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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2025/10/08

外出レクの目的・メリットとは?場所のアイデアや実施時の注意点を解説

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「外出レクリエーション(以下、外出レク)を企画したい」と思っても、何から手をつけていいのか悩んでしまう介護職の方も多いのではないでしょうか。外出レクは、介護予防やリハビリなどの効果ができる反面、高齢者の外出時には注意点があります。
本記事では、本記事では、外出レクの目的、メリット、場所のアイデア、企画する流れ、注意点について、それぞれ解説します。

1.外出レクの目的

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外出レクの目的は、利用者の気分転換や、生活機能のリハビリテーション(以下、リハビリ)などにつなげることです。老人ホームやデイサービス事業所で過ごすことの多い高齢者は、1人ではなかなか外出することもなく、施設内でのレクリエーションに飽きてしまうことが多くあります。そのため、環境を変えたレクリエーションを提供することで気分転換につながります。

2.外出レクのメリットや効果

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外出レクのメリットや、効果について解説します。

介護予防につながる

外出は、ちょっとした運動になるため、筋力低下を予防し、介護予防につながります。室内で歩くよりも開放的であり、体も自然と動かしやすくなるでしょう。適度な運動は、ストレスの解消にもつながります。

また、外出先で出会った人とのコミュニケーションや会話は、脳の刺激にもなり、うつ病や認知症の予防としても、効果が期待できるでしょう。

地域や社会との接点が持てる

外出レクにより、地域や社会との接点が持てることもメリットの1つです。同じ場所に長くい続けると、どうしても孤独感や疎外感を感じてしまいます。外出することより、普段とは接点のない人と関わることで、社会とのつながりを感じたり、孤独感を和らげたりできます。

3.外出レクで行く場所のアイデア

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外出レクの行き先に関するアイデアを紹介します。

公園

公園は軽い運動をしたり、食事を購入して食べたり、自然を満喫したりと、さまざまな楽しみ方ができるでしょう。春には花見を楽しむ、秋には紅葉を楽しむなど四季折々の季節も感じられます。

トイレ、ベンチ、休憩所などの設備が充実している公園もあり、外出レクとしても利用しやすい場所です。

買い物

買い物の外出レクは、近所のスーパーやコンビニ、商店街などでの買い物を企画します。1人で外出する機会が少ない人にとっては、日用品や文房具、お菓子、衣類などを購入するタイミングとしても活用できます。好きな物を購入するというワクワク感や、店員とのコミュニケーションなど、社会とのつながりを感じられるため、おすすめです。

外食

レストランやカフェなど、飲食店で外食をするのもおすすめです。普段の食事とは違った特別感を味わえることが魅力です。ただし、利用者の抱える疾患や状態に合わせて、アレルギーや、固形物の大きさ(誤嚥の危険性)など、食事の内容に注意を払う必要があります。

地域のイベント

地域のお祭りや催事などに参加することは、地域とのつながりを感じられる外出レクとしておすすめです。地域のイベントであれば、利用者の家族も一緒に参加しやすいでしょう。

お祭りの屋台や雰囲気、お祭りに来ている子供たちの様子などを見ることで、懐かしさを感じやすいことも特徴です。昔の記憶を思い出すことで、回想法として認知症予防にも効果が期待できます。

テーマパーク

水族館、美術館、動物園、劇場など、ちょっとした遠出をする企画も、非日常感を味わえて、思い出に残る外出レクとして盛り上がるでしょう。利用者の移動には、貸切バスの手配も考慮しましょう。

旅行

旅行は、規模の大きい外出レクのアイデアとしておすすめです。工場見学、施設見学、温泉など、観光を楽しめます。行き先の選択肢は豊富にあげられますが、準備時間がかかり、コスト(移動費、入場費など)が発生することには注意が必要です。

4.外出レクの企画の流れ

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外出レクを企画する流れを解説します。安全に外出レクを行うための前提として、企画の段階で念入りに下調べをしておくことが、必須です。外出レクの実施には「企画書」が必要な施設がほとんどであるため、必要な期日までに忘れずに作成しましょう。

目的と行き先を決める

外出レクを行う目的と、行き先を決めます。

・近所の公園にて、花見をしながら利用者同士で交流をする
・日常生活動作の向上を目的に、近所のスーパーまで買い物に行く など

ただし、デイサービス(通所介護)で外出レクを行う場合は、通所介護計画書等の内容に沿って行う必要があるため、注意が必要です。外出レクが「運動機能・生活機能の維持・向上」を目的として、機能訓練の一環として計画書に組み込まれている必要があります。

現場の下見・下調べをする

職員が事前に現場の下見をしておくと安全です。

・段差・傾斜の有無
・地面の状況(砂、芝生、コンクリートなど)
・トイレの位置
・休憩所の有無 など

その他にも、スーパーや商店街などへ買い物に行く場合、スムーズな買い物を行うためにも、なるべく他の客が少ない時間帯を店員に聞いておくなど、工夫をしましょう。

当日のスケジュールを決める

出発場所、現地の滞在時間、食事の時間、帰宅時間など、当日のスケジュールを決めていきます。移動に公共交通機関を使用する場合には、時刻表を用意しておくとスケジュールを立てやすくなります。

食事場所の確保・食事の手配

外出に昼食時間を挟む場合には、食事場所の確保と、食事の手配が必要です。飲食店を利用する場合は、事前に予約をしておきましょう。公園・広場などで食事をするのであれば、食事を買う場所や食べる場所の確保などが必要になります。

利用者・家族へ案内する

外出レクの概要が決まったら、利用者本人・家族に詳細の案内をして参加希望者を募ります。利用者の家族も参加可能な場合は、その旨も伝え、参加希望者を募りましょう。

職員のシフトを調整する

外出レクに同行する職員を決めて、シフトを調整します。当日の急な職員の欠員、体調不良などを考慮して、当日のシフトは余裕を持った人員配置にしておくと安心です。

外出レク当日

スケジュールに沿って外出レクを進行します。外出レクに同行する職員にはスマートフォンを持たせ、トラブル時にはすぐに施設の職員と連絡を取れるようにしておきましょう。

5.外出レクを実施する際の注意点

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外出レクを実施する際の注意点を解説します。

デイサービスの場合には、条件を満たす必要がある

原則、デイサービスでは事業所内でサービスを提供する必要があるため、外出レクは認められません。ただし、一定の条件を満たした場合のみ、事業所外でのサービス提供が可能となります。下記は、条件の一例で。

・あらかじめ、通所介護計画に外出サービスが位置付けられていること。
・外出により、機能訓練等のサービスが提供できること。
・外出の職員と、残る職員とで人員基準を満たすこと。 など

詳細な条件については、事業所を管轄する都道府県に問い合わせて確認しておきましょう。

利用者の体調管理を優先する

屋外の環境は、室内で過ごすよりも天候や気温、移動などの外的なストレスや転倒や事故などの危険性が高くなります。そのため、利用者の体調には細心の注意を払うことが大切です。

外出当日、あるいは外出中に体調不良の様子が見られた場合には、無理せずに外出を中止しましょう。

強制参加にはしない

花見や旅行などの外出レクでは、利用者自身にも体力的・金銭的な負担が発生します。強制参加ではなく、希望参加とする方が楽しめるでしょう。

現場の下見は念入りに行う

外出レクの現場の下見や、下調べは念入りに行いましょう。高齢者はトイレが近い人もいるため、トイレの場所、休憩所などは事前に把握しておくと安心です。車椅子の利用者が外出する場合には、坂道、段差、傾斜なども確認しておきましょう。

食事内容に注意を払う

食事を伴う外出レクでは、食事内容に注意を払いましょう。特に高齢者には、注意すべき食事の項目が多くあります。

・咀嚼力の低下
・嚥下障害
・誤嚥の危険性
・アレルギーの有無
・基礎疾患の有無(例えば、糖尿病で食事制限ありというケース) など

外出レクに同行する職員は、利用者の普段の食事形態やアレルギーなどを事前に把握しておくことが望ましいです。

まとめ

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外出レクは利用者の介護予防、気分転換、社会交流などに効果的です。外出の行き先には、公園や商店街、地域のイベントなど、さまざまな場所の候補があるため、目的や人数、参加者の身体状況に合わせて行き先を選ぶといいでしょう。

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中西紗羅(Sara Nakanishi)

介護福祉士

2014年介護福祉士養成校を卒業し、介護福祉士の資格を取得する。その後、従来型の介護老人福祉施設にて4年勤務する。「より個人に寄り添ったケアを実現したい」という想いから、ユニット型の介護老人福祉施設に転職する。ユニットリーダー研修を受講し、利用者様が「ありのまま自分らしく」過ごしていただけるよう、1人ひとりに寄り添ったケアを目指し6年勤務する。

中西紗羅の執筆・監修記事

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