Produce by マイナビ介護職 マイナビ介護職

介護の未来ラボ -根を張って未来へ伸びる-

仕事・スキル 介護士の常識 2024/03/31

4月の行事や記念日一覧|お祝いに合った行事食も紹介

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumbnail.jpg

4月は新生活がスタートする時期であるとともに、花まつりやイースター、お花見といった多くの行事が行われる月です。そのなかには、多くの利用者さんが生まれた「昭和」の時代を振り返る昭和の日もあります。

この記事では、4月の行事や行事食について、詳しく解説します。4月のイベントやレクリエーション、行事食に悩んでいる介護職の方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1.4月の行事一覧

4月は和風月名で「卯月(うづき)」と言います。卯月の由来は複数あり、「卯の花が咲く月のため」や「十二支の四番目が卯にあたるため」などの説が有力だとされています。

二十四節気(※)において4月は夏に分類され、4月5日頃を「清明(せいめい)」、4月20日頃を「穀雨(こくう)」と呼びます。
※1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの。立春や春分、夏至なども二十四節季の1つです。

4月の誕生花はアルストロメリアで、花言葉は「未来への憧れ」「持続」などです。以下では、4月の代表的な行事を取り上げて、風習や過ごし方などを解説します。

エイプリルフール:4月1日

エイプリルフールとは、「4月1日に罪のないうそをついて、人をかついでも許される風習」のことです。ただし、人を傷付けるようなうそではなく、みんなが楽しくなれるような軽いジョークにとどめるのがエイプリルフールのマナーです。

エイプリルフールの文化やルールは国によって異なります。たとえば、イギリスではうそをついてよいのは午前中までとされており、午後にはネタばらしをして安心させるのが一般的です。

エイプリルフールの起源にも諸説ありますが、フランスで生まれたという説が有力だとされています。フランスでは1564年に暦が改変され、1年の始まりがそれまでの4月1日から1月1日にあらためられました。その際、暦の改変に反対する人々が、旧暦のまま4月1日に新年をお祝いし、ユニークな贈り物をしあったことがエイプリルフールの原型なのだそうです。

なお、エイプリルフールはイスラム教で禁止されているため、旅行などの際には注意が必要です。

花まつり:4月8日

花まつりは、お釈迦様の誕生を祝う仏教行事です。正式名称を灌仏会(かんぶつえ)と言いますが、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、花会式(はなえしき)などの異称もあります。お釈迦様が生まれた4月8日に開催するのが一般的ですが、なかには旧暦の4月8日や5月8日に開催する地域もあります。

花まつりでは、色とりどりの花で飾った小さな花御堂にお釈迦様の誕生像を安置し、甘茶をそそいで供養します。これは、お釈迦様が誕生したときに、9匹の龍が天から甘露水を降らせて産湯を使わせたという故事に由来する風習です。

昭和の日:4月29日

4月29日は昭和の日です。現在は祝日として親しまれている昭和の日ですが、時代とともに呼び名が何度も変わった珍しい日でもあります。昭和の日に至る経緯は以下の通りです。

天長節:1927~1947年
最初の呼称は、昭和天皇の誕生日を祝う「天長節」でした。天長節は、老子の言葉「天地長久(天は長く地は久し)」に由来し、「永久の天地のごとく天皇の治世も長く続くように」との願いが込められています。なお、日本では8世紀から昭和初期まで、代々の天皇誕生日を天長節と呼んでいました。

天皇誕生日:1948~1988年
2番目の呼称は「天皇誕生日」です。1948(昭和23)年に「国民の祝日に関する法律」が制定され、昭和天皇の誕生日である4月29日は、「天長節」から「天皇誕生日」に変更されました。

みどりの日:1989~2006年
3番目の呼び名は「みどりの日」です。1989年、昭和天皇が崩御したことで、天皇誕生日は明仁上皇の誕生日である12月23日に変わりました。そうした場合、崩御した天皇の誕生日を平日に戻すこともありますが、4月29日は大型連休(ゴールデンウィーク)に含まれており国民の生活に定着していたため、祝日として残すことに。その結果、「自然に親しみその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日」という意味を持った「みどりの日」として祝日法に定められました。

昭和の日:2007年〜
2005年(平成17年)の祝日法改正によって、「みどりの日」は「昭和の日」に改称。2007年の施行以来、4月29日は「昭和の日」となっています。それにともない、「みどりの日」は5月4日に移動となりました。

昭和の日は、国民の祝日に関する法律で以下のように定められています。

激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。

(出典:内閣府「各「国民の祝日」について」

介護施設でイベントを行う際は、利用者さんにアルバムや写真を持ち寄ってもらうなどして昔を振り返れば、楽しい時間が過ごせるでしょう。

イースター:3月末~4月上旬

イースターは、十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、3日目に復活したことをお祝いする「復活祭(※)」です。キリスト教では、生命の復活と繁栄を祝う大事な行事とされています。
※聖書には、反逆者として処刑されたイエス・キリストが、3日目の早朝に復活したことを奇跡として祝ったと記載されており、それがイースターの由来と考えられています。

イースターは、春の訪れを祝福するお祭りとしても親しまれており、街なかにイースターエッグやイースターバニーなどのシンボルを飾ったり、教会のミサに参加したりする風習があります。また、家のなかに隠したイースターエッグを子どもたちが探し出す、エッグハントというゲームも人気です。

イースターは「春分後に迎える最初の満月の次にくる日曜日」とされていて、毎年日付が異なるのが特徴です。

お花見:4月上旬~中旬

お花見の歴史は、奈良時代の貴族が中国から伝来した梅の花を観賞したのが始まりとされています。お花見は、平安時代に「桜を見ながら歌を詠む行事」へと変化し、次第に武士階級にも広まっていきました。ちなみに、お花見で三色団子が振る舞われるようになったのは、豊臣秀吉が行った「醍醐の花見」が最初だそうです。

その後、江戸時代になると庶民もお花見を楽しむようになり、春を代表する風習として現代まで続いています。

お花見の風習が始まった当初は、神社の境内に咲く桜を観賞していましたが、江戸時代に品種改良で手入れが簡単なソメイヨシノが生まれ、全国の堤防や公園でもお花見を楽しめるようになりました。お花見では、桜の木の下で弁当や花見団子などを食べるのが一般的な風習です。

現在は桜の開花にあわせて、全国各地の桜の名所や公園で桜まつりが開催され、満開の期間は大勢の花見客で賑わいます。そうした催しは世界でも認知されており、海外からの観光客にも人気です。

また、4月は入学シーズンにあたり、入園式や入学式、入社式には桜を背景に写真撮影する学生や社会人の方を目にします。桜の木を植えている学校や会社も多く、桜は「日本人の生活とともにある花」と言ってよいでしょう。

2.4月の行事食

4月は花まつりやお花見で行事食を食べる機会があるほか、イースターにあわせて卵料理を提供する施設もあります。ここでは、介護の現場にも活用できる行事食を紹介しましょう。

花まつり:甘茶・よもぎ餅

花まつりはお釈迦様の誕生日を祝う行事であるとともに、子どもの健康を祈る日でもあります。誕生像にそそぐ甘茶には厄除けや鎮静作用、抗アレルギー作用などさまざまな効能があるとされており、「甘茶を飲むと無病息災で過ごせる」「甘茶で頭をなでられた赤ちゃんは、元気で健やかに育つ」と言われます。

また、花まつりには草団子やよもぎ餅を振る舞う風習があります。作ったよもぎ餅は、各家庭で仏様にお供えするのが一般的です。

花まつり:精進料理

花まつりでは、たけのこやそら豆、うどなどを使った旬の精進料理を食べます。

たけのこは、春を代表する食材ですが、地中から空に向かって成長する姿がお釈迦様の誕生仏に似ていることから、「仏影蔬(ぶつえいそ)」とも呼ばれます。また、そら豆はさやの先が天に向かって伸びることから「仏豆」の別名を持ちます。

うどは漢字で「独活」と書きますが、それがお釈迦様が誕生したときに言った「天上天下唯我独尊」という言葉に通じることから、花まつりの精進料理に用いられるようになりました。

卵料理:イースター

イースターの代表的なメニューは卵料理です。キリスト教で生命の誕生や再生を意味する卵は、復活祭のシンボルとしても知られています。

イースターで振る舞われる卵料理には、デビルドエッグやホットクロスバンズなどがあります。デビルドエッグというのは、ゆで卵の黄身にマヨネーズやピクルスなどを混ぜ合わせ、半分に切った白身の器に盛り付けた料理です。高齢者の方や子どもでも手軽に作れて、見栄えもよいことから、アメリカではイースターの人気メニューとなっています。

一方のホットクロスバンズは、シナモンやナツメグなどのスパイスを使った生地にドライフルーツを加えて焼いたパンで、表面に十字架の模様が入っています。イギリスでは、イースター前の金曜日に、朝食でホットクロスバンズを食べる習慣があります。

また、羊の肉を使った料理もイースターの定番メニューです。

お花見:桜餅

お花見の代表的な食べ物として、桜餅を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。桜餅は、小麦粉やもち米で作った生地であんを包み、塩漬けにした桜の葉を巻いた和菓子です。桜の葉の香りと美しい桜色が特徴的で、春の季語にもなっています。

桜餅には関東風と関西風の2種類があります。関東風の桜餅は小麦粉を薄く焼いた皮にあんこを挟んだもので、長命寺餅(ちょうめいじもち)とも呼ばれます。長命寺餅という名前は、東京・墨田区にある長命寺にちなんでおり、もともとは墓参りにきた人へのおもてなしとして作られていたそうです。

一方、関西の桜餅は道明寺粉を使用したもちもちの皮で、あんを包んだお菓子です。道明寺粉を使っていることから、道明寺餅(どうみょうじもち)とも呼ばれています。

まとめ

4月の主な行事として挙げられるのは、エイプリルフールや花まつり、イースター、お花見などです。4月末には国民の祝日である「昭和の日」もあるので、施設で昭和を振り返るようなイベントを開催すれば、利用者さんに喜んでもらえるでしょう。

4月の行事食には、花まつりで振る舞われる甘茶やよもぎ餅、イースターの卵料理などがあります。また、4月は桜の季節でもあるため、おやつに桜餅を作って季節感を演出するのもおすすめです。

介護のみらいラボでは、介護の現場で働く方に向けたお役立ち情報を多数掲載しています。毎月のイベントや行事食などで悩まれている介護職の方に向けて、各月の行事情報も紹介していますので、ぜひ介護のみらいラボを参考にしてください。

※当記事は2023年12月時点の情報をもとに作成しています

●関連記事:【4月】高齢者施設におすすめのレクリエーションを紹介!

【日本全国電話・メール・WEB相談OK】介護職の無料転職サポートに申し込む

最新コラムなどをいち早くお届け!
公式LINEを友だちに追加する

お役立ち情報を配信中!
X(旧Twitter)公式アカウントをフォローする

介護職向けニュースを日々配信中!
公式Facebookをチェックする

SNSシェア

介護のみらいラボ編集部(kaigonomirailab)

介護職の仕事と生活に役立つ情報をお届けしています!「最新ニュース」「ほっとできる癒し術」「業界リーダーの貴重なインタビュー」「職場で活かせるスキルアップ術」などお役立ち情報が満載★

介護のみらいラボ編集部の執筆・監修記事

介護の仕事・スキルの関連記事

  • 介護士の常識

    2024/04/17

  • 利用者さんが亡くなったときのご家族への言葉のかけ方の基本と実例

  • 文/中村 楓(介護支援専門員・介護福祉士・介護コラムニスト)
  • 介護士の常識

    2024/04/16

  • 2024(令和6)年度介護報酬改定|処遇改善・職場環境の改善など徹底解説!

  • 文/福田明(松本短期大学介護福祉学科教授)
  • 介護士の常識

    2024/04/14

  • 共感疲労とは?介護職におすすめの対策方法5選も

  • 構成・文/介護のみらいラボ編集部 監修/赤羽克子
もっと見る