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高齢者レクリエーション 高齢者レクリエーションのノウハウ 2022/06/15

高齢者レクリエーションには間違い探しがおすすめ!実施のポイントも

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老人ホーム・デイサービスなどの高齢者施設では、身体機能の維持・改善や生活の質(QOL)の向上、施設内のコミュニケーション活性化を目的としたレクリエーション活動が定期的に開催されます。レクリエーションの内容は多種多様で、「間違い探しゲーム」もそのうちの一つです。

間違い探しは身体的なハンデのある高齢者でも無理なく楽しめるほか、レクリエーションを開催する介護スタッフにとっても手軽に行えるため、とても人気のあるレクリエーションです。

そこで今回は、高齢者のレクリエーションに間違い探しがおすすめの理由から、適切な間違い探しの絵柄、実施のポイントまでを徹底的に解説します。

1.高齢者のレクリエーションに間違い探しがおすすめの理由

高齢者施設で定期的に開催されるレクリエーションでは、間違い探しがよく取り入れられます。では、間違い探しがレクリエーションゲームとして頻繁に活用される理由は、何だと思いますか? それは「脳に適度な刺激を与えることができるから」です。

人間の脳は筋肉と同様、使わなければ衰え、使えば鍛えることができます。間違い探しで遊ぶ際に行う「2つの似たような絵や写真を見比べて、相違点を探す」という動作は、観察力のほか瞬間的な記憶力や注意力、集中力が必要になるため、とくに視覚系の脳機能に良い刺激を与えるとされています。

また、参加者同士で気軽に楽しめる間違い探しは、脳を鍛える目的で行われる脳トレ(※)や認知症予防にもなるともいわれています。事実、医療機関の認知症ケアでも、間違い探しが取り入れられる機会は決して少なくありません。

(出典:杠葉病院「作業療法部門のご紹介」
(出典:九州病院「認知症ケアチームの活動」
(※正式名称は「脳を活性化させるトレーニング」)

●関連記事:高齢者が「脳トレ」に取り組むメリットと効果的な実施方法(脳科学者 篠原菊紀さんに聞く)

間違い探しは読み書きや計算が苦手な利用者にも楽しんでもらえるほか、チーム対抗戦にすることで、コミュニケーションのさらなる活性化も期待できます。

間違い探しは基本的にプリント形式で行いますが、主な準備はサイト上から適切な間違い探しの絵柄を選び、プリントアウトするだけ。介護職員の負担が少ないことも大きな魅力です。

2.高齢者のレクリエーションに適した間違い探しの絵柄

介護施設のレクリエーションとして行う間違い探しの絵柄は、一般的にあるものを適当に選べば良いというわけではありません。施設の利用者に楽しんでもらうためには、高齢者に喜ばれる間違い探しの絵柄を選ぶことが大事です。

高齢者向け施設で間違い探しのレクリエーションを行う際は、下記の3つが絵柄選びのポイントになります。

●季節や行事にちなんだ絵柄
●高齢者が親しみを感じる絵柄
●利用者の好みに合わせた絵柄

ここからは、それぞれの絵柄の特徴や具体例、おすすめの理由について詳しく説明します。

季節や行事にちなんだ絵柄

季節にちなんだ絵柄は、幅広い人から親しまれるため、高齢者向け施設で行われる間違い探しの代表的な絵柄となっています。季節感のある絵柄を選び、その時期に行われるレクリエーションの一環として、間違い探しを楽しむと良いでしょう。お正月やひな祭り、クリスマスなど、その月ならではの行事がある場合は、その行事をモチーフにした絵柄もおすすめです。

「介護のみらいラボ」では、介護レク素材として季節の行事に合わせたイラストを無料で提供しています。季節や行事といったテーマ別に間違い探しのイラスト素材を手に入れたい人は、ぜひ下記からダウンロードしてください。

●関連記事:「季節・行事の間違い探し」問題集はこちら
●関連記事:「お正月」の間違い探し
●関連記事:「バレンタインデー」の間違い探し

季節や行事にちなんだ絵柄で間違い探しを行うときは、単純に2つの絵の間違いを探すだけでなく、絵柄に描かれている動物や植物、建物などの名前を当てるクイズを実施するのもおすすめです。

高齢者が親しみを抱く絵柄

利用者が、間違い探しのレクリエーションに積極的に取り組めるようにするには、親しみが持てる絵柄や興味のある絵柄を選ぶことも重要です。現在の高齢者施設の利用者は、大半が昭和生まれ・昭和育ちのため、「昭和の暮らしや娯楽にまつわる絵柄」を選ぶと良いでしょう。

昭和の懐かしい雰囲気を思い出してもらうために、レトロな絵柄を選んだり、子ども時代を思い出すような田園風景の絵柄を選んだりするのもおすすめです。また、「これは何の絵柄でしょうか?」といったクイズを出したり、利用者同士がその絵柄にまつわる思い出を語り合う時間を設けたりしても盛り上がるでしょう。

利用者の好みに合わせた絵柄

季節や行事にちなんだ絵柄、あるいは高齢者が親しみを感じる絵柄を選んだ場合、基本的には参加者全員が同じ絵柄で間違い探しを楽しむことになります。しかし、利用者の好みは千差万別。より積極的に取り組んでもらいたいときは、それぞれの好みに合わせた絵柄を用意してみるのも良いでしょう。

例えば、花が好きな利用者なら花の絵柄、動物が好きな利用者なら動物の絵柄といった具合です。その他にも、乗り物や食べ物など、レクリエーションに適した間違い探しの絵柄は豊富にあります。もし、白黒の絵柄を使うのであれば、間違い探しが終わった後で塗り絵を楽しむのもおすすめです。

利用者一人ひとりに異なる絵柄を準備する時間がない場合は、「今日は〇〇さんのリクエストでこの絵柄にしました」と伝えるなどして、順番に利用者の希望に応えていくと良いでしょう。

3.高齢者のレクリエーションで間違い探しを実施するポイント

高齢者向けレクリエーションとして間違い探しを行う際は、いくつかの点に注意する必要があります。

ここでは、レクリエーションに間違い探しを取り入れようと考えている施設スタッフに向けて、実施する際の注意点やポイントを詳しく説明します。

線や色がはっきりした絵柄を選ぶ

高齢になると視力が衰えてくるため、間違い探しの絵柄は線や色がはっきりしたものを選ぶことが重要です。細かい描写を使った複雑な絵柄ではなく、なるべくシンプルな絵柄にすることを意識しましょう。

また、間違い探しの後に塗り絵遊びをする場合は、塗り分けしやすい絵柄を選ぶようにしてください。「遠くから見てもどのような絵柄なのかがはっきりわかるデザイン」や「描かれた風景や物の境界線が明確なデザイン」「手や腕の筋力が落ちてしまった利用者でも簡単に塗り絵を楽しめるシンプルなデザイン」を意識すると良いでしょう。

利用者のレベル・所要時間に合わせた難易度を選ぶ

高齢者施設の利用者は、それぞれ身体状態が異なります。何の問題もなく間違い探しや塗り絵を楽しめる利用者もいれば、なかなか思うようにいかない利用者もいるでしょう。すべての利用者が楽しめるようにするには、それぞれの利用者のレベルに合わせて難易度を選ぶのがおすすめです。

間違い探しは、絵柄を決めてプリントアウトするだけで準備が済むので、レクリエーションに参加する利用者のレベルに適した絵柄をあらかじめ選んでおき、それぞれのレベルに適した絵柄を数種類準備すると良いでしょう。

絵柄を決めるときは、所要時間や間違いの個数に配慮することも重要です。例えば、間違い探しに使う時間を20分と決めた場合は、利用者のレベルに配慮しつつ、間違いが3~5カ所程度の絵柄を選ぶと良いでしょう。

明らかに子ども向けに見える絵柄は避ける

間違い探しのレクリエーションでは、明らかに子ども向けに見えるような絵柄は避けたほうが無難です。例えば、幼稚園の行事をモチーフにしたものなど、園児向けに描かれた絵柄を出された場合、利用者によっては「子ども扱いしているのではないか」「手を抜いているのではないか」と感じてしまう恐れがあるためです。

利用者に嫌な思いをさせないためにも、間違い探しで取り入れる絵柄は、高齢者向けの冊子や介護情報を専門に扱うサイトに掲載されたものを選びましょう。

●関連記事:高齢者向け「間違い探し」問題集はこちら

また、高齢者向けの冊子や介護情報専門サイトでは、間違い探しの素材が難易度別に掲載されていることも多くあります。はじめは難易度の低いものから進めて、慣れてきたら難易度をあげていくのも良いでしょう。難易度の高い間違い探しをクリアできた利用者には、「細かいところまでしっかり見ていますね!」と言葉をかけて、コミュニケーションを深めていってください。

まとめ

間違い探しは、体を動かすことや読み書き、計算が苦手な利用者でも気軽に楽しむことができる介護レクリエーションの一つ。観察力・記憶力・集中力が必要になるため、脳を鍛える目的で行われる脳トレにもつながります。また、レクリエーションを準備する介護スタッフ側の負担が非常に少ないことも、魅力といえるでしょう。

高齢者向け施設のレクリエーションで間違い探しを取り入れる際は、なるべく親しみやすい絵柄にすることがポイントになります。加えて、線や色がはっきりしていて、適切な難易度の絵柄を選ぶのも大事です。明らかに子ども向けに見える絵柄は、利用者のプライドを傷つけかねないので注意しましょう。「介護のみらいラボ」で提供している高齢者向けの絵柄を、ぜひレクリエーションに取り入れてみてください。

「介護のみらいラボ」では、間違い探しの絵柄のほか、介護業界で活躍する人に有益な情報を発信しています。現場で役立つ知識を得たい介護従事者は、ぜひ他の記事もご覧ください。

※当記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています

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