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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2024/04/09

#3月のレクリエーション#壁面飾り#春のレクリエーション#認知症ケアの現場から

高齢者と一緒に作る春の「ひな祭り」の壁面飾り【3月】型紙付き|認知症ケアの現場から(17)

文・写真/安藤祐介 thumbnail.jpg

介護施設では、利用者さんに季節の移り変わりを感じてもらったり、余暇時間を楽しんでもらったりする目的で、壁面飾りを作製することがあります。壁面飾りはレクリエーションとして、できるだけ多くの利用者さんと作製できるのが望ましいですが、身体・認知機能が高い利用者さんに頼りがちになったり、認知症や片麻痺がある利用者さんが参加しにくくなったりすることもあります。

そこで本記事では、幅広い利用者さんが参加できる、3月のひな祭りをイメージした壁面飾りの作り方をご紹介します。作製の工程を、大きく「塗る」「切る」「貼る」の3つに分けてありますので、工程ごとに力を発揮しやすい利用者さんに担当してもらうなどして、より多くの利用者さんとレクリエーションを楽しみましょう。

1.壁面飾りの目的・期待できる効果

  • 余暇時間が充実して、生活の質が向上する
  • 集中して取り組むことで、認知機能の維持につながる
  • 季節の移り変わりが感じられ、見当識が賦活される
  • 日中の活動量が増え、体力の維持につながる
  • 雰囲気が明るくなり、過ごしやすいフロアになる

2.ひな祭りの壁面飾りの作り方

塗り絵の図案を用意する

塗り絵

日本の年中行事、ひな祭りに合わせて男雛と女雛の図案を用意します。絵柄の違うものを複数用意しておくと、利用者さんが好みの図案を選択する楽しみが生まれ、取り組みへの意欲も増すでしょう。また、簡単・やや複雑・デフォルメされたものなど難易度を分けておくと、利用者さんの能力に応じて提供しやすくなります。図案は後ほどハサミで切ってもらうため、切る線がわかりやすくなるように輪郭(いちばん外側の線)を太くしておきます。
※記事で使用している塗り絵の図案はこちらよりダウンロードできます。

「塗る」工程

塗り絵

色鉛筆が使える利用者さんに、塗り絵の図案を塗ってもらいます。色塗りはあまり複雑な手の動きを必要としないため、多くの利用者さんに担当してもらえる工程です。提供する際に、塗り絵を大きめのバインダーに挟んで固定しておくと、片麻痺などで手が不自由な利用者さんも取り組みやすくなります。認知症がある利用者さんは、何色で塗れば良いかわからなくなることがあるため、適宜声かけをしたり、他の利用者さんの作品を見えやすい位置に置いて、お手本にしたりすると良いでしょう。

「切る」工程

塗り絵切り抜き

ハサミが使える利用者さんに、完成した塗り絵を切ってもらいます。ハサミで切るのは色塗りよりも複雑な手の動きが必要なため、比較的上肢の機能が高い利用者さんに担当してもらいましょう。切ってもらう際はA4用紙のまま渡すよりも、職員が大まかに切ってから渡したほうが取り組みやすくなります。なお、利用者さんの手の大きさや指の可動性によって扱いやすいハサミが異なるため、複数のハサミを用意しておき、実際に使いながら好みのものを選んでもらうと良いでしょう。

「貼る」工程

貼り付け

赤色の画用紙や模造紙などを切って、お内裏様とお雛様を貼るためのひな段を作製します。下の段から上の段に向かうにつれて、少しずつ短くしていくと立体感が出ます。

ひな壇

ひな段ができ上がったら、利用者さんにお内裏様とお雛様を貼ってもらいましょう。職員が、事前にのりやテープを付けておくことで、多くの利用者さんが参加できる工程になります。最後に、ぼんぼりや屏風などを飾り付ければ完成です。

貼り付け

3.職員が注意すべきポイント

お内裏様とお雛様はかわいらしい図案であるため、女性利用者さんを中心に好印象を持つ方が多いでしょう。一方で、プライドが高い方は、かわいらしさを稚拙だと感じてしまい、取り組みに消極的になることがあります。そういった場合は無理強いせず、色塗り以外の工程を担当してもらうなど、臨機応変に対応してみてください。

また、レクリエーション中に、塗り方や切り方などの助言を必要とする利用者さんがいる場合は、社交性が高い利用者さんや、お世話が好きな利用者さんに近くに座ってもらいましょう。それによって、利用者さん同士の交流が活発になったり、関係性が深まったりすることもあるので、席次への配慮は意外に大事です。

4.塗り絵の図案プレゼント

リンク先の記事より、塗り絵の図案がダウンロードできます。ぜひレクリエーションにご活用ください。

ひな人形(雛人形)の塗り絵4パターン

●関連記事:春を感じる高齢者向けレクリエーション7選

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安藤祐介(Yusuke Ando)

作業療法士

2007年健康科学大学を卒業。作業療法士免許を取得し、介護老人保健施設ケアセンターゆうゆうに入職。施設内では認知症専門フロアで暮らす利用者47名の生活リハビリを担当し、施設外では介護に関する講演・執筆・動画配信を行っている。

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