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仕事・スキル 介護士の常識 2022/08/02

介護記録を残す目的とは?書き方や注意点なども紹介

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介護記録は、介護職員になれば必ず書くことになる書類です。介護実習生のなかには、記録業務に時間を取られて大変な思いをしている方もいるかもしれません。信頼性の高い介護記録を効率良く作成するためにも、介護記録の書き方を押さえておきましょう。

当記事では、介護記録の意味や目的に加え、介護記録の書き方を例文付きで詳しく解説します。また、介護記録を書く際のポイントと注意点も紹介するので、介護記録について学びたい方はぜひ参考にしてください。

1.介護記録とは?

介護記録とは、介護者が利用者さんに提供した介護サービスや、利用者さんの健康状態、経過観察、活動状況などを記録するものです。介護記録の作成および保存は、介護保険法によって義務付けられており、デイサービスやグループホームなどの形態を問わず、介護サービスを行った場合には介護記録の作成が必要です。

介護記録の記録媒体や書き方に規程はなく、指定の用紙に手書きしたり、パソコンやタブレットに入力したりと、記録方法は事業所によってさまざまです。ただし、適切にまとめる必要があることから、記録する介護者自身が記すべき内容を見定めて、誰が見ても分かりやすい文章で残すことが求められます。

介護記録を残す意味・目的

介護記録は、職員や事業所にとって重要度の高い資料です。下記に、介護記録を残す意味と目的を解説します。

情報を共有するため 介護記録は、職場のスタッフ間で共有する情報に正確性を持たせ、利用者さんへの継続的な介護サービスを実施するのに役立ちます。また、介護記録を作成することで、医師、看護師、理学療法士など、他職種との連携強化も図れます。
事故が発生した場合の証拠になるため 適切な介護記録は、事故が発生した際の原因や状況、スタッフの対応などを証明するツールになるほか、訴訟における証拠にもなります。
介護サービスの質を高め、適切なケアプランを作成するため 介護記録の内容を分析することで、利用者さん一人ひとりに合わせた介護サービスの実施が可能です。また、個人のニーズに応じたケアプランを作成する際の貴重な資料にもなります。
利用者さんやご家族とのコミュニケーションを図るため 利用者さんの日々の状況を記録に残すことで、利用者さんのご家族からの質問にも適切に回答でき、信頼関係の構築に役立ちます。

介護記録は上記の他、介護事故防止のためのリスクマネジメントや、介護職員の専門性向上にも役立ちます。

2.【例文付き】介護記録の書き方5選

介護記録を書く際は、正しい日本語を使用することが前提となります。漢字やひらがなを間違えないことはもちろん、読みやすい文章にするために句読点を適度に使いましょう。

介護記録の作成は、コツを押さえれば難しくありません。ここでは、介護記録の書き方を例文付きで紹介します。

「だ・である」調で書く

介護記録には「だ・である調(常体)」を使用し、説得力のある文章に仕上げます。

【例文】

【OKの例文】
レクリエーションのイントロクイズゲームでは、手を挙げて積極的に回答される。「すごいですね」と言うと、「歌が好きだから」と笑顔でおっしゃる。

【NGの例文】
レクリエーションのイントロクイズゲームでは、手を挙げて積極的に答えられていました。「すごいですね」と言うと、「歌が好きだから」と笑いながらおっしゃっていました。

会話などは「だ・である調」に変換せず、発言通りに記載してかまいません。また、「回答」「笑顔」など名詞形で記すことで、より簡潔な印象になります。

5W1Hを意識して書く

介護記録では、「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」を意識すると、内容に具体性をもたせることができます。

【例文】

【OKの例文】
14時ごろ、居室に長男夫婦が訪問し、30分ほど談笑される。面会終了後に「少し眠りたい」と言われて、ベッドで横になる。発熱や痛みの訴えはなし。

【NGの例文】
夕方、家族が訪問。その後、ベッドで休まれる。

NG例では、具体的な時間やベッドで休んだ理由などが明確ではありません。介護記録は、時間帯や行動の理由がはっきりと分かるように書きましょう。

情報源を明確にする

誰かに聞いた話は発言者を記し、情報源を明確にします。

【例文】

【OKの例文】
Cさんに「食堂でケンカが起きている」と言われたので見にいくと、AさんとBさんが椅子に座って口論している様子。

【NGの例文】
呼ばれたので食堂へ行くと、Aさんが言い争っている。

NG例では誰に呼ばれたのかが分かりません。介護記録には発言者の名前を明記し、ほかの利用者さんが関わっている場合には、相手の名前も記載するようにしましょう。

専門用語・略語を使わない

利用者さんのご家族や他職種のスタッフも理解できるように、介護記録では専門用語や略語の使用を控えます。

【例文】

【OKの例文】
14時ごろ、食堂前の廊下から玄関前までの間を30分ほど往復する。

【NGの例文】
14時ごろ、施設内を30分ほど徘徊する。

上記では「徘徊」が専門用語にあたります。このほか、「患側」は「まひのある腕」、「浮腫(ふしゅ)」は「むくみ」にするなど、分かりやすい表現で記載するように心がけましょう。

主観的な表現を使わない

介護記録は、事実を客観的かつ正確に記載することが大切です。

【例文】

【OKの例文】
昼食時、主食を2分の1摂取、副食・デザートは完食。

【NGの例文】
昼食時、主食はいつもより食べる量が少ない。副食・デザートは好物だったからか、完食された。

記録者の主観である「いつもより」という表現を避けつつ、具体的な摂取量や内容を記しましょう。介護者の推測が事実とはかぎらないため、介護記録に記載する必要はありません。

3.介護記録を書くときのポイント・注意点!

介護記録は毎日作成する必要があるため、介護職員にとって大きな負担になっていることも事実です。現在は介護業界にもICTの普及が進んでおり、記録システムやアプリを導入して介護記録作成の負担軽減に努めている施設もあります。

(出典:厚生労働省「介護現場におけるICTの利用促進」

しかし、すべての介護施設がICTを活用しているわけではありません。ここでは、介護記録を効率的に書くためのポイントと注意点を紹介します。

【ポイント】便利な表現をストックしておく

介護記録に使える表現をストックしておくと、文章を書くことが苦手な方でも記録作成がはかどります。下記に、介護記録で役立つ表現を紹介します。

気分の表現 元気に/のびのびと/憂鬱そうに/活気がない
状態の表現 くつろいだ様子/満足そうな様子/意欲的な様子
食事の様子 パクパク/ガツガツ/少しずつ/一気に/かぶりつく
呼吸の状態 呼吸が速い/ゼーゼー/浅い呼吸/息切れしている

毎日実施する入浴や排せつなどの生活介助は、場面別に表現を書き留めておくと良いでしょう。

【ポイント】必要に応じてメモを取っておく

後で介護記録に書こうと思っていても、業務に追われて詳細を忘れてしまうことは少なくありません。介護記録に書くべき事柄は、その場でメモに残しておきましょう。メモを見返せば状況を思い出せるようにしておくと、スムーズに介護記録の作成に取りかかれます。また、メモを残すことは、介護記録の正確性を保つためにも有効です。

メモは「16時失禁」「15時おやつ残す」など、業務に支障が出ない範囲で簡潔に記しましょう。後で見返して思い出すことが目的なので、走り書きやイラストで残すだけでもかまいません。

【注意点】記入する用語には配慮する

介護記録を書く際も、利用者さんへの配慮と思いやりを忘れないようにしましょう。言葉に気を付けることは、介護に対する意識の向上にもつながります。

例えば、「ボケ症状」「しつこい」「物分かりが悪い」「わがまま」といった表現は、利用者さんへの侮辱にあたるため、介護職員が使用する言葉としては不適切です。スタッフ間の情報共有が目的であっても、このような言葉を使う介護施設を利用したいと思う人はいないでしょう。

また、上から目線を連想させるような言葉遣いにも気を付けてください。「~させる」ではなく、「すすめる」「伝える」といった表現を使いましょう。

まとめ

介護記録は、1日の介護内容や利用者さんの生活状況を記載するものであり、介護サービスを実施するにあたって、作成・保存が法律で義務付けられています。

介護記録は情報共有のほかにも、スタッフの言動を証明する役割などももつ貴重な書類です。そのため分かりやすい言葉で、正確な事実を客観的に書くようにしましょう。よく使う表現は、メモやノートなどに書き留めておくと便利です。

「介護のみらいラボ」では、介護現場で働くみなさんに役立つ情報を掲載しています。介護知識の基礎を身に付けたい方は、ぜひ「介護のみらいラボ」を参考にしてください。

※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

●関連記事:介護記録で避けるべき禁止用語は?避けるべき理由と言い換え例も解説

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