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仕事・スキル 介護資格 2023/03/27

#介護福祉士

介護福祉士の勉強方法は?独学でも合格を狙える!勉強時間・過去問の活用法など

文/中村 亜美 thumbnail.jpg

介護福祉士は、介護施設で働くうえで、ぜひとも取得しておきたい資格の1つです。ただし、日々の仕事と並行して合格を目指そうとするなら、自分に合った勉強方法を見つけて、効率よく対策を進める必要があるでしょう。

この記事では、介護福祉士国家試験の詳細や、資格を取得するための勉強方法、勉強時間の目安、過去問の活用方法などについて、筆者の体験談も交えながら紹介します。

1.介護福祉士国家試験とは?

みなさんのなかには、「介護福祉士の国家試験があるのは知っているけど、具体的な内容までは分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここでは、介護福祉士国家試験の詳細情報について、紹介していきます。

介護福祉士国家試験の概要

介護福祉士は国家資格であり、資格を取得するためには、毎年行われる国家試験に合格する必要があります。

介護福祉士の国家試験には、「筆記試験」と「実技試験」の2つがあり、受験資格や試験の内容は次のとおりです。

受験資格

介護福祉士の国家試験は誰でも受けられるわけではなく、一定の条件を満たした人のみが受験できます。受験資格を満たす要件は、主に次の3つです。

①福祉高校系ルート:指定の福祉系高校で必要な科目・単位を習得している
②養成施設ルート:指定の介護福祉士養成施設を卒業している
③実務経験ルート:3年以上かつ540日の実務経験に加え、研修(実務研修、介護職員基礎研修など)を修了している

指定の福祉系高校または介護福祉士養成施設(専門学校・大学など)を卒業していない場合は、③の実務経験ルートで、働きながら受験資格を得ることができます。

ちなみに、筆者は養成施設ルートで介護福祉士資格を取得しました。

参考:社会福祉振興・試験センター/介護福祉士国家試験 受験資格

●関連記事:2023年「介護福祉士国家試験(第35回)」の概要~日程・合格率・時間・問題など~

2.主な勉強方法とそれぞれのメリット・デメリット

介護福祉士試験の受験対策をするための勉強方法は、3つに大別できます。

  • 通学講座
  • 通信講座
  • 独学

通学講座の代表的なものに、社会人向けの「介護福祉士受験対策講座」があります。通学講座の場合は、講師から直接指導を受け、演習を繰り返すことで着実に知識を深めることができるでしょう。

通信講座は、オンライン学習システムやテストの添消などのサポートを受けながら、在宅でテキストに沿って学習します。

通学や通信講座の主なメリットは、次の2つです。

  • 講師から指導を受けることができる
  • 定期的にテストを受けることでモチベーションを保つことができる

しかし、これらの勉強方法には、コストがかかるというデメリットもあります。

3.独学で勉強するメリットや向いている人

では、もう1つの独学にはどのようなメリットがあるのでしょうか。メリットとデメリット、独学に向いている人の特徴は次のとおりです。

独学のメリット

独学で勉強するメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • コストを抑えることができる
  • 自分のペースで学習できるため、時間や場所に縛られない

筆者も受験時代は、学校でのテキストを参考にしながら独学でも勉強していました。独学であれば、参考書を買うだけで済むため、コストを安く抑えることができるでしょう。

独学のデメリット

続いて、独学のデメリットを紹介します。

  • 参考書などを頼りに1人で学習するため、サボりがちになるケースも少なくない
  • 勉強のスピードがつかみにくい
  • わからない部分をピンポイントで質問できない

独学の最大のデメリットは、「緊張感やモチベーションを保つことが難しい」という点ではないでしょうか。

筆者にも「試験はまだ先だから」とサボりがちになった時期がありました。しかし、試験が近づくにつれて、模擬試験の合格点がなかなかとれない自分に焦り、「なぜもっと早く準備をしなかったのだろう」と後悔したのを覚えています。

モチベーションのコントロールが難しいという方は、気分転換しながらでも「1日1回は参考書を開くクセをつける」などして、早めに学習の習慣をつけるのがおすすめです。

独学が向いている人

次の人は、独学が向いていると言えるでしょう。

  • コストをかけずに勉強したい人
  • 自己管理ができる人

先に触れたとおり、独学に大切なのは学習の自己管理ができることです。自己管理が苦手な人は、少しずつ勉強に慣れるところからスタートすると良いでしょう。「最初は30分など短めに勉強時間を設定する」「毎日同じ時間に勉強する習慣をつくり、毎日の学習時間をうまくルーティン化する」など、自分なりに工夫してみることも大切です。

4.独学で合格するためには?

独学で合格するためのポイントとして、どのようなことが挙げられるでしょうか。ここからは、独学での勉強方法や必要な勉強時間を解説していきます。

独学で合格するための勉強方法

独学で勉強する際の方法には、以下のものがあります。

  • まずは参考書で基礎を学ぶ
  • 過去問を繰り返す
  • 理解できなかった部分を理解できるまで調べる

基本的には、過去問を解いて問題に慣れることが重要です。その際、問題に正解する以上に大切なのが、問題の解答理由が答えられることです。

本質的な部分までしっかりと介護を理解できると、どんな形で問題が出されても応用して解くことができるからです。

筆者は過去問をひたすら解いて、それぞれの解答理由を暗記するようにしていました。また、わからない部分は解説をよく読み、「なぜ間違えたのか」を理解するようにしていました。

合格に必要な勉強期間の目安

介護福祉士の資格取得に必要な勉強時間は、250時間ほどと言われています。人にもよりますが、基本的には3か月前~半年前を目安に、毎日1〜2時間程度の勉強時間を確保するとよいでしょう。

筆者は、試験の3か月前くらいから焦り出し、毎日1時間程度過去問をひたすら解いて覚えていました。

過去問の活用方法

過去問はできるだけ近年のものを活用しましょう。近年出題された過去問は、2~3年分解くと、問題の傾向がつかめるようになります。回答を間違えた際には、解説をよく読むようにしてください。そうすることで、自分が弱い問題への理解が深まります。

試験では、同じ問題が繰り返し出題されることもあるため、回答を記憶するメリットは、決して小さくありません。

過去問を選ぶポイント

過去問は、その名のとおり過去の出題をもとにつくられているため、基本的に中身は似ています。そのため「どれを選んだらいいの?」と迷うことがあるかもしれません。

過去問を選ぶポイントは、見やすさと解説の充実度です。また、過去問は多くの問題をひたすら解いていく必要があるため、文字やデザインが見にくいと、それだけでストレスになってしまいます。過去問を選ぶ際は、見やすさも重視しましょう。

加えて、解答欄の解説がわかりやすく書かれているかどうかも、大切なポイントです。解説欄の説明が少ないと、「どうしてそういう回答になるのか」を自分の頭の中に落とし込めません。答えを間違えたときに「なぜ間違えたのか」を知ることは、介護への理解をより深めることにもつながります。

筆者も過去問を購入していましたが、重視した点はやはり解説の充実度でした。

5.試験対策のコツとポイント

効率よく受験対策をするためには、「抑えるべきポイント」を把握しておくと良いでしょう。以下では、試験対策のコツとポイントを紹介していきます。

自分に合った教材や勉強方法を選ぶ

まず大切なのは、勉強方法や教材が自分に合っているかどうかです。勉強につまずいている人や、頭に入らないという人は、一度、教材が合っているかを見直してみましょう。

現在は、多くの出版社から「介護福祉士国家試験対策」の本が出ています。今使っている教材よりも、ほかの本が自分に合っている可能性もあるため、書店で中身を確認しながら、自分に合いそうなものを購入してください。

通勤時など隙間時間を使って勉強したい場合には、ポケットサイズの問題集もおすすめです。筆者は、電車通学の間に読めるポケットサイズの過去問を購入しましたが、スキマ時間に活用できるため、勉強の効率が上がりました。

インターネットで情報収集をする

現在は、インターネット上でもさまざまな情報を得ることができます。モチベーションを維持する方法や勉強方法、わからない部分や聞きなれない言葉まで、検索すれば多くの情報を知ることができるでしょう。

ただし、インターネット上の情報には、信ぴょう性の低いものも存在するため、心配な場合はほかのサイトの情報や関連書籍と照らし合わせるなどして、情報の精度を確かめるようにしましょう。

筆者の受験当時は、インターネット上に情報があふれているような状況ではなかったため、それほど活用する機会はありませんでした。現在は、インターネットでたくさんの情報が手に入るようになったので、「便利なツール」として積極的に利用していくのが良いでしょう。

YouTubeなどの試験対策動画を活用する

参考書や過去問で勉強するのに疲れたときは、YouTubeなどにアップされている無料動画で勉強するもの1つの方法です。

最近では、さまざまな人や企業が、介護福祉士国家試験対策向けの動画をアップしています。動画であれば目と耳で解説に触れられるため、参考書だけではわかりにくい部分も理解しやすいかもしれません。

6.介護福祉士国家試験は独学で合格できる!

介護福祉士の国家試験は、独学であっても工夫次第で合格できる可能性はあります。

ただし、それには勉強時間の管理やモチベーション維持が大切です。筆者も受験まで残り3か月と気づいたときには焦りましたが、毎日学習時間を設けることでなんとか合格することができました。

まずは、勉強を習慣化することが合格への近道だと思います。自分に合った勉強方法を探して、介護福祉士国家試験合格を目指しましょう。

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中村亜美(Ami Nakamura)

介護福祉士

2007年に介護福祉士を取得後、特別養護老人ホームで介護職員として勤務。ユニットリーダーとしての経験もある。現在はWebライターとして主に介護系の記事を執筆している。

中村亜美の執筆・監修記事

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