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仕事・スキル 介護士の常識 2023/09/25

介護施設の8時間夜勤のメリットやデメリットは? 16時間夜勤との違いも

構成・文/介護のみらいラボ編集部 監修/赤羽克子 thumbnail.jpg

介護職における夜勤とは、その名の通り「夕方あるいは夜から翌朝にかけて勤務すること」です。入居型の介護施設の多くは、24時間体制で利用者さんへのサービス提供や見守りを行っているため、施設に勤務する介護スタッフは交替で夜勤業務を行うことになります。

夜勤業務における実際の勤務時間は、休憩や仮眠を含めて16時間という施設が多く見られますが、近年は8時間夜勤を取り入れる施設も増えています。

この記事では、介護施設における8時間夜勤の概要と16時間夜勤との違い、仕事内容やメリット・デメリットを解説します。8時間夜勤の勤務形態が「向いているタイプ」についても紹介しますので、どちらの働き方が自分に合っているか迷っている方は、ぜひご一読ください。

1.介護施設の8時間夜勤とは?

介護施設における8時間夜勤とは、「3交替制勤務のシフトを採用している職場の夜勤形態」のことです。一般的に出勤時間は21~23時ごろで、1~2時間程度の休憩をはさんで翌朝7~9時に退勤する形となります。

前述したように、入居型の介護施設では、365日24時間体制で利用者さんのケアに対応しなければなりません。そのため、入居型施設のほとんどは、1日を8時間ごとに3つの勤務帯に分けて管理する「3交替制」か、日勤と夜勤の2つの勤務帯に分けて管理する「2交替制」のいずれかを採用しています。

8時間夜勤の場合、16時間夜勤に比べて介護職員の精神的・肉体的な負担や疲労が軽減される傾向にあります。そのため近年では、16時間夜勤のみの2交替制を採用していた施設のなかにも、3交替制を導入するところが増えてきました。ただし8時間勤務では、シフトの組み方がやや複雑になるため、生活のリズムを一定に保ちにくくなる場合があります。

(出典:厚生労働省「勤務間インターバル制度導入・運用マニュアル」

16時間夜勤との違い

介護施設の夜勤について考える際、8時間夜勤とよく比較されるのが16時間夜勤です。8時間夜勤と16時間夜勤の主な違いは、下記の通りとなります。

8時間夜勤(3交替制) 16時間夜勤(2交替制)
シフト体制 日勤・準夜勤・夜勤(早番・遅番・夜勤) 日勤・夜勤
勤務時間 出勤:21~23時頃 退勤:7~9時頃 休憩:1時間程度 出勤:16~17時頃 退勤:9~10時頃 休憩:2時間程度
月の平均的な夜勤回数 5~9回 4~5回
夜勤手当の目安 1回につき3,000~4,000円程度 1回につき6,000~10,000円程度
夜勤明け翌日の扱い 休日もしくは出勤 休日

夜勤の仕事内容

下記は、8時間夜勤を担当した場合の流れと主な仕事内容です。

時間 仕事内容 詳細
21:00 出勤・申し送り 交替するスタッフから、利用者さんの様子や体調の変化、服薬状況などの申し送りを受ける
22:00 消灯・庶務・巡回 消灯後は、介護記録作成などと並行して、1~2時間に1回程度の夜間巡視を実施。利用者さんの体調や呼吸に異変がないかをチェックし、必要であれば体位変換や排泄介助なども行う
3:00 休憩 複数のスタッフが勤務する場合は、交替で食事や仮眠時間を取る
6:00 朝食・服薬介助 利用者さんの起床後は、整容・更衣・排泄介助、朝食の提供・服薬介助などを行う
7:00 申し送り・退勤 日勤のスタッフに申し送りを行い、退勤する

施設によって違いはありますが、おおむね上記のようなスケジュールで夜勤業務を行います。

2.8時間夜勤のメリットとデメリット

8時間夜勤を導入する介護施設が増えてきたとはいえ、多くの施設では16時間夜勤が採用されています。事実、日本医療労働組合連合会が実施した、2020年の「介護施設夜勤実態調査結果」によれば、夜勤がある施設全体の80%以上が2交替制勤務(16時間夜勤)でした。

そのため、「8時間夜勤で働いてみたい」と思っても、周囲に8時間夜勤を実施する施設がなく、実情がわからないケースもあるでしょう。

(出典:日本医療労働組合連合会「医療労働 2020年 特集 介護施設夜勤実態調査結果」

ここでは、8時間夜勤を選んだ場合のメリットとデメリットを解説します。

【メリット】勤務時間が短く負担が少ない

8時間夜勤は16時間夜勤に比べて勤務時間が短いため、精神的・肉体的な負担が少ないことがメリットです。拘束時間も通常の日勤とほぼ変わらないため、退勤後にしっかりと休息が取れれば、通常通りの疲労回復が見込めるでしょう。

また、夜間は利用者さんのほとんどが睡眠中で、勤務時間の大半が巡回業務や庶務となるため、身体介助などの体力を使う仕事は日勤ほど多くありません。加えて、配置される人員が少なく、人間関係に気をつかわずに済むという点も、8時間夜勤のメリットと言えそうです。

【メリット】たくさん夜勤シフトに入れる

16時間夜勤と比べて夜勤シフトに入れる回数が多いことも、8時間夜勤のメリットとして挙げられるでしょう。

日本医療労働組合連合会の「介護施設夜勤実態調査結果」を見ると、3交替勤務(8時間夜勤)における平均夜勤回数は「5.8回」となっていますが、夜勤の出勤回数には法的な上限がありません。そのため、8時間夜勤においては希望すればより多くの夜勤シフトに入れる可能性があります。

一方、16時間夜勤の場合は「変形労働時間制」が適用されるため、1週間に働ける勤務時間は40時間以内が基本です。したがって、16時間夜勤を選んだ場合は夜勤のシフトに入れる機会が少なくなるでしょう。

以上のことから、できるだけたくさん夜勤のシフトに入って夜勤手当などの収入を得たい場合は、8時間夜勤のほうが希望をかなえやすいと言えます。

(出典:日本医療労働組合連合会「医療労働 2020年 特集 介護施設夜勤実態調査結果」

【デメリット】夜勤明けの日が休み扱いとなる

8時間夜勤では、夜勤明けの日を休日として扱うケースが多く見られます。下記は、日勤・準夜勤・夜勤を交替で担当する形でシフトを組んだ場合の一例です。

日勤→夜勤→夜勤明け(休み)→準夜勤→日勤→準夜勤→休日→日勤→夜勤→夜勤明け(休み)→準夜勤→日勤→準夜勤→休日......


施設によっては、担当する時間帯をある程度固定できるところもありますが、ほとんどの場合はスタッフ全員で平等に担当します。夜勤明けの日を生活リズムの調整に費やしてしまう方の場合、8時間夜勤だと「休日が少ない」と感じることもあるでしょう。

【デメリット】担当するユニット数が多いと負担を感じやすい

8時間夜勤では、基本的に少人数で施設の利用者さん全員をケアしなければなりません。しかし、施設によっては緊急時の応援到着までに時間がかかったり、休憩時間の割り当てがあいまいだったりする場合もあります。

そのため、担当するユニット数が多いと、利用者さんの体調が急変した場合の初期対応を1人で行ったり、コールの呼び出しが続いて休憩に入るタイミングを逃したりすることもあるでしょう。

仕事に慣れていない方や、トラブル時・緊急事態での対応に自信がない方の場合、負担を感じやすくなる可能性もあります。

3.介護の8時間夜勤はどんな方におすすめ?

ここまで、介護施設の8時間夜勤についてのメリットとデメリットを解説してきましたが、なかには「16時間夜勤と比較して、どちらが自分に合っているか判断できない」という方もいるでしょう。

以下、介護施設の8時間夜勤は「どのような方に向いているか?」を紹介します。

・勤務前後の時間を有効活用できる方
シフトの組み方や体力にもよりますが、8時間夜勤の前後は休日と同じように過ごすことが可能です。ショッピングを楽しんだり、テーマパークで遊んだりと、平日の昼間を有効活用できる方にはおすすめの働き方と言えるでしょう。

・同僚に気を遣わず自分のペースで仕事をしたい方
夜勤業務における人員配置は、基本的に少人数です。施設の規模によっては1人で夜勤を担当することもあり、その場合は、周囲のペースに合わせる必要がほとんどありません。自分が納得のいく形で業務を進めたい方にとっては、働きやすい環境でしょう。

・睡眠時間にこだわらない方
日勤・準夜勤・夜勤を交替で担当すると、睡眠のリズムが乱れてしまうことがあります。しかし、「眠る時間がきちんと確保できていれば、一定のリズムを保てなくても問題ない」と言う方は、8時間夜勤でも問題なく対応できるでしょう。


仕事の向き不向きは「実際に働いてみないと分からない」というケースも少なくありません。気になる施設があれば、事前に情報収集をしつつ、積極的に応募してみると良いでしょう。

なお、長期的に働くのが理想ではあるものの、どうしても合わないと感じた場合は、転職するのも選択肢の1つです。

まとめ

8時間夜勤は、16時間夜勤に比べて体力的・精神的な負担が少ないことが魅力です。ただし、シフトの組み方によっては「休日が少ない」と感じることがあるかもしれません。どちらが自分の働き方に合っているかは人それぞれに異なるため、気になる施設があれば、積極的に応募してみるのも一案です。

「介護のみらいラボ」では、介護の現場で活躍する方に有益な、介護業界の情報を多数掲載しております。自分に合った働き方を見つけるヒントにもなりますので、ぜひご覧ください。

※当記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています

▼監修者からのアドバイス

介護施設(入居型、宿泊系、訪問系)は365日、24時間体制で利用者さんの安全・安心を見守る必要があるため、介護職員は夜勤を行う必要があります。夜勤はその施設によって8時間勤務(3交代勤務)や16時間勤務(2交代勤務)という体制が組まれています。
夜勤は入居されている利用者さんの命を小人数の介護職員で守らなければなりません。利用者さんが急変した時などには迅速な対応をとる必要がありますし、精神的負担も大きく重責を担います。
ですから夜勤を行うと、1回、3,000円~10,000円くらいの手当てが支給されます。夜勤手当は働く施設によって大きく異なるので、入職前に確認しましょう。
夜勤は2人体制の施設が多いのですが、1人体制の施設も存在します。利用者さんの急変時や災害などの可能性を考えると1人夜勤はリスクが大きいので、2人体制の施設を選択したほうがいいでしょう。
夜勤の仕事は働く時間帯が夜ですので、体内リズムの変調により、体内時計に影響するため睡眠障害を起こしやすくなります。対処方法として、①夜勤前には1時間程度の仮眠をとる、②夜勤終了後は強い光を避ける、などがあります。
また、夜勤中は集中力が続かなくなりがちです。集中力を保つためにカフェインが含まれている飲み物(玉露、コーヒー、紅茶など)を飲んだりするのもおすすめです。

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赤羽克子(Katsuko Akaba)

元聖徳大学心理・福祉学部社会福祉学科教授

社会福祉施設勤務を経て教育の世界に入る。現在はマーシーハンディキャップサポート協会理事として障害者に対する理解の啓蒙活動・障害者スポーツの支援や松戸市シルバー人材センターのアドバイザーなどを行っている。

赤羽克子の執筆・監修記事

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

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