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職場・悩み 介護の転職お役立ち 2020/06/18

#無資格#看護助手#小林裕子

介護 無資格でできるお仕事! おすすめメリットとデメリット

文:小林裕子 ライター jobchange_20200618_01.jpg

介護の仕事をやってみたいと思っていても、「資格がないから......」と諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか。
介護業界には、無資格でも挑戦できる職種がいくつか存在します。そこで今回は、無資格で挑戦できる職種の紹介や、無資格で働くメリットとデメリット、長く続けるための注意点などを解説します。

介護の資格がなくても働ける理由とは?

転職サイトなどでで介護の求人を調べると、条件に「無資格OK」と記載している求人がよく見受けられます。
介護業界には、無資格・未経験の働き手に対してもニーズがありますが、その背景にあるのは人手不足です。超高齢社会の日本でいま切実に求められている職業と言えるでしょう。

どのくらい不足しているのか、数字を見てみましょう。
厚生労働省の調査によると、介護職の有効求人倍率は2010年時点で1.31倍でした。その後も有効求人倍率は伸び続け、10年後の2020年2月時点で4.30倍になり、全職業の有効求人倍率(1.38倍)を大きく上回る結果になりました(※1)。

また、介護事業所の現場が人手不足であることが示された調査データも存在します。
介護労働安定センターが2018年度に実施した「介護労働実態調査」によると、介護事業所の67.2%が、「介護職員の不足を感じている」という結果に。
また、介護職従事者を対象に行った「労働条件・仕事の負担に関する悩み」についての調査では、「人手が足りない」が最も多く、 54.2%を占めました。

厚生労働省の推計では、2025年には約34万人もの介護士職が足りなくなると予測されています(※2)。
2025年は、いわゆる「団塊の世代」が全員75歳以上の後期高齢者になる年です。

団塊の世代とは、日本で戦後の第1次ベビーブームといわれる時期(1947年~1949年)に生まれた人たちのことで、こうした方々が75歳を超えると、国民のおよそ5人に1人が75歳以上という状況に。

介護職の人材確保は、国を挙げて解決しなければならない課題となり、給料をアップさせるための処遇改善施策がうたれています。

看護助手など無資格から始められる仕事の内容とは?

それでは無資格でも働ける仕事について、解説していきます。職場や仕事内容について、注目ポイントと併せて見てみましょう。

病院の看護助手

介護や看護の資格がなくても働くことができます。
看護助手は看護師のアシスタント業務をするのが主な仕事内容で、医療行為はできません。
業務内容は、入院患者のためのベッドシーツ交換や入院病棟の掃除、病院内の備品の補充や管理、医療器具の消毒、事務作業の補助などに加え、介護が必要な患者のケアとして、食事や排泄の介助、おむつ交換、検査の付き添いなども行います。

☆夜勤手当や夜勤で使える保育所付きの病院も

医療関連の資格がなくても医療現場で働くことができるので、病院の仕事に興味がある方におすすめです。
また、保育所を併設している病院も多く、特に夜勤の際に病院提携の保育所で子供を預かってもらえるところは小さい子供がいても夜勤が可能で、そのため収入も比較的高くなり、シングルマザーに人気があります。

介護施設の介護助手・介護補助

特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、デイサービスといった介護施設では、介護助手、介護補助として、無資格でも介護職員として働くことができます。 介護職員の仕事内容は施設にもよりますが、大きく分けて身体介護と生活援助があります。

身体介護とは食事・入浴・排泄の介助、車いすへの移動介助など、ご利用者の身体に直接触れる介護業務です。
生活援助は、部屋の掃除、洗濯、食事提供、見守りなど、入居者が日常生活を送るうえで必要なことを援助する業務です。

☆現場で研修を受けながら、身体介護の技術を身につけられる

身体介護の仕事は、安全に行うことが何より重要なので、専門スキルが求められます。
「資格がない私にできるのかしら?」と不安に感じるかもしれませんが、無資格で入職した新人がいきなり難しい身体介護を担当することはなく、多くの施設では研修を実施しています。

まず、掃除など生活援助や、レクリエーションの準備、備品管理といった補佐的な業務から入り、介護の仕事になじみながら現場でトレーニングを積み、身体介護を任せてもらえるようになります。
また不安要素として、少人数で多数のご利用者を支援する夜勤の仕事を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。

しかし、未経験の方はまず日勤からスタートし、少しずつ経験を積みながら夜勤に入るケースがほとんどです。

デイサービスなどのドライバー

デイサービスなどの通所事業所で欠かせない職種が、ご利用者の送迎を担当するドライバーです。
介護職員が送迎を行う場合もありますが、専用のドライバーを雇用している施設もあります。

送迎の運転業務が主な仕事で、普通自動車一種免許が必須ですが、介護の資格は不要です。
施設が所有する福祉車両の車種が大きかったりすると中型、まれに施設独自の設定で中型二種免許が必要な場合もあります。

☆運転技術と配慮が必要だが出勤・退勤時間がはっきりしている

宅配会社などと違い送迎専門ドライバーなら労働時間がはっきりしていて、給与は高くなくてもスケジュールを立てやすいところが多いです。
注意したいのは、「車の運転免許さえあればできる」という仕事ではないことです。

通所事業所などのドライバーとして働く場合、複数のご利用者を乗せることになるので、送迎車はワンボックスやワゴンなどになります。普通自動車より大きめの車になるので、確実な運転技術をもっていることが必要です。

加えて、ご利用者は要介護の高齢者であるため、自由に体を動かせないことも多く、担当介護職が同乗しない場合は、ご利用者の乗り降りの介助・安全確保などを行う場合もあります。

また、ご利用者が安心して車内で過ごせるよう、さまざまな配慮がドライバーに求められます。急ブレーキ・急発進をしない、カーブのときには「この先、右に曲がりますので、ご注意ください」などと声をかけるといった気遣いや、コミュニケーション能力も欠かせません。

施設によっては、送迎の時間帯だけの短時間勤務でOKの場合もあれば、送迎以外の時間帯は送迎専用車の点検業務、施設の保全などの業務を担当するケースもあり、勤務時間や仕事内容は異なります。

特別養護老人ホームなどの入所施設で、入居者を病院へ送り迎えするといった仕事を担当する場合もあります。
ドライバーの仕事に興味がある方は、応募の際に確認しておきましょう。

訪問介護事業所の自費サービス(介護保険外サービス)

訪問介護事業所で訪問介護員(ホームヘルパー)として登録して働く場合、無資格では仕事ができません。
介護保険法によって、介護職員初任者研修修了以上の有資格者であることが必要とされているためです。

ただし、介護保険の対象とならないサービス(ご利用者に自費負担をしてもらって提供するサービス)については、資格がなくても担当することができます。
例えば、大掃除、庭の草むしり、家具の移動、窓ふき、お節料理の準備、観劇や映画鑑賞、冠婚葬祭の付き添いなどです。

☆家事が得意な方は特に活躍できる可能性も

訪問介護事業所の自費サービスでは、ご利用者本人の日常生活の枠を超えた家事の代行や、レジャーを楽しみたいといったリクエストに応えるなど、さまざまな援助を行います。家事が得意な人や、主婦が入っていきやすい仕事といえそうです。

障害者施設の生活支援(指導)員

障害者福祉施設を所管する法律(障害者総合支援法)では、生活支援員の就業に対し、資格要件を設けていないため、「無資格でも可」としている求人が多いです。

主な仕事内容として、障害者支援施設やグループホームなどで心身に障害のある方が円滑に日常生活を送れるよう支援を行います。
食事や入浴、排泄の介助といったサポートが主な業務ですが、職場によっては身体機能や生活能力の向上を目的とした創作活動の指導や、将来への不安などの相談に対応するといった業務に携わる場合もあります。月給制のほかパート職も多いです。

☆生活支援員ならではのやりがい

ご利用者の日常に直接的に関わるため、丁寧にコミュニケーションを築いていく必要があります。ご利用者と長く関わることで得られるやりがいがあるとの声も。

無資格で介護職に転職!メリット・デメリットは?

介護業界には、無資格で挑戦できる仕事があることはわかりましたが、いざ働くとなると、「やはり資格がないと何かと不利になるのではないか」「介護の現場で働いてみて、失敗してしまったらどうしよう......」と疑問が湧いてくるかもしれません。
確かに有資格者と比べ、無資格での転職にはデメリットがあることは事実です。しかしその一方で、介護職ならではのメリットも存在します。

メリット1:「無資格」からでも正職員として働ける

状況によってはアルバイト、パートで働くこともありますが、介護職の場合、無資格であっても、正職員の求人があることも。
この先、安定して働き続けたい方や、毎月ある程度の収入を得たいと考えている方にとっては、見逃せないポイントです。

メリット2:介護の仕事が自分に合うかどうか、確かめたうえで資格取得を目指せる

介護業界では、やはり資格があるほうが就職には有利です。
そのため、勉強して資格を取ってから就職する方が多い傾向にあります。
ところが、時間とお金をかけて資格を取得し、いざ介護職に就いてみたものの、「思っていた仕事と違う」「自分には向かないかも」と感じ、辞めてしまう可能性も......。これでは、せっかく取得した資格が無駄になってしまいます。

そんなリスクを避けられるという意味で、無資格で働ける点はメリットと考えられます。資格取得の前に現場で働くことで、介護の仕事が自分に合うかどうか、見極めることができるのです。
「介護の仕事、よさそう!」と思えたときには、資格取得へのモチベーションが芽生え、資格取得の勉強にも前向きに取り組めるようになるのではないでしょうか。

多くの介護事業所では、「介護職員初任者研修」などの資格取得にかかる費用を全額、もしくは一部補助する制度があり、資格を取ると給与に手当てが付きます。

デメリット1:有資格者よりも給料が低い

介護施設などでは、有資格者は無資格者よりも基本給が高く設定されていたり、有資格者に対して資格手当を支給している施設が多い傾向にあり、無資格者は有資格者と比較して給料が低いことが多いです。
ちなみに資格手当の相場は月額5,000~1万円前後。さらに介護福祉士の有資格者だと、処遇改善加算手当が月額1万円前後、加わることもあります。

デメリット2:キャリアアップしにくい

介護業界では、キャリアアップの条件として資格取得を求められることもあるようです。
「介護福祉士実務者研修」の受講や、「介護福祉士」の取得が昇進や昇給に影響するという施設も存在します。

ところが、現実では多くの介護事業所が人手不足で、日々の業務に追われています。キャリアアップを目指して先輩職員から業務を教わりたくても、時間が取れないといつまでも初歩的な仕事しか任せてもらえないという事態になりかねません。
また、無資格だと、職場で意見を言っても軽くみられてしまう可能性も。

無資格で介護職を長く続けるために、職場選びで注意することとは

無資格から介護職への就職を目指す際、前述したデメリットを払拭できて、長く働き続けられる職場に就職したいものです。
就職先選びの注意点をご紹介します。

給与・福利厚生と実際の運用は?

長く続けていくためには、福利厚生や、給与・職場環境の制度が整っている職場を選びましょう。
給与についての確認事項は、前述の資格手当のほか、各種手当(通勤手当、家族手当、住宅手当、夜勤手当、早出手当など)、社会保険制度、有給休暇制度、育児休暇制度などです。

ちなみに各種手当の中で金額が大きいのは、資格手当や夜勤手当です。夜勤手当は、1回あたり5,000円~1万円が相場です。
月に4回夜勤に入った場合、基本給とは別で月額およそ2万円~4万円、年間で約24万円~48万円もの夜勤手当が支給されることになります。
各種手当の支給金額や、月ごとの夜勤回数などを事前に確認するといいでしょう。

また、福利厚生では保育所を運営している病院、介護事業所もあることに着目を!
介護職員は保育所を安く利用できたりと、子育て支援のための制度をもっている施設・病院もあり、子育て中の方も安心して働くことができます。

職場見学で情報収集を

福利厚生制度がそろっていても、実際に制度を使える雰囲気なのか、休暇などとりやすい社風なのかは、インターネットの求人情報だけでは分かりません。
就職したい職場で勤めている知人などがいれば、応募前に話を聞いてみるのが一番です。相談できる人がいない場合は、情報を持っていそうな転職紹介会社に登録して問い合わせてみるといいでしょう。

おすすめしたいのは、実際に職場見学に出掛けてみることです。
多くの介護施設では、就職・転職希望者の希望に応じて見学会を実施しているので、ぜひ、申し込んでみてください。
職場の雰囲気を自分の目で見て確かめながら、福利厚生など気になることがあれば、質問してみましょう。

資格取得支援制度はある?

無資格で入職し、収入アップとキャリアアップを目指すためには、資格を取得することが必要です。
そこで、就職先選びでは、資格取得支援制度のある施設なのかどうかは、はずせないポイントとなります。

無資格で介護施設に就職した場合、最初に取得を目指す資格は「介護職員初任者研修」が多く、その費用の一部または全額を負担してくれるというサポート制度をもつ施設は少なくありません。
ベネッセスタイルケア、ニチイケアパレス、東急ウェルネスといった大手の介護事業所をはじめ、お住まいの地域中にも資格支援制度を用意している職場があるでしょうから、応募の際には制度の有無や詳細はしっかり確認しておきたいものです。

資格取得支援制度によって、費用の負担が軽減されるといった金銭的メリットがあるのはもちろんのこと、他にも利点があります。
それは、介護現場で働きながら資格取得を目指すことで、実践的な知識と技術が頭に入りやすくなり、勉強がスムーズに進めやすくなることです。
資格取得を目指すことで、介護の魅力や、やりがいを感じながら働き続けることができるのではないでしょうか。

国や自治体の支援策も手厚い

国や自治体でも、介護職の処遇改善や、介護職を目指す学生のための修学資金制度など、さまざまな取り組みを行っています。
例として、東京都では「介護職員就業促進事業」という取り組みが行われています。次のような制度です。

目的

東京都の介護職の人材確保と定着。

制度を利用できる人

資格がなくても可。
都内で介護職に就くことを希望する離職者や未就労者、事業を廃業した自営業者。 有資格者も利用対象だが、介護福祉士および介護職員実務者研修修了者は除く。

内容と特色

所定の介護事業所(都内)と最長6カ月間の雇用契約を結び、介護職として働きながら介護職員初任者研修などの資格取得を目指す。
雇用契約期間中は給料が支払われ、資格取得のための研修受講費用も無料になる。

雇用契約期間終了後、制度の利用者と介護事業所が同意すれば、継続して働くことが可能。
資格取得の費用、雇用契約期間の賃金、求人広告の費用などは、基本的には東京都が負担(上限の額など条件あり)。
介護職に就きたい人と、介護職人材を求めている事業所の両方にメリットがある。

介護職は30代、40代はもちろん、50代以上でも無資格からの就職が可能で、キャリアアップの道も開かれています。 興味がわいてきたら、まずは、求人情報を調べ、「ここならば」と思える職場があれば、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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プロフィール

小林裕子

ライター

介護雑誌『介護のことがよくわかる本』などで取材・執筆。プライベートでも実家の母親が要介護状態にあるため、よりよい介護の実践には強い関心をもっている。その他生活分野などで幅広く活動中。

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