認知症対応型サービス事業管理者研修とは?対象者や研修内容も解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
介護業界にはさまざまな資格や研修がありますが、「認知症対応型サービス事業管理者研修」は、その名のとおり、認知症の方に対応できる事業所の管理者(または管理者になることが予定されている人)のための研修です。受講するにはいくつかの条件を満たす必要があるものの、研修を修了すれば現職における評価や、転職時のアピールにもつながるため、今後のキャリア形成において好影響をもたらすでしょう。
当記事では、認知症対応型サービス事業管理者研修の概要や、受講する具体的なメリットなどを紹介します。研修内容が役立つ職場についても解説していますので、認知症対応型サービス事業管理者研修に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
1.認知症対応型サービス事業管理者研修とは
認知症対応型サービス事業管理者研修は、認知症の方ができるだけ自立した日常生活を送れるようサポートするための知識や技術、事業所の運営方法などについて学ぶ研修です。厚生労働省の「認知症介護実践者等養成事業」の一環として行われています。
「認知症介護実践者等養成事業」の概要は、下記の通りです。
実施目的 | 認知症介護技術の向上と、認知症介護の専門職員の養成により、認知症高齢者に対する介護サービスの充実を図ることが目的です。 |
実施主体 | 各都道府県または指定都市が実施します。 |
研修で学べる内容
認知症対応型サービス事業管理者研修の具体的な研修内容は、実施する自治体や機関によって多少の違いがありますが、基本的には下記の通りです。
・地域密着型サービスの基準
・地域密着型サービスの取り組み
・介護従事者に対する労務管理
・適切なサービス提供のあり方
認知症支援に必要な知識や技術に加えて、事業所を管理する立場に求められる知識や、マネジメントのポイントなどを学べるのが特徴です。
研修の実施回数や日程は自治体・実施機関によって異なります。ここでは、一例として神戸市における令和4年度の研修概要を紹介します。
●神戸市
神戸市では、認知症対応型サービス事業管理者研修がオンライン形式で年2回実施されます(令和4年度)。定員は30名で、募集状況を見て神戸市が受講者を決定します。第1回・第2回ともに研修は2日に分けて開催され、各日5~6時間の講義を受けるスケジュールとなっています(間に休憩あり)。
(出典:神戸市社会福祉協議会-ラブ・リングこうべ「神戸市認知症対応型サービス事業管理者研修」)
他の地域についても簡単に紹介すると、東京都では2日間にわたる講義・演習に加えて、他施設での実習があります(1日間)。三重県では、事前のレポート提出が必要です。
このように、認知症対応型サービス事業管理者研修のスケジュールや内容は自治体によって異なりますので、ホームページなどで詳細を事前に確認することが大切です。
(出典:東京都福祉保健局「東京都認知症介護研修の概要」)
(出典:三重県「令和4年度三重県認知症対応型サービス事業管理者研修(第1回)のご案内」)
1.受講対象者・受講手続き・受講費用
認知症対応型サービス事業管理者研修の受講対象者、受講手続き、受講費用は、以下のようになっています。
受講対象者
1 下記施設の管理者または管理者になる予定があること
・指定認知症対応型通所介護事業所
・指定小規模多機能型居宅介護事業所
・指定認知症対応型共同生活介護事業所
2 認知症介護実践研修の実践者研修(旧基礎課程を含む)を修了していること
なお、上記以外の受講要件を定めている自治体や実施機関もあります。
受講手続き
認知症対応型サービス事業管理者研修の受講希望者は、所属する事業所のある市町村の担当課や実施機関への事前の申し込みが必要です。申し込み方法は自治体や実施機関ごとに異なりますが、指定された期間内に申込書を郵送または持参するのが一般的です。
なお、申し込みしたからといって、必ず受講できるとは限りません。申込者が定員を上回るような場合は、各自治体や実施機関が申込者のなかから受講者を決定する形となります。
受講費用
受講費用は自治体や実施機関によって異なるため、あらかじめ確認する必要があります。相場としては、2,500~8,000円のところが多いようです。
3.認知症対応型サービス事業管理者研修を受講するメリット
認知症対応型サービス事業管理者研修を修了すると、修了証書がもらえる他、自治体や研修機関が管理する名簿に修了者として記載されます。
また、同研修の受講は、介護現場での業務や自身のキャリア形成において、さまざまなメリットをもたらします。
認知症や介護に関する知識・技術の幅が広がる
認知症に関するより専門的な知識・技術を身にけられるため、業務の幅が広がります。認知症の方に対し的確な支援ができるようになれば、利用者さんの満足度向上にもつながるでしょう。
施設を管理する上での法的な知識も得られる
認知症対応型サービス事業管理者研修では、労務管理や介護保険法などについて学ぶ機会があります。介護サービス事業所の管理者として必要な知識を習得できるため、介護という仕事のあり方をより広い視野でとらえられるようになるはずです。
勤務先での給与アップや昇給昇格につながる場合がある
勤務先によっては、特定の資格所有者や研修修了者に対して資格手当等を支給している場合があります。支給条件や金額などは施設によって異なるものの、該当する場合は給与アップにつながるでしょう。また、研修を修了して実際に管理者になれば、昇給の対象になるかもしれません。
転職で有利になる可能性もある
少子高齢化により介護人材の需要が高まるなか、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了することは、人材としての価値をさらに高めることにつながります。転職活動をする場合は、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了していることを、履歴書や面接でアピールすると良いでしょう。
4.認知症対応型サービス事業管理者研修が役立つ職場
指定認知症対応型通所介護事業所、指定小規模多機能型居宅介護事業所、指定認知症対応型共同生活介護事業所(認知症グループホーム)の管理者は、認知症対応型サービス事業管理者研修の修了者でなければいけません。
したがって、これらの事業所では、認知症対応型サービス事業管理者研修で得た知識やスキルを確実に生かせるでしょう。この他にも、下記の施設では、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了した実績を生かせる可能性があります。
・介護予防認知症対応型通所介護事業所
・指定看護小規模多機能型居宅介護事業所
・特別養護老人ホーム
・有料老人ホーム など
転職先で認知症対応型サービス事業管理者研修の修了者が、どのように活躍しているのかを知りたい場合は、面接の際に聞いてみるといいでしょう。
まとめ
認知症対応型サービス事業管理者研修は、認知症の方への支援方法や、事業所の運営などについて学べる研修です。修了すれば、指定認知症対応型通所介護事業所、指定小規模多機能型居宅介護事業所、指定認知症対応型共同生活介護事業所(認知症グループホーム)の管理者としての要件を満たせます。
また、対応できる業務の幅が広がる、待遇に反映される、転職で有利になるなどのメリットも考えられます。研修の内容や手続きは自治体や実施機関によって異なるため、事前にしっかり確認しましょう。
当記事では認知症対応型サービス事業管理者研修について紹介しましたが、介護職として日々働いていると、ケアの方法や利用者さんへの接し方、各種資格や研修のメリット・デメリットなど、さまざまな悩みや疑問が生じがちです。「介護のみらいラボ」では、そうした方たちに向けて介護業務に生かせる有益な情報を多数発信しています。悩みを解決して、心地よく働きたい方は、ぜひ活用してください。
※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています
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