認定社会福祉士とは?認定上級社会福祉士との違いや取得方法を解説!
構成・文/介護のみらいラボ編集部
認定社会福祉士は、社会福祉士の上位資格であり、社会福祉士としての「実践力」を証明するために創設された制度です。そのため、ある程度の経験を積んだ社会福祉士が取得すれば、スキルアップ・キャリアアップの実現につながるでしょう。
しかし、みなさんのなかには「認定社会福祉士は具体的にどのような資格なのか」や、「どういう要件があるのか」が分からず、資格取得への挑戦をためらっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、認定社会福祉士の概要や認定上級社会福祉士との違い、資格取得の要件や取得方法などについて、詳しく解説します。取得、更新にかかる費用やメリット・デメリットについても触れていくので、ぜひお役立てください。
1.認定社会福祉士とは?
認定社会福祉士とは、「認定社会福祉士制度」が定める社会福祉士の上位資格です。
社会福祉士国家試験は、養成機関で必要な課程を履修すれば、実務経験がなくても受験することが可能です。そのため、社会福祉士の資格を取得したとしても、それだけでは実践力があることの証明にはなりません。
そこで、福祉や医療の相談援助の場で豊富な経験を積み、地域福祉に貢献可能な実力を備えた社会福祉士のために、「実践力を証明し、キャリアアップを支援する仕組み」として制定されたのが、認定社会福祉士制度です。
なお、社会福祉士の上位資格には、認定社会福祉士のほかに、認定上級社会福祉士があります。
認定上級社会福祉士との違い
認定社会福祉士は、以下のように定義されます。
社会福祉士及び介護福祉士法の定義に定める相談援助を行う者であって、所属組織を中心にした分野における福祉課題に対し、倫理綱領に基づき高度な専門知識と熟練した技術を用いて個別支援、他職種連携及び地域福祉の増進を行うことができる能力を有することを認められた者をいう。
(引用:日本社会福祉士会「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」とは」_引用日2022/08/20)
認定社会福祉士の資格は、「高齢分野」「障害分野」「児童・家庭分野」「医療分野」「地域社会・多文化分野」の5分野に分かれており、専門分野ごとに認定されます。
また、認定社会福祉士は、以下のような役割を担って活動しています。
● 職場内でリーダーシップを発揮し、実習指導を担当する
● 地域や外部機関との窓口となり、緊急時や苦情に対応する
● 他職種とも連携をはかり、的確な相談援助を実践する
一方、認定上級社会福祉士は、以下のように定義されています。
社会福祉士及び介護福祉士法の定義に定める相談援助を行う者であって、福祉についての高度な知識と卓越した技術を用いて、倫理綱領に基づく高い倫理観をもって個別支援、連携・調整及び地域福祉の増進等に関して質の高い業務を実践するとともに、人材育成において他の社会福祉士に対する指導的役割を果たし、かつ実践の科学化を行うことができる能力を有することを認められた者をいう。
(引用:日本社会福祉士会「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」とは」_引用日2022/08/20)
認定上級社会福祉士の役割は以下の通りです。
● スーパービジョンを実施する
● 組織のシステム作りを行う
● 科学的根拠に基づき実践を指導する
● 関係機関と協働してシステムを構築したりサービスを開発したりする
認定社会福祉士は、所属組織内でほかの社会福祉士のリーダーとなりながら活動する点に特徴があります。一方の認定上級社会福祉士は、活動フィールドが地域全体となる点や、人材育成にも関わる点などに、認定社会福祉士との違いがあります。
2.認定社会福祉士になるには?
社会福祉士として働いているみなさんのなかには、「キャリアアップのために認定社会福祉士を目指したい」と考えている方もいるでしょう。
認定社会福祉士は、認定試験に合格すればなれるわけではなく、一定の資格取得要件をすべて満たした上で認定機関に申請し、審査を受ける必要があります。
ここからは、認定社会福祉士の資格取得方法について解説しましょう。
資格取得要件
認定社会福祉士の資格を取得するには、以下の要件を満たしている必要があります。
1.社会福祉士及び介護福祉士法に定める社会福祉士資格を有すること。
2.日本におけるソーシャルワーカーの職能団体で倫理綱領と懲戒の権能を持っている団体の正会員であること。
3.相談援助実務経験が社会福祉士を取得してから5年以上あり、且つこの間、原則として社会福祉士制度における指定施設および職種に準ずる業務等に従事していること。このうち、社会福祉士を取得してからの実務経験が複数の分野にまたがる場合、認定を受ける分野での経験は2年以上あること。
4.上記、実務経験の期間において、(※)別に示す「必要な経験」があること。
5.次のいずれかの研修を受講していること。
ア 認められた機関での研修(スーパービジョン実績を含む)を受講していること。
イ 認定社会福祉士認証・認定機構が定めた認定社会福祉士認定研修を受講していること。
(引用:日本社会福祉士会「「認定社会福祉士」「認定上級社会福祉士」を取得するには」_引用日2022/08/20)
なお、上記項目4にある「必要な経験」とは、以下のような業務の経験を指します。
● (個人レベル)相談援助の開始から終結までの一連の業務
● (組織レベル)組織や事業の立ち上げから取り組みの終了に関わる一連の業務
● (地域レベル)地域福祉活動・事業の開始から終結までの一連の業務
一連の業務には、相談の受付や情報収集、アセスメント、計画立案、関係各所の調整、計画・取り組みの実施、終結後のフォローアップや評価などが含まれます。
スーパービジョン実績とは?
認定社会福祉士認証・認定機構では、実践力育成の柱として「スーパービジョン」を掲げています。
スーパービジョンとは、カウンセリングやソーシャルワークの現場で用いられる指導方法の1つで、専門家や管理者などの指導者(スーパーバイザー)が、サポートを必要とする新人職員など(スーパーバイジー)に対して、アドバイスや指導を行うことを指します。
認定社会福祉士制度において、スーパービジョンを実施する目的は、以下の通りです。
スーパービジョンの目的
・社会福祉士としてのアイデンティティを確立する。
・専門職として職責と機能が遂行できるようにする。
・個別支援・組織・地域のすべてのレベルにおける実践力を開発する。
(引用:日本社会福祉士会「スーパービジョンの実施」_引用日2022/08/20)
スーパービジョンには次の3つの機能があり、社会福祉士の実践力を養成するために不可欠とされています。
● 教育的機能:知識・技術の提供やフィードバックを行い教育する。
● 支持的機能:業務で心身ともに消耗しがちなスーパーバイジーを支える。
● 管理的機能:業務量を調整するなど能力を発揮しやすい環境を整える。
認定機構が定めた枠組みに沿ってスーパービジョンを行うと、認定社会福祉士・認定上級社会福祉士の取得や更新に必要なスーパービジョン実績の単位が取得できます。
スーパービジョンについては、以下のリンクもご覧ください。
スーパービジョン
資格取得の流れ
資格取得要件をすべて満たした社会福祉士は、認定機関に申請し、審査を受けることができます。審査に合格した後、認定社会福祉士として登録すれば資格取得です。
審査においては、審査要綱に基づいた書類審査が2回行われ、結果は文書で通知されます。また、資格取得にあたっては、ここまで紹介してきた通常ルートのほかに、以下のルートもあります。
● 日本社会福祉会現経過措置移行ルート
● 日本社会福祉士会生涯研修ルート
● 日本医療ソーシャルワーカー協会研修ルート
● スーパーバイザー登録者ルート
● ベテランルート(時限措置)
● 大学院(教育基幹)ルート
ルートごとに規定された研修を受けて必要単位を取得した後、認定社会福祉士認定研修を受講して30単位修了すれば、認定の申請ができます。
申請から登録証交付までの流れは、以下の通りです。
申請受付 |
毎年9月1日~9月30日(消印有効)期日厳守。 期間外に到着した書類は受付されません。 |
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審査結果の通知 |
2月初旬 審査に合格した方には、合格証が送付されます。 |
---|
登録 | 2月末まで(必着)に、認定社会福祉士登録機関(日本社会福祉士会)へ登録を申請。 |
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登録証の交付 |
4月1日 登録の有効期間は、認定審査の合格日の翌年度4月1日より5年間となります。 |
---|
(出典:日本社会福祉士会「認定社会福祉士(新規申請)のご案内」)
申請の際は、必要な書類をすべてそろえて、認定社会福祉士認証・認定機構事務局に郵送します。
費用
申請の際は、以下の費用を納入期間内に振り込みます。
認定審査料 | 1万5千円 |
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納入方法 | 振込 |
納入期間 |
9月1日~10月10日まで (金融機関が休業日の場合は翌営業日まで) |
(出典:日本社会福祉士会「(新規申請)のご案内」)
なお、認定社会福祉士制度は5年ごとの更新制で、合格した翌年度から数えて5年度目の9月に更新手続きが必要です。更新認定審査料は15,000円で、9月1日から10月10日までの期間に納入します。
(出典:日本社会福祉士会「認定社会福祉士の更新申請のご案内」)
3.認定社会福祉士の資格を取得するメリット・デメリット
認定社会福祉士の資格取得した際に、どのようなメリット・デメリットがあるかも把握しておきましょう。
メリットとしては以下の点が挙げられます。
● スキルアップにつながる
● キャリアアップに役立つ
● 実践力を証明できる
認定社会福祉士の申請をするためには、スーパービジョン実績を含む研修受講が必要です。研修の内容は、社会福祉士としてのスキルを高めることにも役立ちます。
また、認定社会福祉士は、社会福祉士としての実務経験を重ねた上で審査を受け、知識・技術を認められた場合に取得できる資格です。そのため、資格があると実践能力や専門性の高さを証明することができます。
社会福祉士としての実践力、専門性の高さが証明できれば、キャリアアップにつながる転職ができたり、現職場での昇格・昇給がかなったりする可能性もあるでしょう。
主なデメリットは、以下の2点です。
● 5年ごとに更新が必要
● 更新に費用がかかる
認定社会福祉士は5年ごとに資格更新の手続きが必要で、その際は前述したように15,000円の更新費用がかかります。
(出典:認定社会福祉士の更新申請のご案内)
とはいえ、更新手続きが5年に1度のペースであるため、1年あたりの費用は3,000円程度。それほど大きな負担にはなりません。
まとめ
認定社会福祉士は、社会福祉士として活躍する方にとってスキルアップやキャリアアップにつながる資格です。取得すれば、社会福祉士として十分な実力があることの証明になるため、仕事の幅が広がる可能性もあるでしょう。取得要件を満たしている方は、取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています
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