福祉系資格にはどんな種類がある?資格の選び方とメリットとは
文/山本史子(介護福祉士)
福祉業界にはさまざまな資格や研修があり、スキルアップやキャリアアップを目指すことが可能です。しかし、資格や研修は数多くあるため「どの資格を取得すればいいのかわからない」と悩む人もいるでしょう。本記事では、福祉系資格の種類や取得方法、メリットについて詳しく解説します。自分に合った資格を選び、理想のキャリアを実現するための参考にしてください。
- 目次
- 1.実務経験なしでも取得できる介護職の資格・研修
- 介護職員初任者研修
- 認知症介護基礎研修
- 介護福祉士実務者研修
- 2.認知症について学べる資格・研修
- 認知症介護実践者研修
- 認知症ケア専門士
- 認知症ケア指導管理士
- 3.介護業界でスキルアップが目指せる資格・研修
- 介護福祉士
- 喀痰吸引等研修
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 4.障がい者(児)支援ができる資格・研修
- 重度訪問介護従業者養成研修
- 強度行動障害支援者養成研修
- 5.相談援助・支援業務ができる福祉系の資格
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 児童福祉司
- 6.あれば役立つ福祉の資格・研修
- 7.福祉系資格を選ぶポイント
- 働きながらでも取得できるか
- 受験資格があるかどうか
- 8.福祉系資格を取得するメリット
- スキルアップが目指せる
- 転職・昇給に有利になる
- 社会的信用が得られる
- まとめ:自分が挑戦できそうな資格から取得してスキルアップを目指そう
1.実務経験なしでも取得できる介護職の資格・研修

介護業界では、未経験者でも挑戦できる資格や研修が充実しています。以下の資格や研修は、介護の仕事に就いたばかりの人や、介護職に興味があるものの経験がない初心者の方におすすめです。
- 介護職員初任者研修
- 認知症介護基礎研修
- 介護福祉士実務者研修
介護の基本的な知識と技術を習得する入り口として、これらの資格を取得することで、安心して現場に入るための基礎が身につきやすくなります。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は「旧ホームヘルパー2級」の後継資格です。介護業界で働くための最初のステップとして位置づけられており、実務経験がなくても受講できます。
研修は介護の基本的な知識とスキルを学ぶことを目的とし、高齢者や障がい者の心身の特性理解と、身体介護や生活支援の方法を学べます。カリキュラムは130時間で構成されており、講義と演習が含まれます。この研修は、自治体で申し込む方法と福祉系のスクールで取得することが可能です。カリキュラムは国によって定められているため、どこで受講しても内容はほとんど変わりありません。カリキュラム修了後、修了試験に合格することで取得できます。
資格名 | 介護職員初任者研修 |
対象者 | どなたでも受講可能 |
受講方法 |
・各自治体で開催している講座 ・通信講座 ・通信/通学講座 |
受講料 |
・無料 ※東京都の場合 ただし、都内で就労を希望する方向け ・スクールの場合、3.2万円〜10万円 |
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修は、認知症ケアに必要な知識と技能を習得できる研修です。認知症に対する理解が深まるため、適切なケアやコミュニケーションが期待できます。2024年から介護サービスに関わる介護従事者のうち、医療・福祉関係の資格を持たない人の受講が義務付けされました。自治体に申し込みが必要ですが、受講方法や受講料は自治体によって異なります。認知症介護基礎研修では、150分のカリキュラムを受けると修了書が発行されるため、修了試験はありません。
認知症介護基礎研修を受講すると、認知症実践者研修や認知症実践リーダー研修が受けられるといった、認知症の専門介護員としてスキルアップも望めます。
資格名 | 認知症介護基礎研修 |
対象者 | 介護従事者のうち、医療・福祉関連の資格がない人 |
受講方法 | 150分の講習 |
受講料 | 3,000円~5,000円 |
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、旧ヘルパー1級の後継資格で、介護福祉士を受験するために必ず必要な研修です。質の高い介護サービスを提供したい人や介護業界でスキルアップしたい人におすすめです。ただし、介護福祉士の資格を取得したい場合、旧ヘルパー1級の資格だけでは受験できません。改めて介護職員実務者研修の受講が必要となります。
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格に位置づけられていますが、介護職員初任者研修を受講していなくても受講可能です。介護職員初任者研修を受講している人は130時間の受講時間が免除されます。そのため、少しでも早くスキルアップしたい人は、介護福祉士実務者研修からの受講がおすすめです。研修は、指定された養成スクールで通信または通学で学べます。詳しくは、自治体のホームページで確認してください。
資格名 | 介護福祉士実務者研修 |
対象者 | どなたでも受講可能 |
受講方法 |
・各自治体の指定施設での受講 ・通信講座・通学講座 |
受講料 | 3〜20万円 |
2.認知症について学べる資格・研修

介護現場において、認知症の利用者さんをケアする場面も少なくありません。そのため、認知症に関する知識や理解を深められる研修を受講することは、介護職員にとって大きな強みになるでしょう。以下は、認知症に関する代表的な資格・研修です。
- 認知症介護実践研修
- 認知症ケア専門士
- 認知症ケア指導管理士
次から、詳しく解説します。
認知症介護実践者研修
認知症介護実践者研修は、認知症の人に適切なケアを提供できるよう専門的なスキルを習得する研修です。認知症介護基礎研修の修了者や介護職として実務経験があるなど、基本的な知識と技術が身についている人向けの研修です。
研修では、認知症に関する基礎知識や生活支援技術、家族支援方法などを学びます。そのため、介護現場での対応力が向上するだけでなく、キャリアアップや資格手当の支給も期待できます。また、上位資格である認知症介護実践リーダー研修への受講資格も得られます。
受講は各自治体に申し込みますが、受講対象者やスケジュール・費用は自治体によって異なるため、興味のある人は自治体に直接問い合わせましょう。
資格名 | 認知症介護実践者研修 |
対象者 | 介護サービス事業施設で働いている人 |
受講方法 | 自治体の指定事業所に申し込み |
受講料 | 30,000円 ※奈良県の場合 |
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は認知症ケアに特化した民間資格で、より専門的な知識と技術を習得できます。資格取得により、認知症ケアのエキスパートとして現場での対応力を高められるでしょう。認知症ケア専門士は資格の有無は求められませんが、3年以上の認知症ケアの実務経験が必要です。
認知症ケア専門士は第一試験と第二試験があり、第一試験に合格した人、もしくは受験資格を満たした「認知症ケア准専門士」のみ第二試験に進めます。
高齢化が進むなかで、認知症の人の増加も予測されるため、ニーズの高い資格といえます。
資格名 | 認知症ケア専門士 | |
第一次試験 | 第二試験 | |
対象者 | 過去10年間に3年間の認知症ケアの実務経験がある人 |
・合格有効期限内の第1次試験合格者 ・認知症ケア専門士の資格取得後5年以内かつ、認知症ケア専門士の受験資格を満たしている人 |
受講方法 | ウェブ試験(インターネットを使用してパソコンで受験) | 論述試験 |
受講料 |
3,000円×4分野 (合計:120,000円) |
8,000円 |
認知症ケア指導管理士
認知症ケア指導管理士は、認知症高齢者への対応だけでなく、介護職員の指導や管理・人材育成など認知症ケアの専門性向上のために創設された資格です。資格は福祉の資格がない人や、介護・医療職以外の人でも受験できます。
認知症ケア指導管理士には、上級資格として「上級認知症ケア指導管理士認定試験」があります。そのため、認知症の専門知識の習得と指導者の育成者として、キャリアアップも可能です。
資格名 | 認知症ケア指導管理士 |
対象者 | どなたでも受験可能 |
受講方法 | マークテスト |
受講料 | 一般:7,500円 |
3.介護業界でスキルアップが目指せる資格・研修

介護業界でスキルアップを目指す際に、役立つ資格や研修があります。
- 介護福祉士
- 喀痰吸引等研修
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
上記の資格・研修は、現場での実務経験を活かしながら専門性を高め、キャリアアップが目指せます。資格取得によって、より高度な知識や技術を習得し、責任ある役割を務められるでしょう。
介護福祉士
介護福祉士は、介護業界で唯一の国家資格です。資格取得により、利用者さんに対して、身体的ケアや生活援助のほか、心理的サポートも含めた包括的なケアができるようになります。また、専門職としての知識とスキルを活かし、リーダー的な役割をもつことも可能です。
介護福祉士になるためには、養成施設ルートや福祉系高校を卒業する方法がありますが、働きながらでも取得可能です。しかし、働きながら介護福祉士を受験するには、3年以上の実務経験(かつ従事日数540日以上)と実務者研修を修了している必要があります。受験の際には「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」で受験の手引きを取り寄せ、8月上旬から9月上旬までに必要書類をそろえ、試験の申し込みをしましょう。
資格名 | 介護福祉士 |
対象者 | 実務経験3年以上(従事日数540日以上)、実務者研修修了者 |
受講料 | 18,380円 |
試験内容 |
①人間の尊厳と自立 ②人間関係とコミュニケーション ③社会の理解 ④こころとからだのしくみ ⑤発達と老化の理解 ⑥認知症の理解 ⑦障害の理解 ⑧医療的ケア ⑨介護の基本 ⑩コミュニケーション技術 ⑪生活支援技術 ⑫介護過程 ⑬総合問題 |
合格基準点 | 問題の総得点の60%を基準とし、問題の難易度で補正した点数以上、かつ試験科目11項目のすべてにおいて得点がある |
喀痰吸引等研修
喀痰吸引等研修では、喀痰吸引や経管栄養など、医療的ケアを提供するための技術を習得可能です。そのため、修了後は医療的ケアが必要な利用者さんに対して、安全かつ適切なサービスの提供ができるようになります。喀痰吸引等研修には、第1号研修から第3号研修まであり、実施対象者や実施範囲によって研修内容は異なります。
研修には、講義と各行為のシミュレーター演習を学ぶ基本研修と実地研修があり、基本研修を修了しなければ、実地研修は受けられません。
資格名 | 喀痰吸引等研修 |
対象者 | すべての人が対象 |
受講方法 |
・各自治体の指定施設での受講 ・通信講座 ・通学講座 |
受講料 | 40,000円〜240,000円 |
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護サービスを必要とする利用者さんのケアプラン(介護計画書)を作成します。そして、サービス提供事業者と利用者さんとの間に立ち、介護サービスを調整する役割をしたり、利用者さんや家族の介護の相談窓口になったりと、重要な役割を担っています。
ケアマネジャーは、国家資格ではありませんが、介護福祉士として5年以上の実務経験が必要です。ケアマネジャーとして働くためには、介護支援専門員実務者研修受講試験に合格したうえで、実務研修を修了し、各都道府県に登録する必要があります。
また、ケアマネジャーの合格率は19%〜32%です。介護福祉士の合格が70%〜83%である点と比べると、ケアマネジャーの受験難易度は高いといえるでしょう。
資格名 | 介護支援専門員実務研修受講試験 |
対象者 | 保健/医療/福祉に関する国家資格の業務従事者、または一定の相談援助業務に従事し、通算5年以上かつ、従事日数が900日以上 |
受験方法 | 勤務地、または住所が受験地にある |
受講料 | ①介護支援分野②保健医療福祉サービス分野 |
合格基準点 | 12,400円(自治体によって異なる)※東京都の場合 |
4.障がい者(児)支援ができる資格・研修

障がい者の自立支援や生活の質を向上させるために、必要な知識とスキルを学ぶ資格や研修もあります。それぞれの障がいの特性を知り、適した対応が必要となるため、福祉のなかでもより専門性が求められます。
重度訪問介護従業者養成研修
重度訪問介護従業者養成研修は「障害者支援区分4〜6」の認定を受けている障がい者の自宅を訪問し、障がい支援サービスを提供するための資格です。介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を修了した人でも、重度訪問介護職員として働くことが可能です。研修は、基礎過程・追加過程・統合過程の3つの過程があり、最短3日程度で取得できます。ただし、地域や厚生労働省の指定事業所によって、日程や受講料が異なるため受講前に確認しておきましょう。障がい者に対する正しい知識や介助技術を、深く学びたい人におすすめの研修です。
資格名 | 重度訪問介護従業者養成研修 |
対象者 | すべての人が対象 |
受講方法 | ・福祉系スクール ・厚生労働省の指定事業所 |
受講料 | ー |
強度行動障害支援者養成研修
強度行動障害支援者養成研修は、知的障がいや精神障がいによって自傷行為・他害行為のある障がい者に対し、障がいを理解し、安心して生活できる環境を整えるスキルを身につけられる研修です。この資格があれば、放課後デイサービスや障害者支援施設・障がい者グループホームなどで優遇される可能性も高く、働ける場所の範囲が広くなるでしょう。研修は、講義と演習があり、基礎研修と実践者研修を含めると合計4日間で習得できます。
資格名 | 強度行動障害支援者養成研修 |
対象者 | すべての人が対象 |
受講方法 |
・福祉系スクール ・自治体の指定事業所 |
受講料 |
・基礎研修:約17,000円〜25,000円 ・実践研修:約17,000円〜25,000円 |
5.相談援助・支援業務ができる福祉系の資格

福祉の現場では、利用者さんや家族が抱える問題に対して適切なアドバイスや支援を提供する「相談支援業務」も重要です。ここでは、相談支援業務を行うおもな3つの資格を紹介します。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 児童福祉司
以下で詳しく、解説します。
社会福祉士
社会福祉士は福祉に関する相談援助のスペシャリストとして、利用者さんが直面するさまざまな課題を解決するために、利用者さんをサポートする国家資格です。社会福祉士は、高齢者施設や障がい者福祉施設・医療機関のほか、公務員試験を取得してケースワーカーとして働くことも可能です。ケースワーカーになると、福祉事務所や児童相談所などの公的機関で働けます。
社会福祉士になるためには、さまざまなルートがあり、これまで特に福祉系の経歴のない人は、相談実務経験を1年から4年経験したあと、一般養成施設等で1年以上学ぶ必要があります。
自分がどのルートに該当するかは、一度「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」のホームページで確認してみましょう。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障がいの専門知識と技術を取得し、精神障がい者の社会復帰を支援する国家資格です。精神障がいを持つ利用者さんの相談業務や課題への相談・助言・指導などを行って生活上の課題を解決し、日常生活へ適応できるよう訓練や支援をします。そのため、精神保健福祉士は、医療と福祉の橋渡し役として、心の健康と社会参加を支える重要な役割をしているといえるでしょう。
精神保健福祉士の資格を取得する方法には、さまざまなルートがあります。社会福祉士の資格を取得している人も、受験できます。大学や短大を卒業していない場合には、4年以上の相談援助を実務経験し、一般養成施設を卒業することが必要です。自分に適したルートがあるか「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」のホームページで確かめましょう。
児童福祉司
児童福祉司は、子どもや家族の問題に対応し、適切な支援を提供する専門職です。各都道府県に設置されている児童相談所で働き、虐待などの子どもの健全な成長を阻害する課題に対して、保護者や関連機関との連携や調整役をします。
児童福祉司になるには、児童福祉司任用試験に合格し、都道府県から任用される必要があります。さまざまなルートから資格取得する方法がありますが、都道府県の指定した養成校の卒業や指定課程の修了が必要なため、ほかの資格よりも難易度は高いといえるでしょう。
6.あれば役立つ福祉の資格・研修

福祉関連の資格や研修には、取得や修了していると現場で役立つものがあります。興味のあるものから取得すれば、自分の得意分野を伸ばせるかもしれません。下記の表は、その役立つ資格の一例です。
資格名 | 内容 |
福祉住環境コーディネーター |
【資格内容】 医療・福祉・建築の総合的な知識が得られ、高齢者や障がい者の住環境のアドバイスができる資格です。住宅改修や福祉用具の選定時に役立ちます。 3級~1級まであり、段階的に学べます。 【受験資格】 どなたでも受験可能。 |
レクリエーション介護士 |
【資格内容】 高齢者や障がい者の心身の健康を促進するために、楽しみながら取り組めるレクリエーションを企画・実施できる資格です。利用者さんの生活の質の向上に役立つでしょう。 2級から1級があり、2級合格者が1級を受験できます。 【受験資格】 レクリエーション介護士の2級は、どなたでも受験可能です。ただし、1級は2級合格者のみ受講できます。 |
介護予防運動指導員 |
【資格内容】 高齢者が介護状態になるのを予防するために、運動や栄養・生活習慣の改善などを指導する専門資格です。 【受験資格】 医師・看護師・介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門員・介護職員初任者研修修了者で実務経験2年以上など、医療・福祉の資格取得者。 |
福祉用具専門相談員 |
【資格内容】 高齢者が自立した生活が送れるよう、適切な福祉用具の選定・使用方法のアドバイスができる資格です。介護保険を使った福祉用具の貸与や販売の相談・調整を行います。 【受験資格】 どなたでも受講可能。 |
サービス提供責任者 |
【資格内容】 介護サービスを提供するために、調整・管理をする役職です。利用者さんや家族との相談・連絡調整のほか、訪問介護計画書の作成やヘルパーへの指導も行います。 【受験資格】 介護福祉士実務者研修・介護福祉士の資格取得者。 |
同行援護従事者養成研修 |
【資格内容】 視覚障がい者が、快適かつ安全に外出できるよう支援するための知識と技術を習得する研修です。移動時の介助や排せつや食事介助、情報提供、代筆・代読などを学びます。 ガイドヘルパー(移動支援従事者)は、障害全般の支援ができるのに対して、同行援助従事者は視覚障がい者を対象にしている点が特徴です。 同行援護従事者養成研修では、一般課程と応用課程があり、応用課程は一般課程修了者が受講できます。 【受験資格】 一般課程はどなたでも受講可能ですが、応用課程は一般課程修了者が対象となります。 |
行動援護従事者養成研修 |
【資格内容】 知的障がいや精神障がいで、行動上の困難がある方を支援するための知識と技術を習得する研修です。移動支援時の危険回避や日常生活のサポート方法を学べます。 【受験資格】 どなたでも受講可能です。 |
サービス管理責任者 |
【資格内容】 障害福祉サービス事業所の運営において、中心的な役割をする役職です。サービス管理責任者は、個別支援計画書の作成や職員の指導、利用者さんの支援内容の調整など、管理業務全般をします。 【受験資格】 ・相談業務/直接支援業務を通年8年以上従事 ・次の資格を取得し、5年以上の実務経験がある 社会福祉主事任用資格/介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)/児童指導員任用資格者/保育士 |
7.福祉系資格を選ぶポイント

福祉系の資格は種類が多く、それぞれ求められるスキルや知識、対象となる分野が異なります。そのため、自分の状況や目標に合わせて、最適な資格を選ぶことが大切です。ここでは、福祉系資格を選ぶ際に考慮すべきポイントを2つ紹介します。
- 働きながらでも取得できるか
- 受験資格があるかどうか
次から詳しく解説します。
働きながらでも取得できるか
介護や福祉の現場で働きながら資格を取得する場合、学習方法やスケジュールが自分に合うかどうかで資格を選ぶ方法があります。多くの福祉系の資格は、スクールで受講可能で、通学だけでなく通信講座を利用できる場合があります。一般的には、通信と通学を組み合わせた形式を取っている点が特徴です。各自治体で実施されている資格は、費用が抑えられる分、要件やスケジュールが難しいかもしれません。週末や夜間に開催されているスクールや受講先を選ぶと、仕事と学習の両立がしやすくなるでしょう。
受験資格があるかどうか
福祉系の資格のなかには、受験要件が求められる場合があります。例えば、介護福祉士の場合なら、実務経験が3年以上あり、実務者研修を修了している必要があります。さらに難易度が高い資格であれば、大学の卒業や専門学校で指定科目の履修が必須です。自分が持っている資格によっては、受験科目が免除されるケースもあるため、受けたい資格の受験要項に合っているか確認しておきましょう。
8.福祉系資格を取得するメリット

福祉系の資格を取得することで、介護や福祉の現場で必要な専門知識や技術を体系的に学べます。そのほかにも次の3つのメリットがあります。
- スキルアップが目指せる
- 転職・昇給に有利になる
- 社会的信用が得られる
また、資格取得の過程で得た知識は、利用者さんへの対応や支援の質を向上させ、現場で働く自信にもつながるでしょう。
スキルアップが目指せる
福祉系の資格を取得することで、スキルアップがしやすくなります。福祉や介護の資格は数多くあり、国は介護の研修や資格を整理して、キャリアを積みやすい制度を整えています。そのため、介護職の場合は、介護職員初任者研修から介護福祉士実務者研修、さらに介護福祉士の資格へと、上位資格を目指しやすいでしょう。また、介護福祉士取得後も、ケアマネジャー(介護支援専門員)や認定介護福祉士に進むことが可能です。上位資格にステップアップすることで、業務範囲を広げられ、現場での活躍の幅も増えるでしょう。
転職・昇給に有利になる
福祉系の資格を取得すれば、転職や昇給にも有利になります。資格はスキルや専門性を証明するものであり、ほかの候補者との差別化が図れます。
下記の表は、介護職員の保有資格別の平均給与額を比べたものです。
介護福祉士 | 331,080円 |
社会福祉士 | 350,120円 |
介護支援専門員 | 376,770円 |
介護福祉実務者研修 | 302,430円 |
介護職員初任者研修 | 300,240円 |
保有資格なし | 268,680円 |
(参考:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果|厚生労働省)
介護職員初任者研修を受けた人と資格がない人とを比べると、月々約4万円の差があるのがわかります。施設によっては資格内容別に資格手当が支給される場合が多いため、昇給の機会も増えるかもしれません。
社会的信用が得られる
福祉系の国家資格や公的資格を保有していることは、専門性があることを示せるだけでなく、利用者さんや家族、そして社会からの信用も得られます。例えば、社会福祉士や精神保健福祉士は、相談業務のスペシャリストとして社会的な認知度も高い資格だといえます。なかには資格取得の難易度が高い職種もありますが、その分福祉業界のなかで、重要な役割を担うことができるでしょう。
まとめ:自分が挑戦できそうな資格から取得してスキルアップを目指そう

福祉系の資格取得は、利用者さんへの支援の質を向上させるだけでなく、自分自身のスキルアップやキャリア形成にもつながります。無資格でも挑戦できる資格から、専門性の高い資格など幅広くあります。とはいえ、働きながら資格を取得するのは、簡単ではないかもしれません。資格取得を目指す際は、自分の状況や目標に合わせて選ぶことが大切です。資格取得の過程では、福祉職としての自信ややりがいを感じられるほかにも、転職や昇給といった現実的なメリットもあります。
ぜひ、自分に合った資格を見つけて、チャレンジしてみてください。
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