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仕事・スキル 介護士の常識 2024/04/07

還暦とは?意味や祝い方・喜ばれるプレゼントを解説

構成・文/介護のみらいラボ編集部 thumbnail.jpg

数え年61歳(満60歳)を「還暦」(かんれき)といいます。日本には、還暦を無事に迎えられたことを祝い、ますますの健勝を祈るならわしがあります。

還暦のお祝いでは、赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾(帽子)を着るのが、伝統的な習慣です。これには「魔をよける」「赤ちゃんのようにもう一度新たな人生をスタートする」といった意味が込められています。

当記事では、還暦の意味や十干十二支の考え方、還暦を祝う方法、還暦におすすめのプレゼント・NGプレゼントなどを紹介します。

1.還暦とは何歳のお祝い?

数え年の61歳(満年齢で60歳)を還暦といい、日本ではこの年に長寿祝いをする風習があります。

「還暦」をお祝いする風習は、古代中国の文化に基づいています。中国ではかつて、十干(じっかん※)と十二支(じゅうにし)を用いて月日を数えていました。日本では十二支を「干支(えと)」と呼びますが、本来は十干と十二支の組み合わせを「干支」といい、その数は60通りあります。

※10日間をひと区切りとし、1日ずつ名前をつけたもの。詳しくは、【1-1. 還暦との関わりが深い十干十二支】をご覧ください。

61歳になると、十干十二支のサイクルがひとまわりして、生まれた年と同じ干支に「還る」(戻る)ことから、この年齢を還暦と呼んでお祝いするようになりました。

還暦との関わりが深い十干十二支

十干十二支は、古代中国で用いられていた月日の数え方です。十干には「甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)」の10種類があり、十二支には「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)」の12種類があります。

先に紹介したように、干支の組み合わせは甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)、丙寅(ひのえとら)という具合に60通りあり、一巡すると再び甲子に戻ります。干支は方位や物事の順序をあらわすのにも用いられ、占いなどにも応用されました。

なお、十二支はもともと12か月の順番をあらわす呼び名でしたが、やがて12の動物が当てはめられるようになりました。十二支に動物を当てはめる習慣は、日本や中国だけでなく韓国、ベトナムなどアジア諸国を中心に、多くの国々に伝わっています。

(参考:国立国会図書館「干支①六十干支(ろくじっかんし)」

還暦は数え年と満年齢どちらで祝う?

長寿祝いは、もともと数え年で行われており、還暦の場合は数え年61歳の正月に祝うのが一般的でした。数え年は日本の伝統的な年齢の数え方で、生まれた時点を1歳とし、正月を迎えるたびに1歳ずつ増えます。

しかし、現代の日本では、生まれた時点を0歳とし、誕生日を迎えるたびに1歳ずつ増える満年齢で数えるのが主流です。

そうした変化に伴い、近年は数え年61歳の正月ではなく、満年齢60歳を迎えた誕生日に還暦のお祝いを行う方も増えています。

2023年〜2025年にかけて、満年齢で60歳を迎える方の生まれ年と十干十二支は以下の通りです。

現在の年数 還暦を迎える方の生まれ年 干支
2023年 1963(昭和38)年 癸卯(みずのとう)
2024年 1964(昭和39)年 甲辰(きのえたつ)
2025年 1965(昭和40)年 乙巳(きのとみ)

家庭によっては緑寿を祝うところもある

還暦のほかにも、60代にはもう1つ長寿祝いがあります。66歳を迎えた節目に行われる「緑寿(りょくじゅ)」です。緑寿は、「緑々寿(りょくりょくじゅ)」を略したもので、「りょくりょく」が「66」にかかっています。

緑寿は、還暦などの伝統的な長寿祝いとは異なり、日本百貨店協会が提唱してはじまりました。近年、定年年齢を60歳から65歳に引き上げる企業が少しずつ増え、数え年66歳が人生の大きな節目となる方も少なくありません。また、年厚生年金保険法改正によって年金支給も60歳から65歳に引き上げられました。

そうした背景もあって、「緑寿」というイベントが注目されるようになったのです。

2.介護業界は還暦を過ぎても働ける

現代では、還暦を迎えても働く人が増えています。もちろん、介護業界も例外ではありません。下の表は、介護職に就いている方の年齢をデータ化したものです。

【介護職の年齢】

20歳未満 0.1%
20歳以上25歳未満 1.8%
25歳以上30歳未満 4.5%
30歳以上35歳未満 6.6%
35歳以上40歳未満 10.3%
40歳以上45歳未満 13.0%
45歳以上50歳未満 15.1%
50歳以上55歳未満 14.2%
55歳以上60歳未満 12.2%
60歳以上65歳未満 8.8%
65歳以上70歳未満 5.0%
70歳以上 2.7%

※無回答者は5.7%

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査」

上の表から、介護職に就いている方の15%以上が60歳以上であることが分かります。このことから、介護業界は年齢を重ねても活躍し続けられる業界といえるでしょう。

60歳以上の方が介護職として働くメリット

60歳以上の方が介護職として働く際のメリットとして、以下の2点が挙げられます。

・利用者の方とコミュニケーションがとりやすい
・採用されやすい傾向にある(セカンドキャリアが築きやすい)


60歳以上で介護職に就いている方は、利用者さんと年齢が近く、昔の出来事や流行の話などで盛り上がれたり、利用者さんの価値観を理解しやすかったりします。これは、利用者さんとの信頼関係を構築したり、コミュニケーションを円滑に進めたりする際の助けとなるため、仕事をするうえでの大きなメリットといえるでしょう。

また、介護業界は慢性的な人手不足にあり、60歳以上の方に対して、採用の間口を広げている企業・施設も少なくありません。そのため、介護業界では還暦の方でもセカンドキャリアを築きやすい傾向にあります。

3.還暦を祝う方法とおすすめのプレゼント・NGプレゼント

還暦のテーマカラーは「赤」です。繰り返しになりますが、還暦は干支がひと巡りする節目の年です。そして、赤ちゃんだったときと同じ干支に戻ることから、生命力や再生を意味し、魔よけの力があるとされる赤がテーマカラーになったと考えられます。

還暦祝いには、赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾を身につける習慣があり、贈り物の定番になっています。

しかし、現代の60歳は「壮年期」や「中年期」に分類され、老人というイメージが薄れつつあるのも事実です。そのため、赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾ではないプレゼントを贈るケースも増えています。

還暦祝いで喜ばれるプレゼント

還暦祝いの贈り物を探しているようなら、以下のプレゼントはいかがでしょうか。

還暦祝いで喜ばれやすいプレゼント
・旅行券
・名入れギフト
・似顔絵

「仕事が忙しくなかなか旅行に行けなかった」という方、あるいは旅行好きの方であれば、旅行券はきっと喜んでもらえるでしょう。タンブラーやタオルなどに名前を入れてプレゼントするのも、特別感があっておすすめです。

また、似顔絵をもらう機会はめったにないものです。節目を祝うユニークなプレゼントとして、似顔絵を贈るのもよいかもしれません。

還暦祝いで避けたいプレゼント

還暦祝いのプレゼントとして、以下の品は避けるようにしましょう。

還暦祝いで避けるべきプレゼント
・菊の花(葬儀に使われることが多いため)
・椿の花(花全体が落ちるさまが、「縁起が悪い」とされるため)
・つえや老眼鏡(「老い」をイメージさせるため)
・お茶(香典返しに使われることが多いため)

せっかくお祝いの気持ちを込めてプレゼントを購入したのに、還暦を迎える方に喜んでもらえなければ、双方にとって残念です。知らず知らずのうちに失礼になってしまわないよう、還暦祝いの贈り物を選ぶ際は注意しましょう。

まとめ

還暦祝いのプレゼントとしては、赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾以外にも、旅行券や名入れギフト、似顔絵などがおすすめです。一方で、縁起が悪いとされるものや、「老い」をイメージさせるようなプレゼントは避けたほうがよいでしょう。

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※当記事は2023年10月時点の情報をもとに作成しています

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