高齢者とのコミュニケーションで大切なポイントは?認知症の方との接し方も解説
構成・文/介護のみらいラボ編集部
人は加齢によって視覚や聴覚が衰え、記憶力・思考力なども低下するため、高齢になるほどコミュニケーションが難しくなると言われています。しかし、介護の現場では、介護職員と利用者さんのコミュニケーションがうまくいかないと、介護サービスの質に影響を及ぼしかねません。
高齢者と円滑なコミュニケーションを取るためには、具体的な方法やポイントを知ることが大切です。当記事では、高齢者に寄り添うコミュニケーション方法について、詳しく解説します。
- 目次
- 1.高齢者とのコミュニケーションでは相手に寄り添うことが大切
- 介護現場でのコミュニケーションの重要性
- 2.高齢者に寄り添うコミュニケーションの2つの方法
- 言語的コミュニケーション
- 非言語的コミュニケーション
- 3.高齢者に寄り添うコミュニケーションの9つのポイント
- 低いトーンの声でゆっくりはっきり話す
- 目を合わせてうなずきながら話す
- 否定せず共感を心がける
- 相手を軽視しない
- 偏見を持たない
- 相手の話を遮らず傾聴する
- 相手に関心を示し質問する
- 座る位置を考慮する
- 会話だけでなく表情やしぐさにも気を配る
- 4.認知症の高齢者とコミュニケーションを取る際のポイント
- 認知症に関する知識を深める
- 否定や叱責をせず忍耐強く接する
- 目線の高さを合わせながらできるだけ耳元で話す
- 5.高齢者とのコミュニケーションがうまくいかない際の対応
- 沈黙を恐れず時間を共有する
- 根気強く相手の反応を待つ
- 相手の好きな話題を探る
- 一人ひとりのキャラクターにあったコミュニケーションを心がける
- 6.高齢者とのコミュニケーションにおすすめの話題
- まとめ
1.高齢者とのコミュニケーションでは相手に寄り添うことが大切
介護現場では、高齢者ときちんとコミュニケーションを取り、相手を尊重して寄り添うことでサービスの質が高まります。
しかし、「相手に寄り添うコミュニケーション」が大切な理由は、それだけではありません。相手に寄り添ったコミュニケーションを取ることで、高齢者の満足度が格段に高まることも大きな理由です。
言語能力が低下した高齢者の場合、意思疎通がうまくいかないケースも珍しくはありません。「あれがしたい」「これをやってほしい」という自分の意思をうまく伝えられない状況に置かれると、高齢者はストレスがたまり介護サービスに対する満足度が低くなってしまうでしょう。
また、聴力や視力が低下すると、話しかけられても話の内容を理解しにくくなります。そして、介護職員の話を理解できなければ、高齢者は不安になってしまいます。もし、みなさんが不安を抱いたなかで何かしらのサービスを受けたとしたら、どうでしょうか。満足感を得られるはずがありませんよね。
介護現場でのコミュニケーションの重要性
厚生労働省は介護現場でのコミュニケーションについて、「利用者の身体的特徴をよく理解し、その状態に応じて利用者とかかわっていく」ことを推奨しています。さらに「双方の信頼関係のもとでニーズの把握、その人のニーズや目的が満たされなければならない」としており、信頼関係の重要性に触れています。
(出典:厚生労働省「認知症ケア法ー認知症の理解」)
上記は、認知症ケアに関する資料からの抜粋ですが、この考え方は高齢者介護全般にあてはまるものです。高齢者との間に信頼関係を築き、個々の状況に応じたコミュニケーションを実践すれば、より適切な介護につながるでしょう。それによって、高齢者の生活の質は向上し、満足度もぐんと高まるはずです。
ここまで、介護の現場におけるコミュニケーションの大切さについて説明してきましたが、コミュニケーションがうまく取れると、下記のようなメリットも期待できます。
・利用者さんとの信頼関係を構築できる
一人ひとりに合った介護サービスを提供するには、相手との信頼関係が欠かせません。丁寧にコミュニケーションを取り、「あなたのことを十分に理解したい」という気持ちを伝えていけば、信用関係が築きやすいはずです。
・アクシデントやトラブルを回避できる
利用者さんと良好なコミュニケーションを取っていると、アクシデントやトラブルを回避しやすくなります。利用者さんとの関係性が深まることで、いつもとは違う些細な体調・表情の変化に気づきやすくなるため、アクシデントやトラブルを未然に防げる可能性が高まるでしょう。
・職員間で情報を共有して連携を図れる
利用者さんだけでなく、介護職員同士でも円滑なコミュニケーションを心がけ、こまめに情報を共有することが大切です。利用者さんの好みや性格、日常生活の様子などの情報を職員同士で共有しておくと、急なアクシデントに対応しやすくなるほか、業務中の連携も取りやすくなります。
身体機能や認知機能が低下している高齢者の介護には、転倒や転落、誤えんなどのリスクが伴います。高齢者に寄り添ったコミュニケーションを実践することで、介護事故の予防につなげましょう。
介護事故を完全に防止することは容易ではありませんが、日ごろから相手に寄り添うコミュニケーションを心がければ、高齢者のちょっとした異変にも気づきやすくなるはずです。
2.高齢者に寄り添うコミュニケーションの2つの方法
コミュニケーションと言うと、どうしても「会話」をイメージしがちです。しかし、言葉を使った会話だけがコミュニケーションではありません。表情や視線、身振り手振りなどで意志を伝える非言語的コミュニケーションも、重要なコミュニケーション手段の一つです。
ここでは、「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」を取り上げ、それぞれに高齢者に寄り添うための方法を解説していきます。
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言語的コミュニケーション
言語的コミュニケーションとは、その名のとおり言語活動(話す・聞く・書く・読む)によるコミュニケーションの方法です。
介護現場では、声かけや挨拶、連絡、世間話といった言語的コミュニケーションが欠かせません。言語的コミュニケーションにおいては、明るくハキハキと肯定的な言葉で話しかけることを心がけましょう。
なお、言語的コミュニケーションには、話を聞くことも含まれます。介護職員が親身になって話を聞くことで、高齢者は「理解されている」「共感されている」と感じ、心を開きやすくなります。
心を開いた方とは信頼関係を築きやすくなるため、必然的に介護の質も高まるでしょう。
非言語的コミュニケーション
非言語的コミュニケーションとは、言葉に頼らず、視覚や聴覚を通してコミュニケーションを取る方法です。
厚生労働省の資料によると、話し手が聞き手に与える情報の割合は、言語による情報が7%で、残りの90%以上が視覚と聴覚による情報なのだとか。人の印象は「見かけが9割」などと言いますが、相手に与える情報の量は、非言語的コミュニケーションのほうが圧倒的に多いわけです。
(出典:厚生労働省「認知症ケア法ー認知症の理解」)
非言語的コミュニケーションにあたるのは、下記の要素です。
・身振り手振り(しぐさ)
・表情
・顔色
・視線
・姿勢
・声のトーン
・話の速度
・服装
・髪型
・におい
例えば、明るくおしゃべりだった利用者さんが、ある日突然さえない表情になったり、会話が少なくなったりした場合、「心身に何かしらの変化があったのかもしれない」と推察できます。声のトーンや、話の速度や服装の乱れなども変化を判断する材料です。
高齢者のなかには、自分の意思や心身の不調などを言葉で表現するのが苦手な人もいるため、介護職員は非言語的コミュニケーションにもきちんと気を配り、変化や不調を見逃さないことが大切です。
とはいえ、非言語的コミュニケーションは一方通行なわけではありません。当然のことながら、高齢者にも介護職員の表情や顔色、声のトーンといった情報は伝わります。不機嫌な表情や態度を見せたり、視線も合わせずにうわの空で話を聞いたりしていたら、高齢者はよい感情を抱かないでしょう。介護職員は、自分自身の非言語的コミュニケーションにも敏感であるように心がけてください。
3.高齢者に寄り添うコミュニケーションの9つのポイント
人は高齢になるにつれて、心身のさまざまな機能や能力が衰えていきます。コミュニケーションに欠かせない記憶力や思考力といった、認知機能も例外ではありません。
認知機能が衰えた高齢者とコミュニケーションを取る場合は、相手に合わせた工夫や配慮が必要です。認知症の高齢者の場合は、さらにコミュニケーションの難しさが増します。
しかし、コミュニケーションは一方通行ではなく、相互通行でなければ意味がありません。また、コミュニケーションがうまくいかなければ、質のよいサービスを提供することもできないでしょう。
(引用:厚生労働省「認知症ケア法ー認知症の理解」)
ここからは、高齢者に寄り添ったコミュニケーションを取るときのポイントを解説します。
低いトーンの声でゆっくりはっきり話す
高齢者との会話では、低いトーンでゆっくり・はっきりと話すことを意識しましょう。
高齢になると、周波数の高い音や電子音が聞こえにくくなるケースが多く見られます。しかし、すべての音が聞き取りにくくなるわけではないため、耳元で大きな声を出すと不快に思われる可能性があります。
高齢者と話すときはできるだけ低いトーンで、ゆっくり・はっきり伝えることを意識してください。口の動きから話している内容が推測できるように、言葉の区切りを明確にしながら会話するのもおすすめです。
目を合わせてうなずきながら話す
高齢者と会話をする際は、ただ話すのではなく、目を合わせたり相づちを打ったりするのもポイントです。
目を見て話すことは、「この人は自分の話を丁寧に聞いてくれている」という好印象につながります。会話のペースに合わせて相づちを打つことも、「あなたの話に関心がある」という意志表示になるので、よい印象を持たれやすいでしょう。
特に、車いすを使う方やベッドで寝たきりの方の場合は、意識してしゃがんだり座ったりすることが大事です。立ったまま話を続けると、高圧的な印象を持たれる可能性があるため注意してください。
否定せず共感を心がける
高齢者と話す際は、相手を否定せず、できるだけ共感することを心がけましょう。
高齢者と話していると、考え方、価値観の違いや世代間のギャップを感じることも少なくありません。認知機能が低下した高齢者の場合は、通常の会話が通じないことも考えられます。
しかし、事実と異なることを言われたり、ネガティブな話題が続いたりしても、相手を否定しないことが大切です。そうしたケースでは、相手の言うことを受け止めた上で、昔話や得意分野の話などに話題を変えてみるのもよいでしょう。
相手の自尊心を傷つけないためにも、できるだけ共感の姿勢を見せるように心がけてください。
相手を軽視しない
介護現場では、介護職員の意志や意図と関係なく、高齢者の側が「軽視されている」と感じてしまうことがあります。
例えば、介護職員が利用者さんと「○時に一緒に散歩しましょう」と約束したのに、業務が忙しくて約束を果たせなかった場合、利用者さんは自分が軽視されているように感じるでしょう。気持ちを傷つけないためにも、約束は守るように努めてください。
また、話し方にも注意が必要です。介護職員のなかには、子どもに話しかけるような口調で高齢者に話しかける人がいます。しかし、相手は子どもではありません。信頼関係を築くためには、どのような場面であれ1人の大人として接することが大事です。
偏見を持たない
「高齢者は演歌が好きだ」「時代劇ファンだ」といった偏見を持つのも、避けたほうがよいでしょう。人にはそれぞれに個性があり、好きなもの・嫌いなものが異なります。生まれ故郷や家族との関係、仕事、趣味などもさまざまです。
高齢者をひとまとめにして、「これが好きなはず」「これが見たいはず」と決めつけるのではなく、それぞれの個性や人生経験を尊重するように心がけましょう。
相手の話を遮らず傾聴する
高齢者と会話をするときは、相手の話を遮らずに傾聴する姿勢を見せましょう。
施設などで高齢者と会話していると、「一度聞いたことのある話だな」と感じることもあるかもしれません。しかし、「その話は前も聞きましたよ」と話を遮ると、相手が傷ついてしまう可能性があります。ちょっとした配慮不足から、信頼関係に悪影響が出ることもあるので注意してください。
脳も体と同じように老化するため、加齢によって記憶力や判断力といった機能が低下してしまうのは、ある意味仕方のないことです。そうした点を理解した上で、相手が同じ話をしても真摯に耳を傾け、しっかり聞いている姿勢をアピールしましょう。
また、高齢者に限らず、人間は「誰かに自分の話を聞いてもらいたい」という欲求を持っているものです。それを踏まえるなら、積極的に聞き手にまわり、相手の話を受け入れることですっきりしてもらうのも、介護職員の大切な役目と言えるでしょう。
相手に関心を示し質問する
高齢者の話をただ聞くだけでなく、ときには質問を返してみましょう。それによって相手への関心を示すことができます。
適度に相づちを打ったり、目を合わせたりしながら相手の話を聞くのは、聞き手にまわるときの基本姿勢です。そこに質問を織り交ぜれば、会話はさらに弾むでしょう。
ただし、高齢者のなかには、すばやいレスポンスが難しい方も少なくありません。そうした場合は、「はい・いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンで質問するのがおすすめです。話すことが得意な方や好きな方の場合は、「○○はどうでしたか?」など自由回答できるオープンクエスチョンで問題ありません。
座る位置を考慮する
高齢者と話す際は、座る位置にも配慮してください。
ポイントは、目線の高さが合う位置を見つけることと、相手のパーソナルスペースを侵害しないことです。パーソナルスペースとは、他人に近づかれると嫌な気持ちになる距離のことで、親しくなったからといって、急に距離を詰めるのは禁物です。相手から不快に思われる可能性があるので、気をつけましょう。
高齢者と相対するときは、斜め45度の角度から話しかけると、アイコンタクトが取りやすくなります。
会話だけでなく表情やしぐさにも気を配る
会話だけでなく表情やしぐさにも気を配ると、より円滑なコミュニケーションにつながります。
前述したように、会話の際は言語から得られる情報よりも、表情やしぐさといった非言語的なものから得られる情報のほうが多いと言われています。高齢者の話を聞くときは、笑顔や驚いた表情を見せる、身振り手振りを交える、手をたたくなど、シーンに合った非言語コミュニケーションを心がけましょう。
あわせて、相手の表情やしぐさに気を配ることも大切です。日ごろから相手を観察するくせをつけておけば、些細な変化や違和感に気づきやすくなります。
4.認知症の高齢者とコミュニケーションを取る際のポイント
高齢になると、認知症を患う方も珍しくありません。以下では、認知症の高齢者とコミュニケーションを取る際のポイントについて解説します。
認知症に関する知識を深める
認知症の方とのコミュニケーションのポイントとして、まず挙げられるのは「認知症に関する知識を深める」ということです。
認知症にはいくつかの種類があり、それぞれに症状や特徴が異なります。日本でよく見られるのは、アルツハイマー型の認知症です。
アルツハイマー型の認知症の主な症状には、人の名前がわからない、昔のことや直前にあったことを思い出せないなどがあります。特に、直前のことを思い出せなくなると、自分のまわりの状況が理解できず、不安が募ってパニックに陥る可能性があります。
認知症の種類や症状、進行具合、ケアの方法といった知識を身につけておくと、より適切なコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
否定や叱責をせず忍耐強く接する
認知症の高齢者とコミュニケーションを取る際、相手を否定したり叱責したりせず、忍耐強く接することも大切なポイントです。
認知症の方の場合、症状によっては直前にあった出来事を忘れてしまうことがあります。しかし、一度聞いた話に「それは前も聞きました」と言ったり、すでに食べた食事を催促されて「さっき食べたじゃないですか」と言ったりすると、相手を混乱させる恐れがあります。
また、否定的な言葉は、相手の自尊心を傷つける恐れがあるので注意が必要です。認知症の方が繰り返し同じことを尋ねたり、間違ったことを言ったりしてもけっして否定せず、まずは話を受け入れましょう。その上で、適切な行動や受け答えに持っていくのが、良好な関係を築くためのコツです。
目線の高さを合わせながらできるだけ耳元で話す
認知症の高齢者とのコミュニケーションでは、目を合わせながらできるだけ耳元で話すことも大切です。
認知症の方は、聴力の低下によって話しかけられても気づかなかったり、きちんと聞こえていなかったりすることがあります。スムーズなコミュニケーションのためにも、目線の高さを合わせ、できるだけ耳元で会話するように心がけましょう。
座っている方や、ベッドで寝たきりの方と話すときには、特に配慮が必要です。立ったまま話しかけると利用者さんを見下ろす形になり、威圧感を与えてしまうので気をつけてください。
また、認知症の方は、多くのことを理解するのが難しい傾向にあるため、会話の内容はわかりやすく簡潔にまとめましょう。
5.高齢者とのコミュニケーションがうまくいかない際の対応
高齢者と会話をする際、コミュニケーションのポイントを意識しているにもかかわらず、「どこかかみあわない」「スムーズにいかない」と感じることはありませんか?
以下では、高齢者とのコミュニケーションがうまくいかないときの対応について解説します。
沈黙を恐れず時間を共有する
高齢者との会話では、相手が沈黙してしまう場面もあるでしょう。そうしたときは、焦ったり不安がったりせず、冷静に待つことが大切です。
高齢者に限らず、他人との会話で沈黙が続くと、つい不安になってしまうものです。しかし、なかには他人と会話するのが苦手な方もいます。場合によっては、考えがまとまらなかったり、気分が乗らなかったりすることもあるでしょう。
沈黙があったとしても無理に話を振らず、沈黙の時間を共有してみてください。そうすることで、相手は「この人は話を待ってくれるんだ」と安心するはずです。
他人と会話するのが苦手な方の場合は、散歩やお茶会など会話以外の方法で、一緒の時間を過ごすのもよいでしょう。
根気強く相手の反応を待つ
相手から思ったような反応がなかった場合に、根気強く待つのもコミュニケーションスキルの一つです。
高齢者と会話するときは、思ったようなリアクションが返ってこないことも想定されます。そうした場面では、「会話が弾んでいないのではないか」と焦る方もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
高齢者の場合、判断力の低下や病気・障害などの影響によって、言葉がうまく出てこないことがあります。リアクションが遅かったとしても、「自分と同じペースで話すのが難しいのかもしれない」と考えて、焦らずに相手の言葉を待ってみましょう。
普段からこまめにコミュニケーションを取って、相手の会話のペースをつかんでおくのも良好な関係を築くポイントです。
相手の好きな話題を探る
高齢者との会話が弾まないときは、相手の好きな話題、気を引くような話題を探ってみるのもよいでしょう。
高齢者との会話がぎこちないと感じる原因として、話の内容が相手の嗜好とマッチしていないことが挙げられます。「あまり話が弾まないな」と感じたときは、出身地や趣味の話、好きな食べ物の話などからはじめて、相手の興味の対象を探ってみてください。働いていたときの話や若いころの話など、昔の思い出を尋ねると、喜んで話してくれる方も少なくありません。
相手の嗜好を知るためには、日々の声かけも大切です。なにげないやりとりのなかから、相手が積極的に話してくれる話題を見つけましょう。
一人ひとりのキャラクターにあったコミュニケーションを心がける
高齢者と話す上では、相手のキャラクターにあったコミュニケーションを心がけることが大事です。
一口に高齢者と言っても、これまでの経験やバックグラウンド、性格、趣味趣向はそれぞれに異なります。「高齢者」という言葉でくくらずに、一人ひとりのキャラクターと向き合うことで、適切なコミュニケーション方法が見つかるでしょう。
例えば、他人との会話が好きな高齢者もいれば、会話は苦手だけれど一緒に散歩を楽しむのは好きという高齢者もいます。言語コミュニケーションがうまくいかない場合は、非言語コミュニケーションを活用してみるのもよいでしょう。
それぞれのキャラクターを知るためにも、まずは相手の話にきちんと耳を傾けてみてください。
6.高齢者とのコミュニケーションにおすすめの話題
高齢者とのコミュニケーションで話題に困ったときは、下記の内容を参考に話を振ってみましょう。
・現役時代の仕事の話
・子育てしていたころの話
・趣味の話
・生まれ育った故郷の話
・好きな有名人(俳優やスポーツ選手など)の話
・過去の苦労話
最近のニュースや天気の話題などの世間話から入り、相手の好みを探った上で上記の話題を振ってみるのがおすすめです。
趣味や有名人など、自分の好きなものに関する話題は、盛り上がるテーマの定番です。一方で、楽しい話題だけでなく、若いころの苦労話を聞いてほしい人も少なくありません。仕事の話や子育ての話の流れから、過去の苦労話に触れてみるのもよいでしょう。
相手の話したいテーマについて深掘りすると、「自分に興味を持ってもらえた」と感じます。好印象につながるためにも、日常的なコミュニケーションのなかから、利用者さんそれぞれの「盛り上がる話題」を見つけておきましょう。
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まとめ
高齢者に寄り添うコミュニケーションの方法は、2つに大別できます。言葉を使った言語的コミュニケーションと、身振り手振りや表情、声のトーンなどによる非言語的コミュニケーションです。
コミュニケーションのポイントとして挙げられるのは、「沈黙を恐れない」「否定しない」「偏見を持たない」などです。介護の際は、心身の状況や人生経験など、利用者さんそれぞれの事情を考慮した上で、1人の大人として対応することを心がけましょう。
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