。

3.有料老人ホームで働く職員の1日の流れ

リハビリ

有料老人ホームでは、利用者さんが快適に過ごせるように、さまざまなサポートが行われます。直接介護をしない健康型と住宅型、基本的な介護をする介護付では、利用者さんの過ごし方が変わるため、職員の業務内容も異なります。

次の表は、1日の過ごし方の一例です。

【日勤】

時刻 健康型・住宅型 介護付
8:30 ・出勤
・朝礼・情報共有
・夜勤者からの申し送り
・バイタルチェック
9:00 ・出勤
・夜勤者からの申し送り
・バイタルチェック
9:30 ・利用者さんの見守り・巡回
・清掃・洗濯
・病院受診・往診
入浴介助
11:30 昼食の準備/配膳 昼食の準備/配膳
12:00 ・昼食
・見守り
・昼食
・食事介助
・食事量の確認
13:00 ・下膳
・服薬確認
・休憩
・下膳
・服薬介助
・口腔ケア
・バイタルチェック
13:30 ・レクリエーション・体操
・余暇活動/趣味
・休憩
・レクリエーション・体操
15:00 ・利用者さんの見守り・巡回
・洗濯片付け・環境整備
・おやつ
・食事介助
16:00 記録 ・記録
・利用者さんとのコミュニケーション
・バイタルチェック
16:30 夕食の準備/配膳 夕食の準備/配膳
17:00 ・夕食
・見守り
・下膳
・夜勤者への申し送り
・夕食
・食事介助
・下膳
・食事量の確認
・服薬介助
17:30 退勤
17:45 夜勤者への申し送り
18:00 退勤

健康型では基本的に夜勤はありません。住居型では、入居者さんの状態によっては、外部の介護サービスやデイサービスの送り出しなどの対応が必要な場合もあります。また、施設によっては夜勤を配置して、緊急対応や見守りをする場合もあります。ただし、夜勤の有無や業務内容は施設によって異なるため、事前に調べておきましょう。

【夜勤】

時刻 住宅型 介護付
17:00 ・出勤
・夕食
・見守り
・下膳
・日勤者からの申し送り
・出勤
・夕食
・食事介助
・食事量の確認
・服薬介助
・夕食の下膳
17:45 服薬確認 日勤者からの申し送り
18:00 自由時間 ・食事摂取量の確認
・口腔ケア
19:00 ・就寝準備
・着替えの介助
・排せつ介助
21:00 消灯 ・消灯前服薬
・消灯
21:00〜5:00 定期的な巡回 ・定期的な巡回
・適宜、排せつ介助/おむつ交換
・コール対応
5:00 起床準備
6:00 ・起床 ・起床
・排せつ介助
・着替えの介助
7:00 朝食準備/配膳 朝食準備/配膳
7:30 ・朝食
・見守り
・服薬確認
・朝食
・食事介助
・食事摂取量の確認
・下膳/口腔ケア
・服薬介助
8:00 記録 記録
8:30 ・朝礼/情報共有
・日勤者への引き継ぎ
・バイタルチェック
9:00 ・日勤者への引き継ぎ
・バイタルチェック
9:30 退勤 退勤

住宅型は介護付と比べて、定期的な巡回は少なく、緊急時の対応のみとなっています。介護付の場合は、他の介護施設同様に、定期的な巡回やおむつ交換・コール対応が必要です。

4.有料老人ホームで働くメリット

問診

有料老人ホームで働くことは、次のようなメリットが考えられます。

  • 待遇・給与の条件がよい
  • 接遇・コミュニケーションスキルが身に付く
  • 身体的負担が少ない

次から、具体的な内容を解説します。

待遇・給与の条件がよい

有料老人ホームは民間経営がほとんどで、福利厚生が整っている傾向にあります。例えば、各種手当や充実した休暇制度・資格取得の支援・健康診断・福利施設の利用などが挙げられます。給与面では、夜勤手当や資格手当などの手当の支給や経験・能力に応じたボーナスが支給されるところが多いでしょう。そのため、安定した収入を得ながら長期的に働きやすい環境といえます。

なお、介護職員全般(正社員)の平均月給は317,540円で、介護付有料老人ホームで働く介護職員(特定施設入居者介護事業所)の平均月給は313,920円となっており、平均と同程度の給与が期待できます(令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果より)。ただし、この給与目安は介護付有料老人ホームのもので、健康型と住居型の給与は発表されていません。運営主体や業務内容によって給与額や待遇は異なります。
参照:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省

接遇・コミュニケーションスキルが身に付く

有料老人ホームでは、特別養護老人ホームといった公的施設よりも利用料が高めに設定されており、利用者さんや家族からも質の高いサービスの提供が求められます。そのため、介護職員は接遇やコミュニケーションスキルを向上させる機会となるでしょう。

有料老人ホームでは、レクリエーションや趣味活動を企画・実施する場面もあり、利用者さんとのコミュニケーションは重要な業務の一環です。日々の業務を通じて、丁寧で思いやりのある対応や、利用者さんの気持ちに寄り添ったコミュニケーションの取り方を学べるため、キャリアアップを目指すときや日常生活でも役立つでしょう。

身体的負担が少ない

有料老人ホームは、介護職員の身体的負担が少ない傾向にあります。有料老人ホームには比較的自立した高齢者が多く入居しており、身の回りのことを自分でできることや必要な介護サービスは外部事業所を利用することから、介護職員が直接介助する場面が少ないからです。ただし、介護付有料老人ホームでは他の介護施設同様に、介護サービスの提供が必要です。

有料老人ホームで働くデメリット

介護士

有料老人ホームで働くメリットがある一方で、デメリットも存在しています。有料老人ホームで働くデメリットは、次のような内容です。

  • 勤務先によって業務内容が異なる
  • 介護技術が向上しにくい
  • 業務量が多いと感じる

有料老人ホームで働く前にデメリットも考慮しておきましょう。

勤務先によって業務内容が異なる

有料老人ホームでは、施設ごとのサービス内容や運営方針が違うため、介護職員の業務内容も大きく異なります。有料老人ホームの種類によって求められるスキルは違うため、異なる種類の有料老人ホームに転職・就職する場合、これまで積み重ねてきた経験やスキルを生かすことができない可能性があるでしょう。

介護付有料老人ホームでは、身体介護を重点的に行われる一方で、健康型や住宅型では生活支援や接遇面が重視されるからです。特定のスキルを伸ばしたい方にとっては、専門スキルを伸ばす妨げになるかもしれません。ただし、どのような介護施設であっても、新しい職場で求められる業務に対応するには、常に学習が必要です。施設の業務を通して、幅広く経験できる機会となるため、自分のキャリア形成を考えて探すとよいでしょう。

介護技術が向上しにくい

健康型・住宅型老人ホームでは、利用者さんの介護度が比較的低く、他の介護施設と比べて介護をする場面が少ない傾向です。介護職員が直接介助をしないため、専門的な技術を学んだり、経験を積んだりする機会が限られてしまいます。実務経験が少なくなると、キャリアの幅を広げるのが難しくなる場合も考えられます。

キャリアアップを目指し、介護福祉士の資格を取ろうと考えている方は、有料老人ホームでの業務内容が「介護等の業務」に該当しない場合、介護福祉士の受験要件である「実務経験」には含まれない可能性がある点に注意が必要です。ただし、有料老人ホームに併設している施設で介護業務を兼任している人は「介護等の業務」と認められ、受験資格が満たされる場合があります。

業務量が多いと感じる

有料老人ホームでは、食事の準備や清掃などの生活支援や身体介助・レクリエーションなど、さまざまな業務があります。利用者さんの健康管理も行い、介護や医療機関との連携や緊急対応も必要です。

また、介護度の低い方から高い方まで混在しているため、一人ひとりに求められるサービスも異なります。有料老人ホームの特色によっては、家族様への連絡や質の高い接遇などが求められるでしょう。このように、さまざまな業務に関われる一方で、忙しさや大変さを感じる人もいるようです。介護付有料老人ホームを除き、人員配置基準が特に定めていないため、無理のない配置がされている施設を探すとよいでしょう。

有料老人ホームに向いている人の特徴とは

介護士

有料老人ホームでは、次のような方が向いていると考えられます。

  • 人とのコミュニケーションが好きな人
  • 身体的負担が少ない介護施設で働きたい人
  • 長期的に利用者さんとの関係を築きたい人

このような人は有料老人ホームの業務に適応しやすく、利用者さんや職場環境との相性もよいと考えられます。

人とのコミュニケーションが好きな人

有料老人ホームでは、利用者さんやその家族とのコミュニケーションを取ることも業務の一部です。日常的に利用者さんと接する機会が多いため、人と話すことが好きで、利用者さんの気持ちに寄り添ったり温かい対応ができたりする人に向いています。また、介護付有料老人ホームの場合、介護職員のほか、看護師やリハビリ専門職など、他の業種のスタッフとの連携が欠かせません。レクリエーションの運営や家族との対応、外部事業所とのやり取りなどが必要なことから、柔軟で丁寧なコミュニケーションが得意な方におすすめです。

身体的負担が少ない介護施設で働きたい人

健康型や住宅型の有料老人ホームの利用者さんは、比較的介護度が低い方が多く、身体的な介護負担はあまりありません。例えば、特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、入浴介助や体位変換・移乗介助など、身体介護が中心です。身体介護は力仕事となるため、腰痛や筋肉痛に悩まされている職員も多くいます。健康型・住居型の有料老人ホームでは、食事サポートや日常生活支援が主な仕事となっており、身体的な負担を抑えつつ、長く働くことも可能です。また、資格がなくても働けるため、初めて介護職員として働こうと考えている方にはよいでしょう。ただし、介護技術を磨く機会が少ないため、キャリアアップを目指す方は、介護付有料老人ホームがおすすめです。

長期的に利用者さんと関わりたい人

住宅型有料老人ホームでは、比較的介護度が軽いうちに入居でき、介護が必要となっても外部サービスを利用しながら、そのまま住み続けることが可能です。終の住処として有料老人ホームを選ぶ方もいるため、同じ利用者さんと長期的に関われます。利用者さん一人ひとりと信頼関係を築き、じっくりとお世話したいと考える方におすすめです。利用者さんの生活の質を向上させるためにも、長期的な視点でケアをしたいと考える人に適しています。

有料老人ホームに似た介護施設

介護士

有料老人ホームと似た介護施設に「特別養護老人ホーム(特養)」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」があります。次から、それぞれの違いについて解説します。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホーム(特養)は、主に自治体や社会福祉法人が運営する公的施設です。24時間にわたって、入浴や食事・排せつなどの介護サービスを提供し、有料老人ホームより費用が比較的安い点が特徴です。一方、有料老人ホームでは民間企業が運営していることも多く、サービス内容や設備によって入居費用が大きく異なり、なかには高額な費用が必要となる施設もあります。

また、特養では要介護度3以上からしか入居できないため、介護ケアや医療サポートが中心で、レクリエーションや娯楽の提供は有料老人ホームほど多様ではありません。介護付有料老人ホームと特養では、大きな業務の違いはありませんが、特養では要介護度の高い利用者さんが多いため、より専門的な介護技術が学べるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の基準に満たしている、賃貸等の住まいです。自立した生活を送ることを目的としており、身の回りのことは自分でできるため、介護職員は生活相談や安否確認が主な業務です。

多くの利用者さんは有料老人ホームでの暮らしでは、1日のスケジュールがある程度決まっている場合が多いですが、サ高住では決まっておらず、これまでの生活リズムを崩すことなく過ごせるでしょう。サ高住は「住む場所」の提供を重視しており、介護サービスについては、外部事業者を利用することが一般的です。そのため、介護業務を直接行うことはなく、利用者さんが快適に過ごせるようにサポートする役割が強いといえます。ただし「特定施設入居者生活介護」の指定を受けたサ高住では、介護付有料老人ホーム同様に介護サービスを提供しています。

まとめ:有料老人ホームでできる業務はさまざま!キャリアップも考慮して選ぼう

介護士

有料老人ホームには「健康型」「住居型」「介護付」の3種類あり、それぞれ提供するサービスに違いがあるため、介護職員の役割や業務内容も異なります。レクリエーションや利用者間の交流が充実・高級感をアピールする施設では、高品質の接遇マナーや対応が求められるかもしれません。しかし、利用者さんと寄り添いながら長く関わっていける点は、他の介護施設にはない経験となるでしょう。

また、有料老人ホームは、給料の安定や福利厚生が整っている傾向にあることもメリットの1つです。将来スキルアップを目指したい人は、給料面だけでなく、キャリアが積める環境なのか調べておくことが大切です。

●関連記事:有料老人ホームの仕事はきつい?施設の仕事内容や向いている人を紹介

※当記事は2024年10月時点の情報をもとに作成しています

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山本史子(Fumiko Yamamoto)

介護福祉士

デイサービスで約20年現場職員として経験。2007年に介護福祉士の資格を取得。「この施設にいると楽しい、また行きたい」と笑顔で帰ってもらえるデイサービスにしたいという思いで20年間利用者様のケアをしている。知的障害のある自閉症の息子がいるため、介護現場で働きながら、母親の立場から障がい者福祉にも関わっている。

山本史子の執筆・監修記事

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