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仕事・スキル 介護資格 2025/07/18

ガイドヘルパー(移動介護従業者)とは?仕事内容や資格の種類、活躍場所、メリットを解説!

文/中村楓(介護支援専門員・介護福祉士・介護コラムニスト) thumb_250725.jpg

ガイドヘルパーとは、屋外での移動が困難な障害を持つ人に対し、外出時の介助や支援を行う人のことをいいます。ガイドヘルパーにはどんな種類があり、どのような仕事をするのでしょうか。
本記事では、ガイドヘルパーの概要や仕事内容、資格取得の方法について解説するとともに、資格取得で学べることや活躍場所、資格取得のメリットについてお伝えします。加えて、ガイドヘルパーに向いている人について詳しくみていきましょう。

1.ガイドヘルパー(移動介護従業者)とは?

ガイドヘルパー(移動介護従業者)とは?

ガイドヘルパーとは、屋外での移動が一人では困難な障害者などに対して、外出時に必要となる介助や支援を行う職種で、移動介護従業者ともいいます。ガイドヘルパーは、主に障害福祉サービスのなかで活躍しています。障害者の移動を支援する福祉サービスには、大きく次の2種類があります。

1.地域生活支援事業

  • 個々のニーズや状況に応じた柔軟な外出時の支援、複数の者に対する移動の同時支援を実施。
  • 地域生活支援事業のなかで「移動支援」と呼ばれるものが該当。

2.個別給付

  • 移動支援と介護を一体的に提供する必要がある者へ実施。
  • 障害福祉サービスである「居宅介護」「重度訪問介護」「同行援護」「行動援護」が該当。

それぞれのサービスごとの対象者は、以下のようになります。

移動支援 障害者等であって、市町村が外出時に移動の支援が必要と認めた人
居宅介護 身体障害、知的障害、精神障害を持ち、障害支援区分1以上の人
重度訪問介護 重度の肢体不自由もしくは重度の知的障害、精神障害を持つもので、障害支援区分4以上かつ、以下のいずれかに該当する人
① 二肢以上に麻痺等があり、障害支援区分調査項目のうち、「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれかが「支援が不要」以外の認定となっている
② 障害支援区分認定調査項目のうち、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である
同行援護 重度の視覚障害者
●身体介護なしの場合:
同行援護アセスメント票の基準を満たす人
●身体介護ありの場合:
上記に加えて
① 障害支援区分2以上である
② 障害支援区分調査項目のうち「歩行」にあっては「全面的な支援が必要」に認定、または「移乗」「移動」「排尿」「排便」のいずれかが「支援が不要」以外に認定されている
行動援護 重度の知的障害、精神障害を持つ者で、以下のいずれにも該当する人
① 障害支援区分3以上である
② 障害支援区分認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である


2.ガイドヘルパーの仕事内容

ガイドヘルパーの仕事内容

ガイドヘルパーは、身体障害や知的障害、精神疾患など、さまざまな障害のある人の外出時に付き添って、身体介護や安全確保や情報の整理・伝達等のコミュニケーション支援などをするのが仕事です。
障害福祉サービスにおける移動支援では、サービスの種類ごとに以下のように支援の範囲が決められています。

移動支援 ●社会生活上必要不可欠な外出や余暇活動等の社会参加を目的とした外出の移動を支援
●個別支援のほか、複数の障害者等への同時支援や屋外でのグループワーク、同一目的地、同一イベントへの複数人同時参加の際の支援を実施
居宅介護 ●病院等への通院のための移動介助や、屋内外における移動等の介助、通院先等での受診等の手続、移動等の介助
重度訪問介護 ●外出時における移動中の介助
●日常生活に生じるさまざまな介護の事態に対応するための見守り等の支援も含む
同行援護 ●外出時における移動に必要な情報の提供
●移動の援護、排せつ及び食事等の介護
●その他外出時に必要な援助
行動援護 ●行動する際に生じる危険を回避するために必要な援護
●移動中の介護
●外出前後に行われる衣服の着脱介助など
●排せつ及び食事等の介護その他の障害者等が行動する際に必要な援助

ガイドヘルパーは、それぞれに決められた内容に沿って、利用者さんの希望する支援を提供します。

3.ガイドヘルパーの資格を取得する方法

ガイドヘルパーの資格を取得する方法

ガイドヘルパーの仕事は、対象者や支援の内容がサービスによって異なるため、資格も3種類に分かれています。ガイドヘルパーの資格を取得するには、従事する仕事内容に応じた養成研修を修了する必要があります。種類ごとの研修について詳しくみていきましょう。

全身性障害者介護従業者養成研修

全身性障害者介護従業者養成研修とは、四肢麻痺や全身に機能障害を抱えており、外出や移動時に車いすを使う人に対し、外出時に必要となる介助を学ぶ資格です。資格要件はなく、だれでも受講できます。介護福祉士や初任者研修、実務者研修をすでに取得している人や、受講中で資格が取得できる見込みがある人については、科目免除があります。
資格取得のためのカリキュラムを実施する時間数や日数、保持資格による科目免除の内容は、地域によって差があります。実際に受講を検討する場合は、お住まいの地域で研修を開催するスクールに科目免除等について確認しましょう。

同行援護従業者養成研修

同行援護従業者研修とは、視覚障害を持つ人の外出時に必要な知識や支援の方法を学ぶ研修です。資格取得に必要な時間数は34時間で、盲ろう者向け通訳や介助員養成研修事業所研修修了者には、免除される項目もあります。無資格でも受講することができますが、都道府県によっては資格が必要になるケースもあります。受講を検討する際は、お住まいの自治体で研修を開催するスクールに確認しましょう。

行動援護従業者養成研修

行動援護従業者研修とは、知的障害や精神障害を抱え行動するうえで著しい困難がある人の外出の際に必要な介助の知識や技術を学ぶ研修です。行動援護従業者養成研修は、都道府県によって受講要件が異なり、介護系の資格がなくても取得できるところもあります。受講を検討する際には、お住まいの自治体で研修を開催するスクールに受講要件を確認することが大切です。

4.ガイドヘルパーの資格を取得することで学べること

ガイドヘルパーの資格を取得することで学べること

ガイドヘルパーの資格を取得することで、どんなことが学べるのでしょうか。それぞれの研修の種類における主な受講内容についてみていきましょう。

全身性障害者介護従業者研修で学べること

全身性障害者従業者研修では、講義と演習で以下のような項目を学びます。

講義 職業倫理/障害者福祉の制度とサービス/居宅介護サービス概論/障害者の心理/移動介護従業者の制度と業務/重度肢体不自由者における障害の理解/車いすや補装具等の理解/移動介護における姿勢保持/コミュニケーション/事故防止に関する心がけと対策 など
演習 車いすでの移動介助に関わる移動介助の方法や生活行為の介助


同行援護従業者養成研修で学べること

同行援護従業者養成研修のカリキュラムには、一般過程と応用過程があり、講義と演習で学びます。それぞれのカリキュラム内容は以下の通りです。

●一般過程

講義 外出保障/視覚障害者の理解と疾病/視覚障害者の心理/視覚障害者福祉の制度とサービス/同行援護の制度/同行援護従業者の実際と職業倫理
講義・演習 情報提供/代筆・代読
演習 誘導の基本技術、応用技術/交通機関の利用


●応用過程

講義 サービス提供責任者の業務/さまざまな利用者への対応/個別支援計画と他機関との連携/業務上のリスクマネジメント/従業者研修の実施/同行援護の実務上の留意点

参考:同行援護従業者養成カリキュラムの改正について|厚生労働省

行動援護従業者養成研修で学べること

行動援護従業者養成研修では、知的障害や精神障害があり、行動するうえで著しい困難がある人の特性や心理についての知識や理解、支援方法について、講義と演習で学びます。講義や演習では、以下のような内容がカリキュラムに組み込まれています。

講義 ●強度行動障害がある者の基本的理解
●強度行動障害に関する制度や支援技術の基礎的な知識
●強度行動障害がある者へのチーム支援
●強度行動障害と生活の組み立て など
演習 ●強度障害がある者の固有のコミュニケーションの理解
●障害の特性の理解とアセスメント
●行動障害の背景にある特性の理解
●危機対応と虐待防止
●記録方法、支援の評価
●強度行動障害ある者へのチーム支援 など


5.ガイドヘルパーが活躍できる場所

ガイドヘルパーが活躍できる場所

ガイドヘルパーはどのような場所で活躍するのでしょうか。現在ガイドヘルパーが活躍している主な場所について紹介します。

居宅介護事業所

居宅介護事業所は、障害のある人の自宅に訪問し、入浴や排せつ、食事等の介護を行うヘルパーが在籍する事業所です。居宅介護のサービスでは、一緒に買い物に行くなどの外出もあるため、ガイドヘルパーの資格があると、外出時の支援で役立てることができます。居宅介護事業所で提供するサービスには、身の回りの介護や家事援助などがメインであることが多いので、初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの介護系資格も取得しておいたほうがいいでしょう。

重度訪問介護事業所

重度訪問介護事業所は、重度の肢体不自由や知的障害、精神障害で行動に著しい困難がある人に対し、自宅を訪問して身体介護や外出時の移動支援、入院時の支援等を総合的に提供するヘルパーが在籍している事業所です。重度訪問介護事業所のサービス内容には、外出支援が含まれているため、ガイドヘルパーの資格を生かす場面も多くなります。
ただし、重度訪問介護事業所で働くには介護系の資格が必要です。重度訪問介護事業所で働くなかでのガイドヘルパーの資格は、スキルアップとしての意味合いが強くなるでしょう。重度訪問介護事業所でガイドヘルパーの資格を生かすのであれば、全身性障害者介護従業者養成研修や行動援護養成研修を取得するとよいでしょう。

社会福祉協議会

社会福祉協議会も、ガイドヘルパーの資格が活躍できる場所のひとつです。社会福祉協議会とは、民間の社会福祉活動を推進することを目的とした営利目的ではない民間組織のことです。市区町村社会福祉協議会や都道府県社会福祉協議会、全国社会福祉協議会と、さまざまな規模の組織があります。
社会福祉協議会では、自治体が独自で実施している移動支援事業でガイドヘルパーを派遣しています。例えば、中間市のグループ移動支援や高崎市の移動支援、枚方市のガイドヘルプ事業など、地域によってさまざまな移動支援事業を実施しています。主に視覚障害者向けの支援が多いため、ガイドヘルパーのなかでも同行援護従業者養成研修の資格が生かせるでしょう。

参考:社会福祉協議会とは|全国社会福祉協議会

障害者支援施設

日中の支援や訓練を行う障害者支援施設でも、ガイドヘルパーの資格が役立ちます。ガイドヘルパーの資格があることで、利用者さんの日常的なサポートに加え、外出時の支援がしやすくなるでしょう。
上記以外にも、グループホームや入所施設でも、ガイドヘルパーの資格があれば外出時の付き添いに役立てることができます。

6.ガイドヘルパーの資格を取得するメリットとは?

ガイドヘルパーの資格を取得するメリットとは?

ガイドヘルパーの資格を取得することは、自身のやりがいにつながったり、働き方の選択肢が広がったりすることが期待できます。ここでは、ガイドヘルパーの資格を取得するメリットを紹介します。

一人ひとりにあった支援ができる

ガイドヘルパーは、利用者さんの外出を支援するという特徴から、1対1で対応することが多くなります。そのため、利用者さん一人ひとりに寄り添い、じっくりと関わってその人に合わせて個別に対応することができます。一人ひとりにじっくり向き合う支援がしたい人や、個別の関わりにやりがいを感じたいという人は、ガイドヘルパーの資格を取得するメリットを感じやすいでしょう。

自分に合った働き方を選べる

ガイドヘルパーは、利用者さんの外出の予定に合わせて支援するため、登録ヘルパーやパートとして働いている人も少なくありません。子育て中や家族の介護、体調などの問題などにより、長時間働くのが難しい人にとって、自分に合った働き方を選べる機会のあるガイドヘルパーはメリットが多い職種となります。なかには、ボランティア登録をして活躍している人もいます。

ほかの介護職種に比べて身体的負担が少ない

ガイドヘルパーは、障害福祉サービスのなかでも身体的負担が少ない職種です。全身性障害者介護従業者養成研修や行動援護従業者養成研修の資格を生かす職場では、身体介護の場面があるものの、視覚障害者を対象とする同行援護従業者養成研修の資格の場合は、身体介護の場面はまれです。体力的に不安があるものの、障害分野で働きたいという場合には、ガイドヘルパーの資格はメリットを感じやすいでしょう。

7.ガイドヘルパーに向いている人

ガイドヘルパーに向いている人

ガイドヘルパーにはどんな人が向いているのでしょうか。ガイドヘルパーに向いている人の特徴について、詳しくみていきましょう。

コミュニケーションを取ることが得意な人

ガイドヘルパーは、利用者さんの障害に合わせて支援を行うため、利用者さんの意思をくみ取る必要があります。ガイドヘルパーを必要とする人のなかには、自分の思いをうまく伝えられない人や、コミュニケーションが取りにくい人もいます。そのため、ガイドヘルパーには、障害の程度に関わらず、利用者さんとコミュニケーションを取れる人は信頼を得やすいため、ガイドヘルパーに向いているといえるでしょう。

事前準備をしたうえで臨機応変に対応できる人

ガイドヘルパーは外出時の支援であるため、業務中には突発的な出来事が起こることも少なくありません。そのため、どんなときにも冷静に対応できるよう、外出先や経路の下調べや起こりえる出来事に対しての事前準備が必要です。また、もしものときには臨機応変に対応できる能力も求められます。
事前準備が苦ではない人や、臨機応変な対応ができる人のほうが、ガイドヘルパーに向いているといえます。

地理に詳しく方向感覚がいい人

ガイドヘルパーは外出時の支援を行う職種であるため、外出先の地理を知っておく必要があります。外出した際に工事や通行止めがあったときには、道を変えるといった判断をしなければなりません。移動時のルートの道路事情が悪いと、車いす移動による負担が大きくなったり視覚障害がある人の移動に危険が伴ったりする可能性があります。強度行動障害がある方の移動では、突然の出来事に驚いてパニックになってしまうかもしれません。
そのため、地理に詳しい人や土地勘がある人、方向感覚がしっかりしている人のほうが、利用者さんにとって適切なルートを取りやすくなります。また、利用者さんの負担も軽くなるだけでなく、安全に移動することができるでしょう。地理に詳しい人や方向感覚がよい人は、ガイドヘルパーに向いているといえます。

まとめ:ガイドヘルパーは障害者の外出を支援するやりがいのある仕事

まとめ:ガイドヘルパーは障害者の外出を支援するやりがいのある仕事

ガイドヘルパーは、一人では外出が難しい障害を持つ人に対し、外出時の介助や支援を行う職種です。一人ひとりにじっくり関わることができ、利用者さんに合わせた支援が行えるため、やりがいも感じやすいでしょう。ほかの資格に比べて身体的な負担が少ないことも多く、取得のハードルもそれほど高くありません。障害福祉分野で活躍したい人にとっては、取得しやすい資格といえるでしょう。

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中村楓(Kaede Nakamura)

介護福祉士・介護コラムニスト

現役介護支援専門員。介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級、認知症介護実践者研修の資格を持つ。病院や通所リハビリ、デイサービスで介護福祉士として働き、生活相談員や介護認定調査員の経験も持つ。「介護の未来を明るくする」をモットーに、現場感ある記事を書く介護コラムニストとしても活動中。

中村楓の執筆・監修記事

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