高齢者と一緒に作る「アサガオ」の壁面飾り【7月】型紙付き|認知症ケアの現場から(21)
文・写真/安藤祐介介護施設では、利用者さんに季節の移り変わりを感じてもらったり、余暇時間を楽しんでもらったりする目的で壁面飾りを作製することがあります。壁面飾りは、レクリエーションとしてできるだけ多くの利用者さんと作製できるのが望ましいですが、身体・認知機能が高い利用者さんに頼りがちになったり、認知症や片麻痺がある利用者さんが参加しにくくなったりすることもあります。
そこで本記事では、幅広い利用者さんが参加できる、7月のアサガオをイメージした壁面飾りの作り方をご紹介します。作製の工程を、大きく「塗る」「切る」「貼る」の3つに分けてありますので、工程ごとに力を発揮しやすい利用者さんに担当してもらうなどして、より多くの利用者さんとレクリエーションを楽しんでください。
1.壁面飾りの目的・期待できる効果
- 余暇時間が充実して、生活の質が向上する
- 季節の移り変わりが感じられ、見当識が賦活される
- 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる
- 日中の活動量が増え、体力の維持につながる
- 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる
2.アサガオの壁面飾りの作り方
塗り絵の図案を用意する
夏の風物詩であるアサガオをイメージした塗り絵の図案を用意します。絵柄の違うものを複数用意しておくと、利用者さんが好みの図案を選択する楽しみが生まれ、取り組みへの意欲も増すでしょう。図案は後ほどハサミで切ってもらうため、切る線がわかりやすくなるように輪郭(いちばん外側の線)を太くしておきます。
※筆者が作製した塗り絵の図案は、こちらからダウンロードできます。
「塗る」工程
色鉛筆が使える利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。色塗りはあまり複雑な手の動きを必要としないため、多くの利用者さんに担当してもらえる工程です。提供する際に、塗り絵を大きめのバインダーに挟んで固定しておくと、片麻痺などで手が不自由な利用者さんも取り組みやすくなります。
認知症がある利用者さんは、何色で塗れば良いかわからず手が止まることがあるため、用意する色鉛筆の色を限定したり、他の利用者さんの作品を見えやすい位置に置いて、お手本にしたりすると良いでしょう。
「切る」工程
ハサミが使える利用者さんに、完成した塗り絵を切ってもらいます。ハサミで切るのは色塗りよりも複雑な手の動きが必要なため、比較的上肢の機能が高い利用者さんに担当してもらいましょう。切ってもらう際はA4用紙のまま渡すよりも、職員が大まかに切ってから渡したほうが取り組みやすくなります。利用者さんの手の大きさや指の可動性によって扱いやすいハサミが異なるため、複数のハサミを用意しておき、実際に使いながら好みのものを選んでもらうと良いでしょう。
「貼る」工程
夏の涼しげな雰囲気が出るようにすだれを用意します。すだれを用意するのが難しい場合は、模造紙や画用紙でも代用できます。地面から上に向かって伸びるアサガオをイメージしながら、花を貼り付けてもらいましょう。
職員がアサガオの花の裏に両面テープを付け、それを利用者さんに貼り付けてもらうようにすると作業が円滑に進みます。アサガオを貼り終えたら、夏を連想させるうちわなどと一緒に壁に飾り付けて完成です。
3.職員が注意すべきポイント
「塗る」工程は単調になりやすいため、利用者さんによっては集中力が続かないこともあります。職員は適宜声かけをして、塗り方の丁寧さを労ったり、並行して「切る」工程を依頼したりすると、作業に変化が出て長い時間集中しやすくなるでしょう。
塗り方や切り方などの助言を必要とする利用者さんがいる場合は、社交性が高い利用者さんや、お世話が好きな利用者さんに近くに座ってもらいましょう。それによって利用者さん同士の交流が活発になったり、関係性が深まったりすることもあるので、席次にもしっかり配慮してください。
4.塗り絵の図案プレゼント
リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。
●朝顔の塗り絵①
●朝顔の塗り絵②
●朝顔の塗り絵③
●朝顔の塗り絵④
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