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【今日は何の日?】5月31日=5日前に亡くなった怪優・左卜全さん宅に強盗・世田谷(1971年)/ 雑学ネタ帳

《画像はイメージです》
54年前の1971(昭和46)年。5日前の5月26日に77歳で死去し、5月29日に葬儀を終えたばかりの俳優・左卜全さん(ひだり・ぼくぜん=本名・三ケ島一郎)宅に早朝、麻酔強盗が入り、祭壇の前で寝ていた未亡人の糸さん(61歳)を縛り上げ、10万余円のお金を奪って逃走するという事件が起きました。
事件が起きたのは早朝4時10分ごろ。東京・世田谷区若林1丁目の故左卜全さん宅裏の風呂場入口をドライバーでこじ開けて30歳ぐらいの短髪、ジャンパー姿の男が侵入。祭壇のある1階8畳間で寝ていた糸さんに麻酔薬のようなモノをかがせたうえで、室内にあった風呂敷や腰ヒモで手足を縛り、タオルでサルグツワをしました。そして祭壇に供えられた香典7,000円と全室を物色してタンスなどにあった現金10万円を奪ったのです。
男は台所にあった包丁で電話線を切ったうえで、糸さんを揺り起こし、サルグツワを外すと「もっと大金があるだろう?」と脅迫。糸さんは「金は親類の家に預けてある」と男名前ばかりを挙げて突っぱねると、男は黙り込んでしまいました。
男はしばし室内を物色し、本当に金目のモノがないことがわかると、卜全さん直筆で「世界人類が平和でありますように」と書かれた短冊のかかる祭壇の前に座り込み、なんと部屋にあった卜全さんが出演した映画のシナリオを読み出してしまいました。その間、糸さんは縛られたまま布団の中で目をつぶっているばかりでしたが、男は30分ほどすると室内から逃げたのでした。
糸さんは自らもがいて手足のヒモを取り、隣の実弟宅に駆け込み110番。警視庁世田谷署へと届け出ました。糸さんは唇に皮膚炎を起こし、左手に内出血で1週間のケガ。世田谷署では強盗傷人事件として捜査を始め、香典を狙った計画的な犯行と見ています。
最愛の夫の死去から5日後にとんだ恐怖を味わった糸さんは「いつも一郎さん(卜全さんの本名)の写真が見えるように寝ているんです。怖くて"一郎さん、助けてください"と口の中で叫び続けました。人生の最大の悲しみの時に襲うなんて酷すぎる」と犯人への怒りを露わにしていました。
生前の卜全さんは素か演技か?まるで読めないひょうひょうとした演技やセリフ、独特すぎる存在感で数々の映画やドラマに出演。亡くなる前年(70年)には、ひまわりキティーズとともに歌唱した『老人と子供のポルカ』が大ヒットし"76歳の新人歌手"として話題の人に。
この事件を報じる新聞や雑誌の記事には、皆一様にこのヒット曲の歌詞から引用し「助けて~」「ヤメテケレ」などの見出しが並んでいたのでした。
参照 : 昭和46年5月31日付の毎日新聞夕刊
文 / 高木圭介
●この日に起きた他の出来事
・ 英国の豪華客船「タイタニック号」が進水式(1911年)
・ 小田急多摩線のレール締結式が行われる(1974年)
・ 青大将が東海道新幹線をストップさせる(1974年)
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